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河野太郎外相が今月7日にフィリピン・マニラで韓国の康京和(カンギョンファ)外相と会談した際、日本の朝鮮半島統治時代の徴用工に絡む韓国側の対応について抗議していたことが24日、分かった。その後も韓国側の改善は見られず、河野氏は今月下旬から韓国で開かれる国際会議への出席も見送る方針を固めた。会議への出席は韓国政府が招待していた。
複数の日本政府関係者によると、河野氏は康氏との会談で自ら徴用工の問題に言及し「適切な対応」を求めた。ソウルでの「徴用工の像」設置の動きなどが念頭にあったとみられる。日本側は会談後、徴用工が議題に上ったことを明らかにしていなかった。
しかし、河野氏の抗議後の今月17日、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は記者会見で1965(昭和40)年の日韓請求権協定で消滅した徴用工に絡む請求権について「個人の権利は残っている」と発言した。文氏の発言を受け日本政府は韓国に抗議した。
7月の日韓首脳会談で確認した首脳の相互訪問再開を踏まえ、7日の外相会談ではハイレベル対話を活発化させることでも合意していた。朴槿恵(パククネ)前政権の尹炳世(ユンビョンセ)前外相が昨年8月の日中韓外相会談の際に来日しており、外務省は次回は日本の外相が訪韓することを想定している。
外相会談後に韓国内で徴用工や慰安婦に関する日韓合意などの解決済みの問題を蒸し返す動きが続く中、日本政府は韓国側の対日政策を見極める必要があると判断し、河野氏の韓国訪問を当面見送る。
韓国政府は河野氏に対し、今月29日~9月1日に釜山(プサン)で開かれるアジア中南米協力フォーラム(FEALAC)外相会議への招待状を送付していた。今回で8回目となる同会議は、過去に外相だった麻生太郎副総理兼財務相(第3回、ブラジル)、民進党の岡田克也前代表(第4回、東京)が出席した。隣国での開催に日本の外相が欠席するのは異例といえる。
河野氏は韓国訪問について、22日の産経新聞などとのインタビューで「どこかのタイミングで調整はしたいが、具体的にはこれから」と述べるにとどめていた。
一方、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮対応で両国の密接な連携は不可欠で、9月中下旬に米ニューヨークで開かれる国連総会などの多国間外交の場では外相会談を行う方向で調整を進めている。
配信2017.8.25 05:00更新
産経ニュース
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