19/03/13 20:33:01.63 h0DCFB8K9.net
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2019年4月、昨年末に改正された入管法の施行による外国人労働者の受け入れ拡大が迫っている。
日本は「移民」が少ない、日本は「移民国家」ではない、外国人労働者の受け入れは「移民政策」ではない―そんな言葉とは裏腹に、現実に存在するこの国では、日本人の人口が減少し続ける中で在留外国人が「300万人」の大台を目前とするまでに増加してきた。
■誰が「日本の労働力不足」を担うのか
いま日本では、外国人労働者があらゆる産業で働いています。
コンビニや居酒屋(第三次産業)、コンビニ弁当を作る工場(第二次産業)、その弁当に入っている野菜や魚をつくる農業や漁業(第一次産業)……それらの仕事をすべて技術や機械で代替できるのでしょうか。
■技能実習生はなぜ「失踪」するのか
悪名高い技能実習制度の問題を理解できるのはこの地点においてです。
つまり、特に地方の中小零細企業の人手不足を埋め合わせてきた技能実習制度において、最低賃金違反や賃金の未払いが横行する根本的な理由は企業が安い労働者を求めるからです。
この制度は日本中の企業に対してそのことを暗黙のうちに許容してきました。機械より安い労働者、日本人より安い労働者を供給してきたのです。
ここには、避けられない倫理的な問題があります。
社会全体として「移民」に頼ってでも維持すべき仕事とそうでない仕事との境界線をどこに引くべきか。
自由な労働市場で前者の担い手が確保できなかったとき、外国人労働者の人権を守りながらそのニーズを埋め合わせることはどうすれば可能なのか。
コンビニの24時間営業。国産の米、肉、野菜。福祉国家の維持に必要な医療、介護、様々な福祉の仕事。
移民をどう受け入れるかは「国のかたち」に直結しているのです。彼らの権利を犠牲にするかどうかも、もちろん「国のかたち」をそのまま表すでしょう。
■4月から何が変わるのか?
4月に「特定技能」という名の新たな就労目的の在留資格が設けられます。特定技能は1号と2号に分かれ、1号は最長5年で家族帯同ができず、2号は家族帯同も可能です。
2年、3年ではなく、それが5年、10年へと伸びていきます。その間にはこれまで以上に様々な人間関係(職場、友人、恋愛、結婚、妊娠、出産・子育てなど)が生まれるでしょうし、日本での定住を考える人もいるでしょう。
■日本は「移民国家」なのか?
昭和の終わりに94万人だった在留外国人は、平成の終わりにおよそ3倍近い264万人になりました。
では、日本の「移民」は国際的にはどれくらい多いと言えるのでしょうか。
先進国の中で日本はフランスに次いで7番目に「国内の外国籍者」が多い国となっています(2015年時点)。
この統計によれば、日本にはスウェーデンよりも、オランダよりも、ベルギーよりも、オーストリアよりも、韓国よりも、はるかに多くの外国籍者がいるということになります。
同時に、日本は「外国籍者の割合」が相対的に小さい国だということも事実です。だからこそ、これまで「日本は移民の少ない国だ」というイメージが定着してきました。
ちなみに、在留外国人264万人という数字は、世界の中で人口の少ない100近くの国全体の人数よりも大きく、日本の47都道府県の中で13番目に人数が多い京都府(約259万人)とほぼ同じです。そして今後すぐに京都の人口を抜き去っていくでしょう。
「移民政策ではない」という政府の建前に惑わされず、すでに在留外国人の4割以上、つまり100万人以上の外国人が永住資格を持ち、この国で定住していくという現実を直視するべきです。
政府は永住資格がある人や入国時点から永住資格を持つ外国人のみを「移民」として認識しているようですが、定義をいくら狭くしぼりこんだところで現実は何も変わりません。問題は定義でも建前でもなく現実だからです。
また、技術や機械で労働需要を代替できるというビジョンを持つのは自由ですが、それがすでに日本で働く外国人の生活を軽視することにつながってはいないかも問い直すべきでしょう。未来の話と現在の話は両方大切です。どちらか一方ではあり得ません。