19/10/05 16:53:18.50 ey0q6a8i9.net
さまざまな原因から「生きづらさ」を感じる人が増えている。摂食障害、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、依存症、原因不明の身体の痛み……。精神科医の岡田尊司氏は、「そうした症状の背景には、幼少期に家庭できちんとした愛情を受けられなかったことが影響している恐れがある」という―。
■家庭のいざこざがうつのきっかけに
本来、うつ病は中高年の病であった。そして、子どもには非常に稀(まれ)なものとされていた。子どものうつに関する論文を調べても、戦前にはほとんど見当たらず、アメリカの専門医学雑誌に、ようやく一本だけ見つけ出せたが、そこに報告されていた八歳の少女のケースには、どこか現代に通じるようなシチュエーションが認められる。少女は一人っ子で、両親から、とりわけ父親から可愛(かわい)がられて育った。過保護といってもいい環境だったといえる。経済的にも裕福で、何不自由なく暮らしていた。ところが、大恐慌の影響で、父親の収入が大きく減ってしまう。しかし、贅沢(ぜいたく)に慣れた母親は出費を減らすことができず、父親はそのことを不満に思っていた。そんな悩みを相談しているうちに、父親は別の女性と懇ろになり、一線を越えた関係になってしまう。 そのことを知った母親は、非常にショックを受け、両親の間では修羅場が繰り広げられることになった。少女は、母親を裏切った父親と、半狂乱になった母親が争う場面を目にすることになったのだ。
少女は、ふさぎ込み、学校にも行かなくなってしまう。学校に行ったときには、教師がいれば、教室に入ることもできたが、教師の姿がなくなると、教室にいられなかった。その症状には、父親が家からいなくなってしまうのではないかという不安が影響していたと考えられた。
■1990年代から増え始めた子どもの躁うつ病
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■子どものうつ病はある時期爆発的に増えた
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■「ADHD」の定義があいまいになってきた
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■多動や衝動性、不注意があってもADHDとは限らない
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■1950~60年代に突如目立ち始めた「小児期の多動」
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■戦後増え始めた子どもの症状は愛情不足が原因だった
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境界性パーソナリティ障害や摂食障害、気分障害、依存症、解離性障害などについては、以前から、不安定な愛着の関与が指摘されてきた。
それに対して、ADHDは、遺伝要因の強い神経発達障害とされ、養育要因などまったく関係がないと、専門家たちも言い続けてきた。
ところが、遺伝子について調べ尽くされるにつれて、遺伝子の関与だけでは、とうてい説明がつかないということがはっきりし、近年では、遺伝要因と環境要因との相互作用による部分がかなり大きいと考えられるようになっている。中でも、養育環境の影響を受けることがわかってきたのだ。
■現代人の「生きづらさ」には愛着の問題が関わっている
たとえば、施設に保護された子どもでは、ADHDと診断される子どもの割合が、通常の何倍にもなる。虐待を受けた子どもでは、ADHDの発症リスクが大幅に高まるのだ。
この事実に対しては、ADHDだから虐待を受けやすいのだとか、親もADHDの傾向を持っているので、虐待が生じやすいのだと説明され、虐待によってADHDになるわけではないと、専門家たちも言い続けてきた。
だが、実際は違っていた。虐待は、脳の構造自体に異変を起こし、不注意や多動を含むさまざまな行動や精神の症状を生じ得るということが明白になっている。さらに、幼い頃に養子になることで養育者が交代しただけで、ADHDのリスクが数倍に高まるということもわかってきた。
ことに、虐待のケースにみられやすい「無秩序型」と呼ばれる非常に不安定な愛着を示す場合、その後、ADHD症状がみられるリスクを大幅に高めていた。しかも、親との愛着の安定性は、その子の神経機能障害の指標である認知機能よりも、ADHD症状を左右したのである。
それ以外にも、不安定な愛着がリスクファクターとなるものとして、依存症(薬物、ギャンブル、セックス、インターネットなど)、希死念慮、解離性障害、原因不明の身体疾患、慢性疼痛、虐待、DV、いじめ、離婚、非婚、セックスレスなどが挙げられる。
いずれも、今日の社会において問題となっていることばかりだ。
このように、現代人の生きづらさと苦悩の根底に、愛着の問題が関わっているということが明らかとなってきているのである。
9/29(日) 11:15配信
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
★1:2019/10/01(火) 18:57:47.79
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