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2018年12月4日12:35
◆もんじゅ後継炉が21世紀中頃に運転開始へ
2016年末にようやく廃炉となりながら、廃炉を想定してない設計だったことから、冷却用ナトリウムを抜き取れない問題が発覚した高速増殖炉「もんじゅ」。
フランスと日本が共同で進めていた高速炉の開発も、2019年で研究を中断し、2020年以降は予算を付けない意向をフランス政府が明らかにしており、日本の核燃料サイクルを中核とした原子力開発は遂に頓挫したかと思われました。
しかし日本政府の作業部会が12月3日、その「もんじゅ」の後継となる高速炉の運転を開始する時期について、「21世紀半ばごろ」を目標とする計画の骨子案を提示しました。これを踏まえ、国の高速炉開発会議が年内をめどに最終的な計画を策定する予定です。
作業部会は「運転開始されることが期待される時期」を「21世紀半ばごろ」とし、その背景として通常の原発の燃料となるウランの需給の見通しなどから「高速炉の本格利用が期待されるタイミングが21世紀後半」となる可能性があるとしています。
なお、骨子案では、電力の自由化や再生可能エネルギーの進展など、原子力を取り巻く環境には不確実性があるとしています。そのため当面5年間は、民間の競争を促して有望な技術の提案を募り、その後環境の変化などを踏まえた上で、場合によって開発の在り方を見直すとのこと。
◆フランス撤退により日本単独開発へ
実際問題としては上記のように日本も既に約200億円を投じていた高速炉「ASTRID」の開発がフランスで凍結されてしまったため、今後は単独で開発するしかありません。
また、時を同じくしてトルコで日本政府と三菱重工業などの官民連合で挑んだ原発新設も、建設費が当初想定の2倍近くに膨らんだ事から断念に追い込まれるなど、原子力を巡る世界の状況は右肩上がりではありません。
◆世界的な潮流に逆らう形の原子力推進
現時点で既に原子力発電という技術は民間企業にとって魅力的でも有望でもなく、再生可能エネルギーに取って代わられている現状を無視することはできません。
世界各国が官民共に重点的に取り組んでいる現状を見れば、21世紀中頃に再生可能エネルギーが飛躍的に進歩して原子力が危険な時代遅れのエネルギーになっている可能性も十分考えられます。
これ以上原子力にこだわり続け、多くの税金や人的リソースを注ぎ込み続けることは、日本の再生可能エネルギー分野での出遅れをより致命的なものにすることになります。
さらに、もんじゅを巡って延々と露呈し続けた原子力機構のガバナンス能力のお話にならない低さ、そしてもんじゅが実際にほとんど稼働することもなく廃炉となった事実を考えれば、数兆円規模のリソースを投入しながらまともなリターンを得られない結果も十分すぎる程に考えられます。
国に金がないとされ、人手不足も深刻である以上、こうした莫大な無駄を続ける余裕はないはずなのですが…?
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