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週末政治
政府方針 不法就労防止へ
4月から始まる外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、政府は外国人を雇用した事業者が厚生労働省へ提出する「外国人雇用状況の届出」に、在留カード番号の記載を義務付ける方針を固めた。偽造在留カードを使った不法就労を防ぐのが目的で、法務省と厚労省は2019年度中の運用改正を目指し、協議している。
外国人雇用状況の届出は07年10月、雇用対策法(現・労働施策総合推進法)に基づき、外国人の雇用時と離職時に、雇用主による厚労省への届け出が義務付けられた。対象には外国人技能実習生やアルバイトの留学生も含まれ、氏名や在留資格、国籍などが指定の様式に従って記載される。届け出を怠ったり、虚偽の届け出をしたりすると、30万円以下の罰金が科せられる。
法務省は月に1回、厚労省からこの届出の一覧表の提供を受けている。法務省が持つ外国人の個人データと照合して在留資格などに食い違いがないかをチェックするが、記載内容に誤記があるなどして確認が取れないケースは少なくない。
不法就労の外国人は、就労が可能と記載された偽造カードを雇用主に提示するケースが多いが、偽造カードの多くは、英数字12桁からなる正規のカード番号が転載されている。東京入国管理局が今年1月、埼玉県の偽造カードの製造拠点を摘発した際も、押収したカードには正規の番号が記載されていた。
外国人雇用状況の届出に在留カード番号の記載が義務付けられれば、一覧表から同じ番号の外国人が複数いることが容易に判明するほか、法務省のデータとの照合もスムーズになり、不法就労を防ぐことにつながる。偽造カードの所持や行使などで警察が外国人を検挙した件数は増加傾向にあり、昨年は10月末時点で523件に上った。
法務省はこれまで厚労省に在留カード番号の記載義務付けを要望してきたが、厚労省は「本来は事業主への助言や指導のための資料で、不正を確認するためではない」などの理由で消極的だった。
昨年12月に外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理・難民認定法が成立。新たな在留資格「特定技能」では、今後5年間に14業種で最大34万人の受け入れが見込まれている。それに伴い、在留期限後も日本で働き続けるなど不法就労者の増加も懸念されており、政府は対策の必要があるとしていた。厚労省は今後、審議会に諮った上で、届出様式を規定した省令を変更する方針だ。
◆在留カード=国が日本に3か月を超えて滞在する外国人に交付する身分証。自治体発行の外国人登録証明書が廃止され、2012年から導入された。固有の番号のほか、顔写真や氏名、住所、国籍、在留資格、期間、就労の可否などが記載されている。
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