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公開:19/10/11 15:00
「命を守るため、早めの対策、避難をしてほしい」―。9日、気象庁が注意を呼び掛けた超大型台風19号が、12日にも日本列島を直撃する可能性が高まってきた。
台風19号は、11日午前6時時点で、父島の西約380キロの海上にあり、中心の気圧は925ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートル。
予想では紀伊半島沖を北上し、その後、12日夕方から夜遅くにかけて関東付近に接近、または上陸する恐れがあるという。
◆とりわけ懸念されているのが、台風19号の予想進路上にある福島原発だ。
■東電の備えは?
福島原発は過去、台風による大雨で原発周辺の地下水位が上昇。原子炉冷却などに使われた汚染水を処理した水をためるタンク周囲の漏水防止用のせきから水があふれ出したり、やむを得ずに放射性物質の濃度が法定基準を下回る水に限って海洋放出したりしていた。
今回は超巨大ゆえ、直撃すればどんなことが起こるか分からない。原田義昭・前環境相が「海洋放出のほかに選択肢はない」と発言して問題となった汚染処理水がダダ漏れする可能性もゼロじゃないだろう。
さらに今は1、2号機の共用排気筒(高さ120メートル、直径3・2メートル)の解体作業中で、周囲には複数の巨大クレーンが稼働している。風速30~60メートルの暴風が排気筒やクレーンをたたきつければ千葉のゴルフ練習場の鉄柱倒壊どころの被害じゃ済まない。最悪、高濃度の放射性物質がまき散らかされる恐れも出てくる。福島原発の超大型台風に対する備えは万全なのか。
「汚染水をためるタンクは台風の強い風でも転倒の恐れがないことを確認しています。敷地内のケーブルやホースなどは飛散防止策を取り、コンテナなどについても(しっかりと)固定されているかどうかを再確認しています。クレーンは(風の影響を避けるために)たたみ、雨水が建屋に流入しないようパトロールなどを行う予定です」(東電広報担当者)
直撃しないことを祈るばかりだ。
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クレーンが立ち並び廃炉作業が続く福島第1原発(C)共同通信社
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