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ヒロシマ残り火ここにも 名古屋港メイカーズ・ピア
2017年8月31日 朝刊
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広島に落とされた原爆の残り火が、名古屋市港区金城ふ頭の商業施設「メイカーズ・ピア」の片隅で「平和の灯」としてひっそりともっている。「ものづくりふ頭」を意味するこの場所で、全てを破壊した原爆は対照的な存在。施設の関係者は「ものづくりの技術を誤った方向に使うと悲惨な被害を生む。原爆を教訓に、平和への誓いを象徴する火を見つめてほしい」と話す。
「平和の灯」は、屋外型テーマパーク「レゴランド・ジャパン」に隣接するメイカーズ・ピア南東側の小さな丘にある。高さ七十センチほどの二重の透明な円筒ケースにガスが二十四時間供給され、高さ七、八センチほどの炎が揺れる。丘のベンチで休憩する人たちが見られるようになっている。
施設を開発、運営する矢作地所と「GCDS JAPAN」(いずれも名古屋市)の両社が二年前、「ものづくりや平和のシンボルを置きたい」と名古屋市に相談。金城ふ頭の開発を担当する市職員の坂本敏彦さん(52)が、以前から知っていた原爆の残り火の活用を提案した。
今年三月末の開業直前、両社の幹部と坂本さんが、原爆の残り火をともし続けている福岡県八女市(旧星野村)の「平和の塔」を訪問。この火を昔ながらの豆炭を使った携帯カイロに移して名古屋まで運んだ。火が分けられるのは全国で十七カ所目で、商業施設では初めてという。
特にPRはしていない。火に添えられた説明文も「この灯は七十年以上にわたり、平和を願う心と共に受け継がれてきました」とあるだけで、原爆の残り火であることも記されていない。人から人へ、平和を願う気持ちから気持ちへと伝わり、「多くの人々の意識をじわりと変えるきっかけになれば」(坂本さん)との思いを込める。
原爆の残り火は、広島で兵役に就いていた故山本達雄さんが終戦直後、地下ごうでくすぶっていた火を見つけ、携帯カイロに移したもの。出身地の星野村に帰ってからも、火鉢やかまどで絶やすことなく燃やし続けた。父親のように面倒をみてくれ、原爆で行方が分からなくなった叔父の遺骨代わりだったという。火はその後、村が建てた「平和の塔」に移され、原爆被害の象徴として、全国の平和施設や寺院、学校などに分けられている。