17/12/09 01:45:50.37 CAP_USER9.net
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格安スマートフォンサービスの通信速度を開示するための指針をめぐって、格安スマホ業界が揺れている。指針は総務省の支援を受け、業界団体が来夏に策定する見込み。速度の計測や開示にルールを設けることで、消費者が各社のサービスの品質を適切に見分けられる環境を整備する。一方で指針の開示が通信速度をめぐる過剰な競争を招き、消耗戦の新たな火種として警戒する格安スマホ事業者もいる。
携帯大手は総務省の指針に基づき、年に1回以上、全国約1500カ所で通信速度を計測し開示している。格安スマホにおいても消費者が安心して選ぶ判断材料として速度の開示は求められている。ただ格安スマホ事業者は規模の小さい企業が多いため、大手と同じ方法では負担が大きく、対応しにくい。
そこで格安スマホ事業者などが参加する「電気通信サービス向上推進協議会」は、格安スマホの特性を踏まえた簡易な測定方法を来夏に策定する見込み。総務省の支援を受けて格安スマホ事業者が通信速度を簡易に開示できる体制を整える。
格安スマホは事業者によって通信速度のバラツキが大きい。4月には、一部の事業者が合理的な根拠なく「『業界最速』の通信速度」を広告で謳(うた)ったとして、総務省が行政指導する案件が発生した。
指針はこうした事態を防ぐ道具になる。消費者も各社のサービスの品質を比較して選べるようになる。LINEモバイル(東京都新宿区)の嘉戸彩乃社長は「不誠実な事業者が省かれることで市場が健全化される」と期待する。
■帯域拡大に投資合戦
一方で警戒感を示す事業者もいる。格安スマホ事業者は仮想移動体通信事業者(MVNO)として、携帯大手から通信の帯域を借りてサービスを提供する。
この帯域は費用をかけるほど広げられ、利用者の数と比較して余裕のある帯域を確保すれば通信速度を速くできる。指針の策定は通信速度の競争を招く可能性があるため、帯域を広げる投資合戦が起こり得る。
ビッグローブ(東京都品川区)の有泉健社長は「我々はコストの観点で帯域を潤沢に取れないため、速度の数値で単純に比較されると厳しい」と打ち明ける。
その上で「速度競争によるコスト上昇は顧客にも跳ね返る。MVNOは低料金が存在価値。単純な速度競争は(MVNOの)正しい戦い方ではないと思う」と指摘する。また、ある格安スマホ事業者は「(指針の策定により)資金が潤沢な携帯大手傘下のサブブランドがさらに勢いを増すのではないか」と警戒する。
多くの格安スマホ事業者は「消費者に(顧客支援体制や通信速度などは携帯大手に比べて)一定の我慢を求めつつ、利用料を安く提供する事業」と認識する。
そしてそうしたサービスの需要拡大を見込み、事業を展開している。このため、事業者の多くは速度指針の開示に伴う過剰な速度競争を避けたいところだろう。
配信2017年12月08日
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