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私立大の経営難 円滑な再編と統合を促したい
2018年1月22日 6時0分
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少子化が進む中で、約600もの私立大学を維持していくのは難しい。
大学の魅力を高めるだけでなく、再編・統合に踏み切る決断も必要だ。
私立大・短大を運営する660法人の17%にあたる112法人が経営難に陥っている。読売新聞の情報公開請求を受けて、国の補助金を交付する日本私立学校振興・共済事業団が、法人名を伏せて初めて数値を開示した。
各法人の財務資料を基に、経営面のリスクを算出した結果、2019年度末までに破綻の恐れがある法人は、21に上った。20年度以降については、さらに91法人に破綻の危険性がある。
危機意識が薄く、立て直しが遅れている大学は少なくない。突然の経営破綻は、学生に重大な不利益を及ぼす。事業団は文部科学省と連携し、経営改善に向けた指導を強化してもらいたい。
ここ数年横ばいだった18歳人口は、今年から再び減少期に入る。「大学の2018年問題」と言われる。大学進学率は5割に達しており、大幅な上昇は望めまい。
一方で、規制緩和により、私立大はこの15年間で約100校も増えた。このままでは、学生確保が厳しさを増すのは間違いない。
私立大の約4割、短大の7割近くは定員割れの状況になっている。運営費の9割は授業料で賄われており、減収は経営に直結する。定員の充足率に応じて、国の補助金もカットされる。
特に厳しいのは、地方の中小の大学や都市周辺の小規模大学だ。既に12私立大が廃止された。経営破綻は若者の流出を加速させる。地方での教育機会も減少する。
政府は新たな交付金を設け、地方の大学が人材育成や研究などで自治体、企業と連携する取り組みを後押しする。意欲的な私立大に対するメリハリのある支援で、地域の雇用創出につなげたい。
地方では、私立大の公立化も急速に広がっている。公費を投入する以上、自治体は将来的な展望を明確に示すべきだ。
経営改善が見込めない場合は、撤退もやむを得まい。文科省は、赤字が続く大学への補助金減額や、学部単位の譲渡を可能にする制度を検討中だ。円滑な再編・統合を促す仕組みが求められる。
設置認可の在り方も見直すべきだ。安定的に学生を確保できるかどうか見極める必要がある。
政府は、地方大学の振興を目的に、東京23区での定員抑制に乗り出した。都市部の大学の活力を削そがないか、懸念は拭えない。