1レスだけのエヴァ小説を書いてみて欲しいat EVA
1レスだけのエヴァ小説を書いてみて欲しい - 暇つぶし2ch225:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/01/08 21:24:12
芋だ。
シンジは有頂天になって瓦礫に埋まった麻袋を掘り起こした。正に宝の山であった。
煮ても良し、焼いても良し、主食にも副食にもなりうる万能食料。
そして栽培も簡単にできるかも知れない。
これからはそういうことも考えなければならないのだ。
喜んでばかりも居られない。しかし―

今日だけは、アスカにお腹いっぱい食べさせてあげよう。

そんな浮き立つ思いで一杯のシンジは、
リアカーに巨大な麻袋を乗っけてガラガラと家路を急ぐ。
彼らの「家」、ビニールシートを張り巡らせただけの廃墟の片隅。

「アスカ!ねえ見てよ!ほら、こんなにお芋が……」
「……ったのよ。」
「え?」
「……こんなに暗くなるまでどこ行ってたのよ!アタシ一人を置いてッ!!」
「あ、アスカ、御免よ。だってさ、こんなに……」
「やっぱりアンタもアタシを置いていくつもりなんだ!このアタシを!」
「こうして帰ってきたじゃないか!ほら、僕は帰ってきたんだよ。ねぇ、アスカ!」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

シトシトと雨が降り始める中、シンジは無我夢中でアスカを抱きしめる。
せっかく運んできた芋をほったらかしにして。
これが生きていくことなんだと、二人で生きていくことなんだと実感しながら。

「ね、アスカ。僕は帰ってきたよ。溶けてしまった皆もきっと帰ってくるよ。必ず……」


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