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重~いランドセル、中身増え平均7キロ 小1「肩凝る」
2018年3月26日05時03分
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我が家には来春、小学1年生になる5歳の娘がいます。人一倍小柄なため、ランドセルが歩いているような子どもを見かけると、「ちゃんと通学できるだろうか」と今から心配になります。入学シーズンを前に、ランドセルの重さについて、考えてみます。
最高9.7キロ 増える中身
近ごろの小学生は、どれぐらい重いランドセルを背負っているのでしょう。東京都内の小学校に通う1年生の女児(7)に、中身を見せてもらいました。教科書4冊に加え、ノート、ドリル、プリント類で、ランドセルと合わせると計5キロ。この日は金曜日だったので、外履きやエプロンなどを入れた重さ1.3キロのサブバッグも持っていました。
体重22キロの女児にとっては相当な負担のようで、ランドセルを下ろした途端、「肩が凝っているから、モミモミして」と母親(39)に訴えました。母親は「骨格に影響が出ないか、心配です」と話します。
子どもに関わる消費ビジネスが専門の大正大学の白土健教授は、昨年11月、東京都内の民間の学童保育に通っている1~3年生20人のランドセルの重さを調べました。側面のフックに給食袋や体操着袋などをかけている場合は、そのままの状態で量りました。その結果、平均の重さは約7.7キロで、最高は9.7キロでした。
調査は、友人から話を聞いたのがきっかけでした。小学校に入学したての友人の子どもがランドセルを背負うと、あまりの重さに、後ろにひっくり返りそうになったそうです。「自分が子どものころは、じゃんけんで負けた子が他の子の分も持って帰るという遊びをしましたが、いまの時代はとても無理ですね」
なぜ、これほど中身が重くなったのでしょう。白土教授は、その一因に、教科書のページ数の増加を挙げます。
一般社団法人・教科書協会の調査によると、「ゆとり教育」時代だった2005年度、全教科の教科書のページ数(1~6年合計、各社平均)は4857ページでした。しかしその後、「脱ゆとり教育」を反映した学習指導要領が実施されると、15年度のページ数は6518ページと、10年前に比べ34%も増えました。18年度からは道徳も教科になるので、さらに1067ページ分が加わる計算です。
それに伴い、ランドセルの大型化も進みました。ここ数年は、A4用紙をとじるファイルがすっぽり入る「A4フラットファイル対応」をうたうランドセルが増えています。
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そもそもランドセルはいつから使われるようになったのでしょう。
メーカー35社が加盟するランドセル工業会によると、日本で初めてランドセルが使われたのは、学習院初等学科だそうです。1887(明治20)年に伊藤博文首相が、軍隊用背?(はいのう、オランダ語でランセル)をベースにした箱形通学かばんを後の大正天皇の入学祝いとして献上したのが始まりとされます。戦前は高級品で、一般に広まったのは戦後と言います。
林州代会長によると、工業会ではランドセルの内寸を縦31センチ、横23.3センチ以下と決めており、重さは1000~1600グラム程度と言います。「大型化は進んでいますが、背板を軽くするなど工夫しているので、親世代が使っていたものと重さ自体は変わらないんですよ」。技術的にはもっと軽くすることは可能ですが、耐久性を考えると、これ以上、革を薄くすることは難しいそうです。
林さんは、ランドセルには過去3回、転換期があったと言います。1度目はランドセル廃止運動が広がった1960年代、2度目は急速に大型化が進んだ70年代、3度目は24色を展開するメーカーが出現した2000年代です。「ランドセルが生き残れたのは、日本製にこだわり6年間の修理対応を保証していることや、形を変えないで進化していることが大きいと思います。6年間、毎日使っても壊れないかばんは、世界中を見渡してもランドセルだけです」
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