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経産省アプリ、間違い続出 消費増税、ポイント還元店検索
還元対象の店舗を地図で表示するキャッシュレス・消費者還元事業のウェブサイトの画面。平等院鳳凰堂の上に「宇治新町給油所」と表示されている=一部画像処理
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消費税増税に合わせて始まったキャッシュレス決済への国のポイント還元事業で、還元対象店をインターネット上の地図で探せるように国が公開した検索アプリの不具合が相次いでいる。店の位置と違う場所に情報が出るなどし、世界遺産で知られる平等院鳳凰堂(京都府)の真上にはガソリンスタンドが表示。制度が複雑で戸惑う消費者も多い中、混乱に拍車が掛かりそうだ。
ポイント還元は増税による消費の冷え込み防止と、キャッシュレスの普及などを目的に国が実施。資本金が五千万円以下などの要件に当てはまり、国に登録した中小事業者の店舗でキャッシュレスで買い物をすると、購入額の5%か2%がポイントとして還元される。来年六月までの期間限定で行われる。
アプリは、登録店の情報を地図上に落とし込んだもの。登録店の住所に表示されたマークをクリックすると、店名や業種、使える決済手段と還元率が分かる。経済産業省が作成して九月から公開し、現在約五十万件が表示されている。
ところが、公表直後から不具合が続出。店と全く違う場所にマークがあったり、一つの店に複数のマークが表示されたりして、経産省の窓口に苦情が多数寄せられている。
京都府宇治市の平等院鳳凰堂の地図上には、コスモ石油のガソリンスタンドのマークが二つ表示。ガソリンスタンドは対象店舗として登録されているが、鳳凰堂から西に約八百メートル離れている。三日午後に本紙が指摘するまで双方とも誤情報の表示を知らず、ガソリンスタンドの男性店員(52)は「地名も違うのに…」。平等院の広報担当者も「鳳凰堂にガソリンスタンドがあると誤解されても困る。修正を求める」と話した。
対象店舗に登録されている名古屋市中区の眼鏡店「吉粋(きっすい)。」でも、実際は対応していないQRコード決済の「LINE(ライン)ペイ」が表示されており、店長の西尾之博さん(39)は「お客さんが誤解するかもしれない」と困惑する。
経産省キャッシュレス推進室の担当者によると、各決済事業者が登録した店舗の情報をアプリに反映させているといい、「掲載内容の間違いは登録情報が誤っていた可能性が高い。位置がずれているのはシステムの不具合」と説明。順次、修正しているという。
◆「あまりに拙速」識者から批判
検索アプリで不具合が相次いでいることについて、地域経済に詳しい内田俊宏・中京大客員教授は「制度そのものが複雑な上、実施までの時間もなく、国も事業者もバタバタの対応。あまりにも拙速だったことが混乱を招いた」と批判。「使える店や還元率が分かりづらい状況が続けば、購買意欲が減退し、事業者の国に対する不信感も膨らみかねない」と懸念した。
キャッシュレス決済に詳しいファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さん(40)は「アプリは参考程度にして、どうしたらきっちり還元が受けられるのか、自分で調べて考えることが大事」と呼び掛けた。
(河郷丈史)
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