07/12/30 20:33:04
「いいですよ、別に……どうせ、僕しか乗れないんでしょ?」
そんな少年パイロットのつぶやきを聞いて、
呆れたようにスパナを工具箱にガシャンと投げ込んだ整備士の一人。
子供はこれだからな、嫌なら降りればいい、はっきり嫌だと言えばいいのに。
何時までも続く、気の遠くなるようなエヴァの整備作業。
鋼鉄の機械ならともかく有機的物質が大半を占めた訳の判らないロボット兵器。
全てを完璧に仕上げたところで、それで動くのか、はたまた何が起こるか判らないエヴァンゲリオン。
しかもここにいては、人類滅亡の第一歩は自分達の死。
それを甘んじて受けようという自分達の覚悟。
そんな気概でやっている自分達に、子供の愚痴を聞かされては堪らない。
しかも、アイツが乗るために俺達は働かされてるんだからな……
そんなことを考えていた整備士に、背後から声を掛ける者。
「14歳の……思春期の頃を経験していない者など一人も居ない。そうだろう?」
その声にビクリと驚いて整備士は振り返る。
「あ……そ、総司令、お疲れ様です。」