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複数国籍に関するオンライン調査の結果を発表する佐々木てる青森公立大教授（右から2人目）、近藤敦名城大教授（同3人目）ら研究会のメンバー＝東京都千代田区で2019年9月9日、和田浩明撮影
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佐々木てる青森公立大教授らの研究会が2019年2月に実施した複数国籍に関するオンライン調査の結果。在日外国人に複数国籍を認めてもよいとの回答は半数を超えた＝調査結果より作成
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佐々木てる青森公立大教授らの研究会が2019年2月に実施した複数国籍に関するオンライン調査の結果。両親が外国人でも日本生まれなら日本国籍を与えてもいいとの回答は6割近かった＝調査結果より作成
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日本政府は複数国籍の保持を認めていない。だが、在日外国人などの中には承認を求める声もある。外国籍を維持したままの日本国籍取得を問題ないと考える人が半数を超えていることが、佐々木てる青森公立大学教授（51）＝国際社会学＝らの研究者グループが2月に実施したオンライン調査で明らかになった。国籍に関する問題を長年研究してきた佐々木教授に調査結果について聞いた。【和田浩明/統合デジタル取材センター】
■複数国籍で「問題なし」過半数
―調査実施のきっかけは？
◆2016年に民進党（当時）の蓮舫参議院議員に対し、「二重国籍だ」としてネット保守の人たちなどを中心に激しい非難がわき起こりました。一方で、複数国籍について各国がどんな対応をしているのか、その中で日本の制度がどう位置づけられるのかは一般によく知られておらず、日本に複数国籍の保持者が何人いるのかも分かっていませんでした。そんな中で起きた騒動の社会的背景を知りたいと思い、一般国民が複数国籍の問題をどう思うか調べてみることにしたのです。
バスケットボールの八村塁選手やテニスの大坂なおみ選手など、複数の出自を持つ人の活躍が広がる中、複数国籍の保持者に対してバッシングが起きるような状況は、健全とは言えない、という問題意識もありました。
信頼性が担保されていることを確認した上で、オンライン調査を業者に委託して実施しました。今年の2月15～18日にかけ全国の3170人から回答を得ました。複数国籍制度や複数国籍保持者、日本の政治、社会、経済について聞きました。
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■複数ルーツの人、日本でも増加見通し
―複数国籍に関する動きは今後どうなるのでしょうか？
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日本政府は今春、新たな在留資格「特定技能」を導入し、外国人労働者の受け入れ拡大に向け、かじを切りました。現実的には40～50年しないうちに、他の国・地域の出身やルーツの人は日本でもかなりの数になり、欧米並みになるのではないかと思います。こうした人たちを社会から排除しようとすれば、社会不安を生み、国益にもならないのではないでしょうか。彼らが日本で活躍していけば、今後、大きな戦争でもない限り、複数国籍を受け入れざるを得ないのではないでしょうか。
現状は、良くも悪くも「愛国心」が強まっているようで、日本が好きな人であれば外国人でも受け入れるという傾向が見られます。調査では、ある人を日本人とみなすうえで重要な要素として「日本が好きであること」を選んだ人は、「とても重要」が42.3％、「まあ重要だ」が42.4％で合計84.7％でした。
■複数国籍容認国が世界の7割超
―複数国籍を認めた場合の不利益は？
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戦争時に複数国籍者の忠誠が問題になるという指摘もありますが、これは国籍以前の問題です。第二次世界大戦中の米国では、日系人は米国籍を持っていても収容所に収容されました。戦争になれば複数国籍者はスパイと疑われたり強権発動の対象になったりして行く場所がなくなる可能性もあり、多様なルーツの人たちは反対することになるのでしょう。
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■保守化による外国人排除は懸念材料
―日本や各国で保守化傾向、外国人排斥の動きも見られます
◆日本でも、在日韓国・朝鮮人などを攻撃する「在日特権を許さない市民の会」が設立された00年代半ば以降、コアな排外主義が強くなってきました。格差社会化とリンクしていると見ています。背景には、社会・経済的不安や東日本震災による日本の混乱に対する懸念などの影響もありそうです。（続きはソース）
毎日新聞 2019年10月1日 15時33分
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