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◆ついに始まる相鉄線とJRの相互乗り入れ
11月30日、神奈川県を走る相模鉄道線(相鉄線)とJR東日本の相互直通運転が始まる(参照:相模鉄道)。
これまで首都圏の鉄道会社の中では都心へ乗り入れていなかった相鉄線が、いよいよ新宿駅(一部時間帯では大宮駅まで)まで乗り入れることになるのだ。
相鉄線沿線では地域の発展や不動産価格の上昇などを期待する声も大きい。
相模鉄道では2022年に予定されている東急東横線との直通運転とあわせて特設サイトを開設し、期待に胸を膨らませている。
だが、この相互直通運転によって被害を被る地域もある。東京都を挟んだ埼玉県さいたま市の埼京線沿線住民だ。
「長らく市内で演説をしていますが、これほど配布するチラシを受け取って貰ったことはありませんでした」
そう話すのは、さいたま市の吉田一郎市議。かつて香港の九龍城砦で暮らしていたことがあり、著書『世界飛び地大全』(角川ソフィア文庫)などでも知られる人物だ。
2007年からは、さいたま市議を務め現在5期目である。その吉田市議が演説しながら配布しているのが、月刊ペースで制作している「市政レポート」だ。その9月号の1ページ目には、こんな文字が並んでいる。
11月30日ダイヤ改悪
埼京線の本数日中3割も削減
快速は武蔵浦和まで各駅停車に
◆埼玉県側住民は利便性「悪化」!?
JR東日本が相鉄線との相互直通運転にあたっての新ダイヤを発表したのは9月6日のことだ。(参照:JR東日本)
このJRの案内には、相鉄とJRが相互直通運転を開始するのことにあわせて「埼京線をよりご利用しやすいダイヤにします」と書かれていた。
埼京線の新ダイヤの説明には初電の繰り上げと終電の繰り下げなどが記されている。
それに混じって「日中帯の運転間隔と快速列車の停車駅を見直します」と書かれていた。
終電が遅くなって便利になるかと思いきや、大宮駅~武蔵浦和駅、すなわち、大宮駅・北与野駅・
与野本町駅・南与野駅・中浦和駅・武蔵浦和駅間(いずれもさいたま市)では、大幅に利便性が下がってしまうことになるのだ。
現在、日中の埼京線大宮駅~武蔵浦和駅間には川越線直通とも直通する快速が3本と普通が6本走っている。
ところが新ダイヤでは快速がさいたま市内の全駅に停車するようになり所要時間が3分増えた上、普通電車も減ってしまうのだ。
「JRで池袋・新宿方面へは新宿湘南ラインも走っているのだから、急ぐ人はそちらに乗ればいいと考えているのでしょう。
けれども、ただでさえラッシュを過ぎても混雑してる新宿湘南ラインの混雑が激しくなるばかりです」(吉田市議)
埼京線の本数削減の背景には、相鉄との相互直通運転にあたり車両や乗務員の確保が必要になったことがあると指摘されている。
しかし、そのために埼京線の利便性を奪うのはあまりにも悪手だ。国土交通省が2018年に発表した調査結果ではラッシュ時の混雑率185%と全国ワースト10位内にランクインしている埼京線。
平日日中でも、いつも混雑が観られる路線だ。そんな路線で列車本数を減らしてしまえば、どうなるのか想像に難くない。
◆人口増なのに列車本数を減らす理不尽
吉田市議が新ダイヤの不合理さとして指摘するのは、それだけではない。
「昨年、JR九州ではダイヤ改正で列車本数の削減がありました。これは乗客が減少しているためです。ところが埼京線沿線のさいたま市内では人口増が続いており乗車人員も増えています。
大宮駅では2001年に一日あたり22万7835人でしたが2018年には25万8108人になりました。武蔵浦和駅でも3万4307人から5万3963人に増加しています。
そんな中で日中の本数を3割以上減らすのは理不尽です」
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2019年10月5日 8時33分 HARBOR BUSINESS Online
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