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帝国データバンクが実施した調査によると、2019年6月の景気DIは前月比0.3ポイント減の45.1となり、7カ月連続で悪化した。
6月の国内景気は、米中貿易摩擦を背景とした中国景気の減速などが輸出の停滞を招き、製造業の悪化基調が継続した。
また人件費や原材料費、輸送費の負担が高水準で推移したことに加え、6月末に開催された大阪での20カ国・地域首脳会合(G20サミット)などが影響し、
域内地域を中心に物流や工事関連の低迷がみられた。
その一方で、消費税率引き上げを見据えた駆け込み需要が耐久財など一部でみられたほか、燃料価格の低下やインバウンドがプラス材料となった。
なお、景気DIが7カ月連続で悪化したのは、2009年2月(12カ月連続)以来10年4カ月ぶり。
■全10業界中、5業界で悪化。機械製造で悪化基調続く
業界別にみると、10業界中5業界が悪化、5業界が改善した。
なかでも『製造』(42.0、前月比0.9ポイント減)の減少幅は大きく、2カ月連続で悪化した。
有機化学工業製品では半導体やスマホの需要減退が響いたほか、電子部品の低迷が影響した電気機械製造で悪化基調が続くなど、
全12業種中11業種が悪化した。
また前年同月と比べると、機械製造を中心に4業種が10ポイント以上下回り、『製造』全体では8.4ポイント下回った。
地域別では、『北関東』『近畿』『四国』など10地域中8地域が悪化、『南関東』が横ばい、『九州』が改善した。
また、『近畿』ではG20サミットの開催による影響も表れた。
国内景気は、輸出の停滞や高水準で推移するコスト負担が引き続き下押し圧力となり、後退局面入りの可能性がある。
■今後は消費税率引き上げ後の消費減退や米中貿易摩擦の先行きを注視
今後は、消費税率の引き上げに向けて緩やかながら駆け込み需要が予想される。
加えて、東京五輪などの大型イベントや公共投資がプラスに働くほか、省力化需要を背景に非製造業を中心とした設備投資は堅調に推移するであろう。
一方で、消費税率引き上げ後は消費の落ち込みが懸念される。
また中国や欧州経済の減速を受けて、輸出は減少基調で推移する見通し。
米中貿易摩擦が国内景気に及ぼす影響や、米国景気およびFRB(米連邦準備制度理事会)の動向など、世界情勢を注視していく必要がある。
今後の国内景気は、消費税率引き上げによる消費減退とともに、米中貿易摩擦の先行きも懸念され、不透明感が一層強まっている。
TDB景気動向調査 調査概要
調査対象企業:2万3632社
有効回答企業:9977社、回答率42.2%
調査期間:2019年6月17日~30日
調査方法:インターネット調査