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【医学】「海綿から発見された物質」由来の新しい抗がん剤の全合成に日本人研究グループが成功 - 暇つぶし2ch1:ごまカンパチ ★
19/06/19 00:32:48.80 m+KR7dzY9.net
URLリンク(gigazine.net)
 日本の医薬品メーカー・エーザイとハーバード大学の岸義人教授らを中心とする共同研究グループは、
抗がん作用を持つ物質「E7130」の全合成に成功しました。
このE7130は海綿から発見された天然物をベースにしたもので、非臨床試験の結果、研究チームは抗がん作用が確認されたと報告しています。
E7130のベースとなっているのは、1986年に名古屋大学の平田義正教授と上村大輔教授によって、クロイソカイメンから単離された
「ハリコンドリンB」という物質。
細胞分裂で重要な役割を果たす微小管の伸び縮み(ダイナミクス)を阻害する作用を持つハリコンドリンBは、平田教授と上村教授によって
「マウスのがん細胞に対して非常に強い抗がん活性を示した」と報告されていて、新しい抗がん剤開発の要になると期待されていました。
しかし、ハリコンドリンBの単離方法は非常に複雑で、100段階以上の工程を踏んだ上で得られる量はほんのわずかだとのこと。
また、クロイソカイメンは実験室での飼育難度がとても高く、研究に十分な量のハリコンドリンBを抽出できるだけのクロイソカイメンを用意するのは
非常に難しいものがありました。
それでもハリコンドリンBの研究は世界各地で行われていて、主に進行性乳がんや軟部腫瘍の治療薬に用いられる「エリブリン」は
ハリコンドリルBをベースにエーザイによって開発され、2010年にはアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得ています。
今回、エーザイと岸教授らによる研究グループは31種類の不斉炭素を厳密に制御し、徹底した品質管理体制のもと、99.8%という純度で
10g以上のE7130を全合成することに成功しました。
これはつまり、クロイソカイメンからハリコンドリンBを抽出しなくても、E7130を比較的安定して供給できる方法が確立されたということ。
E7130は、ハリコンドリンB由来の微小管ダイナミクス阻害作用に加え、生体を対象とした非臨床試験において腫瘍内の血管内皮細胞を増やす作用、
さらにがん細胞の増殖・浸潤を促進するがん関連線維芽細胞を抑制する作用があることが確認されたとのこと。
岸教授は
「1992年時点では、ハリコンドリンのグラムスケールでの合成は到底考えられませんでしたが、3年前、私たちはE7130の新規合成法について
エーザイに提案することが出来ました。有機合成は、数年前には不可能であった複雑な分子の合成を可能とするほど発展したのです。
その新規合成法を用いることにより、E7130の大量合成が可能となったことについて大変嬉しく思っています」と述べました。
エーザイのリリースによると、記事作成時点では研究チームはE7130について臨床第一相試験を進めているとのこと。
天然物由来の創薬では「大量合成が可能かどうか」が大きな課題となりますが、E7130の全合成に成功したことで
新しい抗がん剤の開発は大きく前進したといえ、今後の研究にも期待ができます。


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