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万瀬にある食品加工施設の前で、書類を確認する住民とインドネシア人一家=2019年3月2日、静岡県磐田市
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◇日本のハラール食品に不安の声
4月1日に施行する改正出入国管理法により、外国人労働者が大幅に増える。既に首都圏の飲食店やコンビニでは外国人従業員が目立ち、介護や外食、農業、建設など人手不足が深刻な産業では、外国人たちに対する期待も大きい。異文化との共生に日本は対応できるのか。厳しい食の戒律があるイスラム教徒たちは、食習慣が異なる地で、それなりの苦労がある。(中東ジャーナリスト 池滝和秀)
◇入手に苦労、通販価格も高い
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◇コーランの教え
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◇ビジネス利用に批判も
食に関してはコーランに明記されており、禁止かどうかの区別は比較的容易だ。豚や犬のほか、事故などで死んだ動物の肉、イスラムの決まりに従って処理されなかった動物の食肉、酒などを食することが禁じられている。ハラールとはアラビア語で、ハラーム(禁じられている)の対義語であり、「許されている」という意味になる。ただ、ハラールなものでもハラームなものに混ざったり接触したりすれば、ハラームとみなされてしまう。
敬虔(けいけん)なイスラム教徒たちは、宗教に基づいたハラールという考えが、日本では「ハラール認証」という一面だけに焦点が合わされ、ビジネスの材料にされていることに不信感を抱いている。前述したように、ハラールは、食可能な食材であっても、食不可なものに接しただけでハラームになってしまう。前出のディマスさんは次のように訴える。
「日本ではハラール食品がお金の目的とされているケースが多く、インバウンドを取り込むためにも使われている。つくっている人がハラールの本質を理解しているムスリムでないと、ハラールという表記があっても信用できないという人は少なくない。(顔を含めて全身を覆う)ブルカやニカーブを装っている人たちは、ハラールを名乗る飲食店でも食べないケースが多い。日本はまだまだ、イスラム教徒が安心して暮らせる社会にはなっていない」
実際にイスラム教徒たちは、食材の入手に苦労しているようだ。筆者が卵を買いに行く神奈川県藤沢市の養鶏場や、近くに住む鶏の愛好家たちの下には、生きた鶏を譲ってくれないかと訪ねてくるイスラム教徒たちがいるという。自ら屠った、宗教的に安心して食べられる鶏肉の入手に苦労していることをうかがわせる。
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◇過疎化対策で外国人に期待
とはいえ、日本では、ハラール食品の入手に苦労しているイスラム教徒が少なくないようだ。大手の食品スーパーでもハラール食品が売られていることはほとんどない。「(インドネシアやマレーシアの代表的な焼き飯料理である)ナシゴレンが売られているのを見つけたが、ハラール食品でなくてがっかりしたことがある」と、ディマスさんは吐露した。
ディマスさんの家族は、静岡県浜松市で飲食業に従事している。ハラール食品の入手の難しさから、通信販売で全国のイスラム教徒を相手にした事業にも商機があるのではないかと以前から考えていた。ただ、食品加工施設を建設するにも借りるにも、それなりの資金が必要だ。こうした中、イスラム教に関心を持っていた静岡県春野町に住む池谷啓さんがディマスさんと交流を続ける中、過疎に悩む磐田市万瀬の集落にある食品加工場が空いているという情報をもってきた。
万瀬の集落では、よもぎ餅や五平餅、まんじゅうなどを町での仕事を終えて帰宅した住民らで作り、出荷していた。ところが、住民の減少や高齢化で、仕事を終えて夜に作ったりしたが、土日も休めなくなったりして行き詰ってしまった。集落では、立派な食品加工の設備を整えた施設も使われず、頭を悩ませていたという。集落側とインドネシア人家族の利害が一致して月1万5000円の破格な賃料で貸し出すことが決まり、3月にも山奥の寒村の施設でハラール食品の製造を始め、冷凍して全国にインターネットを通じて販売する計画だ。
このインドネシア人家族7人が近くに移住することになり、外国人の力を借りた地域の活性化策のアイデアも浮上している。万瀬近くの春野町にある約9000坪に及ぶ遊休施設にイスラム教徒が礼拝するモスクやイスラム学校、技能実習生の住まいを設け、コミュニティーをつくるとともに、インバウンドの場としても活用しようという構想が持ち上がっている。
(続きはソース)
3/17(日) 10:04配信
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★1:2019/03/17(日) 17:16:26.92