18/05/08 12:04:50.90 CAP_USER9.net
JR東日本(東日本旅客鉄道)の最大労働組合「東日本旅客鉄道労働組合」(以下、東労組)からの組合員の大量脱退が止まらない。4月末では3万人を超えたようだ。
会社側によれば、4月1日までの脱退者数は約2万8700人だった。その後の1カ月間で脱退の動きは落ち着きつつあるものの、2月1日時点で組合員が約4万6800人もいたことを考えると、依然として異常事態が続いている。同時に、約3万人の組合脱退者は今後、どういう選択をするのか、あらためて労組のあり方が問われている。
■春闘の戦術行使に「お詫びと反省」
大量脱退のきっかけとなったのは、今年2月19日の東労組によるスト権行使の予告だった。その後、ストは回避され、春闘も妥結したが、脱退者は増え続けた。突然のスト権行使予告に対し、政府が「東労組には革マル派(日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派)が浸透している」との答弁書を出したことも大きく影響した。
東労組は4月6日に臨時中央執行委員会を開催し、中央執行委員長らの執行権停止などを決議、新体制へ向けて動きだした。12ある地方本部のうち東京、八王子、水戸の3つの地方本部から反発の動きがあったが、12日には「職場の声を尊重し(中略)新たなJR東労組を創りあげよう」をスローガンに第35回臨時大会を開催した。
前回、4月10日に東洋経済オンラインが報じたのはここまでの経緯だ(JR東労組、組合員2.8万人「大量脱退」の衝撃)。そして12日に開かれた臨時大会では、3月6日に東京・八王子・水戸の3地方本部が各労働委員会に申し立てていた会社側の不当労働行為(組合脱退強要)の告発を゛いったん”取り下げること、春闘で大量脱退を招いた闘争本部(執行部)の14名を対象に「制裁審査委員会」を設置することなどが決められた。大会後、東労組のホームページには春闘の戦術行使についてのお詫びと反省が載せられ、同時に「脱退を余儀なくされた皆さん、JR東労組への再結集を強く呼び掛けます」とした。
東労組の新体制は、6月に予定されている定期大会で確立される見通しだが、東労組関係者によれば「もともと予定していた会場での開催は難しい状況だ。組合員の大量脱退が影響し、開催費用などを見直し、会場も変更して実施することになりそうだ」という。
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一方、会社側は、4月末に期限が迫っていた36協定(労働基準法36条に基づく、時間外・休日労働に関する協定)の締結に追われた。
会社は従業員を法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて労働させる場合や、休日出勤をさせる場合には、あらかじめ労組と36協定を結び、労働基準監督署に届け出なければならない。JR東日本では36協定の失効が4月末に迫っていた。つまり、新たな協定を結ばなければ、多くの従業員の休日出勤などが不可能になり、鉄道運行に支障を来す可能性があった。
JR東日本には、従業員数名から数百名まで大小約650もの事業所があるが、36協定は各事業所ごとにその代表者と締結する。これまでは、ほとんどの事業所で過半数を占めていた東労組が代表者となっていた。だが、組合員の大量脱退で過半数に満たない事業所が大半を占めることになった。
■「社友会」を通じて36協定締結
過半数の労組がない事業所では、投票によって代表者を決めなければいけない。東労組関係者によると、会社側は脱退者の受け皿として「社友会」という親睦団体を設立、脱退者が多い事業所では社友会が過半数の代表者になり締結を進めてきたという。ただ、会社側は「社友会は本社・支社など事業所ごとに自然発生的にできたもの」と関与は否定している。
深澤社長が全社員に送った「職場規律の厳正について」。「現在においてもなお~見過ごすことが出来ない問題事象が発生している」「就業規則に則り、厳正に対処します」など厳しい言葉が並んでいる(編集部撮影)
>>2以降に続く
2018年05月08日
東洋経済オンライン
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