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欧州ニュースアラカルト
サマータイム EUは廃止の是非を検討
Texts by 八田浩輔
2018年8月9日
安倍晋三首相が、2020年東京五輪・パラリンピックの暑さ対策として、国全体の時間を夏季だけ早めるサマータイム(夏時間)の導入について検討する意向を示した。一方、夏時間を導入している欧州連合(EU)は、廃止の是非についてこの夏に本格的な検討を始めた。健康への悪影響など「利益よりも不利益が大きい」として廃止を望む声があるためだ。
フィンランドが提案
EUの欧州議会は今年2月、行政執行機関の欧州委員会に対し、夏時間がもたらすさまざまな影響を徹底的に評価した上で、必要な場合は改正も検討することを求める決議を採択した。これを受けて、欧州委は夏時間を変更すべきか否か、域内の市民を対象に7月から意見募集を行っている。
現在、EU加盟国が共通して採用する夏時間は、3月の最終日曜日から時計を1時間早めて10月の最終日曜日に元に戻す。夏時間は夜間のエネルギー消費を減らすことなどを目的に、第一次大戦中のドイツで最初に導入された。欧州では同じころ、他の多くの国でも一時的に採用され、石油危機を受けて1970~80年代に再導入されて現在に至る。
省エネ以外にも、明るい時間帯に職場や学校から帰