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2019年8月9日 0時09分
東京オリンピック・パラリンピックに向けた暑さ対策が、「逆効果」になる可能性もあるという研究結果です。
道路の表面温度を下げるとして整備が進められている「遮熱性舗装」の効果を専門家が検証した結果、人が立つ高さの気温は通常の舗装よりも上がるケースがあったことがわかりました。専門家は「選手や観客の熱中症のリスクが高まるおそれがある」としています。
道路の「遮熱性舗装」は、路面に白などの塗装を施し太陽光を反射させることで表面温度の上昇を抑える対策で、東京都や国は、オリンピックのマラソンコースを含む100キロを超える道路で整備を進めています。
熱中症の対策に詳しい東京農業大学の樫村修生教授の研究グループは先月と今月、晴れた日の日中に「遮熱性舗装」と「通常の舗装」の路面で、気温の差を比較する調査を行いました。
その結果、「遮熱性舗装」を施した表面温度は、「通常の舗装」に比べて10度前後低くなり、これまでの国などの調査と同じような傾向でした。
しかし、高さ50センチと1メートル50センチ、それに2メートルの空間の気温を計測した結果、「遮熱性舗装」のほうが、いずれも平均の気温が高くなっていたことがわかりました。
「遮熱性舗装」の上の空間は、特に日射が強かった日には平均の気温が1.5度前後高くなり、最大で3度以上高い時間帯もあったほか、熱中症を予防するための指標となる「暑さ指数」も高くなりました。
樫村教授は、「遮熱性舗装」は太陽光を反射させやすいため、表面温度は下がる一方、反射した熱の影響で、人が立つ高さでは気温が上昇したと分析しています。
そのうえで、「遮熱性舗装は熱中症のリスクを減