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いつ、誰にでも起こりうる心肺停止の怖さ。あなたができる救助の心構え
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心肺停止時には、倒れた人の服を脱がせた上で電極パッドを上半身に貼り、発生から5分以内にAEDによる電気ショックを与えることが必要です(日本救急医療財団『AEDの適正配置に関するガイドライン』)。その際の蘇生率は50%で、5分を過ぎると1分ごとに蘇生率が10%ずつ下がります。日本における救急車の到着時間は平均8.5分。つまり、救急車の到着を待たず、その場に居合わせた人(あなた)が、すぐに対応することが不可欠なのです。
心肺停止という緊急事態が起きたとき、近くにAEDがあれば命を救える可能性が高くなります。でも、倒れた人が知らない人や異性だったら?AEDは、電極パッドを上半身の肌身に直に貼って使用する必要があるため、倒れた人が異性だった際にプライバシーへの配慮が頭をよぎり、躊躇してしまうことも考えられます。心肺蘇生は一刻を争います。少しでも早くアクションを起こすことが、命を救う最大のカギとなります。そこで「つなぐヘルスケア」編集部では、フィリップスメールマガジン読者を対象に、AED使用時のプライバシーに関するアンケート調査を実施しました。
アンケート結果によると、医療従事者以外の一般の人が救助にあたる場合、「AEDを使うために異性に衣服を脱がされること」について、女性の合計86%が不快感、もしくは抵抗感を感じるとの回答結果でした(下グラフ)。さらに、プライバシー配慮については「周りの人から見えないようにしてほしい」という要望も寄せられました。
これらのアンケートの回答をふまえ、日本とアメリカでの救急救命士資格をもつフィリップス・ジャパンの成川憲司に、プライバシーに配慮した対応方法と、実際の場面での流れを聞いてみました。
「倒れた人のプライバシーをに配慮するには、 “救護者で人垣をつくる”のがベストだと思います。近くの人に声をかけてまわりを取り囲んでもらうのです。倒れた人が女性ならば、女性に多く声をかけて呼び込んでいくといいでしょう。人を呼び込むのは、救護をスムーズに行ううえでも重要です。なぜなら倒れた現場の状況にもよりますが、呼吸や意識の有無を確認する人、119番通報する人、AEDを取りにいく人、施設の管理者を呼びにいく人、救急車を誘導する人など複数の人手が必要だからです」
思ったよりも多くの人のヘルプが必要となるのですね。手助けしてくれる人は集まるでしょうか。
「不特定多数に向けた呼びかけより、『女性の方、協力してください』『そこのスーツの方、手を貸してくれませんか』など個々に向けた呼びかけが有効です。特定の人に向けて発することで“自分事”として意識が切り替わるのです」
AEDを使った心肺蘇生活動は、できれば複数の人で行うのがいいのですね。助ける人たちが人垣となれば、通りすがりの人からジロジロ見られることは少なくなります。視界をさえぎるテントやついたてがある場合は、それを使うのも効果的です。また、複数の人がいることで救命の可能性が高まるだけでなく、救助者は、倒れた人が意識を回復した後も、服を脱がしたのはあくまで救命のためであったことも立証しやすく、あらぬ疑いをかけられにくくなります。
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