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環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効に伴い今後、海外展開に向けた「攻めの農業」が期待される。既に味や形の良い国産イチゴの人気がアジアなどで高まり、輸出に参入する産地が相次いでいる。輸出額は年々増加し、長時間の輸送でも品質が劣化しにくい新品種や保存方法を導入し、市場開拓を目指す動きも。ただ、一層のシェア拡大には、時季をずらして出荷するなど産地間の連携強化が鍵を握るとの指摘がある。
「海外のバイヤーから高い評価を得ている」。2017年から新ブランド「恋のぞみ」の国内出荷を始めたJA熊本うき(熊本県宇城市)の米田真希主任は自信満々だ。実が硬く傷みにくいのが特長で、費用の安い船の輸送でも品質を保ったまま店頭に届けられるという。香港への本格的な輸出を近く始める計画だ。
この品種を開発した農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)によると、長崎、熊本両県で採用され、今季の作付面積は昨季の約4倍の見通し。他県からも問い合わせがあるという。
和歌山県は独自開発した「まりひめ」を、19年の春節(旧正月)に合わせて輸出する構え。国内最大産地の栃木県も14年に果実が大きく甘味が強い「スカイベリー」を導入し、マレーシアなどへの輸出を強化している。
農林水産省によると、17年のイチゴの輸出額は約18億円で、5年前の約10倍だ。香港などアジアを中心に贈答品として高価格で取引されている。
04年から香港への輸出を続け、国内産トップブランドに位置付けられる「あまおう」の産地、福岡県は米国で販売促進フェアを開くなど新規輸出先の開拓に余念がない。
宇都宮大発のベンチャーは、イチゴを個別包装するカプセル形式の容器を商品化した。開発者の柏崎勝・農学部准教授は「品質の維持に貢献し、世界で新しい市場を生み出したい」と意気込む。
輸出を強化する背景には、国内市場縮小への危機感がある。和歌山県の担当者は「海外で地位を築かなければ農家の所得増は望めない」と話す。
海外市場では、米国や韓国産などライバルも多い。日本青果物輸出促進協議会の幹部は「(国内産地の競合による)値崩れや共倒れを避けたい。国内産イチゴを店頭に一年中並べるなど、購買層を広げる努力も重要だ」と指摘している。
2019.1.3 07:25
SankeiBiz
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