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※夜の政治
福岡県知事選で武内和久氏の落選が決まり、支援者らに頭を下げる麻生副総理兼財務相=7日夜、福岡市
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二階幹事長も渋い表情
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統一地方選の前半戦となる11道府県知事選、6政令市長選、41道府県議選、17政令市議選が7日、投開票された。「自民党の堅調」が指摘される一方、党内実力者の政治力の陰りがあらわになった。麻生太郎副総理兼財務相は地元・福岡で、竹下亘前総務会長は同じく島根で、推薦した知事候補が敗れた。二階俊博幹事長も、地元の和歌山県議選で痛打を浴びた。麻生氏の敗北は、景気動向が懸念されるなか、消費税増税延期の後押しにもなりそうだ。
「誠にふがいなく、われわれの力不足だった。期待に応えられず、おわび申し上げる…」
麻生氏は7日夜、福岡県知事選で擁立した武内和久氏の惨敗の知らせに、憔悴(しょうすい)しきった様子でこう頭を下げた。
もともと、麻生氏は現職の小川洋氏の後ろ盾だったが、2016年秋の衆院福岡6区補欠選挙を機に対立を深めた。劣勢と分かっていながら、安倍晋三首相に直談判をして、武内氏への党推薦を手にした。
こうした強引な政治手法は、県連内でも反発を招いた。
同県選出の党国会議員の半数以上と、政界の第一線を退いた山崎拓元副総裁、古賀誠元幹事長らが「麻生包囲網」を敷いた。選挙戦最終盤では、山口、福岡両県を結ぶ「下関北九州道路」事業をめぐり、麻生氏の元秘書である塚田一郎前国交副大臣による「忖度(そんたく)」発言も飛び出し、決定的となった。
今後、中央政界でも、麻生氏の求心力低下は避けられそうにない。
米中対立が世界経済に影を落とすなか、安倍首相が10月の消費税増税を予定通り実施するかが注目されている。財務省を所管する麻生氏の力が落ちれば、安倍首相の「3度目の延期カード」も切りやすくなりそうだ。
竹下登元首相と青木幹雄元自民党参院議員会長らが築いた島根県の「竹下・青木王国」も崩壊寸前だ。
島根県知事選は、自民党系3人が乱立し、44年ぶりの保守分裂選挙となった。竹下氏の弟で、現在、病気療養中の竹下亘氏が支援した候補が敗れ、大半の自民党県議が担いだ元消防庁室長の丸山達也氏が勝利した。
二階氏は、地元での足腰の弱体化があらわになった。
和歌山県議選の御坊市選挙区(定数1)で、二階氏の元秘書で現職の中村裕一氏が、何と共産党新人の元市議、楠本文郎氏に敗れたのだ。2016年の市長選で、長男が現職に敗れたのに続く、痛い結果となった。
統一地方選全体としては「自民党堅調」「野党不発」といえるが、自民党としては、地方発で派閥領袖らに「世代交代」が求められる結果となった。
ZAKZAK 2019.4.8
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