08/01/06 02:08:08
僕は目を閉じて、父さんと話をした日のことを思い出してた。
母さんの墓前で、ここに来て初めて父さんと二人で話した気がした。
話なんかしたくなかったのに。何を話せばいいのかも分からなかった。
でも、話したのは母さんのことだった。写真も燃やしてしまったという事実に少しショックを受けた。
けど、そういったことも聞けてよかったと思う。母さんが、そうしてくれたのかな。ほとんど顔も覚えてないけど…。
今まで、話すのが怖かった。でも、これからは話せていける気がした。
あの日から父さんは忙しかったらしくてあんまり会えなかったけど。
これが終わったら、僕から話しかけてみよう。父さんはどんな顔をするだろう。
『目標接近。全機、対地上戦用意』
その声に目を開いて顔を上げた。前方から近付いてくる影を見て、僕は目を疑った。
「まさか…使徒? これが使徒ですか?」
その影の正体は――エヴァ参号機。
終