07/11/15 20:42:40
2ゲット
スレ立て乙です。
3:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 20:51:16
チェ~~~ンジ、ゲッタァーーー3!
4:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 20:53:00
エヴァンゲリオン4号機は現レスをもって破棄、ゲッターと認定する
5:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 21:32:51
>>1乙
躊躇せず思考ノータイムでエンペラー喚んだァー!?
逃げて逃げてレリエル逃げてー
ところで最弱使徒ことマトリエルって一切触れられてないような気がする。
ロンギヌスランサー刺しに潜る前にレイ(ユイ)にやられてるんだろうか。
6:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 21:46:57
. . ゚ . o ゚ 。 . , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。
。 。 *。, + 。. o ゚, 。*, o
゚ o . 。 . . , . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。
゚ , , 。 . + ゚ 。 。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚ 。
。 . .。 o .. 。 ゚ ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 .
。 . 。 . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. .
。 . . . . . 。 ゚。,>>1 ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。
゚ 。 ゚ . +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚. . . .
。 . . 。 。゚. 。* 。, ´。. ☆。。. ゚。+ 。 .。 . 。
. 。 ゚ ゚。 。, .。o ☆ + ,゚。 *。. 。 。 . 。
゚ .゚ ゚ 。゚ + 。. +。 * 。゚。゚., ,+ 。゚. 。 . . , , .
゚。゚+゚`, o。。.゚*。゚ 。.゚ 。 ☆+。。゚. ° 。 . , ゚ ゚
。, .゚。 + ☆。,゚. o。 。+ 。゚., . ゚ , 。 。 . .
゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。 ゚
゚` .゚ .゚. ゚. . ゚ . ゚ . , . . . 。 ゚ .
. . . , 。 . . , .
。 ゚ . 。
,.'´ `ヽ
。 リ __ ,i …乙、と言うのだぞ
,.'´`ヽ⊂ヾi_i_i
. . ! ii /!/ii|リ
/!/ii| 〉く/_|_. 〉
‐''"´'''"""''"`''""`"""''''''"´'''"""''"`''""""'''"''''''
うん、>>1おつーおつー!!
7:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 22:10:15
エンペラー呼んじゃったよ(゚д゚)
8:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/15 23:56:55
>>1乙!
すんげえ展開で全く予想ができん!
9:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 00:14:29
[He_47121.zip] pass ryouma
整理せずテキストに切り出しただけの超手抜き仕様だが一応まとめ。
10:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 02:13:24
そうだ…俺たちは未来永劫、時の狭間の中で>>1に乙するために…
11:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 02:28:50
>>10
sageじゃなくてsageだぞ
12:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 07:49:22
久しぶりだなぁ、>>1!
どうやってスレ立てたか知らねぇが今度こそ乙してやるぜぇっ!!
13:名無しさん氏んでも代わりがいるもの
07/11/16 15:44:36
とうとうエンペラーまで降臨しました。でもこのSSの設定なら、どんな作品
とのクロスも出来るから、ワクワクします。
14:前スレ891
07/11/16 16:21:15
>>1乙&作者氏GJ!
エヴァはTV版と。なるほど竜馬とゲッターの介入によってドラスティックな
変化を遂げるなら、多少健全化のフォローが入ってるという触れ込みの新劇場版
(近隣に上映館無くいまだ確認不能orz)よりも何かとズンドコな旧世紀版の方が
より効果的という事でしょうか。次の休みにTV仕様のリボルまとめ買いしてこよう。
15:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 19:55:57
そういえば、新ゲッターの1話にゲンドウが出てるよね…
竜馬に刀で切りかかる基地外だけど…
16:>1乙 >9光栄のキワミ つづき
07/11/16 22:55:54
無限空間をレリエルごと切り裂いて、その球体の内部からゲッターと初号機が再び第三
新東京市の上空に現出していく。
レリエルの空間は影が入り口で、球体が出口だったのだろうか。
外からは攻撃が通じなくとも、内部は別だというのであろうか。
それらは、結局わからずじまいだったが、ゲッターはレリエルの血しぶきを撒き散らし
ながら第三新東京市を赤く染めていく。
「げ、ゲッターロボ出現! 初号機も健在です。で、でも、うう、うぇぇっ……」
と、その様子を直視するマヤが血まみれのゲッターの姿に耐えきれず、椅子をずらして
屈むとコンソールにかからないように、胃液を戻していた。
他の人間も、唖然としている。
初号機が影に飲み込まれ、ゲッターがそれに突入していったと思ったら、そのあと大し
た時間も掛からずにゲッターは球体の方から初号機をかかえて現出したのだ。
「なにが、どうなってんの……?」
だれも解るはずもなかった。
ゲッターが初号機をゆっくりと地に降ろす。
「とりあえずシトはぶっ潰せたか……シンジ、生きてるだろうな」
竜馬が初号機に通信を試みた。
すると、意識は回復していたのであろうか。反応があって、竜馬のイーグル号のモニタ
に彼の顔が映った。
それは少し生気の欠けたような表情であったが、たしかに彼は生きていた。
シンジが答える。
17:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 22:57:10
「……ええ。大丈夫、です。竜馬さん」
その姿はむろん、ゲンドウのベアー号にも映っていた。
「シンジ」
と、彼も呼びかける。
「大丈夫だよ。父さん……助けに来てくれたんだね。でも、もう大丈夫」
その声と共に、初号機が起き上がって街のエヴァ回収ポイントに向かって歩行する。
はっきりとしない結末だが、一段落ではあった。
六
正体のつかめない第九シトとの戦いが終わって、またしばらく経った。
全てを飲み込むという脅威の敵を相手にして民間人も含めて、死傷者を出さずに済んだ
ことは特筆すべきことだったといっていいだろう。
ただ、リツコが飛び込んだ影の先から戻ってこなかった。
竜馬とゲンドウによれば、影の中で呼んだゲッターエンペラーへ行ったのだという。
かならず戻るという言葉をのこして、だ。
18:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 22:58:26
いまや、ネルフの原動力たる二人の言葉だから、みな信じるしかなかった。
特に竜馬は彼女と浅からぬ関係だから、なおのことである。
誰かが関係を言いふらしたわけでもないのだが、男女間の感情などいくら隠そうとも雰
囲気に出てしまうものだ。
竜馬自身がどう思っているかわからないが、ネルフの特に女の職員の間では司令の愛人
を奪った男として、彼の名は翼が生えたかのようにあちらこちらを飛び回っている。
竜馬をあつかう話題としては、ゲッターロボのパイロット云々よりも、その人間関係を
追ったほうが彼女たちには面白いらしい。
「最近ヒゲと赤木、冷めてんね」
「赤木さん、新しい男を見つけてきたんだよ」
「うそ。誰だれ」
「流さんだってさ。あの狂人のどこがいいんだろ」
「赤木の趣味はおかしいって。ヒゲとかもあり得ないし」
「ていうか、上の人達みんな変だよね。葛城部長なんか家族ごっこやっちゃってるし」
「葛城は加持とヨリを戻したんじゃなかったっけ。それで彼女つきの別の男と同棲してる
って……ねえ。相当キテるよね」
「そのせいだって、赤木さんがたまに変な目で葛城さん見てるの」
こんな具合である。
マヤあたりが聞けば「不潔」のひとことが飛び出すであろう。
まあ、それはこのあたりで置いておく。
それよりも、一時的であるにせよリツコがネルフから失われたことによる問題のことの
方が重要であった。
エヴァをはじめとするネルフ所有の兵器の維持・管理はむろんのこと、もうひとつ、
「ダミーシステム。完成は間に合わなかったか」
19:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 22:59:41
と、独りセントラルドグマで天井につり下げられたエントリープラグを見てゲンドウがつぶやいた。
さて。
ダミーシステムとは、エントリープラグに細工がほどこされたものであり、エヴァに挿
入すると人間と同じ波長をエヴァに送り込み、動かすことを可能するものだった。
これの開発者がリツコである。
ターミナルドグマで、竜馬とレイがその目的を明かした際に、彼女はゲンドウとの手切
れ金代わりに完成させるとはいったものの、結局、果たせず仕舞いとなった。
「まあ、最初から手切れ金を受け取る権利など無いのだが……」
ゲンドウがいった。
これの開発はリツコもあまり乗り気でなかったうえ、レイ、そしてユイも存在を快くお
もわなかった代物である。
なぜならダミーの波長をつくるために、数あるレイのクローンをLCLと化して封入した
ものが使われているからだ。
レイは、静かだが道具扱いされることは嫌う。
それと同化しているユイも、また彼女には同調していた。
ダミーシステムはゼーレが人類補完計画に最重要の項目のひとつとして認識し、開発か
ら実用までの権限をゲンドウに一任しているものでもあったが人類補完計画を阻止する側
にまわったゲンドウには、すでに重要な存在ではない。
どうしてゼーレが重視するのかは、すぐあとに書くがともかくゲンドウは、
―いっそ破棄してしまうか。
と厄介にすら思うほどだった。
ただ、迷いもある。
ゼーレが最終的にたたきつぶさねばならない相手といっても、まだ倒さねばならないシ
トが出現するのが予測される、この時点であからさまな反逆に出て、いいものかどうか。
20:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 23:00:48
それを迷っていたのだ。
だが、その迷いはおもわぬカタチによって解決されることになる。
独りたたずむゲンドウが、何者かの気配を感じて後ろを振り返った。
「何者だ」
「早乙女じゃ。儂のことは竜馬から聞き知っていよう、彼女の抜けた穴を埋めにきた」
「ゲッターの開発者……あなたもエンペラーから来たのか」
「うむ。だが、このダミーシステムとやらは不完全のようじゃ。少し細工をしておこう、
お前さんがたのいうゼーレに気づかれぬようにな」
「……わかった。全て、任せます」
これらは、会話ではなかった。
すべて暗闇でゲンドウが独りごとをつぶやいていたのみである。
だが、彼の目と耳には、はっきりと映っていた。
白衣を着た小柄で丸く太った、ぼさぼさの白髪と長いアゴ髭をたくわえた老人が。
そんなゲンドウに、懐にいれた携帯端末に通信が入った。
彼は、なにもない暗闇の先に目礼してから、端末を取り出した。
相手は冬月であった。
以下、司令と副司令の通信内容である。
「碇、大変なことになったぞ。米国、ネルフ第二支部が消滅した……連中が勝手に造った
ゲッター炉心を4号機へ搭載しようとしてメルトダウンを起こしたらしい。
爆心地から半径四九キロ……なにもかも、消滅した」
「炉心のコピー計画があったのか? 私は聞いていないな……赤木博士の研究内容が盗ま
れていたのか。ゼーレもなりふり構わなくなってきたな。
しかし、人類補完計画を遂行しようとする者にゲッター線が味方をするわけがない」
21:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 23:01:51
「ゲッターのことは君から聞いた。趣旨は理解するよ……だが、ゲッター炉心の事故が起
きたとなれば、ゼーレからの監視が厳しくなるぞ。
この事故は当然、裏死海文書のシナリオにない出来事だ」
「時にはシナリオにない事も起きる。老人共にはいい薬さ……監視の点は、加持リョウジ
と岩鬼組に協力を申し込んで対処しよう」
「そう、か。まあ、これで海外の連中も少し大人しくなるだろうよ……で、残りの3号機
だが、米国は怖じ気づいてこちらへ送ってよこす気になったそうだ」
「わかった。すぐ上に戻る」
ここで通信は終わる。
さて、米国での事故のことを少し書かねばなるまい。
まずエヴァが海外でも製造されていたことについてだが、ゼーレのもくろむ人類補完計
画は、世界を包むほどのアンチA.Tフィールド発生させることだ。
そのために、制御できる人類の始祖であるリリスの分身、初号機をキリストにみたて、
同じく制御できるアダムをその使徒にみたてた他一二体のエヴァを、それぞれロンギヌス
の槍にて処刑することで、儀式的に人類補完計画を遂行する腹づもりなのは、すでに書いた。
この一三という数にこだわるのが宗教に凝り固まったゼーレの偏執さといえよう。
世界をつつむアンチA.Tフィールドの発生には、一〇体もあれば間に合う計算だった。
ともかく、このためにすでに建造された零号機、初号機、弐号(號)機をふくめて残り
九体が必要である。
建造を急ぐために世界を動員させていたわけだ。
なお、先のダミーシステムをゼーレが最重要視したのは、最終的には初号機もふくめて
パイロットの意思に動きが左右されて計画に支障がでないように、ダミーシステムでもっ
てすべてのエヴァを動かすつもりだったからである。
22:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 23:02:53
だが、その際に問題となるのはエヴァの活動範囲のことだった。
アンビリカルケーブルが外れれば、内部電源ではものの数分しか活動することができな
い。これも計画の遂行に支障がでるであろう。
シトがその体内にもつS2機関なる、無限の動力を取り込むことが考えられたがサンプル
を入手したものの(第四シトが原型をとどめている。これのS2機関がサンプルだ)問題は
解決をみなかった。
まだ、搭載には時間がかかると判断されたのである。
そこで、ゲッター線に目が付けられた。
これもS2機関と同じに、無限の動力をもたらしてくれるうえ、すでに人の造った機械で
あるゲッターロボに搭載できている。
「これがS2機関の代用品になりはしないだろうか」
と、ゼーレは企んだ。
ちょうどリツコがゲッターの研究に掛かりきりになっていたことも作用し、あの手この
手でネルフからゲッターに関する情報を、ゼーレは引き出していく。
そして、ゼーレにとっても厄介な竜馬がいる日本以外のネルフに対して、ゲッター炉心
の製造と、建造中のエヴァへ炉心を搭載させる指令が飛んでいたのだった。
その中で、もっとも早くゲッター炉心のコピー、製造に成功したが米国である。
彼らは喜び勇んだ。
すでにプラズマボムスなる未知のエンジンが日本でエヴァ弐号機に搭載されたことによ
る焦りも、ゲッター炉心の製造と搭載を助長した。
なお、プラズマボムスについては出所と制作過程が謎につつまれていることと、どうや
らエネルギーが有限であることから、ゼーレからは扱いを度外視されていた。
だが、それこそは彼らの大きな過ちといえる。
23:ここまで
07/11/16 23:05:33
ゲッター線の制御は、プラズマボムスはもとよりS2機関よりも難しい代物なのだ。
竜馬がユイと共にゲンドウたちへ語ったゲッターの歴史のなかには、やはり今回の事故
と同じような結果を招いたこともあったという。
リツコも、炉心のコピーは夢のまた夢と思っていたのに、扱いに慣れぬ者どもが安直な
行動をした結果、上記のとおりの事故がおきた。
サードの扱いにはならないが、セカンド・インパクトの二の舞である。
人類は、まったく懲りていなかった。
もっとも、その懲りない精神こそが人類の進化の源であるのだが、今回ばかりは事故の
内容がセカンド・インパクトの恐怖を、米国の人間達に嫌というほどに思い起こさせた。
結果として米国政府は威信もどこへやら覇気をなくしてしまい、後始末を日本に押しつ
けてきたわけだ。
覇気をなくしても、こういうところはちゃっかりしている。
ともかくも、そのような経緯でエヴァ3号機は日本へ送られてくることになった。
「人類補完計画の駒が、またひとつネルフで制御できるか。阻止には有利になるな。
だが、ユイの話ではたしかシトの温床になるということだった」
ゲンドウがいう。
「さて、これをどう処理するかだな……」
つぶやきながら、彼はセントラルドグマから上層部へと戻っていくのだった。
ちょっと尺たらずだった。ごめん。
24:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 23:06:21
早乙女のジジイイイィィィ!!支援
25:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 23:07:05
お疲れ様です。・・・ついに・・・早乙女のジジイのお出ましか!
26:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/16 23:42:07
メルトダウンした4号機が地中に潜って分裂・進化を繰り返していませんように
27:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 00:08:51
「でたな!聖エヴァンゲリオン!」
人類補完計画を単独で遂行できるエヴァができますな
28:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 00:17:16
ん?早乙女博士にヒゲ?
チェンゲの博士か?
29:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 01:10:33
細かいことを気にするな。ヒゲるぞ
30:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 01:33:59
竜馬を狂人扱いてwww
超乙
31:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 05:30:34
>>28
ヒゲはTVアニメ、マンガ、OVAの全ての早乙女博士にあるぞ。
32:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 09:18:15
ネオゲ早乙女博士が白髪? なのに声が富田さんで違和感炸裂したのは自分だけなのか?
33:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 12:42:35
もはやゲンドウもゲッター戦に取り込まれてるな
34:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 12:49:36
戦じゃなく線な。
ところで、前スレ落ちるまで放置プレイか?w
35:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/17 21:16:14
素晴らしく愉快な流れになってるな。
36:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 00:07:06
遅れながら、小説新作GJ!
次の展開は多分…
シンジが使徒に取り込まれて、それを見たゲンドウがシンジを火炎放射器で焼き殺すに違いない。
「小型火炎放射銃!片手で扱えるから2丁拳銃も可能じゃ、カッコイイ!」
とか言いながら、焼き殺すに違いない…
そして、「シンジが呼んでる・・・」とか言いながら、新型ゲッターを開発して
最期はゲッター炉を暴走させてサードインパクトを起こすに違いない!
37:つづき 10レス予定
07/11/18 21:09:33
視点は、地上の少年たちへ映る。
「センセ! 頼む、このとおりやっ」
と、学校の階段の踊り場でシンジの正面から、がっぷりと彼によって掌をまっすぐにこ
すりあわせるのは鈴原トウジであった。
そのまま頭をたれて、神仏にすがる様だ。
なお「センセ」というのは、いつの間にかシンジのあだ名としてトウジがそう呼んでい
るものである。
シンジが竜馬と行動を共にしていることが多いからだろうか。
トウジは、竜馬を兄貴分とみて一種の憧れの念を抱いているようだった。
かれら二人はこの日、共に下校前の掃除当番であったがトウジの提案により、適当に掃
除をするフリをしながら雑談にふけっていた。
その雑談の内容は様々であるが、シンジもトウジも、一四歳の少年だ。
性に関してもっとも多感な彼らが取り上げる話題の中に同クラスや、近い位置にいる女
の子たちのことを浮かび上げてくるのは自然のなりゆきであろう。
まあ、それでも明暗の個人差はある。
シンジは餌に食いつく魚ほどに過敏な反応はしないが、活発なトウジは別だった。
彼には、同級の中に気になる娘がいるらしい。名を、洞木ヒカリといった。
「クラスの委員長で、家庭的でかわいくて、ちょびっと気の強いところが好みなんや」
トウジがいう。
だが、
「……ふうん。トウジはそういう人が好きなんだ」
シンジは、気のない返事である。
38:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:10:41
そういう話題をするのが恥ずかしい……というより、あまり興味がそそられないといっ
た風だった。
それを見たトウジは、いよいよシンジの肩に組み付くと顔を近づける。
「せやけど、本人目の前にするとど~にもならん!! こう、バァーいうて溢れる一杯な気
持ちをうまく伝えられんのや。
流の旦那といつも一緒におるシンジなら、こう、男のアイデアが浮かぶやろ!?
頼む、わしに力を貸してくれえっ」
懇願するトウジ。
よほど惚れてしまっているのだろう。竜馬は頼りになる、というイメージだけが先行し
て色恋ごとを相談してもどうにもならない人間であることを忘れてしまっている。
その影響下にあるシンジとて同様だ。
「僕にいわれても……」
やはり、当のシンジの返答は困惑したものであった。
だがトウジはなおも諦めきれずに、シンジに組み付いたまま「そこをなんとか」と食い
下がっていく。
といっても階段の踊り場でのことだ。
興奮しすぎて足下がおろそかになり、そのままじりじりと動くと、足を踏み外し二人し
て階下へむかって転落していってしまう。
ドタンバタンと盛大な音とホコリを撒き散らしながら、少年二人はもつれあいながら転
がり最後には、階下に置いてあった台の足にぶつかって止まった。
「あたたた……す、すまんシンジ」
トウジがうめく。
ちょうど、シンジをクッションにする形で地べたに伸した形になってしまい、トウジは
あわてて立ち上がろうとする。
が。
39:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:11:45
「おっ」
と、いうままにトウジはその背後に忍び寄っていた何者かによって腕を取られて引き上
げられ、ふわりと立ち上がった。
トウジは引き上げてもらった礼をしようと、同じくシンジの手をとって彼をひきあげな
つつ振り向いた。
だが、引き上げてくれた人物がよくなかった。
「げえっ、委員長!」
後ろにいたのは、おさげになった髪をちょこんと垂らした小柄で可愛らしい娘、シンジ
達のクラスの学級委員長である、洞木ヒカリその人だった。
つい先ほどまで、トウジがシンジの知恵を借りてまでして想いを伝えたい、としていた相手である。
トウジは言葉につまってしまうが、しかし彼を見るヒカリの目はそういうことを聞くよ
うな色をしていなかった。
学級委員長になるくらいの彼女である。
掃除の当番を任されていたはずの人間が騒いで勝手をやっているのをみて、笑顔を継続
するような性格はしていない。
対してトウジは学級で決められたルールの違反常習者として名高いような生徒だった。
ヒカリの目がどんどんきつくなっていくと、ついには
「鈴原ぁ!!」
といって掴んだままの腕をひねる。
トウジが悲鳴をあげた。
「まじめに掃除しないどころか、碇君にケガさせてどういうこと!?」
ヒカリはそういって、ようやく立ったシンジの腕を指さす。みれば、階段から落ちた際
に角で切ってしまったのか二の腕から血が垂れていた。
40:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:12:47
「碇君、保健室で手当しないと」
「いや……大丈夫」
「だめ! ばい菌でも入ったら大変じゃない」
そういってヒカリはシンジの腕をとると、保健室へ直行しようとする。
その背にトウジのつぶやきのような、
「あの、わしもケガしとるんやけど……」
という、呼びかけがあったがヒカリは、
「あんたは掃除してなさい!!」
と、だけいってさっさと廊下を曲がっていってしまった。後にのこされたトウジは、
がっくりと膝を落として、
「とほほ……」
と落胆するしかなかった。
そしてシンジはヒカリに連れられて保健室に入っていく。
彼は椅子にすわり、彼女に腕を差し出して消毒の手当をほどこされるが、その間に、
「いいの? トウジを放っておいて」
と、複雑な表情をしているヒカリにむかって聞いた。
すると本人は、ぷい、と首で空をきってそっぽをむくと「いいのよ、あんな奴」と吐き
捨てるようにいうが、どうもその声色がおかしい。
シンジが「本当に?」と追求する。
しかしヒカリはその質問にはこたえず逆に、
41:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:13:13
支援
42:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:14:50
「碇君って、あいつと仲いいよね。どうして?」
と問う。
するとシンジはコンピュータが情報を検索するようにすこし止まった後、ふと言った。
「一緒にいて楽しいから。柄はちょっと悪いけど」
その言葉にヒカリは「うん」といい、うなずいた。
シンジが首をかしげる。
「えっ」
「……あっ、いやっ、なんでもない!」
ヒカリは頬を赤らめて諸手をぶんぶん振る。
それをはて、といった感じで見つめたシンジはしばらくすると、少し抑揚の落ちた声になっていう。
「……実はね、僕からいっちゃっていいものかどうか解らないけどいっちゃう。トウジは
ね、委員長のことが大好きなんだって」
「え……」
時間が、一瞬止まったようだった。
ヒカリは口をぽかんと開けたまま焦点のあわない目で虚空のどこかをみつめている。
シンジはしばらく待ってみたが、反応が戻ってこないので
「どうしたの」
と呼びかけると、やっとそれで現実に引き戻されたのかヒカリがはっ、と頭をあげた。
「嬉し……げほ。で、でも困るっていうか、私は別になんとも思ってないしっ」
「いま嬉しいっていわなかった?」
「いってない!」
43:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:16:06
「いや、確かにいった」
「しつこいなぁ、もしかして私をからかってる? 碇君でも怒るよ!!」
ヒカリはさらに顔を真っ赤にしてわめいた。
それにシンジが、なおも首をかしげる。
「じゃあ、委員長はトウジが嫌いなの?」
「き、嫌いなんかじゃ……」
「じゃあ、どうでもよくて思考には入らない?」
「そんなこと!」
シンジの追求に、言葉につまらせるヒカリ。
するとどの問答も明確な答えが返ってこないことに、シンジはいよいよ抑揚のなくなっ
た声でいった。
「おかしいな。好きでも嫌いでもどうでもいい相手でもなくて、ならどういう感情がある
のか……本当に人間っていうのは解らない存在だ」
「……碇君?」
ヒカリの手が止まった。
シンジのいっている事がおかしく感じたのと、もうひとつ。
今のいままで、自分が手当していたはずの彼の二の腕から、一瞬にして傷口が無くなっ
てしまったのだ。
シンジが固まるヒカリから腕を引いていった。
「まあ、いいや。どうせ……」
といってシンジが椅子からゆらり、と立ち上がる。
それと同時にカサリ、と乾いた音がシンジの背中からした。
異様な感覚をうけたヒカリも立ち上がってシンジから一歩しりぞくが、ふと見た彼の黒
目がいつの間にか、人間にはあり得ないほどの細さに狭まっていることに気づいた。
44:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:17:08
「碇、君……?」
恐怖を覚えたヒカリが震える。
それを捉えるシンジがニタリと表情を崩していく。
「どうせ、人類など我らの宿り先に過ぎない。まずは君からだ……」
その言葉と共に、保健室の床に映るシンジの影がふくれあがる。
ごぼごぼと音をたてて変容していく目の前の人間だったはずのモノを見て、ヒカリの顔
がひきつっていく。
悲鳴があがった。
「い、嫌、嫌ぁぁあッ!!」
ヒカリは脱兎のごとく駆け出して保健室を抜けだそうとするが、戸に手を掛けた瞬間、
「ぐぇっ……」
ヒカリを背中から鋭くとげが茂ったイバラのようなものが貫いた。
大人の男の腕ほどはありそうなほど太い風穴が、彼女の胴体に空いていく。
ぶわ、と鮮血が辺りにまき散った。
壁、床、天井、いたるところが紅い模様に彩られていく。
己の身になにが起きているのか解らないヒカリが目を白黒させるが、その間にもイバラ
はヘビのようにのたうって動き、彼女の口内に進入していく。
それは、ソバでもすするかのようにヒカリの体内へと吸収されていき、やがて全て飲み
込まれて消えていく。
体を貫かれたヒカリはその場に、どっと崩れ落ちた。
溢れ出る紅い液体が円となって広がっていくなか、シンジはヒカリだったものを踏み越
えて、保健室を後にする。
45:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:17:23
試飲
46:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:18:20
だが、何事もなかったかのように廊下をゆくシンジの姿は、ワイシャツとスラックスの
制服に身を包んだ何ら、変哲のないものであった。
やがて、さきほど転がりおちた階段へとシンジは差し掛かる。
そこにはまだトウジの姿があった。
想い人にそっぽを向かれたのがよほどショックだったのか、つまらなさそうに壁に背を
もたれて腕をくんでいる。
だがシンジの姿に気づくと、
「おお、シンジ。ど、どないやった委員長は」
と、困ったような表情で聞いた。
それにシンジは、
「トウジに想うことが一杯だってさ。保健室に行ってごらん、たぶん、まだいるよ」
その言葉にトウジは、
「ほんまか! さ、サンキュウなっ」
といってその場を駆け出す。
だが、シンジは消え去るトウジの背をみることもなく、階段に足をかけて下へと下って
いくのだった。
下校しようというのだろう。
そして廊下をどんどんと行くが、やがてそれを引き留める人物がいた。
「おーい、碇ぃ」
と、小走りに寄ってくるのはケンスケだった。
47:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:19:35
なにやら期待に満ちみちたような表情をしているが、シンジに駆け寄るなり、今度は真
顔になった。
それをうけてシンジは人形のような無表情となる。
が、すぐに微笑へと戻った。
「なあ碇、ちょっと気になる情報を仕入れたんんだ。屋上で話をさせてくれよ」
「……いいよ」
そういうと二人はつれだって屋上へと昇った。
階段を上がり、屋上への扉を開くなり、すこし傾いた陽の直射が辺りを照らしている。
屋上の広場に出るなり、う、とやや苦しそうなシンジ。
だがケンスケはそれには気づかずに、彼の前にでるといった。
「なあ、エヴァ3号機が来るんだろう」
「……なに、それ?」
「あれ、なにも聞かされてないのか。パイロットは末端だからかな……実はまた親父のデ
ータ盗み見たんだけど、エヴァは弐号機以降も世界で建造されているっぽいんだよ。
で、詳細は不明だけどアメリカで建造されてた4号機が事故で消失して、残った3号機
は日本に送られてくることになったんだって。たしかいま、空輸している最中のはず」
そういって、ケンスケは空を指さす。
その指さす方向をみて、シンジが面白そうな表情になる。
「へえ……本当だ」
「えっ」
「いや。それで?」
「それでさあ……まだパイロットは決まってないみたいなんだよ。そこで碇に相談だ。
ぜひ君の口から、俺を4号機のパイロットに推薦してくれないか!
ゲッターは流さんが相手にしてくんないし、可能性があるのはこれだけなんだよ。
な、初号機に乗ってる碇なら男のロマンもわかるだろ!? 頼むよ!」
48:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:20:38
と、濁流のような勢いで語りまくるケンスケ。
シンジはそれを黙ってみていたが、やがて目をつむるといった
「いいよ。ケンスケはエヴァ3号機に乗りたいんだよね」
確認するかのようにいった。
それを、承諾の言葉と思ったケンスケが飛び上がらんばかりに喜ぶ。
「本当か!? あ、ありがとう碇っ、どうしても乗りたいんだエヴァに!」
「ああ、いいとも。いますぐ乗せてあげるよ」
「え……?」
まだ到着してもいないのに、とケンスケが言おうとした瞬間、シンジが躍りかかってそ
の首を絞め上げていく。
せつなの出来事にケンスケは混乱したが、すぐに正気に戻ってシンジの腕を放そうと抵
抗する。
が、その力が異様に強く、ケンスケの腕力程度ではどうにもならなかった。
首にかかる圧力が、じわじわと強くなっていく。
「ぐぁっ……あ、な、なにすんだ、碇ッ……!!」
「乗りたいんでしょ。あのつり下げられた黒いエヴァに。だから乗せてあげるよ、思うが
ままに操れるように!」
そういい、シンジは右手を挙げるとケンスケの顔面を覆い被すようにつかんだ。
ケンスケがうめくまま、シンジはその手に力をこめていった……。
そして、場面はトウジの向かった保健室へと移る。
49:いけたらあと1レス
07/11/18 21:22:21
「なんや……これ……」
シンジの言葉に従って保健室の戸を開けたトウジを待っていたものは、胴体に空いた穴
から臓物が飛び出し、血みどろの無惨な姿となって倒れ伏したヒカリの姿だった。
戸を開けた瞬間から凄惨という文字そのもののような空間を視覚させられたトウジは、
しかし脳の処理が追いつかず突っ立ったまま、しばらくそのままだったが、やがて足下の
ヒカリのうめきに正気へもどされる。
トウジは、血にまみれるのも構わずヒカリを抱き起こした。
「い、委員長……ッ!!」
「す……スズハラ……碇君が……」
「シンジがどないしたんや!!」
「あれは……碇君じゃ、ない。逃げてっ。鈴原、ここにいたらだめ、逃げて……」
「しっかりせえ!」
「おねがい逃げて、鈴原……も、意識が……うう、ウアアッ」
意識が、といったあたりからヒカリの声質が変わった。
なにか機械の複合音声でも聞いているような異様な声にトウジはぎょっとするが、しか
しヒカリを離さず懸命に呼びかけた。
すると。
「スズハラ」
と、ヒカリが急に落ち着いたようになっていった。
「ずっと好きだったの……」
50:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:23:50 1Zl3DyOO
ドキドキほっす
51:ここまで
07/11/18 21:24:27
その言葉のつぎにはヒカリはふわりと動き、支えるトウジを逆に押し倒した。すでに出
血多量で屍も同然だったはずである。
その体から流れ落ちる血液がトウジのジャージに染まっていく。
呆然とするトウジ。
「委員長……?」
トウジは一瞬、なにかタチの悪いいたずらでも受けているのかと思ったが、その考えは
黒目の異様に細まったヒカリの顔を見て打ち消される。
そしてトウジを降ろし見る彼女の口がぐわりと開き、剣山のように鋭く尖った歯が肉を
貫きびっしりと生えていった。
ヒカリが、滑るようにトウジに迫っていく
「う……うあ、ぎゃああああ……ッ!!」
トウジの絶叫が校舎中に響きわたった。
・・・
52:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 21:25:01
インベーダーが来ちゃったか……
53:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 22:17:06
禍が来ることは予告されてたがきついなあ。シンジも寄生されたままだし。
54:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 22:42:50
これはどっちだ?インベーダーか?
55:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 22:48:33
えーと・・・・・・・展開が急すぎて頭が付いて逝けん。otz
56:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 23:02:30
まさかシンジがストナーサンシャインで消されるのか?
57:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 23:03:18
あぁ・・・
58:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 23:03:30
>>36がシャレにならなくなったーーーー!?
仮にチェンゲのインベーダーか何かだとして、寄生された宿主が
五体満足でキレイに生還できる可能性ってあったっけ………
……いや、諦めてスレタイ読み返そう。
ここは「エヴァの主人公が真ゲッターの竜馬だったら」なんだ……
シンジが主人公だとはどこにも書いてないのだった………
59:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/18 23:23:06
>>53のレス読んで「はて?バケモノは出ても猿はいなかったような・・・」と2回読み返した俺
しかしこいつは土暗かインベーダーか。前者ならまだ助からないとも言い切れないが・・・
60:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 01:25:10
「竜馬さん、ミサトさん、リツコさん、綾波、アスカ!
……あと一応、父さん!
僕が引いたレールも最後だ。あとはみんなの力で切り開くんだ、人類の未来を!!」
呼ぶ人多すぎだし、そもそもレール引いてないねシンジきゅん
61:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 01:51:00
まぁシンちゃんは補完から分離した実績(?)はあるけどアレとはチト勝手が違うからなぁ・・・
62:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 02:49:18
ちょwww
さよならシンジ…
63:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 07:01:13
前スレ500で埋まったな
ラストがジーグでワロタwww
64:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 09:00:24
待て、このシンジがインベーダーに寄生されているとは限らない。
本物のシンジは別の所に居て、このシンジは擬態しているだけかもしれないぞ。
65:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 09:39:18
前の回から考えると、そういうこともあるかもしれない。
66:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 10:39:10
するとこのシンジの正体がカヲルかもしらんのだな
67:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 12:16:58
トウジやケンスケはともかくシンジは死んでも艦隊からスペアが供給されそうな悪寒
68:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 15:02:24
>>64のいうこともわかるが、自分はやはりレリエルのときに寄生されたとみる!
そして、竜馬のいっていたゲッターにシンジを記憶させるということの意味がわかるときがくると思う。
具体的には2人目のシンジの登場。
69:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 18:46:24
>>68
真シンジVSネオシンジだな!
「リョウくん、行かせてっ!!このままじゃシンちゃんが!」
「あまったれんじゃねぇっ!!俺たちにはこの先もっと残酷な(ry
すんませんでした
70:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 22:36:30
あー、レリエルん時に憑かれたか?
密かに脇役3人気に入ってたんだが、
ゲッター的展開では助かりそうにないなァ・・・
71:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 22:38:38
>>69
シンジ「うぉぉぉぉ…降ろせぇぇぇ!降ろしてくれぇぇぇぇ…!」
ゲンドウ「熱い血も流れねぇ使徒ども!これがテメェが恐れていたゲッター線だぁ!」
シンジ「オ…親父ィィィィィィィィィ!」
…ドワオ!
やばい、変な電波を感じた…。
72:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/19 23:36:30
弐号虎機inアスカと、黒ゲinシンジ1人
↓
インベーダーに寄生されて身体機能のリミッターが外れたシンジと、
そんなシンジを何とか元に戻そうと苦戦するアスカ
↓
ゲッターに乗って戦ってる内に、シンジに寄生していたインベーダーが
捕食物であるゲッター線(炉芯?)に反応して活性化、暴れ出す
↓
それによってシンジが意識を取り戻しかけるも、インベーダーはまだ取り付いているので入れ替わり立ち替わりグダグダ
↓
シンジの乗るゲットマシンのコックピット内にもう1人の影が・・・
↓
響く銃声、開かれるハッチ。動かなくなったシンジを抱えた竜馬が出てくる。
真ゲ異聞のような感じの電波を受信したようです。
73:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/20 07:31:08
まったく関係ないがエヴァ世界では恐竜帝国の連中はどうしているんだろう?
やっぱリリスとかの子孫なんだろうか?
穏健派に率いられているから地上の事に干渉しない?
彼らの御神体は青いネコ型ロボ…
74:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/20 10:23:45
サンダルフォンが未参戦なのはやっぱ恐竜帝…
75:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/20 11:19:10
>>73
恐竜帝国には北海道サイズの立方体空間の聖地があるのかよwww
76:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/20 21:38:47
竜の騎士吹いたwwww
ゲッター知ってからあの映画観ると、どうしてもテラ恐竜帝国wwwとか思ってしまう………
77:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/20 22:26:05
「地上最強のエキスパートチームGIジョー」の敵コブラ軍団も
当初は単なる奇人変人テロリスト軍だったのが実は氷河期に地上から追われた
爬虫人類の逆襲の尖兵だったと明かされたもんだった。
78:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/20 22:41:06
つ「ダイノサウルス作戦」豊田有恒
79:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/20 22:46:43
>竜の騎士
マントルの海の中や空中、空間・時間跳躍も可能な大型戦艦を何隻も所有していながら
地上戦では古式ゆかしい騎馬戦や攻城櫓しか用いない、よくわからん連中だったなあ
80:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/20 23:51:36
>>79
異種族の価値観が人間には理解できないのは当然だとおもうぜ。
81:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 01:26:25
>>80
いや、技術力の問題でしょ。
あの後、地下世界でも恐竜たち(が進化した竜人)が安全に暮らせ、文化を発展させていけるように
ドラえもんがそれらの未来の超技術を記した装置か何かを置いていったんじゃないかと脳内妄想。
ドラの歴史改編により穏やかな種族の国家となった恐竜帝国では青ダヌキの神像が奉られ、ガーディアンとしてサンダルf(ry
82:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 01:31:47
その連中の中に某アメフト漫画世界に脱走して暴れてるのがいるぞ!w
83:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 07:27:01
D&DのPCゲームにも出てきたな、気候変動で地上の支配者の座を追われた爬虫人類の逆襲は。
洋の東西を問わず燃える定番ネタなんだろうな。
84:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 08:04:04
>>81
どっちかっつーと平和を脅かすものとして恐竜帝国に始末されたんじゃ………>サンダルf(ry
>>83
西欧はもとより中近東やキリスト教圏下じゃ、爬虫類系のドラゴンは倒されるべき『悪』となってることが多いし。
85:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 13:11:02
>>84
「倒されるべき悪」としての竜の話が出るとマップスのダード・ライ・ラグンを思い出す。
「竜にさらわれた沢山のお姫様の中に一人くらい、竜と一緒に居たかった女の子も居たよね?」
というラドゥの言葉と「いや・・・やはり姫君は勇者に返すとしよう」というダードの言葉に俺は
漫喫で読んでたにも関わらず泣いちまったよ。
86:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 15:02:03
そういえばアーク編のカムイは一代雑種だから帝位を継いでも子孫残せねえんじゃね?
87:つづき
07/11/21 18:03:16
ところは変わり、同じく校舎内のアスカに視点は移る。
「でぇいッ!!」
斬、と一閃。
アスカが目の前に立ちふさがった異形の化け物を、将造から譲り受けた軍刀「村田刀」
を縦一文字に振るい一刀両断にして飛び退く。
だが、一体倒しても周りを見れば似たような怪物がぞくぞくと集まってきた。
アスカはそのまま身をひるがえすと、息をきらせながら独り校舎を走ってわめいた。
「なんなのよコイツら!! ふざけないでよッ」
アスカはそう叫びながら、この日起きたことを走馬燈でもみるかのように次々と思い出していく。
彼女の行動を追う前に、その内容をまず記述しておく。
さて。
アスカはこの日、いつもの通りに授業をうけ、そして夕刻になっていつものように下校
しようとしていた。
彼女は日常が続くことを疑わなかった。
しかし。
アスカが帰り支度をしようと、友人の数人と雑談をしながら教室に居たとき……丁度、
シンジがケンスケと屋上に行った頃のことだ。
職員室で作業をしていたはずの彼女たちの担当教師「根府川先生」が、ふらりと顔を覗かせた。
「先生、どうしたんですかぁ?」
と、女生徒の一人が彼に駆け寄ったときだった。
根府川が倒れ込んできたかと思うと、次の瞬間にはその腕からまるでゲッターレザーの
ごとく生えた刃がその女生徒の首をはねたのだ。
88:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:04:22
女生徒は、むろん即死だった。
首が空を舞って血が飛び散り、それを見た生徒たちの悲鳴がこだまする。
日常が、地獄絵図の世界に移り変わった瞬間だった。
教室がパニックに包まれる。
あとは、襲いかかる根府川を跳ねとばして教室を抜け出し、何人かと連れだって学校か
ら脱出しようと試みたが、その途中で先の根府川のように人外と化した教師や、生徒たち
だったものがわらわらと現れてきた。
無我夢中で逃げたが、ふと気づくと、アスカは独りとなっていた。
おそらく、みな走る力も尽きて、怪物の餌食となってしまったのだろう。
アスカは将造から、テロリストにもなれるほどの戦闘訓練を受けている。たとえこのよ
うな状況でもそう簡単に命を落としたりはしない。
が。
脱出しようにも、階段や通路のいたるところに怪物と化した彼らがうろついており、さ
しものアスカも退路がなかった。
(嫌だな……あたし、こんなところで死んじゃうのかな)
一瞬、あきらめが彼女の脳裏をよぎった。
だが同時に、希望もよぎる。
(……そうだ! パパから貰ったアレがロッカーに!)
と、アスカこの窮地を脱するべく武器を求めた。
将造から譲り受けた軍刀「村田刀」である。
アスカは近頃将造の影響がいよいよ強くなり、銃刀法違反もどこふく風で刀を持ち歩く
癖がついていた。
それを思い出して、危険を承知でロッカーのある我が教室へ戻った。
すでに根府川の姿はなく、首をはねられた生徒の骸があるのみであった。
89:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:05:23
だが、軍刀を取り出す最中に、その生徒が起き上がってくる。
悲鳴をあげる間もなく襲いかかられたがアスカは軍刀を腰にやって、将造からおそわっ
た居合いの技をあびせてこれを撃退。
軍刀の切れ味は異常なほどに鋭く、相手の胴体を真っ二つにして切り裂いてしまうほどだった。
おそらく、将造が敷島あたりに頼んで必要以上に強化させた代物だったのであろう。
ともかく、アスカはこの地獄でクモの糸にすがりつくことに成功した。
刀を持ち歩くことで普段は白い目で見られるだけだったが、よもやこんな形で役に立つ
とはアスカ自身、思いもしなかった。
「もし、パパに出会ってなかったら、アタシとっくに喰い殺されてた……」
と、不思議な運命を感じながら、学校を脱出すべくひた走った。
以上、彼女の回想である。
アスカは身をひるがえして通路を走ると、その最中で、保健室へと繋がる通路にでた。
すると、
「ぎゃああああ……ッ!!」
と、前方の通路から聞き覚えある声が響いてくる。
「鈴原ッ!?」
声のする方に走っていくと、保健室が見えた。なにやら、入り口付近に血液らしきもの
が飛び散って無惨な光景が広がっている。
ばっ、と飛ぶように保健室にアスカが踏み込んだ。
するとトウジに覆い被さるヒカリの姿が見えたがその胴体には、目を背けたくなるほど
の穴が空き、血にまみれた臓器が飛び出している。
それが動いてトウジに覆い被さっているとなっては、アスカの目にも彼女がすでに人間
でなくなっていることは瞬時に知覚できた。
90:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:06:42
「ヒカリ、鈴原……」
ぐちゃぐちゃと、エビやカニの身をむしるような音がする。
それがヒカリによって食いちぎられたトウジの首筋から発しているものであることはす
ぐに解った。吐き気のするような異臭と共に、血だまり広がっていた。
やがて、アスカの接近に気づいたヒカリが頭をあげる。
トウジの最期の抵抗だったのであろうか、その眼球の片方が、つぶされていた。
「……」
それを見てアスカはだまって一歩、下がった。
そして。
「許して、ヒカリ」
つぶやくと、ぶんと脚を振り上げてからその頭へ強烈な蹴りをあびせると靴底からおび
ただしい量の鉄のトゲが跳ねとばされるように生える。
その勢いでもって顔面を串刺しにすると、ばしゃっと砕いた。脚を下げると、トゲは収納される。
おそらくこれも将造から授かった戦闘靴なのだろう。
ヒカリから解放されたトウジが、ぴくりと反応をしめす。
だが、すでに生命が維持できる状態でないのは明らかである。
助けようもなく呆然とするしかないアスカだったが、トウジはかすれる視界に、その姿
をみとめたのか食い破られた喉から空気を出しながらも、力尽きる寸前に、
「惣、流……碇に会うたら、殴ってすまん、いうといて、くれ……」
と、わずかに聞き取れる言葉を残して果てた。
無惨に崩れた友人たちを前に、アスカの心中に無念という想いの嵐が吹き荒れる。
「誰がこんなことしたのか知らないけれど、絶対に許さない……」
91:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:07:44
ぎり、白木の柄を握りしめ唇をかみ切るように独白して、きびすを返した。
保健室を後にして、そこに迫っていた怪物の一体を居合いで音もなく切り裂いくと、ア
スカはその骸が地に着く前に駆け出した。
「……ねえッ!! 生き残りはいないの!?」
その叫びが校舎中にこだまする。
すると、それに反応したのか走る廊下の側面の教室から、戸をぶちやぶって何者かが転
がり出てきた。
怪物か、とアスカは軍刀を構えたが
「惣流さん……私。敵じゃないわ」
顔をあげるのはレイであった。
生きた人間の言葉に、瞬間安堵の息がもれた。
軍刀を降ろして片手で乱れた髪をかきあげると汗をぬぐっていった。
「ねえ、どうなってんのよこれっ」
もう訳が解らない、といった風に聞くアスカ。
その問いが返ってくることはないだろうと思ったが、しかしレイは答えた。
「この怪物たちは……インベーダー。流さんたちが、戦ったことのある敵よ。
生き物にも、機械にも、なんにでも寄生して増殖する敵」
「インベーダー……ヒカリも鈴原も、それにやられたのね」
アスカが敵の名を復唱する。
―日常を壊した憎い敵の名はインベーダー。
そう、胸に刻むためにだった。
92:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:10:42
支援した方がいいんかのう
93:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:12:06
「でも。それがどうしてこんなところに」
「インベーダーも本来、この世界にあるはずのない存在。それがこの世界に
干渉したとすれば、原因は異空間に繋がりのあった第九シト……かもしれない。
あるいは第九シトそのものが、すでに寄生されていたのかも」
「まってよ……それじゃゲッターはまだしも、あれに飲み込まれたシンジは!?」
「……すでに寄生されていたと考えると、この事態の説明もつくわ。抵抗できない私たち
を最初の餌食にすれば、あとは楽に増殖できるもの」
レイが答えた。
非情の現実にアスカが、嗚呼、と深いため息をもらす。
シンジは、ゲッターエンペラーを率いる竜馬がじきじきに守りにくるほど、この世界の
未来になくてはならない存在ではなかったのか。
「あいつが敵かもしれないなんて……どうすんのよ、これから……」
「とにかく、逃げましょう」
レイの言葉に、アスカが彼女によってその胸ぐらをつかんだ。
その表情はまるで般若のようになっていた。
「あんた、あんたの中には碇ユイの魂も入ってんでしょ!?
自分の息子が死んだかもしれないってのに、なんで落ち着いていられんのよ!
どうしてエヴァに関わる人間は、みんな冷徹なのよッ。あたしのママもそうだった!!」
と、アスカは殴りかからんばかりに勢いで迫る。
だがレイは言葉を選びつつ、懇願するかのようにいう……普段の彼女からは想像もでき
ないほどに、感情的な声色だった。
「お願い、心を静めて、惣流さん。ここで私達まで死んだら、なにも果たせなくなってし
まう。あなたのお義父さんだって悲しむ。
それに私はゲッターの使徒としてこの世界に来ました。仮にシンジがインベーダーに寄
生されていたとして、この魂に代えても必ず助け出します」
94:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:13:24
と、いうレイに、しかしアスカは唐突に言葉づかいが変容したのを見遁さなかった。
いまのレイには碇ユイの魂が混在しているのは、すでに書いた。
「あんた……今は「ユイ」ね。悪いけどファーストの姿に敬語は使わないわよ」
「ええ」
「……取り乱して悪かったわね。確かにここでわめいてても仕方ないわ……ついてきて、
学校から脱出する。でも、あたし以外は戦闘できないんだから前に出ないでよ」
レイの説得に、アスカが再び生気を取り戻す。
頭をもちあげて脱出の経路をうかがうが、あちらこちらからインベーダーの呻きが聞こ
えている。
―果たして、軍刀の一振りだけでこれを切り抜けられるだろうか。
アスカの額に冷や汗がにじむ。
そう思った時だった。
急に背後から、急にパンパン、と手を打ち鳴らす音がきこえる。
はっ、と振り向くとそこには、
「いや、立派立派。ご立派」
いつもの制服に身を包んだ彼の姿があった。
「シンジ!?」
それに一瞬、アスカが歓喜の色を浮かべたが、すぐに打ち消される。
なぜなら、彼の着ているワイシャツがはだけて、その内からのぞく肌は一部が黒ずんで
腐敗したようになり、ときおりそれが、もぞもぞとうごめいているのだ。
そして邪悪といっていいほどの笑みを表情にうかべているが、逆にその眼は、まるで死
人のように生気がなかった。
(やっぱりシンジが寄生されていたのね……)
95:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:14:26
アスカは心で嘆き、しかし口元を引き締めて軍刀を構える。
たとえシンジがインベーダー化してしまおうとも、こんなところでむざむざと殺される
つもりはない。
アスカには守らねばならないものがあるのだ。
岩鬼組の若頭が、たかが寄生生物ごときに倒されたとあっては岩鬼の名に傷が付く。
そう思うと、心の炎がめらめらと燃え上がっていくのを感じて、
(負けるか! シンジを取り戻してインベーダーにはオトシマエをつけてやる!!)
と、眼光もするどくにらみ付けた。
すると邪悪な笑いのままシンジがいった。
「怯えることはないんだ、アスカ。僕たちは、人類補完計画を経て一つになるだけだから
……さあ、心を開いて進化の道を……」
そういってアスカに手を伸ばすシンジ。
その瞬間、ひゅんと振るわれた刀の一撃に腕がばさりと斬られ、落ちた。
シンジは先の無くなった腕の付け根をきょとん、と見つめている。
だが……血が、出ていない。それどころか、腕の中には黒い不定形のなにかがごそごそ
とうごめいているのがみえる。
それを見てアスカが一瞬、言葉に詰まる。
が、やがて吐き捨てるようにいった。
「寄生虫なんかに、求愛されるほど落ちぶれちゃいないのよ」
「知り合いだったから、優しくしたかったんだけど……仕方ない」
と、いってシンジは指をならす。
それを合図に壁を、天井を、床を、窓を突き破ってインベーダーに寄生された生徒たち
のなれの果て次々と群がってくる。
その数、ざっと数十はくだらなかった。
アスカたちは瞬く間にとり囲まれて身動きがどれなくなってしまう。
96:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:15:32
その様をみるシンジが、
「この肉体は非常にみずみずしかった。おまえたちはどうかな?」
と、ケラケラ笑った。
まるで、首の筋をナメクジに這われる感覚を受けたような、嫌な笑い方だった。
これにいままで冷静をつとめていたレイが、激高をみせる。
「……インベーダーッ!!」
詰め寄ろうとするが、今度はアスカがそれを止めた。
「バカっ。必ず助けるっていった直後に特攻してどうすんのよ!? あんたら親子はそろい
もそろって、ホンッとに駄目ねッ!!」
「ご、ごめんなさい……」
アスカはレイを引き戻すと、お互いを背にした。
むらがるインベーダーに背中を見せずに済むようにだ。
「ファースト、後ろから敵が近づいたら言って。たたっ斬るから」
アスカが軍刀を構えていう。
だが、いくらひとかたまりになろうと多勢に無勢である。一度に攻め込まれたら、ひと
たまりもないだろう。
二人は額に汗をにじませる。
そのときだった。
「祭り会場はここけぇのお!?」
と、野太い声がしたかと思うと突如天井に空いた穴から轟音がひびき、さらに弾丸の暴
風雨が吹き荒れた。
97:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:16:35
銃弾は掃射されてアスカ達をとりかこむインベーダー共の肉をぶち破り、周囲のものを
粉のように砕きながら一気に掃射されていく。
インベーダー共の奇妙な悲鳴がひびく。
それと共に左腕に巨大なガトリングガンを備え付け、もう片方にはゲッタービームガン
を抱えた将造が降ってきて、どすん、と着地した。
それを認めたアスカの声が華やぐ。
「パパ!!」
アスカの視線の先に映るのは狂喜に満ち満ちた将造の表情だった。
その顔のまま、ぐるりとアスカに振り向いて彼は言う。
「おおアスカぁ。ワレぇ楽しいことするようになったけぇ! わしも混ぜちゃれや!」
だが、他のインベーダーを盾にしてガトリングの弾幕を逃れていたシンジが将造むかっ
て飛び出してきた。
「人間が一人増えたところで、なにができる!?」
その口を大きくあけて、喉の奥からおびただしい量の甲殻類かなにかに丸い目がぎょろ
りとついたようなものを吐き出してくる。
シンジに取り憑いているインベーダーの一部といったところだろうか。
それが将造にたかるように襲いかかっていった。
「パパぁっ!!」
アスカの悲鳴がひびく。
だが、将造はそれを素手で受けると、もの凄い形相になり、
「なんじゃあ紫色のカニなんぞ出しよって! こんなもんは」
と大口を開けると、一気にすくって飲み込んでいってしまう。
98:ここまで 支援ども
07/11/21 18:17:50
がばがばと、まるでソバでもかきこむかのような勢いだった。
それを見たシンジが笑う。
「アハハ、自分から寄生されにいったか。賢明な判断だ」
だが。
「……わはははは!! カニはいくらでも出せ! わしのメシになるだけじゃあッ」
と、インベーダーを一気に飲み込んだ将造はしかし寄生されることもなくケロリとして
言い放ったあとに、盛大な屁を放って大笑いした。
呆然とするシンジ。
自分からインベーダーを飲み込もうものなら、普通はあっという間に腹を食い破られて
しまうはずだったからだ。
「ば……バカなっ!?」
「がんぼたれえ。わしを誰やと思うとる……」
将造がニヤリと笑って、ガトリングガンを外すと右手にかかえていた、ゲッタービームガンをセットする。
がしゃりと構え、叫んだ。
「オレは極道兵器だ!!」
99:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:36:36
ちょwwwwインベーダー食いやがったwwwwwwwww
100:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:37:25
GJ!初めてリアルタイムで見れた。しかし将造、インベーダーを飲み込むてw
101:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:37:49
ちょwwwww若wwwwwww
102:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:40:06
屁ぇこくなwwwwww
103:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 18:57:03
エヴァのりてえと言ってシンベーダーになにかされたケンスケだけ生き残ったら皮肉だな。
104:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 19:30:29
インベーダーとなるとこりゃあシンジは助かりそうもねぇな・・・
って思ったら将造wwwwwwちょっと望みが出てきた気がする。
105:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 19:54:52
流石極道兵器wwwwwwwwwwwwwwww
106:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 21:21:01
いまさらだが
こいつ人間じゃねえwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
107:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 22:00:53
岩鬼がインベーダーを食ってるところを読んで
ゲッターでもエヴァでもないがガイバーのアプトムに融合捕食されそうになっても
普通に主導権を奪った上に「こいつはスゲェ身体じゃぁぁ!!これでわしは極道バトルクリーチャーじゃい!!」
とか言い出しそうだと思ったw
108:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 22:07:12
>>107
いや、きっと将造がアプトムを融合捕食するんだよ
109:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 22:11:49
極道という未知のエネルギーの顕現だろこの男ww
110:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 22:14:07
てかどうやったら死ぬんだこの人
111:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 22:15:07
さすがにアンリ・マユの泥は無理だな
112:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 22:38:08
型月厨は巣穴から出てくるな
113:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 23:00:40
なぜみんな邪鬼王を忘れているのだ
114:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 23:40:50
ちょwwwww
こりゃさすがの旦那でも喰えそうにないな。
115:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/21 23:53:56
慎一も忘れるなよ
116:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 04:48:10
インベーダー食いやがったwwwしかもそれが別に不思議ではないのが素晴らしいwwwww
どこぞの悪の泥だろうが怪獣王も苦戦するヘドロだろうが核爆弾だろうが喰いそうだ
117:つづき
07/11/22 15:04:53
「オレは極道兵器だ!! うらぁッガキどもっ、わしの背に隠れえッ」
その言葉と共に、かつてイスラフェルとの戦いで使用されたときよりも太くなったゲッ
タービームが発射されて洪水のような緑色の光が校舎中に溢れていった。
大量のゲッター線を浴びせられるインベーダーたちが、その体を崩壊させていく。
「く、に、人間めっ!!」
あふれかえっていたはずのインベーダーを瞬く間にせん滅させられていく様に、さしも
のシンジも恐怖を覚えたのか背後にあった窓ガラスを後ろ飛びに飛んでぶち破ると、その
まま空に浮いて逃げ出した。
将造は、
「逃がすかボケぇ!」
と、ゲッタービームガンをそのほうに向けて狙い撃ちしようと右目のレーザー照準を撃
ち出すが、アスカがすがりついて止めた。
「ま、まってっ」
「なんしよんじゃアスカ!! おどれも寄生されたかッ」
攻撃の邪魔をされて将造が恐ろしい声をだす。邪魔をすれば義娘でも容赦しない、と
その血走る目がいっていた。
それがすこしの冗談でもないことは、アスカが一番よく知っている。
だが、彼女はシンジをどうあろうとも助けると心に決めたのである。
ここで消滅させてしまったら、それはかなわなくなる……そこでアスカは将造を止める
一計を瞬時に思いついた。
「シンジはあたしが婿にもらって次期組長にするから殺しちゃ駄目っ!!」
むろん、口からでまかせである。
さしもの将造もこれには呆気にとられた。
118:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:06:44
「あぁん!?」
と、素っとん狂な声をだして攻撃の手を止めると背後からすがりつくアスカへ向いた。
そのアスカが続ける。
「あたしにもやり方があるの、それに文句つけるならたとえパパでもぶち殺す!」
と、威勢よく言う。
まあそれはよかったのだが、しかし奥歯がガチガチと振るえてしまって、いまいち迫力
にかけている。
インベーダーを相手にするよりも、将造に逆らうことの方がよほど恐ろしいらしい。
だが、そんなアスカを見て将造はなにかを思い出したかのように笑った。
この時すでにシンジの姿は見えなくなっていた。
「うはは……昔、わしが親父にいったのと同じこといいよる」
「ううっ」
「まあええ。あんガキにわしの組がつとまるは思えんが……たぶん、わしもいつまでもこ
こにゃ居れんじゃろう。次期組長は、ヌシの好きにせえ」
「えっ……?」
「じゃかしい。アスカ、もうここはゴキブリの巣じゃ。一匹でも残せばまた繁殖しよる。
元から絶つぜ!」
そういうと、将造はゲッタービームガンを外して床においた。
「こいつの炉心を融解させるんじゃ。ゲッター核爆発で始末しちゃる」
そのパネルの一部を開くと、現れたボタン類をなにやら操作してから再び閉じた。
自爆のコードでも入力したのであろう。
敷島の性格ならば、まちがいなく自爆可能なように設計するはずだった。
将造はかたわらのガトリングガンを装着し直すと、それを肩にかつぎ、
「脱出じゃあ!」
119:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:08:56
そう叫んでから、三人は一目散に外へ向かって駆け出した。
脱出経路を行く内にぱらぱらと生き残ったインベーダーが現れるが、すべて将造のガト
リングガンからいずる、弾丸の嵐に粉砕されていく。
あっという間に校庭へ出た。
そして門から通りへ駆け出したころに、背後の校舎が緑色の光につつまれながら大爆発
を起こして消え去っていく。
たとえ小型ゲッター炉心といえども、メルトダウンすれば校舎のひとつ程度の敷地はゆ
うに吹き飛ばす威力がある。
アスカ達まで吹き飛ばされずに済んだのは、幸運だったかもしれない。
激震にレイがつまづいて転んだ。
アスカが手を差し出して起き上がらせると、ふと頭をあげた彼女の目に消えゆく学校の
姿が入った。
「ヒカリ、鈴原……みんな。仇は討つから」
そういって、再び駆け出して、やがて安全なところまで離脱する。
レイが走り疲れて、その場にへたり込んでしまう。
アスカはまだ立っていられるが、極度の疲労を顔に表している。
平然としているのは将造だけだった。
「よし……ヌシらはネルフへ行け、いま竜馬の野郎は大空で敵と戦争してよる。もぬけの
カラの本部の守りについてこい。あのガキが来ないとも限らん」
「敵って……シト?」
「おおよ。エヴァとシトとインベーダーの融合体じゃあ!!」
将造はガトリングガンを天に突き上げていうのだった。
・・・
120:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:10:11
時は幾分か巻き戻って、アスカ達の第壱中学校が地獄と化する以前のことになる。
ジオフロント、ネルフ本部はそれよりも早く混乱に包まれていた。
「何!? 空輸中の3号機が襲われただと!?」
と、作戦司令室で受話器ごしに叫ぶのは冬月であった。
通話の相手は、先の4号機ゲッター炉心メルトダウンの件でエヴァ建造に怖じ気づいた
米国から、その3号機を空輸するために飛び立った輸送機の乗員からだった。
乗員は悲鳴まじりに空輸中の3号機に突然、正体不明の物体が衝突して、すぐに異変が
起きたことを伝えている。
四〇メートルの物体を収納することは不可能だったため、船底につり下げる形で運ばれ
ていた3号機が、物体衝突後に勝手に動き出したというのだ。
この報告にゲンドウと冬月は、レイが3号機に浸食型のシトが接触することを予告して
いたことを真っ先に思い浮かべた。
しかし、
「もうシトに浸食されていたのか!? だが、飛行能力のない3号機を空中で乗っ取ったと
ころでどうするつもりなのだ……」
と、冬月がいったが通話の相手は、
「3号機は、輸送機まで浸食して同化しているんだ!!」
と泣くような勢いでいった。そして、
「もはや機が持たん、我々は自爆を試みる。それでも駄目ならあとは頼む!!」
それが、最後の会話となった。
受話器ごしに爆音が聞こえ、あとはノイズだけが残る。
121:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:11:13
冬月は渋い表情になり、受話器を静かにおいた。
するとゲンドウが応じてオペレーターに輸送機の位置をレーダーで監視するように指令
を飛ばす。
それにはシゲルが応じた。
が、レーダーに映った点は輸送機が今だ健在であることを示していた。
「……依然、輸送機は日本上空の領域へむかって進行中です」
シゲルが力なくいう。
冬月がしかめっ面をして頷く。
「自爆も失敗……か」
「ああ。完全に予想外の出来事だ。シトもシナリオを変更しているということか」
「いや……シトにしちゃあ、やり方が派手すぎる」
と、二人の会話に割り込んできたのは珍しく作戦司令室に居た竜馬だった。
彼はこの日、偶然にもシンジたちの登下校に付き合わず暇を持て余して、シゲルと雑談
していたところである。その最中で4号機消失と3号機の件を知ったらしい。
竜馬へ向かって頭上の冬月が身を乗り出す。
「どういうことかね」
「俺の直接体験じゃねえが……知ってるんだよ。かつて、こういうやり方で攻めてくる奴
らがいたのをな」
「本当か」
「ああ。俺たちはインベーダーと呼ぶが、ゲッター線を喰って宇宙をさまよう寄生虫だ。
奴らがどっかから来て、シトもろとも3号機を乗っ取ったのかもしれねえ。
だったとすりゃ、厄介だぞ。生半可な攻撃を加えてもいくらでも再生してくるうえ、下
手に近寄りゃ有機体も無機物も見境無しに寄生されちまう」
竜馬がいった。
122:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:12:31
「ゲッター線を喰うだと……それではゲッターロボでも対処できんではないか」
「そこは逆手を使う。奴らが吸収しきれねえ量のゲッター線をあびせて、飽和状態にして
ぶち殺すんだ。それができねえなら、復活できねえぐらい徹底的に叩きつぶす」
このあと、それを将造がアスカ達の学校で実行することになる。
先に書いたゲッタービームガン炉心の融解である。
「……難儀な相手だな」
ゲンドウがいった。
だが、竜馬はその拳をボキボキと鳴らして笑った。
「それだけ戦いがいもあるってもんよ。どのみち空を飛ばれちゃ弐號機以外のエヴァには
手出しできねえな……俺が出る」
「一人で大丈夫か」
「俺を誰だと思ってんだ。それよりゲンドウ、非番の連中をとっとと集めやがれ」
「ああ、わかっている」
竜馬のいう非番の人間は、ミサト、マヤ、そして学校にいっているはずのシンジ、アスカ、
レイの五人だった。
だが竜馬は、その学校で異変が起きていることをまだ知らなかった。
彼は走ってゲッターの格納されている第八ケイジへむかう。
タラップを伝い、すでに合体状態になっているゲッターの頭部コクピットに飛び乗ると
すぐに炉心に火を入れた。
ギュオー……ン、という音と共にブラックゲッターが眼を覚まし、黄色い目に赤くぎら
ついた瞳が浮かび上がる。
竜馬が叫んだ。
「ゲッターロボ、発進!!」
ぶわりと黒いマントがたなびき、解放された天井の射出口むかってゲッターが飛び出していく。
123:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:13:47
ゲッターは黒いマントに身をくるんで頭だけを露出させた状態で一気に地上へと駆け抜
けると空へ舞い上がり、弾丸のような勢いで虚空へ突っ込んでいった。
久しぶりの一人乗りでの出撃である。
ゲッターは通常、三人のパイロットが揃うことでフルパワーを発揮するので、今、この
ゲッターは単純計算で三分の一の力しかないことになる。
それでも、出力を改善されたブラックゲッターの飛行はそれ以前のフルパワー状態より
も、かなり上回った速度で可能なようだった。
「この世界でゲッターをいじくれる奴に逢えたとはな。世の中解んねえもんだ!」
竜馬が珍しくコクピットで迫り来る圧をものともせずに独り言をつぶやくと、視界に
3号機に乗っ取られた輸送機の姿があらわれる。
すでに高度は一〇〇〇〇メートル。
大気が薄くなり、辺りの色彩がくっきりと鮮やかになった世界に、これが元は機械だっ
たものかと疑いたくなる、まるで生き物の内臓が超高々度を飛んでいるような物体にゲッ
ターが迫っていく。
それが元輸送機であると確認できるのは、唯一、姿がほとんど変わっていない3号機が
つり下げられていることだけだった。
それを見て竜馬がいよいよ大声になって叫んだ。
「やはりインベーダー野郎か! なにをしに来たか知らねえが……今度こそは、根絶やし
にしてやるぜええッ!!」
叫びと共にマントにくるまれたゲッターから紅い光線が次々と乱射されていく。
ゲッタービームの乱射だ。
この原理だが、ゲッターをくるむマント、つまりゲッターウイングは一種のバリア的な
性能も備えており、この中でゲッタービームを乱反射させて撃ち出している。
当然のことながらそんなことをすれば、本体のゲッターもダメージをうけてしまう。
少しも臆すということを知らない竜馬だからこそ可能な荒技だった。
ゲッタービームの雨が襲いかかり、すぐに3号機がA.Tフィールドを展開するものの紙
のように破られていった。
が、その本体に命中する前に輸送機の巨体かすべてビームを吸収してしまって、ビクともしない。
124:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:15:34
すぐさま反撃がきた。
内蔵のような輸送機の一部を切って撃ち出してくる弾丸だ。
「ちっ!」
だが、竜馬はその場を横っ飛びに離脱してなんなく回避する。
そんなゲッターに、地上のネルフから通信がはいる。
「戦闘中だ話しかけんな!!」
と言いながらも竜馬は通信をうけた。
コクピットのモニタにミサトの姿うつった。非常招集をうけて到着したばかりなのだろ
う息が乱れているようだった。
その彼女が、モニタにかぶりつくような勢いでいう。
「リョウ君! 聞いて、今、MAGIから3号機にコンタクトできたんだけど、パターンが青
とオレンジ、白を繰り返してるのよ!!」
「何ィ……」
竜馬が驚いたのは、こういうことだ。
ネルフのスーパーコンピュータMAGIは目標の生体反応を色分けしたパターンで表示して
いる。このうち青がシト、オレンジはヒト、白は正体不明、という意味だ。
今回における正体不明は間違いなく竜馬のいったインベーダーであろう。
つまり目標は、シトとヒトとインベーダーの生体反応を内包していることになる。
「シトがインベーダーに喰われてたってことか。だが、ヒトってのはどういうことだ」
「刺さっているだけのはずのプラグ内部にシンジ君の同級生、相田ケンスケ君と照合される
ヒトが乗っているの! でも、何度呼びかけても反応がないのよ」
ミサトがいう。
彼女は状況がまったく理解できない、という風だったが竜馬は「そうか」と、なにかピ
ンと来た様子で敵の攻撃をかわしつつもいった。
125:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:17:20
「ミサト。3号機に衝突した正体不明の物体てえのが、たぶんケンスケのことだ」
暗い声でいった
どうして、というミサトの問いに竜馬は間髪をいれずに
「恐らくケンスケがどこかでインベーダーに寄生されて飛んできやがったんだ。じゃなき
ゃ、そこにあいつがいる理由がねえ」
「そんな。なんとか、救助しないと……」
人命を気に掛けるミサト。
だが、竜馬はモニタの中で頭をふった。
「奴らに寄生された人間は、まず助からん。最良の手段はこれ以上、苦しまねえように跡
形もなく消滅させてやることだけだ」
と答えた。
「そ、そんなッ!」
「ミサト。ためらうんじゃねえ……人間の弱さにつけこむのが奴らの狙いだ!
俺はコイツをぶっ潰すッ!! ゲンドウ、解ったか!!」
竜馬が叫び、ミサトが、ゲンドウにばっと振り向いた。
それにゲンドウが席をたって応じる。
「仕方あるまい。現時点をもって3号機は破棄。以降、目標を第十シト・バルディエル、
およびインベーダーとして認識する」
ゲンドウはつとめて冷静な声でいう。
敵の出方がどうであろうと、ここで司令官が慌てたり、ためらうそぶりを見せれば現場
の士気などはあっという間に崩壊してしまうだろう。
彼の判断は賢明といえた。
だが、ミサトはケンスケごと敵を消滅させることに迷いを捨てきれない。
126:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:18:44
「シンジ君にどう話せっていうんです……」
ぎり、と親指の爪をかむ。そんな時だった。
外部からの通信を受け取ったマコトが顔面蒼白となってわめきたててきた。
「葛城三佐っ、そのシンジ君たちが!! 諜報員からの情報です、第壱中校内で今の
インベーダーという存在に酷似している敵が出現!! すでに大多数に死傷者が出ている模様ッ」
「な、なんですって……ッ」
マコトの報告に、ミサトが度を失った。
生徒の大多数……ということは、シンジ達が生命をつないでいる可能性はごくわずかでしかないだろう。
それを聞いていた竜馬が再び割り込んでくる。
「おいっ! 今の話は本当か!?」
「本当ですよ!!」
「なんで学校なんざに……まさか、あの球野郎の時にシンジに……?
チッ……おいミサト!! 加持に連絡とって将造の野郎に協力しろって言え! 学校に向
かわせろッ。早くしねえと街中がインベーダーで溢れかえっちまうぞ!!」
竜馬はそういい、あとは通信を遮断した。
そしていよいよコクピットの中で凄みの効いた笑みを浮かべるとレバーを思い切りひいいてから、ぐんと倒して叫ぶ。
「ケンスケ……先に地獄で待っていやがれ!!」
ブラックゲッターは竜馬の叫びでマントを解放すると、両腕を十字に組んでそのままつ
り下げられた3号機改め、バルディエルに突撃していく。
バルディエルは上部の輸送機ボディを引きちぎった弾丸を飛ばして接近を阻止しようと
するが、竜馬はゲッターが損傷を受けても構わず突っ込んで激突する瞬間に、大きく腕を開くと抱きつく様に体当たりした。
A.Tフィールドが展開されるが、それも素通りするかのように破って、勢いを殺さぬま
ま輸送機からバルディエルを引きちぎると、離脱していく。
腕の中でバルディエルが暴れるが、ゲッターは飛びながら凄まじい腕力のブリーカーをかけていった。
バキバキと拘束具が砕かれていき、エヴァだった素体の部分が露わになる。
127:ここまで
07/11/22 15:21:36
バルディエルは口をあけ、苦しそうにうめく。
それで反応が鈍くなったとみるや、ゲッターはぐわりと両の手で敵を持ち上げると地上へ向かってぶん投げて落とした。
凄まじい勢いで落ちていく敵をすかさずゲッターも急降下して追うと、右の脚をつきだしてその腹にぶち当てた。
さらに落下速度は増していく。
落下先は日本列島を飛び越え、北京のあたりだった。
みるみる内に地上が大きくなっていき、やがて墜落して叩きつけられる。
大地に激震が走って、まるで隕石でも落ちたかのように辺り一帯に衝撃波が広がって地面がえぐれていく。
もうもうと舞う土砂と共に、高度一〇〇〇〇メートルから落とされて全身を砕かれたバルディエルから血液だのオイルだの
液という液が噴き出していくが、ゲッターはすぐに立ち上がると、トゲの生えた拳でもってやたらめったらと殴りつけていく。
そしていよいよ相手が動けなくなったと見るや、びゅんっと飛び下がって両腕を開きつつ竜馬が叫んだ。
「ゲッターッビイイイィムッ!!」
収束されたビームを一点に集中照射され、バルディエルは蒸発するように消滅。直後、大爆発が起きる。
さきほどの土砂に加えて、さらに大地がえぐられ吹き上がり辺り一面は何も見えなくなるほどになった。
その中に竜馬のゲッターチェンジの声がひびく。ほどなくして、
「ゲッターミサイル!!」
土砂の空間の中から、巨大なミサイルの二発ずつが上空へ向かって二〇回ほど連射で撃ち出されていった。
ゲッター3最大の武装だ。照準は、バルディエルから切り離した輸送機である。
ミサイルは一気に空へと駆け上って主を失い制御不能になっていた輸送機めがけて命中し、高々度で爆散し果てた。
ゲッターミサイルには超高濃度のゲッター線が封入されている。
インベーダーと化した輸送機も、これを四〇発も喰らったことでゲッター線の過剰吸収となり飽和状態になったのだった。
やがて土砂から再びブラックゲッターが飛び出して、日本へ向かって飛んでいく。
だが竜馬はそのコクピットの中で、鬼のような形相で前を見つめ、
「インベーダーめ……俺の舎弟を可愛がってくれた礼をしてやる。覚悟してやがれ」
そう、つぶやくのだった。
128:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 15:36:08
GJ!
しかしこれでアスカ、レイ、未登場のカヲルを除いたチルドレンと候補生は全滅・・・
129:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 16:11:43
もはやシナリオも何もあったもんじゃないくらいに混沌として来てるな
130:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 16:17:40
インベーダーsueeeeeeee!
それより極道兵器tueeeeeeeeeeee!!
さらにそれより竜馬Tueeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!
131:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 16:47:04 c6Kj2gIQ
虚無っちゃダメだ…虚無っちゃダメだ…
132:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 19:07:58
完全にエヴァがゲッターにのまれたなwwwエヴァ涙目www
133:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 19:09:44
まだだ…まだ分からんよ
134:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 20:43:46 Ul3peKV6
石川信者はこんなので満足だろうがどう見ても最低系踏み台クロスです本当に(ry
135:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 20:46:44
まぁなかなか無茶クロスだからなぁ戦力的に
136:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 20:53:26
確かにエヴァが踏み台にされてるなとおもう
137:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:02:47
ダイナミック系の作品とクロスすると大概こうなるよ。もうなれたぜ
138:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:18:29
>>134-136
うるせえ!てめえらもエヴァもゲッター線のおににみこまれちまったんだ!
運命だとおもってがまんしやがれ!
139:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:32:21
ちなみに将造がインベーダーを飲み込んで平気なのは体内に搭載された超小型ゲッター炉心のおかげだと思う。
食ったはしからゲッター線で飽和させてるんだな、きっと。
140:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:35:16
つうか元々参号機は踏み台
141:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:35:25
>>134~137、石川版ゲッターとのクロスだとエヴァのキャラが薄すぎるから仕方がないと思うのだが?
デモンベインとかみたいに竜馬とかに対抗できるだけの精神力とか勢いがないと食われるのは仕方がない。
142:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:44:58
まあ牛とか髭とかいちおくえんとか言わないだけマシだと思っとくか
143:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:47:19
>>139
喰われたインベーダーが、たまたま生き残って進化したらどうなるんだろうか
144:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:50:56
>>141
いやデモベは勢いだけだろw
まぁエヴァ原作はこの辺から坂を転げ堕ちるような感じだったからな
寧ろ竜馬の活躍でエヴァ勢が皆助かって幸福になったとかの方がありえない展開w
145:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 21:52:23
オマイらせめてトウジと委員長に対して哀悼の意を示せよ
ついでで良いからケンスケにもな~w
146:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 22:05:46
というか『主人公が真ゲッターの竜馬』の時点で
エヴァは踏み台どころか土台にすぎない。
147:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 22:13:19
そんな信者に冷や水をぶっ掛けるのが俺のジャスティス
148:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 22:44:35
むしろ石川作品以外でゲッターと並べる物を挙げてほしいぐらいだ
149:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 22:50:22
>>148
間違いなくグレンラガンと言い出すやつがいるな
風呂敷を畳む(笑)
150:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 22:53:38
トミーノとか
151:つづき
07/11/22 22:54:34
・・・
深い暗闇の中で、五人の醜悪なる老人が立ち並んでいる。
彼らは巨木ほどもある大きさの、中に橙色の溶液が満たされたカプセルを取り囲むよう
にして、なにやら詮議にふけっていた。
彼らこそは今まで何度か打倒されるべき存在と目されてきた、ゼーレの幹部である。
その内の一人で、もっとも年かさに見えて肥えた老人がいった。
機械仕掛けの目隠しのようなものを着けていて、その目の色をうかがい知ることはでき
なかったが、歪む口元は彼が不機嫌であることを知るに十分だった。
「あの流竜馬という男が来てからというもの、シナリオは狂いに狂った」
その言葉に、他の老人達も連鎖するかのように、
「そう。もはやシナリオも何もあったものではない」
「修正は不可能といっていい」
「ゲッターの出現、碇とネルフの行動、鈴の裏切り、チルドレン候補の全滅……すべて予定外の出来事だよ」
「これ以上だまってみている訳にはいかん。我々は人類補完計画を遂行せねばならぬ」
と、口々にわめきたてはじめた。
彼らの信奉する、この世の歴史の全てがつづられたという「裏死海文書」に書かれてい
ない内容の事件が次から次へと起こったのだ。
ゼーレに大きな焦りが生じ始めていた。
もっとも、たかが古びた本の一冊がこの世の在り方をすべて記述していて、それに従っ
て人間がうごくなどというのは滑稽な話で、そこに書かれていないことが現実に起きるこ
となど、当然のことと考えるのが普通だ。
だが旧約聖書……すなわち、ユダヤ教の聖典を妄信しすぎて、ねじ曲げるほどの彼らは、
文書に書かれていることこそがこの世の全てであり、その内容を実行する自分たちこそは
人類の導き手と思っていた。
152:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 22:56:04
ゼーレの老人たちは、その計画を無理にでも進めるためにみずからシナリオを変更して
人類補完計画を推し進めることを考えていた。
もはやその時点で、彼らの信奉する文書に何の効力もないことが実証されているような
ものだが、それを決して認めようとはしない。
―ひたすらに人間は神に懺悔せねばならぬ。
それだけが老人達の考えることだった。
世を生きるにあたって、人が宗教の力を借りることは健全なことだ。
不毛の大地に、裸一貫で投げ出された人間の心は、なんとも弱いものである。
そこで己を大きく超える神という存在を創造してそれに付き従えば幸せが訪れると考え
ることで、あらゆる困難に打ち勝てるのなら、これ以上の健全はない。
だが、やがて困難に打ち勝って豊かな生活を手に入れたあともなお、自分たちの考えた
ぐう話を妄信して思考停止するのは、愚かの極みといっていいだろう。
人間は地球の生物において最も高い知能を得たが、それにおぼれた者の行動原理など、
昆虫以下と成り下がるのである。
だが、それに彼らが気づくことは永遠にないだろう。
例の機械のバイザーをつけた老人が、カプセルに手をやった。
その中に浮かぶ、銀髪の少年の姿をみつめた。
あごが鋭く目鼻立ちは整い、その肉体の彫刻のようなしなやかさは、まったくの美少年
といっていいほどだった。
「そろそろ……我々の切り札に目覚めてもらおう。タブリス、我々のシナリオの要よ」
そういうと、反応したのかタブリスと呼ばれた少年が閉じたゆっくりと目を開く。
さて、ここでこの物語において最後の人物紹介をしよう。
彼らがタブリスと呼ぶこの少年……もう一つの名を、渚カヲルという。
今後は、カヲルという名称をもって彼を呼称することにする。
153:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 22:56:10
>>149
ここにはいろんな作品のファンがいるからキチガイじみたアンチ発言も程々にな
154:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 22:58:02
生年月日二〇〇〇年、九月一三日。セカンドインパクトと同日とされているが、これは
いつわりだ。それ以外の経歴は一切不明。
おそらく、その本当の年齢は人間など、とうにおよばぬほど、悠久の時を生きながらえ
てきた存在であろう。
彼はアダムより生まれし最後の子供、最終シトである。
様々なシトに特殊能力があったが彼のもつ能力とは、ひとつ。
アダムおよびリリスのコピー、つまり、エヴァを自在に操ることができる能力。
ゼーレは彼を初号機に、そして残り一二体のエヴァにダミープラグを用いて、人類補完
計画の儀式を行う腹づもりであった。
だが、それにはまだ、倒さねばならないシトが三体残っている。
それも裏死海文書に書かれたことらしいが、ゼーレは思いのままならないネルフを切っ
て、カヲルによって残りのシトをせん滅、計画を実行する予定だった。
本来、彼の出番はネルフによってすべてのシトが撃破された後の出来事だったはずなの
だが、ゲッター出現からはじまったシナリオの狂いがが、ゼーレの行動を早めた。
また渚カヲルというのは、ネルフに潜入して最終的にはエヴァを奪取するまでに用いる
偽名であった。
すでに彼の戸籍情報は上の生年月日をもって登録され、最後のチルドレンとしてネルフ
に配属される予定が決まっていた。
カプセルの中に浮かぶ、裸体のカヲルを前に老人達がぶつぶつとつぶやいている。
異常な光景であった。
そして、まるでそれを戒めるかのごとく、音もなく彼らの背後に近寄った影から嘆息がもれた。
「はあ……これが最後のシト。結局、行き着く先は人間とは……所詮は太陽系の生物と、いうことか」
「何者ッ!?」
侵入者に五人の老人達がいっせいに振り向いた。
そこにいたのは、
「しょ、初号機パイロットが、なぜここにいる!?」
155:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:00:53
シンジだった。
片腕を失ったが、なおも残った腕で警備についていたのであろう人間の頭をわしづかみ
にして、たたずんでいる。
そして彼は掌に力をこめると最初、肉に指が食い込み血が噴き出したかと思うと、次に
は頭がい骨ごとその頭をぐしゃりと砕いてしまった。
頭部の中を構成する物質があたりに撒き散らされる。
シンジは手についた血と肉と骨の残骸を、ぺろりと舐め取るとニタリと笑った。
「あなたたちの人類補完計画を、さらに補完してあげようと思った来たんです」
「……なんだと」
「人類は神に懺悔する必要はない……だが、生命のスープとなってひとつの生命体に変わ
るのはいいことです。なぜなら」
というと、シンジの無くなった片腕から次々と将造に襲いかかったのと同じ甲殻類のよ
うなモノが連なって老人達に襲いかかっていく。
それは老人達の体にまとわりついて、あっというまに全体を埋め尽くしていく。
そのおぞましさに、彼らは声にもならない悲鳴をあげた。
「それが僕たちにとってもっとも、都合がいいから」
シンジは五つの人間だったものを無視して、カヲルの入ったカプセルを見上げた。
彼は、その眼をかっと見開いてシンジをみつめている。
今、起こった出来事をすべて見ていたのだろう。その口を半開きにしていた。
シンジが失った方の腕を掲げる。
すると、一瞬で骨が再生してその周りに肉が巻き付くように生えていき、瞬く間に再生
させると突然カプセルに殴りかかった。
ごんっと鈍い音が、暗闇にひびきわたる。
破壊するつもりのようだった。
一撃で割ってしまう事はできなかったが、もう一発、さらに一発と殴りつけるとカプセ
ルは全体にヒビを走らせて、橙色の液を漏らし、そのあと一気に砕け散った。
あふれる液体と共にカヲルがカプセルから解放されていく。
156:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:03:52
支援
>>153
そんな風に見下すから評判悪くなるのに……
157:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:04:13
彼は、空に浮くと飛んでシンジから間を取るように離れた。
そして濡れた銀の髪をかきあげると、静かにいった。
「……やあ。予定していたよりも早い出会いだね、碇シンジ君。僕に用かな?」
そういうと、シンジは目をつむった。
そして「んんっ」と喉を鳴らし、
「ガンガンガンガン、若い命が真っ赤に燃えて~♪」
と、妙にハイテンションな唄を唱いはじめた。
これに呆気にとられたカヲルが両手をだらり、とたらしてしまう。
すると、シンジは唱うのをやめ、笑顔でいった。
「歌はいいねえ、リリンの生み出した文化の極みだよね……そう思うでしょカヲル君」
「……なぜ、その名を知っているんだ」
渚カヲルの名を知る者が現時点でゼーレ以外にあるはずはなかった。
彼をネルフに配属する計画は、完全な極秘裏に行われていたのだから。
ゼーレのスパイを続けていた加持ですらも、まだその核心までには至っていない。
だが、その答えはシンジにとって簡単なことだった。
「僕たちは個にして全。そこの年寄りから聞いたんだよ、今しがた」
老人達の記憶とも同化したと、彼はいう。
それにカヲルが眉をつりあげた。
「インベーダー……レリエルとバルディエルを喰い、なおも僕やリリンすらも食い尽くそ
うというのか。どん欲だね」
「喰う? それは違うよカヲル君、より優れた生命体が宇宙の覇者となる。それは他の生
命体と戦うことなく同化できる、我々インベーダーにこそ相応しい。喰うのではなく一つになるだけさ」
158:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:05:49
「同じことじゃないか。でも、これをみて確信したよ……そこの死体共がなにを思っても
リリンの力は宇宙に必要だってことを。
自分で進化することも忘れた君たちのような寄生虫を消し去るためにね」
「寄生虫よばわりとは……ずいぶんだなぁ、カヲル君。でも、すぐにでも僕たちのすばら
しさは理解できるようになる」
そういうと、シンジは含み笑いと共に空を飛んだ。
彼は人類補完計画に必要なカヲルをも同化しインベーダーの仲間に引きずりこむつもり
だった。
瞬時にカヲルへ寄って腕を伸ばすと、しかしカヲルもその腕を振り上げてA.Tフィール
ドを発生させるとシンジの接触に抵抗する。
それにシンジがまた嘆息した。
「さすがシト。そのサイズでもこれだけ強力なA.Tフィールドを展開できるんだね」
「A.Tフィールドは心の壁……誰だって持っている。悪いけど君たちインベーダーは好意
に値しないんだよ」
「それはどういう意味?」
「嫌いってことさ」
「じゃあ無理にでも好きになってもらおうかな」
というと、シンジはかつてゲッターロボがサキエルにやったように、カヲルの展開する
A.Tフィールドに腕を突っ込むと、力任せにそれを引きちぎりはじめる。
「くっ……」
カヲルの表情が歪んだ。
彼の想定以上に、インベーダーと化したシンジの力が強大だったのだ。
必死にA.Tフィールドの強度を維持しようと力むが、じりじりとフィールドをこじ開けられていく。
さながら、相撲でもとっているかのような勢いだった。
やがて軍配はシンジにあがる。
159:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:07:18
さきほどカプセルにやったように、ある程度までカヲルのA.Tフィールドをこじあける
と後は、せきを切ったかのような勢いで完全にフィールドが破られてしまう。
カヲルにシンジの魔の手が迫った。
とっさにカヲルはそ腕を掴み払おうとしたが、掌に激痛が走った。
しまった、と思った時にはすでに遅い。
掴んだ部分からざわざわとインベーダーがカヲルの掌を通じ、その体に浸食していく。
シンジが高笑いをした。
「ハハハ、ハハハハッ。バカだな、僕に触れればどうなるか解ってるだろう」
「うぐ……ッ」
「シトもヒトも、インベーダーと一つになる。それが最良の選択だよ、カヲル君」
そういってシンジがカヲルの腕を掴み返した。
そこからも、さらにインベーダーが肉をやぶり、血管を通って浸食していく。
血が滴りおちた。
シンジが怪力でカヲルをぐいっと引き寄せていく。
額と額が接触するほどになって、シンジの眼がカヲルの眼を覗き込んだ。
その眼は濁って何の生気も感じさせなかった。
見たくないとばかりにカヲルが目をつむる。
「残念、ここまでか……だけど、今の接触でわかったよ。君たちはゲッターエンペラーを、
そしてエヴァ終号機を異様に恐れているね。それが恐いから今、その主が庇護下を離れた
時を狙って同化しようとしてきたわけだ。無様だよ。
リリンは無限に進化していく。寄生しなきゃなにもできないインベーダーごときが敵う
相手じゃないよ。僕を同化したところで、彼らは止められない」
罵るようにいった。
カヲルの言葉にシンジはしばし止まったが、やがて、
「……黙れ」
と、竜馬やゲンドウあたりが喋ったのではないかと思うほど低いを声をだすと、口を大きく開ける。
160:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:07:41
しえーん
>>156
キチガイじみたは余計だった、ちょっと反省してる。
だが見下してる点では>>149も大概だと思うぞ。いちいち(笑)とか付けてるし。
161:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:08:42
そして中からカサリと何かがうごめいたのが見えると同時に、カヲルの口を塞いだ。
カヲルがうめいた。
シンジの喉が、異様なまでに波を打っている。
インベーダーが流れ込んでいるのだろう。しばらくそのままだったが、やがて喉の波打
ちが止まるころになると、カヲルの反応が鈍くなった。
それを確認したシンジが、掴んだ腕を放して彼から離れる。
すれば、支えを失ったカヲルがその場にどさりと倒れ伏した。
シンジが無表情でそれを見つめている。
やがて、倒れたカヲルがぴくりと反応し両腕で地面をつかむと、むくりと顔を上げる。
その眼は、シンジと同じように濁っていた。
「起きたか。じゃあいこうか、カヲル君」
「うん、そうだね、シンジ君……」
カヲルが、不気味に笑った。
七
「結局、シンちゃんは行方不明、か……リツコも戻ってこないし」
と、自宅マンションで酒をあおりながらいうのはミサトだった。
例の学校壊滅のあと、ネルフ本部にもどったアスカ達の口からゲンドウをふくめてネル
フの職員は事のてん末をすべて聞かされていた。
その中でも、一番ショックを隠しきれないのはミサトだった。
162:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:09:42
支援
ちょwwwww二人組完成wwwww
163:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:09:56
急展開だな
164:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:10:16
ミサトはシンジとの共同生活の中で、彼の保護者的なイメージを内にかかえつつあった
が、彼の危機に瀕して彼女はなにをすることもできなかった。
テーブルの上に、いくらかのつまみを置き、それを時々口にしながらうわごとのように
同じことを何度もつぶやいている。
その向かいに座っているのは竜馬とアスカだった。
テーブルの下ではペンペンが、エサのイワシを丸呑みにしている。
「ミサト、飲み過ぎだ」
無愛想に竜馬がいう。
それが気に障ったのだろうか、ミサトは目をつりあげると竜馬にくってかかる。
「なによッ!! もとはといえば、リョウ君がしっかりシンちゃんを見てないからあんなこ
とになるんじゃないっ。彼を守りに来たって一番最初に言ったのはウソだったわけ!?」
と、ミサトは酔いの勢いも手伝ったのかまるで竜馬に喧嘩をもとめるかのようだった。
だが喧嘩っ早いはずの竜馬は乗らない。
「言い訳はしねえよ」
と、一言いうとつまみを口に放ると腕を組んで黙ってしまった。
気まずい沈黙が流れる中、アスカが無言で座った椅子に脚をぶらぶらさせていた。
そして、ジオフロント、ネルフ本部のゲンドウ執務室。
その異様に広く、ぽつんとその一部に机がおかれただけの部屋においても同様の
空気が流れていた。
ゲンドウが冬月を相手に将棋を将棋を指しているが、なかなか次の一手が出てこない。
冬月がつぶやくようにいった。
165:ここまで 支援ありがとう
07/11/22 23:11:27
「碇、お前の番だぞ」
「わかっている」
「息子のことが心配なのは解るが……」
と、いいかけた時だった。
その机のかたわらの電話機が激しく鳴り響く。
すぐに冬月がとった。
「私だ」
「副司令ですか」
という通話の相手は、加持であった。
だが受話器越しに彼はいつもの飄々とした調子ではなく、焦りが感じられた。
それを察知した冬月がいった。
「まて、わかった。要点だけいってくれ」
「助かります。ゼーレの幹部にシンジ君が接触した形跡があるんです。今後の彼らの動向
に注意してください、何が起こるか解りません」
「碇の息子が、だと……」
その言葉に、ぽろりとゲンドウの手から飛車の駒がぽろりとこぼれるのだった。
166:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:17:34
誤字……だよね?>終号機
違うとしたら物凄いwktkしてしまう字面なのだが。
167:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:19:39
カヲルまでインベーダーの踏み台に…ククッ…
ゼルエルなら、ゼルエルならきっと…(つかサンダル、マトリ、イロは欠番すか?)
こうなったらゼルエル、アラエル、アルミサエルでゲッターエンジェルチームを…
168:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:22:23
それにしても職人さんマジで超人です。一ヶ月もしないでこのボリュームを書き上げるとは・・・
体を大事にして欲しい。無理をしないでくださいね。それにしてもGJ!!
169:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:26:05
恐るべしインベーダー……
残りの使徒が全て食われてる気がしてきた
GJ
170:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:27:02
>>166
前スレの904あたりでエンペラーと一緒に宇宙食いまくってたエヴァじゃね?
つかまとめサイトまだあ?
理想郷あたりで
「ゲッター(石川版)と他のロボットアニメとのクロスの名作を捜しています」
とか捜索願いが出たらすぐに紹介すます。
171:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:30:42
>>167
隼人あたりが残りの使徒と交渉してヒト&シトの共同戦線が…
で、擬人化したゼルエルあたりが率いるゲッターエンジェルチームとEVAチームが体育会系な喧嘩を…
172:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:31:36
>>170
理想郷の屑は帰れ
あそこのガキが流れこんで来たらスレが死ぬ
まさにインベーダー
173:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:33:57
>>170
言い出しっぺの法則
と、言いたいが理想郷の厨房かよ……
174:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/22 23:34:09
>>171
ありえなくも…ないか。
『アーク』の恐竜帝国との共闘とゲッターザウルス出撃という例もあるし。
175:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 01:01:53
そんなやばいの?理想郷の住人って。
176:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 01:22:02
>>175
やばいってレベルじゃねーぞ
管理人はいい人だが
177:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 01:30:55
一言で表すなら『ピラミッド』
良識ある人ほど少なく、モラルの欠如した人ほど多い
管理人の心痛は計り知れない
178:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 05:20:31
なんか凄い方向に進んでるなあ
ゲッター詳しくないから分からないけど、これはいいと思う
エヴァが踏み台じゃなくて土台になってる所とか
人の死に方とか救い無さそうな雰囲気はエヴァっぽい
アスカとレイだけが無事なのはどうなんだろう?
調べたらゲッターではミチルって女の人が死んでるみたいだし
とにかく作者さんGJ
179:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 09:51:40
>>171
擬人化使徒のデザインは吉崎観音かw
180:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 09:59:21
良い作品があり、良い管理者が居る。
だがそれゆえにそれに倍する電波作品と更にその数倍のDQNが住まう場所。
それが理想郷クォリティー
181:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 11:20:48
DQNの例は>>170
こんな風に紹介されたせいで流れこんできたDQNに神スレを潰されたことがある
182:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 14:34:41
今までにゲッペラーからスペアが配達された奴っている?
183:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 14:36:35
危険な流れだな…これじゃまとめどころじゃないな。
一応前スレ保存しといて良かった。
184:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 14:40:19
理想郷から厨が流入されちゃたまらんからな
185:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 14:50:26
>>172の言う通りまさにインベーダー
一度侵食されたらスレを完全に食い潰すまで離れないしな
186:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 15:14:56
理想郷とやらがどこの事かググッても一見わからなかったが知らない方がいいかな?
それはそうと>>182
『アーク』に出てきた分艦隊―あれでもたぶんごく小規模な―にも
ムサシ司令官のスペアが常備されていた事を考えると、こないだ本艦隊に
文字通り身を投じたリツコがいまごろネルフ主要メンバーを量産ベースに乗せて
いつでも派遣OKにしてるのでは。
もっともあれも思想面でかなりヤバい方に逝っちゃってるから手放しでは
安心できないけど。
187:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 15:27:42
>>186
知らない方が幸せかもしれない
が、どうしてもというならURL貼るがどうする?
188:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 15:41:45
ありがと、でもやっぱりいらない。
余計な火種に持ち込む事になったら申し訳が立たん。
189:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 16:08:08
「理想郷で紹介します」と書いて
「このスレを潰します」と読む
190:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 16:08:25
Arcadiaでググレ
191:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 16:12:32
いい加減理想郷の話題やめないか?
192:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/11/23 16:19:34
アルカディアと言い換えるとハーロックが出てくるぞ?
近年では芋づる式に999とかヤマトとかもついてきます
193:つづき
07/11/23 17:49:03
冬月は加持へ身辺に注意するように、とだけいって通話を終えると、受話器をおいて
ゲンドウの方をみた。
それに応じたゲンドウが、眼鏡のズレを直していう。
「ゼーレが強硬手段に出てくることは予想していたが……これは」
「なぜ、彼がゼーレに接触したか解らんな」
「可能性があるとすれば、インベーダーの手による人類補完計画の発動だ」
「む……碇、それは……そうかっ」
と、いって冬月がゲンドウの飛車を封じるようにブロックを仕掛けながらいった。
これに、はてといった表情になったゲンドウが次の手を考えて、駒を手中でもてあそび
ながら話をつづける。
「流によれば、インベーダーは相手に寄生することでその勢力を伸ばす存在だ。なら彼ら
にとって人類補完計画発動後の、生命のスープと化した人類はまさに蜜だろう」
「……そのために初号機パイロットに寄生したのか。たしかにリリスのコピーたる初号機
を制御下におけば、ガフの扉が開かれた後の世界を自由にできる」
「奴らは、我々の地球を他の宇宙への侵攻の拠点にするつもりなのかもしれん」
「ふざけた話だ」
「好きにはさせんさ。ここは我々の住みか……む、王手だ」
と、ゲンドウが角を指す。
それに冬月がうっ、となって止まった。
「……ううむ」
気づけば、辺りは敵兵に囲まれている状態だった。
しかし、
「参った」
とはいわない。