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ひきこもり29年目 親子の孤立「このままでは共倒れ」
朝日新聞:2017年12月30日05時04分
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平成とは、家族の姿が静かに、だが劇的に変わった時代だった。
ひきこもる中高年の子どもを支え、老後を迎えても保護者の役割からおりられない。いま、そんな高齢の親たちが増えている。人生100年時代の新たな家族危機だ。
その86歳の男性は、補聴器をつけて最前列で熱心にメモをとっていた。
元高校教諭。10月に東京都内で開かれたKHJ全国ひきこもり家族会連合会の全国大会に、福岡県から泊まりがけで参加していた。
長男は47歳。ひきこもりはバブル経済さなかの1989(平成元)年から続き、29年目になる。
「あと3~4年の命でしょうが、ひきこもりの解決を考えることが使命。できるだけのことをしてあの世にいこうと思っています」
深刻さを増すひきこもりの長期・高年齢化。
長男が心に変調をきたしたのは大学受験がきっかけだ。第1志望の国立大に不合格となり、不本意ながら別の大学に進んだものの、すぐ実家に戻った。
以来、バブルの崩壊やIT社会の到来、大震災など、世の中が揺れ動くなか、社会との接点をほとんど持たずに生きた。アルバイトも続かなかった。
男性の退職金も底をつき、「こ…
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腕を大きく振る「速歩」が86歳男性の日課だ。
「子どものひきこもりが長引くと、どうしても親もうつ状態のようになる。発散するには運動がいいんです」=鬼室黎撮影
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