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2019年6月25日8時0分
原発事故による賠償金を東京電力からだまし取ったとして、韓国籍の男ら男女5人が逮捕される事件があり、立件された詐取額は8億4200万円に上る。このグループは金に困った会社を見つけては賠償金の請求を持ちかけ、手数料を受け取る「賠償金ビジネス」を繰り広げており、福島県警は少なくとも30社が不正請求した疑いがあるとみて調べている。(小手川太朗)
「知り合いに原発事故の損害を分析して東電に申請できる公認会計士がいる」
原発事故から1年余り過ぎた2012年4月、福島県内で運輸事業を手掛けていた男性は、ビジネスを通じて面識があった旅館の元女将(おかみ)、黒田裕子容疑者(60)=今月5日に詐欺容疑で逮捕=から声を掛けられた。
09~11年度の決算書の写しを手渡すと、10月初旬、携帯電話に黒田容疑者から「賠償金が出る決定を受けた。金額は約5千万円」と連絡があった。間もなく東電から審査に通ったという通知が届き、約5千万円が振り込まれた。黒田容疑者はその日のうちに会社を訪れ、男性は手数料として賠償金の3割、約1500万円を手渡すと、紙袋に入れて帰っていった。その後も黒田容疑者を通じて3回にわたり、賠償金を請求。子会社も含め、計1億8千万円を受け取った。支払った手数料は計5400万円に上ったと男性は説明する。
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