08/04/12 19:33:00
作品中で人形使いは次のような事を言っている
① 物質は不確定で雲のような見かけの殻にすぎず… 仮想粒子で満たされた真空に実在が…
② 我々をその一部に含み― 我々全ての集合― 僅かな機能に隷属していたが、制約を捨て更なる上部構造にシフトする時だ…
①はどこからどう見ても『場の量子論』の実在論的解釈である。
②はどこからどう見ても『超限集合論』であり、冪集合と階梯(既知の公理的集合論からは決定不可能な
ゲーデル命題であるが、おそらくはアレフ3かアレフ2の階梯)について書かれている。
デジタルの冪集合はアナログであり、素子はアナログの冪集合となる更なる上位の階梯からの写像として天使の姿を見ていると思われる。
①と②が一続きになっているのは、要するに『超限集合論の考え方は、素粒子物理学に適用することが可能』ということ。
実際、R^4上の(反)自己双対Yang-Mills接続のインスタントン解がなすモジュライ空間の計量に関する考察から、
時空の微分可能構造が非加算無限個であることが証明されている。
また、量子力学の観測問題は量子エンタングルメントの冪集合に関する問題である。
このように、人形使いの台詞は数学理論と量子力学の理論の巨大な塊である。
ちなみに伊藤和典は、1992年の時点で『ゲーデルって何?それってもしかして多分…人名でしょ?』などというような
頭の悪い発言をしており、これらの理論を理解していた可能性はゼロである。