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JDI元幹部が死亡 自殺か 5億7800万円着服したとして解雇
2019年12月1日 19時07分
URLリンク(www3.nhk.or.jp)
官民ファンドから公的支援を受けて経営再建中の液晶パネルメーカー「ジャパンディスプレイ」の経理担当の元幹部が巨額の資金を着服したとして懲戒解雇された問題で、元幹部が都内で死亡したことが捜査関係者などへの取材でわかりました。自殺を図ったとみられ、会社は刑事告訴していますが、詳しい経緯の解明は難しくなるものとみられます。
「ジャパンディスプレイ」は、経理部にいた元幹部が去年10月までの4年余りの間に架空の取引先の口座に業務委託費の名目で会社の資金を振り込ませるなどして、総額5億7800万円を着服したとして、去年12月、懲戒解雇するとともに警察に刑事告訴しています。
その後、元幹部から会社には、「着服とは別に、過去の決算で当時の経営陣からの指示で不適切な会計処理を行っていた」という連絡があり、会社では事実関係の調査を始めていました。
こうした中、元幹部が数日前に東京都内で病院に運び込まれ、その後、死亡したことが捜査関係者などへの取材でわかりました。捜査関係者によりますと、自殺を図って病院に搬送されたとみられていますが、詳細な状況や遺書の有無などは明らかになっていません。
元幹部の着服の疑いについては警察に刑事告訴されていますが、詳しい経緯の解明は難しくなるものとみられます。
これまでの経緯
ジャパンディスプレイが元幹部の不正について公表したのは先月21日でした。発表によりますと元幹部は、2014年7月から去年10月にかけての4年余りの間に、架空の取引先の口座に業務委託費の名目で会社の資金を振り込ませるなどして、総額5億7800万円を着服したということです。
会社の調査に対して元幹部はギャンブルに使ったなどと着服を認めたということで、会社は去年12月に懲戒解雇にしたうえで警察に刑事告訴しました。
その後、ジャパンディスプレイは、先月27日になって、元幹部から、「着服とは別に、過去の決算で不適切な会計処理を行っていた」との連絡を受けたと発表しました。元幹部から連絡があったのは前日の26日だったとしていて、不適切な会計処理を行った理由について元幹部は、「当時の経営陣から指示があった」としていたということです。
会社は、「元幹部を懲戒解雇したあと、会社の決算について入念な精査を実施しており、適切な会計処理が行われたと考えているが、事実関係の調査を始めている」としていて、今後、外部の専門家による調査も行う方針です。
ジャパンディスプレイは、日立製作所と東芝、ソニーの3社の液晶パネル事業を統合して発足したメーカーで、官民ファンドから公的な支援を受けていますが、スマートフォン向けの事業の不振などで債務超過に陥っていて、抜本的な立て直しに向けて外部のファンドなどから支援を受ける交渉を続けています。