19/01/02 08:49:25.45 CAP_USER9.net
エコで健康的な食生活の代名詞でもあるオーガニック野菜だが、最新の研究では、有機農法のほうが二酸化炭素をより多く排出し、地球にダメージを与えるというから驚かされる。有機農法は地球にやさしくなかったのだ。
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画像は「Wikipedia」より
■有機農法は二酸化炭素を70%多く排出
エコで持続可能な社会を目標に掲げる人々の食生活を象徴するもののひとつがオーガニック野菜だが、驚くことに有機農法は地球に“厳しい”ことが最新の研究で報告されている。
米・プリンストン大学やスウェーデン・チャルマース工科大学などをはじめとする国際的な合同研究チームが先日、「Nature」で発表した研究では、有機農法は従来型農法よりも二酸化炭素を70%も多く排出するという驚きの研究結果をレポートしている。
有機農法によって地球の温暖化が進むというのはにわかに信じがたいが、その根拠は実にシンプルで、単純に耕地面積の問題である。
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「Daily Mail」の記事より
そもそも森林は大気中の二酸化炭素を吸収し酸素を発生させて地球温暖化に抗ってくれる貴重な存在だ。農地面積あたりの収穫量が低い有機農法を拡大していけば、このかけがえのない森林を伐採して耕作地を確保することになり、皮肉なことに二酸化炭素排出量が大幅に増えてしまうのだ。
研究チームは有機農法のための森林伐採による二酸化炭素排出量を評価するために「炭素機会費用(Carbon Opportunity Cost)」と呼ばれる新たな概念を定義して、有機農法のリスクを警告している。
「スウェーデンのエンドウ豆の有機栽培は、これまでの農法よりも50%も多く気候にダメージを与えることが今回の研究で示されました。食材によってはその影響に大きな違いがあり、たとえば、スウェーデンの有機冬コムギの場合、そのダメージは70%近くに増えます」(研究より)
そして問題は農作物だけにとどまらない。無農薬のエサで育てる有機畜産物は一部で需要が増しているのだが、こうした有機畜産物の飼料を製造するために、さらに多くの有機栽培耕作地が必要になってくるのである。
70億を超えてさらに増え続けている世界人口だが、オーガニック野菜、オーガニック畜産物の需要がさらに増していけば耕作地のために森林が伐採されて温室効果ガスの排出がますます加速することになる。地球にやさしいはずであった有機農法が地球温暖化に加担することになるとすれば残念としか言いようがない。
■牛肉とラム肉の生産と消費を止められるのか?
オーガニック食品の支持者が増えれば増えるほど、地球温暖化のリスクが高まるという皮肉な結果が示唆されているのだが、研究チームによれば我々がフードアイテムを選ぶことでこうしたリスクが軽減されることを指摘している。
「従来型の牧畜で生産された牛を食べるよりも、オーガニックな鶏肉や豆類を食べたほうが環境に対してはるかに良いことです」(研究より)
つまりフードアイテムを選ぶことで、環境へのダメージを和らげられるのである。研究チームによれば食料生産において最悪なのが牛肉とラム肉で、我々が牛肉とラム肉、加えて乳製品を食べる習慣をやめて、もっぱら豚肉、鶏肉、魚介類、卵、豆類を食べるようにすることができれば、有機農法の地球へのダメージを軽減できるということだ。
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「Big Think」の記事より
牛肉とラム肉の生産と消費をやめるか大幅に縮減することが暗に示されているのだが、はたしてそんなことができるのだろうか……。これを先取りするかのようにアメリカでは“人工肉”の研究開発が盛んに行われているが、地球環境のためにも今までの食のありかたが見直されるべき時期に来ているのだろう。
(文=仲田しんじ)
タコソース
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