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東京大学は27日、論文5本に研究不正があったと認定した、渡辺嘉典元教授を懲戒解雇相当の処分とし、発表した。処分は19日付。渡辺元教授は2月に退職しており、退職手当を支給しないことも決めた。
渡辺元教授は、生殖細胞ができるときに起こる減数分裂の際に大切な役割を果たすたんぱく質を見つけて「シュゴシン」と名付け、2004年に発表。減数分裂の研究で15年度の朝日賞を共同受賞した。
東京大が不正を認定したのは、シュゴシンの働きなどを調べた08~15年の5本の論文。グラフや画像の捏造(ねつぞう)や改ざんがあったとした。5本のうち、1本は撤回、2本は訂正、残り2本も訂正の手続き中という。
渡辺元教授は「今回の調査で明らかになった私の落ち度を認め、深く反省しております。その結果もたらされた影響について、科学コミュニティー、全ての関係者に心よりおわび申し上げます」とコメントした。
羽田正・副学長は「決して許されるものではなく、厳正な対処をした。再発防止にあたっていく」との談話を出した。