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狙いはカジノ?巨費投じる大阪万博の「うさんくささ」
12/16(日) 9:30配信
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
2025年の開催が決まった大阪万博。テーマには前向きな言葉が並んでいますが、開催ありきでコンセプトは後回しになっています。毎日新聞の位川一郎・紙面審査委員が「この万博は、うさんくさい」と問題提起します。【毎日新聞経済プレミア】
2025年の大阪万博開催が決まりました。それを受けた11月24日以降の新聞各紙を見て、正面から開催を批判する声が少ないことに驚きました。「決まった以上は盛り上げよう」という空気です。しかし、この万博は、私には「うさんくさい」としか感じられません。
◇開催ありきでコンセプト後回し
まず、何のために開くのかさっぱり分からない。万博誘致委員会のホームページによると、テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。サブテーマは「多様で心身ともに健康な生き方」「持続可能な社会・経済システム」です。「最先端技術」「ライフサイエンス」などもキーワードのようです。
前向きな言葉が並んでいますが、あまりに漠然としていてぴんと来ません。スポーツの大会や芸術の祭典なら見に行く目的がはっきりしています。この万博に、見に行きたくなる魅力があるのか不明です。
開催ありきでコンセプトが後回しになっていると推測せざるをえません。入場者見込みは約2800万人ですが、可能なのでしょうか。
◇パリは「財政上の懸念」で撤退
第二に、お金がかかりすぎます。計画では、会場建設費の約1250億円を含めて計約3040億円が必要とされ、国、大阪府・市などが負担します。これだけでも巨額ですし、今後さらに膨らむかもしれません。
「健康」のためなら、医療や社会保障に直接お金を回した方がずっと効果的に思えます。「持続可能な社会」をうたうなら、こんな大規模イベントに資金と資源とエネルギーを投じること自体が逆行に見えます。
五輪ですら名乗りを上げる都市が減っています。25年万博では、有力候補だったフランス(パリ)が「財政上の懸念」を理由に撤退しました。
第三に、カジノとの併設。「うさんくささ」の最大の原因はここです。万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)では、カジノを含む統合型リゾート(IR)を先行して開業させる構想があり、万博の跡地はIRの拡張に使われる可能性があるようです。「万博」と「カジノ」にはどう考えても親和性がありません。
東京新聞の11月30日朝刊「こちら特報部」に、こんな記述がありました。「IR構想は反発が根強い。宿泊施設や国際会議場の建設、道路や鉄道の整備も簡単ではない。だが万博を大義名分にすれば整備も進めやすい」。なるほどそういうことかと思いました。
◇バブル崩壊と五輪誘致失敗の「負の遺産」
報道によれば、1977年に造成が始まった夢洲は、バブル経済の崩壊や08年夏季五輪の招致失敗などで整備が進まず「負の遺産」と呼ばれてきたそうです。一発逆転を狙ったのが万博とIRなのでしょう。関西の浮上を切望する気持ちも多少はわかります。
しかし、万博の経済効果は一過性だし、IRの行方は不確かです。このまま突き進むと、負の遺産がいっそう大きくなり国民・府民の負担も膨らむリスクがあります。必要なのは「損切り」する勇気ではないでしょうか。
東京にいるから言えるのかもしれませんが、私は大阪万博はこれからでも返上した方がいいと思います。日本の信用が多少損なわれても、国際的に多大な迷惑をかけるというほどではないでしょう。今回投票で敗れたロシアかアゼルバイジャンが代わりに開催してくれるかもしれません。
それでも返上は無理だというなら、可能な限り小規模にして費用を抑えてほしい。そしてIRの誘致もやめてほしい。長い目で見て損失を小さくすることに全力を注ぐべきだと考えます。