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北朝鮮ミサイル 菅官房長官「重大な脅威 厳重に抗議」
8月29日 7時02分
URLリンク(www3.nhk.or.jp)
菅官房長官は、29日午前6時40分ごろ臨時の記者会見を行い、北朝鮮によるミサイル発射による被害は確認されていないとしたうえで、ミサイルが日本の上空を通過したことについて、わが国の安全保障にとってこれまでにない深刻かつ重大な脅威だとして、北朝鮮に対し厳重に抗議を行ったことを明らかにしました。
この中で、菅官房長官は「本日5時58分ごろ、北朝鮮西岸より1発の弾道ミサイルが北東方向に向けて発射された。本弾道ミサイルは6時6分ごろ北海道の襟裳岬上空を通過し、6時12分ごろ襟裳岬の東、およそ1180キロメートルの太平洋上に落下したものと推定される」と述べました。
そのうえで菅官房長官は「現在のところわが国の領域への落下物は確認されていない。また現時点において、付近を航行する航空機や船舶への被害報告等の情報は確認されていない」と述べました。
そして菅官房長官は、安倍総理大臣から情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対し迅速かつ的確な情報提供を行うこと、航空機・船舶等の安全確認を徹底すること、不測の事態に備え、万全の態勢をとること、ミサイルが通過したと判断される地域に重点を置き、落下物等による被害がないか速やかに確認すること、北朝鮮の今後の動向を含め、引き続き情報収集・分析を徹底すること、米国・韓国、関係諸国と連携し、引き続き緊張感を持って必要な対応を適時適切に行うことについて指示があったことを明らかにしました。
また菅官房長官は「緊急参集チームを招集して対応について協議を行い、さらに国家安全保障会議を早急に開催し情報の集約および対応について協議を行う予定だ」と述べました。
さらに菅官房長官は「わが国の安全保障にとってこれまでにない深刻かつ重大な脅威だ。またアジア太平洋地域の平和および安全を脅かすものであると言わざるをえない。航空機や船舶の安全確保の観点からも極めて問題のある危険な行為であるとともに、安保理決議等への明白な違反だ」と非難したうえで、北朝鮮に対し厳重に抗議を行ったことを明らかにしました。
日本上空通過は5回目
北朝鮮が発射した弾道ミサイルが日本の上空を通過するのは、今回で5回目となります。
日本の上空通過が初めて確認されたのは平成10年8月で、北朝鮮東岸から発射された弾道ミサイルが東北地方の上空を越えて三陸沖に落下したと推定されています。
また平成21年4月には人工衛星を打ち上げるとして、北朝鮮西部のムスダンリから「テポドン2」か、その改良型とみられる弾道ミサイルが発射され、東北地方の上空を通過し3000キロ以上飛行して太平洋上に落下したとみられています。
さらにこれと同じタイプのミサイルが平成24年12月と去年2月にいずれも北朝鮮西部のトンチャンリ(東倉里)から発射され、沖縄県の先島諸島付近の上空を通過しています。