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日銀の公表する日本銀行券(お札)の発行高が4月末に111兆5417億円と前月比で3.7%増え、2018年12月以来4カ月ぶりに過去最高を更新した。4月下旬から5月上旬の10連休を前に、旅行や買い物などの出費に備える家計の資金需要が増えた影響とみられる。
世の中に出回る日銀券の増減には季節性がある。年末年始の資金需要が強まる12月のほか、翌月にゴールデンウイークを控える4月に伸び率が高まる傾向がある。反対に1月や5月は連休中に使ったお金が銀行経由で日銀に戻るため、前月比マイナスになりやすい。
今年4月は例年以上に長い休みを意識して、家計や企業の間で手元に現金を確保する動きが活発になった。伸び率の大きさは、4月としては1994年(3.9%増)以来25年ぶりの高水準だった。
貨幣(硬貨)の流通高も4月末は4兆8886億円と前月比0.8%増えた。2カ月連続で過去最高を更新した。
10連休前にはみずほ銀行の一部のATMで現金が不足し、利用者が一時的に引き出せなくなる事態も起きた。買い物などで現金を伴わないキャッシュレス決済が広がるなかでも、根強い「現金志向」が残っていることがうかがえる。
日本経済新聞 2019/5/13 21:40
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