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早稲田大学のフェイガン・ティモシー教授らの共同研究グループは、1979年に南極地域観測隊が採取した隕石から、太陽が誕生して間もない頃に形成されたと考えられるシリカを世界で初めて発見した。
研究グループに名を連ねているのは、総合研究大学院大学・教育開発センターの小松睦美氏、早稲田大学教育学部理学科地球科学専修のフェイガン・ティモシー氏、ハワイ大学地球物理惑星科学研究所のクロット・アレクサンダー氏、同・永島一秀氏、ハーバード大学地球惑星科学部のペタエフ・ミハエル氏、国立極地研究所の木村眞氏、同・山口亮氏らである。
さて、シリカについて解説しよう。シリカは、結晶構造によらない二酸化ケイ素の総称であり、一般には水晶の名で知られるものである。石英ともいう。地球表層ではさほど珍しくもないのだが、地球外ではほとんど確認された例がない。形成時の温度圧力条件によって、クリストバライト、トリディマイト、そして石英へと相転移する性質を持つ。
今回研究に使われた隕石は太陽が形成された頃の隕石、すなわち始原的隕石(コンディライト)である。恒星の若い時期にその周辺に結晶状のシリカが発生する可能性は既に指摘されてはいたが、それを裏付ける証拠は少なかった。その証拠となったものが今回の発見である。
この発見をもとに、太陽系での物質進化の解明は一段と進む事が期待されるという。
なお、今回の研究に使われた隕石は、現在はやぶさ2による探査で話題の小惑星リュウグウとも近い起源のものと見られるという。すなわち、リュウグウの表面にも似た物質が存在している可能性がある。小惑星探査とも組み合わせた総合的研究によって、太陽系内での物質移動についての知見が大きく広がることが期待できる。
なお、研究の詳細は、米国電子ジャーナルProceeding of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)に掲載されている。(藤沢文太)
2018年7月8日 21:20
URLリンク(www.zaikei.co.jp)
原始太陽系星雲のイメージ図。左図はシリカ結晶(SiO2)構造の図。赤色粒子はシリコン原子、青色粒子は酸素原子を示す。右上図は今回発見したアメーバ状かんらん石集合体の電子顕微鏡写真。
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