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2019年1月24日 21時20分 朝日新聞
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自動車大手スバルが2015年から17年にかけて、社員3421人に計7億7千万円の残業代を払っていなかったことが、24日わかった。
16年に男性社員が過労自殺し、その後の社内調査で昨年1月までに判明した。スバルはこれまで1年間にわたり問題を公表しておらず、企業姿勢が問われる事態だ。
24日に男性の遺族の代理人が会見し、男性に残業代の未払いがあったと説明。さらにスバルは朝日新聞の取材に対し、未払いが多数の社員に広がっていたと明らかにした。
代理人によると、16年12月、車両工場の群馬製作所(群馬県太田市)の総務部に勤務する男性社員(当時46)が、長時間労働や上司の激しい叱責(しっせき)が原因で過労自殺した。スバルによると、同製作所の社員数人に残業代未払いがあったとして、太田労働基準監督署から17年7月に同製作所が労働基準法違反で是正勧告を受けたという。
こうした中で、同製作所では社員の残業時間を把握できていないことが判明した。そのためスバルは17年末、社内全部門の非正規を含めた社員1万7359人について、15年7月から2年間の未払い残業代の有無を調査。その結果、残業時間の記録は社員の自己申告だけで、パソコンの使用や出退勤の履歴などとは照合されず、過少申告が常態化していたことがわかった。
過少申告の理由について、社員の約6割が「(部署で決めた残業時間の)上限を超えないようにした」と回答。「上司から残業の指示を受けていなかった」との回答も約2割あったという。上司による過少申告の指示は確認できなかったとしている。スバルは「(調査結果を)隠すような意図はなく、公表すべきだとは認識していなかった」(広報)としている。