08/01/08 03:16:00
夕陽が街を真っ赤に照らす。
青い髪、赤い眼をした少女がいた。少女の家は大きな団地の小さな部屋。
黄昏時の帰り道、ふと猫の鳴き声がした。
そこは古ぼけた小さな神社。賽銭箱の蓋がなく、屋根は朽ちて穴が開く。
そんな神社の軒下に、猫の親子。
母親と、三匹の子猫。
他の子猫より、少し小さい一匹が、土の上で鳴いていた。
母親は見て見ぬふり。
「・・そう。あなたが死んでも代わりはいるのね・・・。」
少女は子猫に手を差し伸べた。子猫は最初、抵抗したが、受け入れた。
子猫を家に招き、ミルクを与え、体を拭いた。
次の日のこと
「司令・・・。」
「何だ?」
「・・・猫を飼いたいんです。」
三人目となった少女は、自分が何故、猫に好かれるのかわからない。