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住民の要望によって復活した京阪バスの「鏡山循環バス」。利用者が増加し、満員になるときもある（京都市山科区・中道町バス停）
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長くバスの空白地だった京都市山科区鏡山地区で、住民要望により復活したバス路線の乗客が急増している。地元自治連合会がＰＲに励んだ努力が実り、「地域の足は自分たちで守る」という取り組みが国に表彰されることも決まった。今では満員になることもあり、自治連は「増便の実現に弾みを付けたい」と意気込む。
同地区の渋谷街道沿いは１９９６年、利用客低迷で京阪バスの路線が廃止され、高齢者の足が失われた。自治連は２００９年、同社に４千人以上の署名を付けて、復活を要望。１３年に地区と山科駅を結ぶ「鏡山循環バス」が新設された。
当初、利用者は１便当たり１０人弱と低迷し、危機感を抱いた自治連がＰＲを強化。役員がラジオ体操の参加者に「このままでは再びバスが消える」と訴えて回り、市の支援を得て無料乗車券や時刻表を掲載したマップを配布した。その効果でマイカーからバス利用に切り替える住民が増え、昨年度は１便当たり２０人に急伸。「赤字覚悟だったが、採算ラインまで近づいている。まさかこんなに増えるとは思わなかった」（京阪バス）と驚くほどの活況となった。
住民の力でバスを守った活動が評価され、交通面の環境改善に貢献した団体に贈られる近畿運輸局の「交通関係環境保全優良事業者表彰」に選出。９月に鏡山学区自治連と区役所が共同受賞することになった。
ただ、現在は別の悩みも浮上。渋谷街道は狭く、小型車両（定員３５人）で運行せざるを得ず、病院に向かう高齢者で混雑している。乗客の山本敏雄さん（７８）＝同区＝は「年寄りでも座れない。１日２便では少ないよ」と増便を願う。
自治連会長の岩崎泰大さん（６９）は「乗客を増やして黒字路線にすれば、本数も増える。受賞を機に住民へのアピール、京阪バスや市への要望をさらに強化する」と話す。
配信2017年09月03日 11時57分
京都新聞
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