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来月から消費税率が引き上げられるのを前に、個人経営の飲食店や商店の中には、増税分を価格に転嫁するのが難しく、軽減税率に対応するための負担も大きいとして、廃業を検討しているところも出ています。
国税庁では、各地の税務署などで、主に中小の事業者を対象に消費税率の引き上げで必要な手続きについて説明会を開いています。
飲食店や商店の経営者からは「客離れなどを考えると価格に転嫁するのは難しい」「軽減税率に対応するレジの購入や複雑な手続きが大きな負担になっている」などといった不安の声が上がっています。
全国の自営業者や小規模な商店などで作る団体がことし3月、580の事業者を対象にアンケート調査を行ったところ、およそ84%の事業者が、消費税の引き上げで売り上げが減るなどの影響があるという見通しを示しました。
また、「廃業を考えざるをえない」という回答も6%あり、特に個人経営の飲食店や小規模な製造業などで影響が大きいということです。
東京商工リサーチ情報部の原田三寛部長は「中小・零細企業の中には増税や軽減税率が導入されるこの時期に事業をたたまざるをえないケースが多くあると見ている。今後も売り上げの落ち込みで廃業する事業者は増えるのではないか」と話しています。
廃業を決めた老舗の喫茶店は…
東京 新宿区で喫茶店を営む永島俊二さん(70)です。
店を開いたのは昭和44年。
競争が激しい西新宿で50年間にわたって、サラリーマンなどに愛されてきましたが、今回の消費増税をきっかけに今月末で閉店することを決めました。
常連客は「30年以上通ってきたので本当に寂しいです」などと話していました。
現在、コーヒーは1杯460円。
かつて、消費税率が3%から5%に引き上げられた際に、30円値上げしましたが、8%への引き上げの際は価格を据え置きました。
周りに大手のコーヒーショップやコンビニが増える中、今回、増税分を価格に転嫁するのは客が離れるおそれがあり難しいといいます。
また、店ではサンドイッチなどのテイクアウトも行っていますが、その場合、消費税は8%のままです。
軽減税率に対応したレジの導入も大きな負担だといいます。
永島さんは「増税分の価格転嫁はできないと思います。ウチで出しているものと価格をお客さんが満足できると思って来てくださっているので。ちょっと考えられないですね」と話しています。
何か月も悩みましたが、高齢になったこともあり、閉店することを決めました。
永島さんは「やはり寂しさがわき出てきます。朝、店のシャッターを開けて、店を営業を終えるとシャッターを閉めて、『お疲れさん』といって自分で缶ビールを1本飲んで家に帰る。その繰り返しでしたから。ほとんど、この店が自分の人生だったんじゃないかと思います」と寂しそうに話していました。
2019年9月13日 6時51分
URLリンク(www3.nhk.or.jp)
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