18/07/06 12:04:44.55 CAP_USER9.net
URLリンク(www3.nhk.or.jp)
気象庁の「特別警報」
平成29年7月の「九州北部豪雨」でも発表されるなど、ことばをご存じの方も多いと思います。
通常の警報と何が違うのか、どんなときに発表されるのか、発表されたときどう行動すればいいのか。
社会部(災害担当)の森野周記者が詳しく解説します。
「特別警報」は現在の警報の基準をはるかに超えるような重大な災害が起こる危険性が非常に高いときに
最大級の警戒を呼びかけるため気象庁が平成25年8月末に導入しました。
ひとことで言うと、 多くの命に関わる非常事態になっていること、深刻な状態になる可能性が高いことを端的に伝えるための情報です。
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これまでの大雨や台風の気象災害では、平成29年7月の「九州北部豪雨」や平成27年9月の茨城県の鬼怒川の堤防が決壊するなど
大規模な浸水の被害が出た「関東・東北豪雨」などで発表されました。平成29年9月1日現在、7回にわたって発表されています。
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(左)九州北部豪雨 (右)関東・東北豪雨
なぜ、通常の「警報」だけではだめなのか
その背景には過去の大きな災害の際に「大雨警報」や「記録的短時間大雨情報」「土砂災害警戒情報」などの従来の防災情報を
繰り返し発表したにも関わらず、避難や被害防止に結びつかなかったという教訓があります。
特に、平成23年、紀伊半島を襲った台風12号による豪雨では、降り始めからの雨量が1000ミリから2000ミリに達する
記録的な大雨になりましたが、地元の自治体からは「雨量の数値だけを聞いてもどのくらい危険な状態なのかがわからなかった」
という意見が相次ぎました。
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気象庁は、強い危機感をわかりやすく伝え、身を守ってもらうために、平成25年法律を改正して「特別警報」の新設を決めました。
「特別警報」は災害の種類ごとに発表されます。
気象分野では「大雨」と「大雪」、「暴風」、「暴風雪」、「波浪」、それに「高潮」の6種類です。「洪水」については、
「氾濫危険情報」など、すでに河川ごとの情報があることなどを理由に導入が見送られています。
「50年に1度」で発表
「特別警報」が発表される「重大な災害の危険性が非常に高い」とはどのような状況なのでしょうか。
気象庁は、その地域で50年に1度あるかないかの現象が起きている場合、または発生が予想された場合に「特別警報」を
発表することにしています。地域差はありますが、発表基準は「50年に1度」の大雨や暴風、波浪、暴風雪、それに高潮などです。
このうち、大雨は、これまでに発表された「九州北部豪雨」や「関東・東北豪雨」のほか、過去の災害にあてはめると該当するのは、
平成12年の「東海豪雨」、平成16年の「福井豪雨」、平成23年の「台風による紀伊半島の豪雨」などです。
台風が発達して中心の気圧が極端に低くなった場合には接近する前に暴風や高波、高潮のおそれがあるして「特別警報」が発表される
こともあります。過去の災害では、東海地方が高潮に襲われ、5000人を超える犠牲者が出た昭和34年の「伊勢湾台風」が該当します。
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「特別警報」に該当する災害ではいずれも、広範囲で甚大な災害につながっています。全国的に見ても、1年に1度、
あるかないかの極めて“まれ”な現象で、発表された場合は最大級の警戒が必要なのです。
「特別警報」2つの課題
私たちが避難などの行動につなげるために、大雨の特別警報には2つの大きな課題があることを知っておいてほしいと思います。
1つは重大な災害につながるような大雨でも発表されないケースがあることです。
例えば、39人の死者・行方不明者が出た平成25年の伊豆大島の土砂災害、77人が犠牲になった平成26年の広島市の土砂災害では、
特別警報は発表されていません。
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(左)伊豆大島 (右)広島市