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2018年07月16日 06時00分 西日本新聞
改正労働者派遣法の施行から9月30日で3年を迎えるのを前に、ベテランの派遣社員を中心に「雇い止め」に遭うケースが相次いでいる。改正法では、同じ職場で働くのは最長3年で、超える場合は派遣元が派遣先に直接雇用を依頼する-などの雇用安定措置が義務化された。その義務が発生する前に契約を解除すれば、企業側は高待遇の正社員などに登用しなくて済む。労働者側からは「法の趣旨に反する派遣切りだ」と批判が出ている。
大分県内の製造会社に勤めていた40代のAさんは、専門書類の作成業務を15年以上担ってきた。今年2月、契約は夏までと告げられた。3カ月更新で働いてきて、法改正から2年9カ月での雇い止め。あと1回更新すれば、希望していた正社員への道が開けるはずだっただけに「十数年を無駄にした」と肩を落とす。
同じ会社で秘書として10年勤めるBさん(42)も今夏で雇い止めになった。仕事量は正社員と同等で残業もこなしてきたが、時給は1030円。昇給は10年で10円だった。次の仕事を探すため、前倒しで春に退職を願い出たが、上司には「ちゃんと引き継がないと正社員の新人がかわいそう」と聞き入れられなかった。
法改正は派遣労働者のキャリアアップなどを目的としている。ただ、派遣元から直接雇用を依頼される派遣先にとって、受け入れは努力義務にとどまるため、当初から実現の可能性は低いと指摘されてきた。
労働問題に詳しい井下顕弁護士(福岡市)は、9月末までに2人のようなケースがさらに増えるとみており、「派遣社員を切り捨てないための改正だったはずなのに、大量の派遣切りにつながっている。ただ、違法とはいえず、間接雇用の救済措置も少ない」と指摘する。
弁護士らでつくる「非正規労働者の権利実現全国会議」(堺市)は昨年9月から、派遣労働者を対象にアンケートを実施。5月12日までに95人から回答があり、うち43件は「法律を言い訳に雇い止めになった」などの相談だったという。事務局は「既に諦めている人も多いのではないか。声を寄せてほしい」と呼び掛ける。
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