08/08/15 16:56:24
アスカの復讐を書いてます
携帯から投下してましたが…その携帯がご臨終(全消去になった)なされて修理にだしてますので記憶を頼りにかいてますので、何かと迷惑かけますが長い目で見守ってあげて下さい
688:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/16 00:52:54
>>680>>681>>684>>686
第弐話
『海に行こう~アスカの誘い~』
アタシは授業中に考えた作戦を実行に移そうとしていた。
~時間は昼休み~
この時間を使わない手は無いだろう。
アタシ達は、いつもお昼休みになると決まったメンバーでお昼を食べていたから
いつものメンバーとは
『アタシとファーストとヒカリと三バカトリオ』
のグループである。
アタシは何気なくヒカリに話を振ってみた。「ねぇ、ねぇ~。今度の日曜日に海に行かない?」
ヒカリなら、アタシの意図を読んでくれるはずだから。
「別に私は構わないけど…二人だけってのはねぇ…」
予想通りの答えが返って来た。 そして、ヒカリはチラチラと三バカトリオの一人の『鈴原トウジ』こと、ジャージを見ながらだったので、アタシが、もう一押しして
「なら、三バカトリオも一緒なら良いわね?
それに、アンタ達も一緒に行くわよねぇ?」
念のためジャージに声をかけた。
「ワシなら構わへんで♪それに、センセも一緒に行くやろ?」
と、ジャージがアイツに話を振った。
689:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/16 01:04:16
>>680>>681>>684>>686>>688
第弐話
『海に行こう~アスカの誘い~』
アタシは心の中で(ジャージナイス!!)とガッツポーズを決めた。
アイツ事だから、きっと返事は『Yes』だからね。
「う・うん。僕も行くよ」
ほらね♪
一応、ファーストにも話を振っておかないとね…
「アンタも行くわよね?」
アタシにとっては『No』と言って欲しい所なんだけど
「私も……行くわ…」
やっぱり…
一瞬、チラっとシンジを見たように見えたけど…
でも、アタシの悩殺ビキニで、シンジを悩殺してやるんだから!!
アタシは、心の中で雄叫びをあげた。
一方、三バカトリオの一人『相田ケンスケ』こと、メガネには、誰にも話題が振られなかった………合掌
690:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/16 01:37:28
わざわざ全部に安価しなくても名前欄に680とかでいいと思う
691:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/16 15:19:36
>>687
全部、思い出してから投下すれば良いのに。
692:680
08/08/16 16:16:16
第参話
『太陽と海と貴方に愛を~アスカの行動~』
Aパート
待ちにまった海に行く日がやって来た。
アタシは、この日に全てをかける為に用意した水着(マグマダイバーの回に着た水着)を持って来ていた。
でも、予想外な展開がアタシを襲った。
それは…
電車の座席だった。
アイツの隣には、ファーストが座って、前には、何故か着いてきたフィフス(渚カヲル)が座っている。
そして…その隣には、何故か戦自娘(霧島マナ)が座っていた。
通路を挟んで窓際の位置にアタシは座っている。
そして、アタシの隣は加持さんが座って前には、メガネが座って、横にはミサトがすわっている。
隣に座ってるのが加持さんだけに文句は無いんだけど…
今のアタシには向こうの座席が気になって仕方がなかった…
「どうした? そんな顔はアスカらしくないぞ?」
加持さんがアタシを気にかけて話してくれたから
「そんな事無いですよ♪せっかく加持さんの隣になれて嬉しいです♪」
嘘…今のアタシにはこれが精一杯だった。
「そか…俺はてっきりシンジ君の「かぁ~じ君、それ以上ちゃかさないの♪」
ミサトが加持さんの言葉を制したんだけど…
顔がニヤケすぎてるわよ。
そうこうしながら海の駅に電車は近づいて行く
693:680
08/08/18 21:44:01
第参話
『太陽と海と貴方に愛を~アスカの行動~』
Bパート
いつの間にか、電車は海の駅に着いていた。
アタシ達は早速水着に着替えた。
塩の香りとさざ波が気持ち良い。
でも、アタシはしなければいけない事がある。
アイツが泳げない事は知っている。
だから、アタシが手取り足取り教えてあげるの♪
そして、あんな事や…
って何を考えてるのよアタシは…
そんな妄想をしてたのが悪かったのか、アタシはまた出遅れた。
楽しそうにファーストやフィフスや戦自娘に囲まれて微笑むアイツの顔を見たら少し寂しくなってきた…
とりあえず人気の無い所に行きたくなった。
だから、アタシは浜辺を一人で歩いた
694:680
08/08/19 23:01:28
第参話
『太陽と海と貴方に愛を~アスカの行動~』
Cパート
アタシが一人で落ち込みながら、浜辺を歩いていると
「彼女、一人かい?なら、俺達と遊ぼうぜ」
ナンパ男達が話かけてきた。
正直にウザイから無視をして歩いていると
「つれないなぁ~…俺達と遊んでよ」
と、アタシの腕を強引に掴んできた。
アタシは頭にきたから、その手を振り払って
「アンタ達に付き合ってる程、アタシは暇じゃないの!!他をあたんなさいよ!!」
とナンパ男達に怒鳴りつけた。
これで、振りきったと思ってたら
「何か生意気じゃない?無理やりってのも、たまには良いんじゃない♪」
そう言うと、男達が一斉に飛びかかってきたので、アタシは溜ったムカつきを吐き出すように殴り倒した。
695:680
08/08/19 23:22:46
第参話
『太陽と海と貴方に愛を~アスカの行動~』
Dパート
アタシは、ここが砂地である事に後悔していた。
何故なら、砂に足を取られて思うように動けないし、何より打撃にダメージを与えられないからだ。
殴られても男達は立ち上がり、少しずつアタシを追い詰めていく
「中々やるじゃん♪でも、その程度じゃねっと!!」
『バキッ!!』
アタシの頬に衝撃が走った…男のパンチがアタシの頬に当たったからだ
「おとなしくしてば、こんな目にあわなくてすんだのに」
アタシは殴られた事に衝撃を受けて動けなくなっていた…
そして、男の一人がニヤケながらアタシの水着の上着を剥ぎ取った…
(イヤッ…シンジタスケテ…)
アタシは声に出せなかったけど、心の中でアイツに助けを求めた。
すると
「あの~…その娘の知り合いなんだけど…」と、アイツが来てくれた。
アタシはいつの間にか、恐さと、シンジが来てくれた安心からか、目から涙が溢れてた。
それを見たアイツが
「アスカを泣かしたの誰ですか?他は見逃すので消えて下さい。」
アタシの涙を見るや否やシンジから殺気が判るくらいに出てた。
明らかに怒っている。
一人の男がシンジに向かって殴りかかって来たが、それを簡単に避けてから、手首の関節部分を捻り出して、投げた。
696:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:44:03
>>671
12.
「シンジ。これ終わったら服買いに行くから一緒に来て」
アスカが漢字ドリルと睨めっこしながら言った。
「うん。いいよ」
僕は難しい連立方程式の問題にかかりきりで、つい生返事をしてしまった。
「ホントに分かってんの?」
アスカが僕のほうを見るのが気配で分かる。これはいけない。アスカはいい加減な返事をするとすごく怒るんだ。
「分かってるよ。アスカと一緒に服を買いに行けばいいんだろ」と、僕は言った。それから顔を上げた。
「今、何て言った?」
「ねぇ、アスカ。試験はあさってなんだから、こんなことしてる場合じゃないと思うけど」
僕は無駄と知りつつもそう言わずにはいられなかった。日はもうだいぶ傾いていて、アスカと僕の影が歩道に伸びている。
ときおり強く吹く風に踊る彼女の金髪が、夕日に映えて赤く輝いていた。
アスカはくるりと振り向いた。
「うるさいわねー、この小心者! 今さらじたばたしたってしょうがないでしょ。気分転換ってコトバ、知らないの?」
「いや、そりゃ知ってるけど……」
「これは運命なのよ。受け入れなさい」
僕は苦笑いを浮かべた。運命って、たかが服を買いに行く程度でおおげさな。アスカらしいと言えばアスカらしいけど。
697:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:45:49
三十分後、僕とアスカは市内のブランドショップにいた。中学生が入るには少しためらうようなタイプの店だ。
店員の目が気になった。僕とアスカはどう見られているんだろう。お姫様とその召使といったところだろうか?
アスカは人の目など全く意に介さず、楽しげに物色していた。
「おー。これなんかいいじゃん? どう思う、シンジ?」
「うん、いいと思うよ」
「あんたホントにそう思ってるの?」
「も、もちろん本当にそう思ってるよ」
「じゃあ、具体的にどういいと思ったの?」
僕は四苦八苦しつつも少ないボキャブラリーを駆使して答える羽目になってしまった。もっともまともに答えられるはずもなく、
センスがないだの何だのと罵倒される結果に終わったけど。何故かは分からないけど、それほど不快な気分にはならなかった。
「ちょっと、こっち」
ひとしきり続いた僕への尋問を終えると、アスカは水着のコーナーに僕を引っ張っていった。
「ま、まずいよアスカ」
色とりどりの水着が否応なく僕の目を引く。
「なぁにがまずいのよ」
女の子と一緒とはいえ、水着コーナーなんて恥ずかしいに決まっている。僕が口を開きかけたとき、アスカは僕を横目で見てイヤらしい笑いを浮かべた。
「水泳の時間に私のほうをチラチラ盗み見てたくせに」
「みっ、見てないよ!」
698:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:47:02
僕は思わず大声を上げてしまい、慌てて自分の口をふさいだ。少し離れたところにいた二十代半ばのカップルが僕たちをいぶかしげに見た。
「へえ。あんたの視界に私の姿はまったく、これっぽっちも入らなかったってわけ?」
「それは……多少は入るに決まってるよ」
また嫌な予感がした。このまま進めばアリジゴクの巣に落ちると分かっていながら進まざるを得ないアリの心境だった。
「アスカだけをじろじろ見てたりはしなかったってことだよ」
「ふーん、そう?」
意外なことにアスカはあっけなく引き下がり、僕は胸を撫で下ろした。
「見てシンジ! これどう?」
アスカが手にとって胸に当てたのは、驚くほど紐が細くて扇情的な水着だった。僕は顔を赤くして水着から目を背けた。
「なーんちゃって! こんなの着るわけないでしょ。だいたい私、Dカップだからこれだとおさまらないし」
「Dもないだろ、アスカ」
僕は反射的に答えていた。アスカは口を丸くした。
「何で分かるのよ! あーっ、やっぱり見てたんじゃない! しかも胸のサイズなんか脳内で計っちゃたりしてて……。もう、最低!」
しまった、と僕は臍をかんだ。僕は特上級の間抜けだ。
「違うよ、普通に考えて、中学生がDはないと……」
「うるさい! このスケベ大王!」
699:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:49:15
……と、こんな調子で振り回された末に、買い物はアスカが左右の手に持つワンピースとブラウスに帰着した。
シンプルなデザインのワインレッド色のキャミソール・ワンピースと、袖と裾に複雑な幾何学模様の刺繍を施したブルーのブラウス。
「どっちがいい?」
とっさに「どっちも似合うよ」という台詞が口をついて出ようとした。実際、どちらも似合うだろう。
しかし、僕は赤いワンピースを指差していた。
「こっち、かな」
アスカは僕の顔をじっと見詰めて「何で?」と言った。こちらが戸惑うほど真剣な表情だった。てっきりもっと考えなさいよ、
とでも言うかと思ったのに。僕は咳払いをして答える。
「アスカには赤が似合うと思ったから」
アスカは、ふうん、と呟いた。それから「分かったわ」とうなずいて、ブラウスを元の場所に戻すと、レジに向かった。
違和感が生じたのはその時だった。しかし、その正体を掴む前に支払いを終えたアスカが帰ってきて
僕と腕を組んだために、違和感は雲のように消えてしまった。どうでもよくなった、と言ったほうがいいかも知れない。
「さっ、用は済んだし、帰りましょ」
「う、うん……」
アスカの肌に触れた部分が、異様に熱を持っているように僕には感じられた。
700:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:50:07
帰り道は従者よろしく荷物を持たされた。まぁ、大した重さじゃないけど、そういう問題じゃない。当然のようにアスカが僕に渡して、
当然のように受け取ってしまったのが問題なのだ。男として、少し情けなくはないだろうか。あるいはそんなことを考えること自体が情けないのだろうか。
「ねぇシンジ、あれ!」
僕の悩みも知らず、アスカが指し示した先にはゲームセンターのクレーンゲームがあった。
「私、欲しい人形あるのよね」
「へぇ。どれなの?」
人形なんてアスカらしくもない、と僕は思った。いや、ライオンだって満腹のときは穏やかで可愛い顔をしているものだ。
買い物をして精神的に満腹状態のアスカに女の子らしい一面が浮かんできてもおかしくはない。
筐体の脇に立って、アスカが指を差した。「これよ」
「え……。これ!?」
透明なプラスチックの箱に入ったそれは、奇妙な形をしたロボットの―たぶんロボットだろう―フィギュアだった。
ロボットにしては流線的な(ロボットというのは角ばってるものじゃないか?)形状で、赤く塗られていた。
おかしなことに箱には何も書かれていない。これじゃ何のフィギュアなんだか分からない。
「これが欲しいの!?」
僕は驚いてアスカを見た。アスカは僕を挑戦的に見返した。ゲームセンターの照明に照らされて瞳が猫のそれのようにきらきらと光っていた。
「そうよ。悪い?」
「別に悪くはないけど……。何でまたこれを?」
「この間ちらっと見かけたときから気になっちゃってさ。そういえばこれも赤いわね」
僕はまだ腑に落ちなかったけど、それはそれとして、「とってあげるよ」と言った。流れからいってそう言うべきだと思ったからだ。
「いいのよ、無理しなくたって」
アスカが珍しく優しいことを言った。
「無理じゃないよ。こんなの一発で取ってやるさ」
僕はむきになって宣言した。
目的の箱は熊のぬいぐるみに囲まれていて、取りやすいとも取りにくいとも言えないような、微妙な位置にあった。
筐体のまわりをぐるぐるとまわって、慎重にシミュレーションする。
701:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:51:49
「ちょっと、早くしなさいよ! 朝になっちゃうわよ!」
アスカが焦れたように言った。
「分かったよ」
僕は百円玉を入れて、ボタンを押した。
一発で取ると言ったけど、実際はそんなに上手くはいかないだろう。だいたい一回で取れるようなものじゃないんだ。
あんなこと言わなければ良かったな―と思いつつも、固唾を呑んでクレーンの行方を見守った。
僕が期待した通りにツメがケースに引っかかり、持ち上げて、移動して、落とし穴まであと少し……。
……というところで握力が突然弱まったみたいに、ガクッとフィギュアの箱がずり落ちそうになった。
「あっ!」
僕とアスカは同時に声を出した。
やっぱり一回では取れないか―と、新しく百円玉を用意しようとした、そのときだった。うず高く積み重ねられた熊のぬいぐるみの一つが、
何の前触れもなく転がり落ちてきた。そして、落ちそうになった箱のちょうど下に入り、そのおかげで箱は持ちこたえて落とし穴に無事落ちた。
僕とアスカは声もなく、しばらく顔を見合わせていた。何だこれは―。何としても僕に景品を取らせようという、誰かの見えない手の計らいのようだった。
「ツイてるわね」
アスカが景品を取り出した。
「……みたいだね」
これはツイてるというのだろうか? 僕は首をひねったけど、アスカの喜ぶ様子を見ているうちにどうでもよくなってきた。
別にいいじゃないか、彼女が欲しかった景品を取ったのだから。仮に誰かの仕業としても悪い結果ではないのだから、大人しく受け入れるべきだ。
「これ、なんでケースに何も書いてないんだろう。おかしくない?」
僕は箱を覗きこんだ。筐体の外から見たとおり、やっぱり何も書いてない。
「さあ? きっと特別のフィギュアなのよ」
そうかな、とそのフィギュアに目をやる。近くで見るとそれは禍々しくて不気味な雰囲気を醸し出していた。
―何だか気色悪いな。
アスカの上機嫌な顔を見るとそうも言えず、僕は胸に何かがつかえてるような気分を抱えて立ち尽くしていた。
702:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:52:18
その日の夕食の席で、僕は気になっていたことを訊く気になった。
「ねぇ、母さん。エヴァって何のこと?」
「突然なに、シンジ」
母さんは茶碗に伸ばした手を止めた。
「いや、ちょっと……。学校で転校生に言われて」
渚カヲルは今の段階では友達とは言えなかったけど、取りあえずはそう表現しておいた。
「エヴァは順調とか何とか。ちょっと変わったヤツなんだ」
「あら、そうなの? ともかく、友達が増えるのはいいことね。……そうね、エヴァって……イブのことじゃないかしら」
「アダムとイブのイブ?」
「そうよ。確かイブが英語読みで、エヴァがラテン語読みね」
「読み方が違うだけで、同じなんだ」
「シーザーとカエサルみたいなものだな」と、父さんが口を挟んだ。
アダムとイブか。そう言われても依然として渚カヲルの言いたいことは分からなかった。
いったい誰が順調なんだ? いや、きっとたいした意味はなかったのだろう。
本当に知りたいのなら本人に訊けばいいだけの話だけど、こちらから話しかけるのは躊躇われた。また訳の分からない話を聞かされるのはご免だ。
この話は、ここまでにしよう。
ごちそうさま、と言って僕は立ち上がり、食器を台所の流しに片付けた。
703:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:54:03
僕は湯船に浸かりながら今日のことを反芻していた。楽しく過ごせた一日だった。最後のクレーンゲームはのぞいて、だけど。
ふと、ある考えが頭に浮かんだ。
―今日はひょっとして、俗に言うデートだったのではないだろうか。
「バカな。そんなこと考えてるなんて知られたらアスカに殺されちゃうよ」
そう呟いたものの、僕が選んだ服を着たアスカの姿を想像していた。脳裏にはアスカの肩甲骨のラインがはっきりと浮かんでいる。
これ以上はないと思えるほど滑らかで美しい曲線。あの完璧な曲線にそって指をすべらせてみたいと僕は思った。それからアスカのうなじにも。それから―。
僕は頭のてっぺんまで湯の中に沈んで、息が続かなくなるまでじっとしていた。我慢できなくなると水面から顔を上げて大きく息を吸った。
これじゃアスカにスケベ大王と言われても仕方ない。
……それにしても、僕はなぜあの赤いワンピースを選んだのだろう。いや、アスカに赤が似合うというのは本心からの言葉だ。
おかしいのは即座に選べたことだ。自分で言うのも何だけど、何かにつけてあれこれ悩むのが僕の性格、その僕がスパッと決めたのは珍しい。
やはり露出が多いせいだろうか? 正直言ってその要素がないとは断言できないけど、それだけじゃない。何かあるような気がする。何かが……。
それにアスカが欲しがったあの奇妙なフィギュア。不気味な形をしたロボット。
あれは……良くない。
たかが人形に自分でも馬鹿げていると思うけど、その想いは消せなかった。
あれを持っていると不幸な目に遭うとか。……まさか。その手のオカルトは僕は信じない性質なのに。
まぁ、だからといってどうなるものでもない。まさかアスカに捨てろとは言えないし。本格的におかしい奴と思われるだろう。
色々考えているうちに、すっかりのぼせてしまったようだ。
最後にシャワーを「水」にして頭からかぶり、浴室を出た。
頭は冷やせたけど、中身まで冷やせたかは自信がなかった。
704:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:54:30
12'.
シンジは私が両手に持った服を前にして、固まっている。
―ったく、何でそんなに考えてんのよ。直感で言いなさい、直感で!
シンジはさんざん迷った末に、赤のワンピースを指差した。
「どちらかといえば、こっちがいいと思うな」
「何で?」と私は言った。てっきりブラウスのほうを選ぶと思っていた。だけどこちらを選んだってことは……。
「分かった! こっちのほうが露出が多いからでしょ!」
私がひと睨みすると、シンジは慌てて否定しにかかった。こっちが思うとおりに行動するのが可愛いと言えなくもない。
「違うよ! 何というか……」シンジは口ごもった。「アスカには赤が似合うと思って……」
「ふーん」
私は手元の服をじっと見つめた。赤が似合う……。ついさっきまでは特には感じなかったけど、シンジが言うとおり、
確かに私は赤という色が相応しい気がしてきた。
「じゃあ、こっちにするわ。それにしても何で私に赤が似合うなんて思ったの? 情熱的なところかしら?」
「気の強いところ、かな」
私はシンジのお尻を蹴っ飛ばした。
705:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 00:56:04
私は湯船に肩までつかって、今日のことを思い出していた。
「赤、ね……」
おかしなコトもあるものだ。だいたい色なんて急に好きになったりするようなものじゃない。
別に嫌いでもなかったけど、シンジの言葉で、昔のことを突然思い出したように赤が好きになっていた。
ひょっとして……。
シンジに言われたから?
「まっさか」
そんなバカップルみたいな行動を私が取るわけない。そもそもカップルですらないのに。
でも、今日は他人から見たら完全に付き合ってるように思うだろう。
そういう誤解を招く行動は控えたほうがいいのだろうか?
「まっさか」
私は同じ台詞を繰り返した。私ともあろうものが他人の目を気にして行動するなんて、ありえないことだ。
何だかよく分からなくなってきた。きっと湯船につかり過ぎたせいだ。
私は最後にシャワーを一浴びして、浴室を出た。
706:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 16:28:18
転校生きた!!!!!!!!
707:名無しが氏んでも代わりはいるもの
08/08/20 22:17:33
雰囲気的にまだまだ起承転結の「承」あたりかな?
楽しみにしてるよ。