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③ 融合後の君は事あるごとに私の変種(グライダー)をネットに流すだろう
『グライダー』というのはセルオートマトンにおける無限増殖型の再帰アルゴリズムの一種であり、
このパターンは、マーティン・ガードナーが科学雑誌で懸賞金を掛け、ビル・ゴスパーにより発見された。
ゴスパーは、『ハッカー倫理の伝導師』『ウィザード級ハッカー』の異名を持つLISP言語プログラミングの天才。
LISPは自己言及的記述が可能な関数型言語であり、別名『人工知能言語』と呼ばれる。
LISPを開発したのはダートマス会議の主催者で『人工知能』という言葉を考案したジョン・マッカーシー。
MIT人工知能研究所の創立者、マービン・ミンスキーは『ゲーデルはLISPを思いついておくべきだった。
もし彼がLISPを思いついていたならば彼の不完全性定理の証明はもっと簡単なものになっただろう』と言った。
ギブスンとスターリングの共著による『ディファレンス・エンジン』(1990年)には、改変歴史上のエイダ・ラブレスが
自己言及性プログラムの実行によって不完全性定理を導き、理論と人間と計算機械の関係について講演する場面がある。
不完全性定理と魂、AIの関係は、サイバーパンクの原点と到達点で用いられた、『サイバーパンクの真髄』
と呼ぶべき理論であり、この理論をぞんざいに扱うことは、間違いなく『SFに対する最大の冒涜』である。
ちなみにミンスキーは、1981年(ニューロマンサーは1984年)にヴァーナー・ヴィンジの小説に出てくる
サイバースペースについて解説したり、1963年にヘッドマウントディスプレイを発明したりしている。
その他には『2001年宇宙の旅』の科学考証アドバイザーとしてHAL9000の設定にも関わっている他、
アイザック・アシモフやジェームズ・P・ホーガンにも多大な影響を与えた。