♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 13at EVA
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 13 - 暇つぶし2ch2:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:44:20
●過去スレ
倒錯シンジきゅんハァハァスレ
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァ スレ♀ 2
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 3
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 4
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 5
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 6
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 7
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 8
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 9
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 10
スレリンク(eva板)
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 11
スレリンク(eva板)

3:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:46:34
●関連スレ
シンジキュンの萌え画像キボンヌ2
スレリンク(eva板)
こんなシンジきゅんは大好きだ その3
スレリンク(eva板)

★個別のシチュエーションにこだわりたい人はこちら
もしユイが産んだのは男じゃなくて女だったら
スレリンク(eva板)
男アスカと女シンジでLAS
スレリンク(eva板)
トウジとシンジの幸せ家族計画(その5
スレリンク(eva板)
学園エヴァの女体化シンジ 萌え
スレリンク(eva板)
シンジとカヲルの百合の花
スレリンク(eva板)


★シンジきゅん統合絵板
URLリンク(ikari.hp.infoseek.co.jp)

★2スレ88氏提供過去ログ倉庫
URLリンク(www.eva-lagoon.org)

4:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:47:50
●シンジきゅんの形態

女シンジきゅんA(先天・女装)
女シンジきゅんB(先天・男装)
女シンジきゅんC(先天・強制女装)
女シンジきゅんD(先天・強制男装)
女シンジきゅんE(後天・女装)
女シンジきゅんF(後天・男装)
女シンジきゅんG(後天・強制女装)
女シンジきゅんH(後天・強制男装)

ふたなりシンジきゅんA(先天・女装)
ふたなりシンジきゅんB(先天・男装)
ふたなりシンジきゅんC(先天・強制女装)
ふたなりシンジきゅんD(先天・強制男装)
ふたなりシンジきゅんE(後天・女装)
ふたなりシンジきゅんF(後天・男装)
ふたなりシンジきゅんG(後天・強制女装)
ふたなりシンジきゅんH(後天・強制男装)

男シンジきゅん(自ら女装)
男シンジきゅん(強制女装)

5:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:48:41 hMcmQ1hE
おつ

6:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:49:24
エロ規制強化月間中らしいので、その辺は自粛ということでいきましょう。

では、あらためて

シンジ(*゚∀゚)キュンキュン!

7:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:49:53

これからはエロ自重の方向でシンジきゅん萌えだな

8:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:52:25
エロ自重は仕方ないけど、違反してないスレなら
削除依頼出す奴や荒らす方がおかしいしな
堂々とシンジきゅんにきゅんきゅん

9:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:53:47
シンジ(*゚∀゚)キュンキュンキュン

10:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 13:54:55
立ててくれてありがとう

11:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 14:57:24
>>8
むしろそれでスレストかける削除人がおかしい。

12:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 15:19:00
違反してるもんは違反してるんだから仕方ないだろう

13:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 15:28:18
だからって荒らしていいってことはなかろう
やってる方は楽しいんだろうが、移動先決めたスレまで粘着して

14:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 15:51:35
実際スレの流れでエロなときや、エロくない時があってグレーゾーンなのにな
これで荒らしを増やすことになるかもしれんから、規制依頼出すのもありか?
他の荒らしに対する威嚇にもなるだろうし


15:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:02:08
まあ何年も続いてきてるのに何を今更…という気もする

16:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:06:04
違反してるから荒らす云々より単にスレを荒らして荒廃していく過程が楽しいんだと思う
確かに他のスレのためにもエロは自重していった方が良いね
どうしてもエロになるならエロ用の避難所立てるよ

17:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:09:39
エロ場面はこちらでとか?
場面ごとに使い分けれれば便利かもね

もろエロなんで復活の難しいふた系スレの受け入れ先にもなるかもな

18:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:11:34
エロくない作品も好きだからエロ自重は別にいいんだけど
もっと凄いスレタイやエロエロな投下がある女キャラスレはお咎めなしか


19:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:14:09
住み分けが必要だな。無駄な荒らしを避けるためにも
職人がエロい作品投下する予定があるんだったらそのうち立てるわ

20:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:14:15
きっとおにゃのこシンジきゅんの存在がエロすぎるのがいけないんだよ!!
ああ、シンジきゅん……ハァハァ

21:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:15:31
>>17
ふたなりアスカなら避難所できたよ

22:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:19:55
>>19
立ててくれたら、とりあえず過去ログからエロいところを抽出して転載しようか

ふたアス、ふたレイX女シンジスレの職人氏が来てくれないだろか?

23:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:25:09
>>22
じゃあ今ちょっと無理だから明日の夜あたりピンク難民に
倒錯シンジきゅんエロ総合スレを立てれたら立てる
待ちきれなかったら他の人が立てて下さい


24:22
07/10/07 16:33:35
>>21
知らなかった
ありがとう

>>23
では、保守代わりに過去ログのエロネタを少しづつ貼っていくんで
職人がエロ場面画が必要になったら誘導ということでどうだろう

しかし、個別シチュスレが既に対応策を練っているなら需要が無い可能性もあるかな?

25:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 16:37:55
もう少し職人が来てから立てれば?
それまでスレタイやテンプレでも考えよう

26:19
07/10/07 16:49:35
スレタイやテンプレは考えてくれると嬉しい
移動先ないカプものシンジきゅんスレは入れるべきかとかわからない

27:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 17:02:16
スレタイは直球で「♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀@難民」とかかな?

28:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 17:26:23
露骨な性描写のある作品を投下する場合は下記のスレでどうぞ
連載などで露骨な性描写がある場合は、該当部分だけを下記のスレに投下し、
リンクを貼るようにするようにお願いします。

♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀@難民(仮)
・・・・・・・・・・

29:テンプレ案
07/10/07 17:45:53
新世紀エヴァンゲリオンの純情可憐な主人公、碇シンジきゅんは、
女の子のほうがお似合いだと思ったことはありませんか?
ここは、エヴァ板の

♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 13
スレリンク(eva板)

の派生スレで、元から女の子だったり、女装、女性化したシンジきゅんを
アンアンいわせる、ただそれだけのスレです。

>>26
おにゃのこ(化)、女装シンジきゅんがメインならなんでもおkで良いだろう

他所の板でまで細かくスレ立てするのもどうかと思うしな
第三者的に見れば、この条件だけでも細かすぎかも知れないし

>>25
それもそうなんだけど、器だけでもあったほうが投下されやすいかなと……

30:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/07 20:44:56
うおーびっくりした。
きゅんきゅんできなくなると思ったぜ。

31:名無しが氏んでもきつねはいるもの
07/10/08 06:27:12
避難所でしたら私の板などはいかがでせう
今夜、前スレの収録と.org→.netへの復帰を行う予定ですので

32:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/08 07:41:45
まあ、最近はエロい投下どころか普通の作品投下も無いんで急をようする話でもないんですがw

過去ログ保管庫と同じサイトだったり、スレの保守に神経質にならずにすみそうっていうのは良いかもしれないっすね。

きつねさんのとこって専ブラ使えるのかな?

33:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/08 18:32:32
難民板なら専ブラの設定がいらないね

34:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/08 22:35:23
立てるの様子見たほうがいいな

35:名無しが氏んでもきつねはいるもの
07/10/08 22:44:28
まー、今回のエロネタ大量削除が一過性のものであればいいのですがね~
あーあと専ブラは使えますよ~
仕様は第弐発令所と同じなので~

36:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/08 23:06:06
俺にとってはエロネタはいらん。
生理で鬱になるぐらいが丁度いい。

37:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/08 23:17:13
ラブラブしたのは好きなんだが、レイプ系は好みじゃないな
エロ系はがっつり分けてくれた方が安心して読めるかな

38:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/08 23:59:16
まとめサイトがあるし、エロ投下したい職人が来たときに考えればいいんじゃね?

39:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/09 21:38:44
                ///    |   ;!::、 \  ヽ   、!
               '´/ /  | /| ;イ/ l::| \ヾlヽ | ヽ  |
               i/l::| l /|/__|/、|'    -廾―ヾト、 :!ヽ::!
                  リ、::l〈'' ´, ヽ     / ヾ、` |/゙ヾメ、
                  ヾl,ハヾ ==ミ`    ==ミ.` リヘ |  __________
                   ヽ | 〃〃丶   〃〃  _,// 過度の性描写は
                    ヽ、   iァ=┐    ,.イ/   |  削除対象になります。
                      \  ー'    /|Y <   露骨な表現は避けましょう。
                      l/7┴┴‐' ̄   {j/    \____________
                -‐ l"{ {   ヽ -―//./\
      __       _ -‐   ヽ:!/  \___ _/ _/   }
   _r‐┤ \. - ''´     ,.-┴―- 、__,,. -‐      ,イ:
  」 |  ',  |、\      _,. ┤ ,.           ,. イ
  〈 ヽ\人_j `┴=エ工. -‐゙し1 /  ,.  __ ,. ‐个ァ
  `ー'7′ \           └{_/l_/´     /
    ,'     \        |    ヽ、ヽ   /
    i       \   ` ー--=|      \ \/
   l           \   ー- -|        \{
     l            `7―‐!     ヽ \
   |       ヽ.   /    j ',      \ ヽ'
   |        \Λ      '、         \\
   l          | \__    ヽ        \ヽ. 
   !           、 l   └ヘ.厂 ̄\           ヽ∨
    l         ヽl\          ,>、          l
     l            l  \     /   \         !
   / l         l   \_、__/     \       l
 /    !        l      ,'          \    l

40:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/09 21:41:11
あれ?ちびシンジにしたが似てない…一応、テンプレのつもり…

41:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/09 21:54:57
なるほど
パンツ見せる程度は良いと
わかりやすいな

42:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/11 15:55:06
晒し上げ

43:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/11 17:32:53
細々とやっていきたい

44:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 20:55:43
ここって女シンジの小説は投下できるのか?エロくないのとか。

45:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 21:01:21
むしろエロくないのキボン

46:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 21:08:01
エロいのも大好きだけどな

47:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 21:13:34
でもエロは自重だからな

48:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 21:15:14
カプものは荒れるから禁止になったんだっけ?

49:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 21:15:27
避難所との連携で両立できるだろう
保管庫のサイトの人だって掲示板貸してくれるって言ってくれてるし

50:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 21:46:57
できそうな小説にはシンジのカプは出ない(一部それらしく思われる表現はあるが)
基本的にストーリーは、シンジ、カヲル、オリキャラの三人の視点で進む
エヴァのパイロットではなく、普通の女子中学生としてのシンジとカヲルが、
オリキャラの起こす事件に巻き込まれていく……といった内容(ギャグではない)





51:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 21:51:07
学園女シンジスレ向きかな?

52:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/12 21:57:50
わける必要なんてないんだよ
あっちは落としとけ

53:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 00:59:16
正直、天然系美少女のシンちゃんを中心として
その色香にあてられた連中が老若男女とわずに暴走する、というシチュしか思いつかんw

54:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 01:00:19
>>53
kwsk

55:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 09:09:13
詳しくもなにも王道だと思うが

56:53
07/10/13 13:17:57
無表情なまま「碇くふぅん♪」とルパンダイブをかます綾波
女の子シンジに対しツンデレの精神が形になったようなアスカ
ある意味原作のまま、フルオープン状態でシンジ♀が風呂に入ってるのに突撃するカヲル
シンジのヘッドセンを猫耳にして悦に入るリツコ
リツコとシンジをみてニャンニャンな妄想をして出血中のマヤ
シンジの生写真を売りまくるケンスケと
それを買い占めるだけでは飽き足らず、シンジが映ると防犯カメラの映像の端に
●RECが出るようにプログラムを組ませるよう命令するゲンドウ。


このくらいかな、思いつくのは

57:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 13:30:07
常識人はトウジと加持とミサトくらいかwwww

58:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 20:48:54
10年後くらいで女シンジが大人になったら……
向こう側に座るアスカはいつものように上司や同僚の愚痴を零し、
シンジはそれに適当な相槌を打つ……シンジとアスカはいつもと同じ週末を、
ファミレスで昼食の後のコーヒーを飲みながら過ごしていた。
だが実のところシンジは適当な相槌を打ってはいるが、
アスカの話は殆ど全く頭に入っていなかった。
コーヒーの底に溜まっているまだ溶けていない砂糖を掻き回しながら、
伏し目がちに返事をしている。
「どうしたの?アンタいつもより暗いわよ。」
アスカもさすがに不審に思ったのか怪訝な顔をして見つめてくるが、
シンジは、うん、ちょっと、と言葉を濁しながら話を逸らした。
アスカは不満そうだったがそれ以上は詮索せずに再び一方的な会話を始めて、
その会話の内容が男にナンパされた時のものになった際、アスカは何気なく、
最近鈴原とはどうなの?、とシンジに訊いてきた。



59:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 20:53:02
鈴原とは中学生時代からのシンジとアスカの共通の友人で、シンジは高校生の頃に告白された時から、
20代に至る現在まで鈴原トウジと付き合っていて、大学を卒業してから1年ほど経った最近、
シンジはアスカにトウジから結婚の話をされたと嬉しそうに話していた。
虚ろな眼をしたシンジは小さく溜め息を吐く。
「あのさ……僕トウジと別れようと思ってるんだ。」
「ハア、どうしてよ!?」
突然の言葉にアスカは驚いたのか声を荒げ、それが他の客の視線を集めてしまったので、アスカは気まずそうに俯く。
だがそのアスカの大声に動じる事も無く、シンジは突然覇気のない小さな声で笑いだし、
アスカはそのシンジの行動に尋常でない様子を感じていた。
「アスカに言ってなかったけど僕妊娠してたんだよね、トウジの子供……
 生後まだ3ヶ月くらいだったんだけど、この前流産しちゃって、
 病院で診てもらったら流産しやすいお腹だって言われたから……トウジのこと好きだけど、
でも僕と一緒だと幸せになれないでしょ?そんなのトウジが可哀想だから、だから僕はトウジと……」
我慢していたのに、涙が零れてきている……シンジは、ごめんね、全然面白くない話して、とアスカに謝ったが、
アスカは深刻な表情になっていて、鈴原は、何て言ってるの?、と尋ねてきた。
シンジは、トウジは気にするなって言ってるけど、でも僕と一緒だとトウジは……、とシンジが言葉を紡ごうとしたが、
突然アスカは立ち上がると、シンジの黒と白のワンピースの襟元をテーブル越しに掴んでくる。
「ふざけんじゃないわよ、人のことじゃないでしょ!アンタはほんとにそれでいいの!?」
最初はアスカの気迫に圧倒されて動けなかったが、シンジはアスカの悲しさとやるせなさが入り混じった眼を見つめていると、
抑えていた感情がどうしようもなく溢れてきてしまい、襟元を掴んでいるアスカの手を握りながら声を上げて泣きだした……

……っていうのをいつか作ってみたいような気がする


60:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 20:53:08
これは新鮮すぐるパターンだな

61:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 21:04:46
よし、いつか書け

62:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/13 23:20:22
別にシンジじゃなくてイインチョで良いじゃん、と思った俺は負け組

63:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/14 01:44:00
まぁ確かにそれもそうだ
このスレでは異端になるが。

64:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/14 02:15:25
そんなん言ってたらトウジはもちろん加持やミサトやリッちゃんとか
相方がいるキャラのカプものはやれないよwww

65:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/14 14:03:19
ここは原点に帰って青葉×シンジ

66:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/14 16:29:27
げ、原点はそれなのか!?

67:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/15 05:29:39
いや、ゲンドウ×シンジじゃね、原点

68:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 18:50:31
「Eyes of the blood」arcadia投稿済
※一部訂正箇所などがあるため、arcadiaに投稿された小説とは文の内容が違う箇所があります。

西暦2015年、9月13日、21時20分……
「うん、それでさあ鈴原の奴がね……」
碇アスカがカーペットの上に寝そべりながら、
コードレスホンで友人の委員長と話していた。
その話し声のためにリビングのテレビの音が少々聞こえ難くなっていたが、
しかし誰もテレビには関心を示していなかったので特に問題はない。
その2分後……同じリビングにいる碇シンジは、
テーブルに置いてあるボウルの中に入ったクッキーを手に取ると、
隣で物欲しそうにしているペットのペンギンの嘴に入れてやっていた。

「どうペンペン、おいしくない?」
食い意地の張ったペンギンはシンジの言葉を無視して急いでクッキーを頬張り、
シンジはそのペンギンの無邪気な様子に母性的な愛情を感じて笑顔になった。
このクッキーはシンジが作ったもので、シンジは度々この様に菓子を作ることがあり、
また料理などは殆ど毎日しているために、調理の腕前は中々のものである。
碇シンジは身長148センチの小柄な少女で、尚且つ容姿が中性的であったために、
実年齢の14歳よりも年下に見られることが多かった。
シンジが小柄な原因の一つは成長が少々遅れていることで、
それはシンジが12歳の時に胸が膨らんできたのを気にして、
これ以上体を成長させない為に拒食症になってしまったからだ。

シンジの拒食症は暫くの間誰にも気づかれなかったが、―これは彼女が元々痩せていた為だ―全校集会の、
校長先生のお言葉、の部分で校長が自作の川柳を読む際に貧血で倒れてしまい、
その際にシンジが病院で検査を受けて判明したのだった。
シンジの拒食症による体調不良は軽度ではあったが、周囲の人々、
特にシンジの母方の親戚が心配してシンジの助けになろうとしたし、
今テレビの近くで寝そべっている赤毛で我が侭なシンジの従妹の碇アスカと、
温泉ペンギンのペンペンはそのことを理由にシンジと同居を始めていた。


69:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 18:58:59
2:現在シンジの拒食症は少食という習慣で痕を残してはいるものの、殆ど完治している。
シンジの拒食症を治したのは常に無表情で無口なシンジの父親である碇ゲンドウで、
彼はそれまで全く作らなかった休日を作るようになると、シンジと一緒に過ごす時間を増やすようにした。
実のところシンジが拒食症になったのは体が成長する、
つまり大人になるとゲンドウに愛して貰えなくなるのではないかと心配したからだった。
だがそれまであまりシンジに対して干渉しなかったゲンドウが、
少々積極的に関わるようになったことでシンジが安心したので、
拒食症は徐々に改善していき、小学校を卒業する頃には拒食症を完治させることに成功したのである。

このような状況の改善の仕方を気に入らなかったのはシンジの母方の親戚で、
その原因はシンジの名前の由来に遡る。
シンジが生まれたのは今から14年前の2001年6月6日で、
その頃はまだ2000年に起きたセカンドインパクトという大災害による
傷痕がまだ世界各地に多く残っていた。
そのセカンドインパクトというのは、
南極圏に大質量の隕石が衝突して南極の氷が融解し海面水位が上昇、
それにより多くの沿岸地域が水の底に沈んだり津波の影響を受け、
更にはセカンドインパクトの影響による食糧不足や経済破綻によって世界各地で紛争が起きたし、
地軸も曲がってしまったので今の日本は常夏の国になっている。
そのセカンドインパクトの原因も実は大質量の隕石の衝突ではなく、
未知の生命体が原因で発生した大災害なのだが、この物語とはあまり関係がない。

そのシンジが生まれた時にシンジの名前を「シンジ」と決めたのは他でもないゲンドウで、
ゲンドウは男が生まれても女が生まれても「シンジ」という名前にするつもりだった。
なぜ「シンジ」という名前にするかというと、それはゲンドウが7歳の頃に初恋した相手の名前で、
その子は女の子なのに「シンジ」という名前で印象に残っていて、
だからゲンドウは「シンジ」という名前にしたのだが、そのことはシンジの母親の碇ユイには秘密にしていた。
彼女が潔癖だったからだ。


70:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:07:29
3:しかし西暦2006年4月12日、
シンジが5歳の時にゲンドウが勤めている研究所の同僚が、ユイにその事を暴露してしまい、
そのためにユイが激怒して彼女の両親のいるアメリカへ行くために、
航空券とトランクとシンジを連れて行くと、それから二度と帰ることはなかった。
アメリカに行ったのではない。
当時シンジ達が住んでいたマンションの入り口から二人が出た直後、
6階の66号室の住人に飼われていた黒猫がベランダの鉢植えを蹴り落としてしまい、
それがユイの頭部に直撃したのだ。
シンジの目の前での即死だった。

このような経緯があってシンジの母方の親戚はゲンドウを未だに恨んでいるし、
シンジが拒食症になった時はその事を理由に親権を剥奪する裁判を起そうともした。
その際に策士の気があるゲンドウはシンジにアメリカに住んでいるシンジの母親の両親、
つまりシンジの祖父と祖母に電話をさせ、シンジと自分が仲良く暮らしていることや、
シンジはこのまま自分と暮らしていたいという事を話させたし、実のところシンジもそれを望んでいた。
最終的に裁判は行われずに、この件はアスカとペンペンの同居という形で両者は手を打ったので、
シンジの生活は現在の様な状況に至っている。

ペンペンは4枚目のクッキーを頬張り、シンジはペンペンの頭を撫でていて、
アスカはもう40分近く電話を続けていた。
「ねえアスカ、明日の晩御飯なにがいい?」
シンジが寝そべっているアスカに話しかけ、
アスカはコードレスホンから顔を離すと、ハンバーグ、と一言で答え、
再び会話を始める。
シンジはハンバーグの材料は冷蔵庫にないので、明日学校の帰りに材料を買いに行こうかとか、
その時にペンペンのご飯の缶詰も一緒に買わないと、などといった事を考えていたら、
国営放送の健康番組が急に途切れて、デスクに座ったスーツ姿の眼鏡の男が出てきた。
「本日午後9時10分頃、第2新東京市第51管区内にあるブルーウォーター社が管理するオフィスビル
“バベル”で爆発が起こりました、繰り返します、本日午後9時10分頃……」
テレビ画面は眼鏡の男から、壁面が大きく抉られた高層ビルの映像に切り替わる。


71:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:11:47
4:アスカは会話を中断し、シンジとペンペンも無言になってテレビ画面を見つめ、
テレビのスピーカーからはいくつものサイレンの音が聞こえてくる。
「へえ、面白そう……行って見ようかしら。」
「危ないからダメだよ。」
子供に注意するようにシンジは言ったが、
アスカは無視して電話の向こうの委員長を誘っている。
テレビから聞こえてくるサイレンの音は悲鳴に似ていて、
聞いていると不安になってきたシンジはペンペンを膝の上に抱き寄せた。
ペンペンは縫いぐるみの様に抱き締められながら、
テレビ画面を見つめて、クウェッ、と一声鳴いた。


テーブルに座る紅い瞳の少女の向かい側では、
白いスーツを着た切れ長の三白眼の男がシャンパンを飲みながら、
爆発によって開いた大穴から黒煙を漂わせている、高さ299メートルのビルを見つめていた。
「小型のサーモバリックでも結構派手に吹っ飛ぶもんだなあ。」
向かい側の男、貞本ケンジが感心したように呟く。
このビルの屋上にある空中レストランからは爆破されたビルがよく見えて、
周囲の人々が大騒ぎしているのとは対照的に、
紅い瞳の少女とケンジは落ち着いて外の景色を眺めていた。
大勢のパトカーのサイレンが下から鳴り響いているのが聞こえて、紅い瞳の少女は肩を竦める。
「あの人達誰を探してるのかな?」
「さあ。」
ケンジはおどけた様に紅い瞳の少女に答えると、
後ろに呆然として立っているウェイトレスの背中を突付いて、注文しておいたケーキを持ってきて下さい、と伝え、
ウェイトレスは慌てて我に帰り、かしこまりました、と答えて頭を下げると厨房に向かっていく。


72:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:14:05
5:屋上は壊れたビルを見つめる人々ばかりになっており、
その中には携帯電話のカメラやビデオカメラなどで撮影している者もいるし、
少し前から上空をテレビ局のヘリが飛んでいる。
今日は涼しいな、とケンジは壊れたビルを眺めながら独り言を言って、
その様子を紅い瞳の少女はストローでオレンジジュースを飲みながら、上目遣いで見ていた。
ケンジはテロリストだ、彼自身が自分の事をそう言っていて、
普通テロリストと呼ばれる人々は自分の事を自由の戦士とか、
レジスタンスとか正義の味方とか言うらしいが、
ケンジは壊して殺すことが好きで、尚且つそれが仕事でもあるので、
ケンジは自分の事を純粋なテロリストだと言っている。

このビルを爆破したのもケンジで、実際には彼の他にも数人の協力者がいるのだが、
直接的にビルの破壊を行っているのはケンジだった。
ビルのオフィスに勤めている社員のふりをしながら、2日間かけて爆弾を仕掛けていったらしく、
IDカードさえあればビルの中を移動するのは簡単で、セキュリティは予想以上に緩かったそうだ。
原因はビルの警備システムが窃盗や強盗対策を主眼に置いたもので、
テロ攻撃を殆ど警戒していなかったからだった。
ビルを爆破しようなんて考える頭のいかれた奴がいることは、
この国では誰も思いつかない、とケンジは言っていた。
紅い瞳の少女は火の手の上がり出したビルを双眼鏡で覗き、
窓からパニックを起した人々が地上に飛び降りているのを見つけて、
その様子が滑稽だったので思わず笑みをこぼす。
「これが見せたかったもの?」
「ああ、だがまだ続きがあるんだ。」
「へえ…見せてよ。」
「了解。」

そう言うとケンジはベルトのホルスターから携帯電話を取り出して、
アドレス帳を開くと、どこかの番号に電話をかけた。
「ハッピーバースデイ、カヲル。」

73:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:17:11
6:爆砕、轟音、火炎、飛び散るコンクリートと窓ガラスの欠片。
バベルと名づけられた第2新東京市のランドマークとして知られ、
この国が先の大災害からの復活を遂げた証といわれていた日本最大の高層ビルが、
震動と白煙を撒き散らしながら、中程から千切れて傾いていく。
スローモーションのようにゆっくりと地面に向かい、
その様子はまるで巨人が死んでいくかのようだ。
千切れたビルが地面と衝突し、更なる煙と瓦礫と震動が辺りに波となって押し寄せる。
レストランのあるビルは安全な距離にはあるのだが、
周囲にいる人々は恐怖で腰を抜かしたり、立ち眩みを起したりして叫んでいた。
壊れたビルは炎上して夜の街を幻想的に照らし、
そのビルの残骸から様々な色の花火が打ち上がって夜空を彩る。
「綺麗……」

光悦として呟くようにカヲルは言い、
ケンジはそのカヲルを嬉しそうな表情で見つめていて、ウェイトレスはケーキを持ってくる。
純白のクリームと色鮮やかなフルーツで作られたケーキの蝋燭に火が点されていき、
ケンジが、どうぞ、と優しい笑顔でカヲルに火を吹き消すように促す。
カヲルがその火を冷たい吐息で吹き消すと、
ケンジとウェイトレスと知らない2,3人の客がそれを拍手し、
その祝福に天使のような笑顔でカヲルは微笑んだ。
「ありがとう。」

74:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:19:28
7:日当たりのあまり良くない小さなオフィスには、
部屋の右隅のデスクでノートパソコンを操作している青いネクタイと黒縁の眼鏡を着けたサラリーマン風の男と、
座椅子に座ってテレビを見ながら缶ビールを飲んでいる角刈りの筋骨隆々とした男がいた。
ケンジは2人掛けのソファに凭れかかりながら袋入りのポテトチップスを食べていて、
左隅のテレビは昨日のビル爆破のことを引っ切り無しに流している。
「死傷者3000人以上か……まあ普通くらいだな。」
角刈りの男、鶴巻ダイキは呟くとハイネケンを呷って息を吐く。

くたびれた感じのするサラリーマン風の男、
樋口ナオタカが革張りの回転椅子を反転させてこちらを向くと、
黒縁の眼鏡を取ってレンズを拭きながら肩を竦めた。
「不謹慎なことを言う奴だ、犠牲者が多くなくて喜ばしい限りじゃないか。」
ここにいる2人の男はケンジの協力者だ。

正確にはこの3人はチームの様な物で、元々は3人とも何らかの組織に属しているか、
テロリストとは別の職業で食べていた者達だったのだが、
数年ほど前に3人組でテロビジネス企業を立ち上げたのだった。
企業とは言っても勿論違法な組織だから登録もしていなければ、
大々的な宣伝もしていないし、このオフィスもテロビジネス企業のためのものではなく、
ナオタカがやっている別の仕事のためのものだった。
ダイキはナオタカの言葉を聞くと笑い声を上げ、
そのせいで丸いレンズのサングラスが少し揺れている。
「お前被害者の遺族が出てきた時にニヤニヤ笑ってたじゃねえか。」
「お前だって笑っただろ。」

75:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:22:35
8:二人がやり取りをしている時に丁度現れた被害者の母親が、
カメラの前で泣いて、自分の子供の事とかを良い子だったとか、
何で死んだんだとか言っていて、ケンジはそれを見て馬鹿笑いした。
ナオタカも笑いながら、なっ、笑うだろ?、とケンジに言って、
ケンジは、ああ、これはほんとに馬鹿みたいだ、と答えて肩を震わせながら笑い続け、
ダイキはビールが無くなったので、立ち上がると新しいビールを取りに冷蔵庫のところに行った。

テレビには被害者の顔写真がいくつも出てきて、
キャスターや解説者が、なんでこんなことをするんだ、とか、
残酷なことで許せない、とか、同じような事を何度も繰り返している。
「こいつら朝から同じことしか言ってねえじゃねえかよ、
こんなんでテレビとか出ていいわけ?」
ポテトチップスを頬張りながらケンジはテレビの出演者を馬鹿にして笑い、
最近人気が出てきたとか言う女のニュースキャスターが、
自分の友人が死んだとか言って泣き出した時には、発狂したのではないかと思うほどに笑い狂った。
「泣いてる時に美人な女って、なんかやっちまいたくなるよな。」
新しいビールの缶を持ってきて座椅子に再び座り込んだダイキは、
泣いている女のニュースキャスターを見つめ、
ナオタカはダイキの持ってきたビールを一本手に取ると、栓を開けて口に含んだ。
「こんにちわ~。」
ジュラルミン製のドアを外からノックする音が聞こえ、
ダイキは舌打ちして、あいつだ、と言い、
ナオタカはデスクに置いてある監視カメラのモニターの電源をリモコンで点けて、
ドアの外の様子を確かめた。
アッシュグレイの髪の紅い瞳をした少女がドアの前に立っていて、その格好は制服姿のままだ。
「待ってろ。」
ケンジが外に向かってカヲルに答えると、ソファから立ち上がってドアに向かっていく。
「お邪魔しまーす。」

76:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:25:27
9:嬉しそうに笑いながらカヲルがケンジに抱きつき、ケンジはカヲルの頭を撫でて、
ダイキは呆れたように頭を振り、ナオタカは、いらっしゃい、とカヲルに声をかける。
カヲルは部屋の中に歩を進めると二人掛けのソファに腰を下ろし、ケンジもその隣に腰を下ろす。
「話題になってるね……今日学校にも欠席した人が結構いて、
家族が死んじゃった人がいたみたいだよ。」
「つーか、お前学校サボっただろ?」
ダイキが左手でアナログの腕時計を掲げて、その腕時計の文字盤はまだ13時だった。
「生理で気持ち悪かったから仕方なかったの。」
「それ、1週間前にも言ってたよな。」
「いいじゃん、ダイキだって学校よくサボったんでしょ?」
「俺はちゃんと真面目に行っていた。」
猫の様な眼でダイキを見つめながらカヲルは、嘘つき、と言ったが、
ケンジは、いや、こいつはガキの頃は本当に真面目に行ってた、とカヲルに教えたので、
カヲルは驚いていた。
「ナオタカさんならともかく、ダイキが子供の頃真面目だったなんて信じられない。」
そう言いながらカヲルはケンジの体に寄りかかり、
ダイキは、うるせえよ、と言うと4本目のビールを呷って空にする。
「ナオタカもそうだけど、この世界に入る前は二人とも真っ当な暮らしをしてた、
この中で最初からいかれてたのは俺くらいだ。」
「ケンジって結構真面目そうに見えるけど?」
「それは仕事の時とかの顔だし、俺は真面目と言うか神経質な面があったりするから、
それが多分真面目そうに見えるんだろうな。」
5本目のビールの栓を開けながらダイキは、
そうだ、お前と仲良くしてるのも建前だから気をつけろ、と意地悪そうにカヲルに言って、
それに対しカヲルは舌を出した。

77:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:28:23
10:「安心しろ、俺がお前に建前使っても何のメリットもねえよ。」
「だよねだよね、って言うかダイキって子供に好かれないでしょ?」
カヲルの言葉を聞いたナオタカが笑いながらピーナッツを頬張る。
「こいつは子供嫌いだからな。」
ダイキも一緒になって肩を揺すって笑い、ガキはすぐに調子に乗るし、大人によく甘える、
丁度お前みたいにな、とカヲルを馬鹿にした。
ケンジの体に寄りかかったまま、カヲルが不快そうな表情をして言い返す。

「もてないからってひがまないでよ。」
「別にひがんでねえよ……俺はな、軍隊に入ってすぐにガキを皆殺しにしたんだぜ、
それ位ガキが嫌いなんだ、侮るんじゃねえぞ。」
それを聞いて今度はケンジが大笑いをし、カヲルは、どうしたの?、
と興味深そうに訊いてきて、ケンジはカヲルの頭を優しく撫でてやる。
「軍の倉庫から食い物を盗んでたガキをこいつは他の兵士と一緒に捕まえに行ったんだが……
確か共同墓地の物置に住んでた野良ガキだよな?
それでそいつらを捕まえる為に催涙弾を物置に投げ込むように上官に命令された時、
こいつは間違って普通の手榴弾を投げ込んでガキを皆殺しにしたんだ。」
「ああ、あの時はウィスキーを飲み過ぎてたからな。」

悪びれる様子もなくダイキはビールを飲みながら思い出し笑いをして、
ナオタカとケンジもつられて笑い、カヲルも楽しそうに一緒に笑った。
「そう言えば、昨日ケンジからプレゼントを貰ったんだろ?」
眼鏡越しにカヲルを見つめながら、ナオタカはカヲルに尋ねて、
カヲルは笑顔になって頷いた。
「これ、すごいでしょ。」

78:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:31:54
11:ポケットから銀色に輝くバタフライナイフを取り出して、カヲルはナオタカに見せつける。
そのバタフライナイフのグリップには穴が開いていて、
カヲルが左手で振って素早く展開すると、鎧を着た天使の刻印が彫られたブレードが姿を現す。
「慣れてるもんだな。」

感心したようにナオタカがカヲルの仕草を見て、
ケンジも同じように感心しながら、練習したのか?、と訊いた。
「うん、1時間くらいやったらすぐにできるようになった、
レイ姉ちゃんにも教えてもらったし。」
カヲルはブレードを慣れた手つきでグリップの中に仕舞い、
ケンジは思い出したような顔をして、そう言えばレイの調子はどうだ?と聞いた。
「2年生の女の子に夢中みたいっス。」
ケンジの胸に顔を埋めながらカヲルは答え、
ケンジは、あいつは恋愛観が少々偏向してるからな、
と浅い剃り込の入っている短く丸めた頭を擦って呟いた。


79:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:33:36
12:学校はいつも通りに続けられ、シンジのクラスにも何人か欠席した者はいたが、
授業はいつも通りでテロ攻撃については一切触れられなかった。
昼休みにシンジは屋上でアスカと自作の弁当を一緒に食べながら、
ほんとにテロ攻撃なんてあったのかな、と不思議そうに呟いた。
「じゃあアンタも見てくれば?凄いんだから、瓦礫とかがそこらじゅうに散らばってて、
マスコミとか警察がたくさんいるのよ。」
アスカは今朝学校の4時間目までをサボって壊れたビルを見に行った。
さすがにビルの周囲は検問が敷かれていたり、車や人が充満していて近づけなかったのだが、
しかしアスカは近くにある10階建てのショッピングモールの屋上に行くことを思いつき、
そこから景色を眺めることができたのだった。
携帯のカメラで写した動画を見ると、体の半分くらいから折れたビルや、
道に敷き詰められた瓦礫とパトカーや消防車の群れがあって、
シンジにはまるで映画のワンシーンのように見えた。

「トウジ先生怒ってたよ、罰として放課残って教室の掃除、だって。」
「鈴原ってまだ20代なのに親父くさいのよねえ、あ~あ、かったるいなあ……
アンタも一緒に見に行かなったせいでアタシだけ掃除させられるんだから、
終わるまで待っててよね。」
「ダメだよ、晩御飯の材料買いに行かないといけないし、
ハンバーグ食べたいんでしょ?」
「うん……。」

80:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/15 19:37:29
カヲル…orz

81:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:37:34
13:不満そうに頷くアスカにシンジは可愛さを感じて微笑む。
屋上ではシンジとアスカの他に数人の生徒が昼食を摂っていて、空はほどよく晴れていた。
「碇君。」
空を見上げていたシンジに突然声がかけられ、
シンジは、ハイ、と少々驚きながらも声に向かって返事をする。
いつの間にいたのか、そこには3年生でシンジの先輩の綾波レイが立っていた。
青い髪と紅い瞳を有している少女で、
これはシンジの父親が所長をしている研究所で開発された特殊脱色剤「カラー」を使用したせいだ。
「カラー」は最近若者の間で流行っていて、服用すると体の色を脱色するが、
人によって色の変わり方が違うし、体の色が変わっている期間も数ヶ月から数年とバラつきが多い。
レイの場合は珍しく青い髪と紅い瞳になっていて、
青い髪か紅い瞳のどちらか片方はシンジも見たことがあるのだが、
両方の組み合わせはレイ以外には見たことがない。
現在は多くの学校で校則違反となっているのだが、
レイは規定される前に服用したので咎められる事は無い。
レイの姿を見つけたアスカは不愉快そうな顔になって、レイを睨む。

「隣、いいかしら?」
レイの言葉にシンジはうろたえながら頷き、
右隣のアスカは、ダメよ、と言ったが無視されてしまった。
シンジの左隣にレイは腰を降ろし、今日、いい天気ね、とシンジに話しかけ、
シンジは、そうですね、と答えようと思ったが、レイに突然手を握られたので、
ひゃっ、と小さく声を上げてしまった。
「小さくて可愛い手……」
「あ、ありがとうございます。」

82:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:41:06
14:レイはシンジの右手を優しく撫でてきて、シンジは戸惑いながらも、
本当に綺麗な人と言うのはこういう人の事を言うんだろうな、と思っていた。
シンジの視線に気づいたレイはシンジに微笑み、
今度は頬を撫でてきて、顔を近づけながら目を閉じて少し唇を突き出す。
シンジの胸の鼓動が速まり、シンジは動けなくてレイの顔が徐々に近づいてくる。

「どこまでやったら気が済むのよ、変態!」
アスカがシンジの体をレイから引き離して怒鳴り、その怒鳴り声でシンジは我に帰った。
「碇君が可愛いから、ついやり過ぎてしまうの。」
「うるさい、いつもいつもシンジの事追いかけ回してるくせに!」
「これも愛情表現の一つよ、アスカ。」
「ふざけるな!」

レイはアスカの言う通りシンジに対し積極的に近づいてくる。
転校してきたばかりの頃は偶然を装ったりして、
話しかけてくる程度だったが、最近は昼休みには必ず会いにくるし、
下校時にも殆ど一緒に帰るようになっていた。
レイによると自分は別に同性愛者ではなくシンジを愛しているだけで、
偶然シンジが女であっただけなのだと言う。
「アスカはどうして私と碇君が仲良くするのが嫌なの?」
「アンタが変なことするからよ!」
またいつものように二人は口論を始め、シンジは、二人とも喧嘩しないでよ、と二人の口論を止める。
呆れたようにアスカを見つめながらレイは溜息を吐き、まあいいわ、どうせ今日は碇君と二人きりで帰れるから、
と言ってシンジの首に手を回して抱きついた。
シンジはいつからレイは自分たちの話を聞いていたのだろうかと不思議に思い、
アスカは悔しそうにレイを睨んで、しょうがない、掃除はサボろう、と呟いた。
「あかん、そんなことしたら校内全部を掃除させたるで。」
赤毛の頭に色黒の手が置かれ、アスカが見上げるとシンジとアスカのクラスの担任教師がそこには立っていた。

83:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:43:34
15:「鈴原!」
「ドアホ、なに先生を呼び捨てにしとんねや!」
アスカの頭を手でぐりぐりと擦り、アスカは、なにすんのよ、と反抗して鈴原の手から逃れようとする。
鈴原トウジは国語の教師なのになぜかジャージを着用することが多い。
勿論今もジャージで、シンジが何故ジャージをいつも着用するのかと聞いたら、
この格好の方がいざという時動きやすいからだ、と答えたので、
いざという時とはどんな時なのか、と更に質問すると、
アスカみたいな悪ガキを追いかける時だ、と言ったのでシンジは可笑しくて笑ってしまった。
ちなみにシンジは鈴原トウジの事をトウジ先生と呼んでおり、
鈴原トウジの呼び方の中では少数派に属する。

「こんにちは、鈴原先生。」
「おう綾波か、お前らいつも仲ええなあ。」
「ええ、アスカにはよくイジメられますけど……」
「なに~、こら惣流イジメなんてしたらあかんぞ。」
トウジとレイを交互に睨みながらアスカは、イジメてないわよバカ、と言い返し、
シンジはそんな三人の様子を見ていると、楽しい気持ちになるのだった。
「そういえば綾波、お前の妹のカヲルのことやけどな、
早退すること多いし……もしかして体弱いんか?」
カヲルとはシンジのクラスメイトでありながら、レイの妹でもあって、
シンジとアスカよりも後にレイと一緒に転校してきたのだが、
学校をよく早退したり、欠席したりしていた。
「ああ、それズルです。」

レイが素っ気なく即答したので、トウジは驚きながら拍子抜けしていて、
その間抜けな顔を見て、シンジとアスカは思わず吹き出してしまう。
「あいつめ生理とか貧血とか言うとったから、本気で心配しとったのにふざけおって~。」
「教室掃除決定ね。」
「まあ、その前に事情を訊かんとな。」
「ハア?アタシにはいつもすぐに掃除させるくせに、えこひいき教師!」
「お前は事情聞かんでも見れば大抵分かる、男子と喧嘩しとるか、誰かに悪戯仕掛けるかのどっちかや。」
不満そうにアスカは頬を膨らませ、シンジとレイはトウジの言葉に同意していた。

84:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:50:28
16:「そういえば僕カヲルさんと全然話したことないや、
綾波先輩、カヲル君っていつもどんな感じなんですか?」
「そうね…昨日はバタフライナイフの扱い方を練習していたわ。」
「バ、バタフライナイフ?」
「誰かからのプレゼントらしいの、昨日あの子の誕生日だったから。」
「へえ昨日か……テロ攻撃と重なっちゃって運が悪いなあ。」
「いえ、昨日12時に帰ってきたら、最高の一日だった、って喜んでた。」
それをトウジが聞いて、12時!?、と素っ頓狂な声をあげ、
一体どこに行っとたんや、とトウジはレイを問い詰めた。
レイは、よく分かりませんけど、恋人でもいるんじゃないでしょうか?、
と答えたので、今度はシンジとアスカも一緒になって驚き、
トウジは、親御さんが海外におるから緩んどるんかもなあ、
綾波が親代わりに厳しくせんとあかんぞ、と言ったが、

レイは、あんまり干渉するのはお互い好きじゃないんです、と返し、
アスカは、結構クールなのね、アンタ、と感心していた。
「綾波先輩の父さんや母さんは海外にいるんですか?」
「シカゴで道場をやっていて、主に実戦的な護身術などを教えているわ。」
アスカが興味深そうに、どんなの、どんなの!?、と目を輝かせて聞いてきて、
シンジは、アスカはそういうの好きだからね、と少々呆れながら呟き、
トウジは小さく溜息を吐きながら考え事をするように腕を組んでいる。
「しっかし、ホンマに困った子やなあ、まあ今度ゆっくり話を訊くとするか……
あっ、惣流お前とりあえず今日サボった罰として教室掃除な、逃げたらあかんぞ。」
トウジはアスカの頭を軽く、ポンポン、と叩いて去っていき、
アスカは面倒くさそうに、あ~あ、かったるいなあ、と空を見上げ、
レイは、碇君、帰り一緒に買い物付き合ってもいい?、と尋ねてくる。
「えっ、僕は別に構いませんけど……」
「そう、じゃあ今日は碇君とデートね。」
「デート…ですか?」
シンジが恥ずかしそうな表情をすると、
レイは嬉しそうに微笑みながらシンジの頭を撫でた。


85:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:53:24
17:少し日が落ち始めた午後、カヲルはケンジと公園のベンチに並びながら、
二段重ねのアイスクリームを舐めていた。
「そっちのチョコ、チョットちょーだい!」
シューティンググラスをかけているケンジは、ハイどうぞ、
と自分のアイスクリームを差し出してきて、カヲルはそれに楽しそうに齧りつく。
「甘い・・・・・・」
カヲルは小さな舌で下唇についたチョコを舐めとる。
公園では下校途中の小学生数人が通り過ぎていき、
少し遠くにあるブランコでは5歳くらいの幼児達が遊んでいた。
その子供たちの様子をケンジは優しい眼差しで眺めていて、
カヲルはなんとなく、ケンジは子供とかいるの?、と訊いてみた。
「子供を育てられるほどまともなら、こんな仕事にはついてないよ。」

寂しそうにケンジは微笑み、
カヲルはそれを聞いて安堵しながらケンジの体に寄りかかって甘えた。
「服に付くぞ。」
そう言われてかヲルは慌てて体を離し、
黒い猫耳のあるフードつきのパーカーにアイスクリームが付いてないか調べる。
危機一髪、と笑いながらカヲルはケンジのアイスクリームをまた齧り、
肩を竦めてケンジはカヲルの頭を撫でようとするが、急にその手が止まって、
カヲルの後ろに向かって小さく手を振りだした。
「シンジ、学校の帰りか?」
背後を振り返ると、スーパーのビニール袋を提げた小さい少女と、
見覚えのある青い毛髪の少女がこちらに向かって歩いて来ていて、
カヲルは慌てて猫耳付きのパーカーを被る。
「奇遇ですね、ケンジさん!」



86:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:55:57
18:「楽しそうね、カヲル?」
「うん、とっても楽しい!」
「鈴原先生が怒ってたわよ。」
「ええ~、私生理だよ?」
「ズルだって教えたの。」
「裏切りだよレイ姉ちゃん、ヒドイ!」
そんな姉妹のやり取りをケンジは肩を揺すって笑い、
シンジは、カヲル君の彼氏って、もしかしてケンジさん?、
と独り言の様に呟きながら驚いていた。
「別にそういう関係じゃないさ。」
ケンジが可笑しそうに笑い続けながらシンジにそう言うと、
その言葉にカヲルは、違うの!?、と驚き、
それに対し今度はケンジも、そうだったのか!?、と驚き返してしまう。
「だってよくドライブ一緒に行くし、昨日もお誕生日パーティしてくれたりしたじゃん。」
「まあ、そう言われればそんな感じかも知れんな・・・・・・」
少々困惑しながらもケンジは納得したように呟き、
カヲルはレイとシンジを無視してケンジの頬にキスをしたので、シンジは顔を顰めた。
「カヲル君って学校ではクールに見えたけど、案外子供っぽいんだね・・・・・・」
「そうか?俺の前ではいつもこうだぞ。」
「へえ・・・・・・」
何故かシンジは先程からあまり面白くなさそうで、
その様子が何となく気に入らなかったカヲルは、そういえばアンタ誰?、とシンジに訊き、
その言葉にシンジはショックを受けた様な顔をする。

「同じクラスの碇シンジだけど・・・・・・覚えてないの?」
「影が薄そうだから、覚えられなかったんでしょ?」
嘘だ、実はもう既に気付いていた。
ただ自分の知らない関係をケンジと持っているのが気に入らないために、
シンジを苛めているのだった。
影が薄いという評価にシンジは本格的に傷ついたのか、
そっぽを向いてブツブツと何事かを呟いている。

87:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 19:58:25
19:「ところで、ケンジとはどういう関係なの?」
「ただのお隣さんだよ。」
シンジが答える前にケンジが答え、カヲルはその答えに満足そうに頷くと、
ケンジがこんなパッとしない子に興味持つわけないもんね、とシンジに止めを刺した。
シンジは、ヒドイとか、何だよ、とかカヲルに対する文句を少し大きな声でぼやき出すが、
気持ち悪いからあっち行ってよ、
とカヲルが言ったのでとうとうシンジの目尻に少し涙が溜まりだしている。

「カヲル、怒るわよ。」
眉を微妙に吊り上げたレイがカヲルを睨み付けてきて、カヲルはその視線に反射的に萎縮してしまう。
カヲルは今までレイと喧嘩して勝った事がなかった。
それは口喧嘩でも殴り合いの喧嘩でもそうで、レイは独特の雰囲気で圧倒してくるから、
睨まれるとカヲルでなくてもきっと恐ろしくなってしまうだろう。
「気にするなシンジ、俺のことで怒ってるんだ・・・・・・・いわゆる焼き餅だ、可愛いだろ?」
カヲルの頭に手を置きながらケンジはシンジを慰めるが、シンジはまだ不満そうだった。
カヲルもあんまり苛めちゃダメだろ、とケンジは猫にするようにカヲルの喉を撫でて優しく窘め、
可愛がられたカヲルは、にゃあ、と猫の様に上機嫌で鳴いた。
「お前ら、これから帰るのか?」
あどけない瞳でカヲルを睨んでいるシンジに、ケンジはカヲルと同じように優しく問いかけ、
シンジはそれに少しばかり機嫌を直したのか愛想良く、ハイ、と返事した。
「じゃ、送るよ。」
アイスクリームのコーンを、がしがしと齧って全部食べると、
ケンジはポケットから車のキーを取り出して、指でクルクルと回して遊ぶ。
カヲルは、私この人と一緒に乗るのヤダ、とまた我が侭を言ってみたが、
上からレイに頭を軽く小突かれてしまったので、渋々承諾する。
「まあまあお姉さん、子供の言うことですから・・・・・・」
おどけた感じでケンジはレイを宥めるが、
レイは頭を振るとカヲルの頭を確りと掴み、ケンジに微笑む。
「いえ、子供はちゃんと躾ないと我が侭になりますわ。」
カヲルは小さく、児童虐待、と呟くが、レイに、何か言った?、
と睨まれたので怒られた子猫の様に頭を垂れるしかなかった。


88:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:01:34
20:カヲルはいつもの様に助手席に座り、ケンジはもちろん運転していて、
いつもと違うのはシンジとレイが後部座席に座っていることだった。
車はシンジ達の住んでいる郊外のマンションに向かい、
カヲルはまだ少し不満そうに窓の外を眺め、シンジは他人の車に乗ったせいか少し緊張している。
「そういえば、私まだケンジの部屋入った事ないよね。」
「そういえばそうだな、じゃあちょうどいいから今日こいよ。」
「車に乗った時からそのつもりだった。」
不機嫌そうにしているカヲルに、ケンジは少し困った顔をしながら車を左折させる。
突然、後ろからレイが、あの、とケンジに声をかけた。
「なんだ?」
「ケンジさんは、カヲルのどこが好きなんですか?」

そりゃまあ、とケンジが答えようとしたところで、
カヲルが、全部に決まってんじゃん、とぶっきらぼうに言った。
「まあ、そう言われてみればそうだな。」
特に否定することもなく、すんなりとカヲルの言葉を受け入れているケンジに、
バックミラーに映るシンジは眉を顰めてカヲルを睨み、カヲルはその視線を無視する。
「特に好きな場所はどこですか?やっぱり顔?」
睨んでいたシンジが急に意地悪そうにケンジに質問したので、今度はカヲルがシンジを睨む。
「うん、まあ顔もそうだな。」
「顔だけってことですか?」
そんなこと言ってないでしょ、とカヲルが少し声を荒げて後部座席を睨み返すが、
ケンジが喧嘩を止めようと考えたのか、見てくれは重要だぜ、と二人に語りかける。

「美人な奴は心も美しい、っていうのは俺の持論なんだ・・・・・・はっきり言って根拠はあんまり無いけどな。」
それからケンジは笑い出すと、それにな、お前らがもしドブスだったら俺は絶対車になんか乗せなかったし、
話しかけてきたら顔面を殴り飛ばしてたかもしれないぜ、と言い、
レイはそれを聞いて、大人の意見とは思えないわね、とケンジに聞こえるように呟いた。

89:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:06:08
21:「まあ確かにそうだな、でも俺は実は顔も心も重視してるんだよ、
だって二つとも綺麗な方が断然良いに決まってるだろ?だから俺が好きな奴はみんな両方とも綺麗なんだ。」
その言葉を聞いたカヲルは機嫌を直してケンジの体に抱きつき、ケンジは、危ないぞ、とカヲルに注意する。
「じゃあもしカヲルが顔が綺麗なだけの子だったらどうしたんですか?」
少し厳しい口調でレイはケンジに問い詰めるように訊いたが、ケンジはそんなレイの様子にも特に動じず、
もしそうだったら、まあ1回やっちまって終わりだったろうな、と答えた。
そうですか、とレイは怒ってるのか呆れているのか良く分からない表情をして、
カヲルはヴェートーベンの第九を鼻歌で奏でる。

「ケンジさんは、僕のこと好きですか?」
シンジが寂しそうな顔で急に訊いてきたので、さすがにケンジも意外そうな顔をしていて、
カヲルは、こいつウザイ、とレイに聞こえないように呟いた。
「ああ、好きだよ。」
「ハア、なにそれ?私のことが好きじゃないの!?」
「お前の方が好きだけど、シンジのことも好きだってことだ、
第一もしそうじゃなかったら送ってやったりなんかしない・・・・・・ああ、もちろんレイちゃんのことも好きよ。」
ふざけたケンジの物言いに、カヲルはケンジの足を抓って抗議しようとしたが、
痩せているケンジの足は殆どが筋肉なので、ズボンの上で滑ってしまう。

「安心しろ、今のところはお前が一番なんだ、それは嘘じゃない。」
カヲルはケンジに、ホント?、と少し不安そうな振りをして聞き、ケンジは優しく頷く。
「私は全人類で一番カヲルが好き。」
背後で照れ臭そうに呟いたレイにカヲルは少し驚いて、シンジが一番じゃないの?、と訊くと、
レイは、碇君は宇宙で一番好き、とまた照れながらシンジの方を向いて言う。
シンジはもう慣れているのか、ありがとうございます、と適当に流すと、
車の外を見て急に、アスカだ、と嬉しそうに声を上げた。
車線が半分工事中の道路の真中をアスカは一人で歩いていて、
ケンジはその後ろで車を停止させると、クラクションを鳴らす。
最初はそのクラクションに不機嫌そうな顔をしてアスカは振り向いたが、
シンジ達が乗っているのに気付くと、足早に駆けて後部座席の窓を叩く。

90:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:10:33
22:シンジが開けるよりも速く、
ケンジが手元のスイッチを操作してシンジとアスカの間を隔てている窓を開けてやり、
アスカは窓に顔を突っ込んでくると、ずるーい、私も乗せてよ、と不満を零す。
「鈴原に教室全部掃除させられて疲れてるのよ、早く乗せて~。」
ケンジはクックッとアスカの様子に楽しそうに笑いながら、ドアロックのスイッチを操作して開く。

「ケンジ、こんにちは~・・・・・・・あっ、サボリ女。」
ケンジに挨拶をしながら入ってきたアスカは、カヲルを見つけて指をさす。
「うるさい赤ザル。」
サボリ女と言われた事よりも、ケンジを呼び捨てにしたのが気に入らないカヲルは、
アスカに悪態を付きながら、舌を出して馬鹿にする。
「うっき~、なによこの女ウザイわねえ!」
「それはこっちの台詞よ、お猿さん。」
その後、マンションに帰るまでアスカとカヲルは20分以上罵りあい、
さすがにその様子にはケンジも呆れて、お前ら喧嘩すんなよ、と疲れたように呟いていた。


「ツーペア!」
「スリーカード。」
「やった、アタシの勝ち!!」
アスカはガッツポーズをして喜ぶが、ケンジがコインを自分のところまで持って行くので、
何してんのよ、ズル!、と声を荒げた。
「アスカ、ツーペアよりスリーカードのほうが強いのよ。」
レイが少し可笑しそうに吹き出しながら、アスカに教えてやる。
「早くルール覚えてよね、サル。」
カヲルは呆れたようにカードをケンジに返し、アスカはカヲルを睨み、
シンジも一緒にカヲルを睨んで、
しょうがないじゃない、アスカ初めてなんだから、とカヲルに言い返した。


91:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:14:27
23:カヲルは煩わしそうな顔をして、ハイハイ、とやる気の無い返事をしながらテレビに目をやる。
カヲルはシンジ達と一緒に車に乗ってケンジの部屋に初めて入った日から1ヶ月ほどの間、
殆ど毎日ケンジの部屋に来ていて、それに影響されてかシンジやアスカやレイも度々出入りするようになっていた。
テレビには第三新東京市の様子がニュースで映し出されていて、そこには二体の人型ロボットと、
双子の様な宇宙人か怪獣かよく分からない生き物が戦っている。
「本当なんですかね?ロボットが第三新東京市で戦ってるって・・・・・・」
不思議そうに液晶テレビを見つめながらシンジが呟き、
その隣のアスカはうっとりしたように画面を眺めていた。
「あーあ、一度でいいから言ってみたいなあ・・・・・・ケンジ、今度連れてってよ。」
だがケンジは一言、興味ないね、と答えてカードを配り始めたので、
みんなテレビから目を離してポーカーに集中し始めるのであった。

シンジは自分の手札の中身がまたノーペアだったのを見て残念そうな顔をし、
それに気付いたケンジは、ノーペアか?、とシンジに訊いてくる。
「ポーカーで引く役って殆どノーペアかツーペアじゃないですか?
たまに良いのが出ても、スリーカードくらいだし・・・・・・」
「まあクローズドポーカーはそうだな、
でも実はポーカーで一番重要なのは良い役を手にする事じゃないんだよなあ。」
意味ありげにケンジが言ったので、シンジは、じゃあ、一番重要なのってなんですか?、
と上目遣いにケンジに訊き、ケンジが答えようとしたら、
レイが横から先にシンジに教えてやった。
「チップの賭け方よ。」
「そのと~り、分かってんじゃねえかレイ。」
チップ?、とシンジは不思議そうに言い、レイは、いくら良い役を引いても、
チップの賭け方が下手だとゲームには勝てないの、
反対に言うと大した役を引けなくてもチップの賭け方が上手いと勝てなくても、最下位になることはまずないわ、と説明し、
ケンジは、レイは賢い子だな、と頷きながら感心した。
「つまりそういうことだ、
だから良い役が中々回ってこなくてもゲームは最後の最後まで捨てない方が良い・・・・・・
人生もそうだな、諦めたら全部終わる。」

92:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:17:37
24:ケンジの言葉にレイは、あなたの口からそんな言葉が出るなんて意外ね、
とケンジを見つめ、アスカは、親父くさ~い、と気だるそうに伸びをした。
だがシンジはケンジの言葉に感動していて、それはシンジの母親の言葉に通ずるものがあったからだ。
「あの、僕の母さんも言ってたんですけど・・・・・・人は生きていこうとするところにその価値がある、
だからどんな時も生きることを諦めてはいけない、
生きていればどんな所だって楽園になるからって・・・・・・そう言ってたんです。」
少し恥ずかしかったが、シンジは自分の母親がシンジに言った名演説をケンジ達に披露し、
果たしてケンジがどんな風に反応するのか期待していた。

カヲルがいきなり、くっさー、と笑い出し、ケンジも口を抑えて笑い出すのを我慢している。
どうして?、とシンジは聞こうと思ったが、カヲルがあまりにも爆笑しているので、
恥ずかしくなって俯いてしまった。
あまりにも爆笑するカヲルにレイは、カヲル、碇君が可哀想だからやめなさい、と窘め、
ケンジも、そうだぞ、可哀想じゃないか、と吹き出しながら注意した。
「もういいよ・・・・・・」
拗ねたシンジは少し涙を眼に溜めながらか細い声で言い、
カヲルは注意されたにも関わらずまだ笑っていたので、レイに頭を小突かれて、
痛いよレイ姉ちゃん、とシンジと同じく涙目になる羽目になった。
「はっきり言って、おまえの母親は余程人生達観してたか舐めてたかのどっちかだな、
確かに生きることをやめた人間には何の価値も無いけど、
同様にただ生きてる人間にも何の価値も無いんだ。」
ケンジの言葉にカヲルは、左様、ただ生きる位なら死んだ方がいいわ、と同意し、
レイも、そうね、と少し寂しそうに頷いた。
ケンジやカヲルの言葉が理解できなかったシンジは正直に、
ただ生きてる人間ってなんですか?、と訊き、
ケンジは首の関節をコキコキと鳴らして気持ちよさそうに息を吸う。

93:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:21:03
25:「自分のやりたいことをやってない人間だ。」
「自分のやりたいことをやってない人間って?」
「自分の気持ちを平気でごまかして裏切る奴だ、そういう奴は平気で他人も裏切る、
そういう奴は本当に大切なものを失う、だからそういう奴は死んだ方がいい。」
ケンジのはっきりとした物言いに、シンジは少し反抗心を覚えて反論する。
「でも大人はみんな自分の気持ちに嘘をつくんじゃないですか?
 汚れるのが大人になる事だって、テレビで言ってましたよ。」
「それは嘘だ、大人でも子供でも他人に嘘をつくのは仕方ないが、
自分に嘘をつくのはよくない、だが今の世の中は平気で自分に嘘をつく奴ばかりだし、
その大人は子供にも自分を平気で裏切るように教育している・・・・・・どいつもこいつもクソ野郎ばっかりだ。」
テーブルに頬杖を付きながらアスカは、なんかグレた子供みたーい、と呆れたような反応をする。
俺は大人になりきれない大人だからな、
ソファに深く凭れかかったケンジは少しだけ寂しそうな眼をし、
その姿はどことなくシンジの父親であるゲンドウに似ていた。
「でもな、人間の拠り所は結局自分の考え方なんだ、
どっかのロックミュージシャン見たいなことを言うが、
国とか宗教とかはシステムであって拠り所じゃない、だから自分の考え方、
つまり自分の気持ちを裏切るような人間は決して幸せになれない。」
よく分からない演説をかましたケンジに、
シンジは試しに、ケンジさんは今幸せですか?、と訊いてみた。

「中々幸せだな、こうやって綺麗どころに囲まれてるし、仕事も楽しい。」
「言ってることの割には、幸せの基準が平凡よねー。」
相変わらず頬杖をついたアスカは横から口を挟むが、ケンジは一向に不愉快そうにしないし、
寧ろアスカの言葉を肯定している。
「幸せなんてそんなもんだ、簡単に幸せになりたいならとりあえず旨いもん食って、旨い酒飲んで、
女を抱きまくって、その後に頭をハジキでふっ飛ばせば、そうすれば幸せな人生って奴を完成させられる。」

94:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:26:11
26:レイは肩を竦めて、刹那的ね、とケンジの言葉を評価した。
「俺は成長に失敗したからな、まあでも俺にはこの生き方のほうが合ってるし、
 実際大人か子供かなんてのは他人の評価でしかないのさ。」
俯きながらシンジはケンジの言葉を頭の中で繰り返し、
全部正しいとは思わないけど、間違ってはいないと思います、と自分なりの結論を出した。
ケンジは、それでいい、とシンジに答えながら一人納得して頷いていた。


国外の戦地で死んだ日本人兵士達が奉られている防人神社では今日、
神社の完成を記念した祭りが行われていた。
長い石畳の通路には様々な夜店が出ていて、浴衣を来たカヲルとシンジとアスカが楽しそうに遊んでいた。
最初はカヲルだけがケンジに買って貰った蝶の模様の入っている浴衣を着ていたが、
アスカがシンジが止めるのも聞かずに、
ケンジに浴衣をねだったので三人全員が浴衣を着ることになったのだった。
アスカはハートの模様、シンジは桜の模様の浴衣で、
着付けの仕方は誰も知らないので浴衣を買った店の店員にして貰った。
ちなみにカヲルはレイにしてもらったらしい。
シンジとカヲルは金魚すくいをしているが、何故かアスカだけはビデオカメラを振り回している。
原因は神社の中にいる国連軍の兵士達で、
アメリカ大使が何者かに愛人宅からの帰りに狙撃されたので、このような事態になっている。

95:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:28:48
27:兵士達の中には日本人と一緒に白人やアフリカ系も多く混じっていて、
それは元在日米軍の国連軍兵士だった。
アスカはビデオカメラで兵士達の装備を撮り、それを見ている兵士達は苦笑いをしていた。
ケンジはポケットからマイルドセブンを出すと、
栗の木の傍で立っている20代位の若い白人兵士に一本差し出して話しかける。
「アンタ、アメリカ人?」
若い白人兵士はケンジが英語を話したことに少し驚きながらも、
マイルドセブンの箱からタバコを抜き取った。
「英語、喋れるのか?」
「それなりに。」
ケンジは自分も煙草を咥えてターボライターで火を点けると、
ポケットの中身を探っている兵士の煙草にも火を点けてやった。

「どうだい、警備は暇だろ?」
「ああ、暇だな・・・・・・アメリカ大使が撃ち殺されたくらいで国連軍の出動を要請するなんて、
俺の国の政府も随分タマが小さくなったもんだ。」
「仕方ねえさ、今日までテロなんてのはそれこそアフリカかアジアの貧乏国家でしか起こってなかったのに、
セカンドインパクトから復興しつつあるこの日本でテロが二度も起きた、
2001年の二の舞はみんなゴメンなんだろ。」
「俺はあの時まだガキだったが、テレビで日本のひどい状況を見た時はまた原爆を落とされたのかと思った。」
兵士が煙草の煙を深く吸い込みすぎて、少し咳き込む。
どうだい、メイド・イン・ジャパンの煙草は?とケンジは微笑みながら聞いて、
兵士は葉の味が少し薄い、と答えた。
「それにしても物好きだよな、
今や世界中の軍隊が国連に管理されて敵なんてどこにもないのにテロを起こすなんてよ。」
兵士の言葉を聞いたケンジは可笑しそうに肩を揺すって笑うと、
まったくだ、と独り言の様に呟いた。

96:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:30:51
28:兵士と話しているのを見つけたシンジとアスカが興味津々といった目で走り寄ってくる。
「あれ、あんたの子供か?」
「いや、知り合いの子だよ・・・・・・・俺、子供いるように見えるほど老けてるか?まだ30代だぜ。」
「少し老けてるかな。」
冗談を言い合いながら二人は笑い、やってきたアスカはケンジ英語話せるの?と聞き、
昔、外国で暮らしてたんだ、と日本語で答えた。
「お前混血なんだろ?話せないのか?」
「ドイツ語だけ話せる。」
「なら英語もすぐに話せるようになるよ、ドイツ語と近いからな。」
シンジは不思議そうにケンジを見つめて、ケンジさんって色々特技があるんですね、と言う。
英語は話すのはそんなに難しくない、試しに話してみたらどうだ?、
とケンジはシンジの頭を撫でた。
兵士はシンジとアスカを優しく見つめて、かわいい子達だね、と微笑み、
その英語は簡単だったのでシンジ達も理解して、照れながら嬉しそうにしていた。
ケンジはそんな二人の様子を、なぜか悲しそうに眺める……


97:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:33:15
29:郊外の川原ではシンジとアスカが蛍を見てはしゃいでいる。
ここはケンジが偶然見つけた秘密の場所で、カヲル達の他には誰もいない。
ケンジは二人の後ろでセダンのボディに寄りかかり、カヲルは隣で手に止まった蛍を見つめていた。
「綺麗・・・・・・」
「そうだな、俺は虫は好きじゃないんだが、蛍は綺麗だから好きだ。」
「そういえば、誕生日の時のビルもこれと同じくらいに綺麗だったな・・・・・・
花火、私のために仕掛けてくれたんでしょ?」
ケンジは照れ臭そうに、まあな、と答え、
カヲルは照れているケンジを、可愛い、とクスクス笑った。

「あのさ、1週間前の狙撃事件、あれケンジだよね?」
「そうだ、一発で仕留めた、すごいだろ?」
「ケンジの敵って、アメリカなの?」
「いや今は違う、というか俺の雇い主だな。」
カヲルは、雇い主が自分を攻撃させたの?、と不思議そうに問いかける。
「国なんてそんなもんだ、本当はみんなバラバラなのに纏まっている振りをする、
俺の雇い主はアメリカ全部じゃない、アメリカの保守派と後は兵器産業なんかだろうな。」
「自分の雇い主なのに、良くわかってないみたいな言い方だね。」
「俺は使い捨ての殺し屋だ、重要な情報は与えられない。」
「ダイキやナオタカさんもそうなの?」
ケンジが溜め息を吐きながら、顎を摩る……ケンジが物を考えているときの癖だ。
「ダイキはお前も知っている通り元軍人なんだが、その後はアジアン・ネットワークに入った、
これはマフィアの集まり何だが・・・・・・ニュースで聞いたことあるか?」
カヲルは頷く、アジアンネットワークはアジア全域にまたがるマフィアの連合だ。
国連がまだあの災害の爪痕が多く残っている頃に、
組織犯罪を撲滅するために軍と警察を使って徹底的な摘発を行い、
それに対抗するために作られたネットワークだった。
肩の関節をゴリゴリと鳴らしてケンジは息を吸う。

98:THE90 ◆HLhlrfISK.
07/10/15 20:37:31
30:「ナオタカは俺達の中で一番雇い主に近い、というか雇い主の部下で多分俺達の監視役だ、
俺たちがテロビジネス企業を立ち上げたのも、元はあいつが話を持ち込んできたからなんだ……
多分あいつは兵器産業の抱えてるいわゆる諜報員って奴なんだろうが、
もしかしたらCIAとも繋がってるかも知れないな。」
赤い瞳を暗がりで光らせながら、カヲルは、ケンジは昔何をしていたの?、と尋ねた。
「俺か、俺はイスラムゲリラに入ったんだが、
その後良く分からないうちに暗殺教団とかいうのに入れられて、
そこで2年くらい訓練を受けた・・・・・・ありゃマジでキツかったな。」
ケンジは顔を顰めながら頭を振って少々大袈裟なリアクションをする。
それからケンジはカヲルのほうに顔を向けると、どうして今日はそんなに質問するんだ、と訊き帰し、
カヲルは少し言葉に詰まったが、しかし決意してケンジの顔を真っすぐに見つめた。
「ケンジ、もうすぐいなくなっちゃうんでしょ?」
ケンジはカヲルの眼を辛そうに見つめ返すと、そうだな、と小さく寂しい声で呟いた。

目の前をたくさん舞う蛍の群れはまるで、地上に星が降りてきたようだった。
その幻想的な光景を見ていたカヲルはハンドバックからハート型の小さな瓶を取り出すと、
中に入っているカプセルを口に含んで噛み砕く。

「お前それチーズだろ?」
チーズとは風邪薬と少量のコカインを混ぜた麻薬で、
ケンジは何故かたくさん麻薬を持っていて、カヲルはたまにそれを無断で頂戴していた。
「なんかちょっと切ないから・・・・・・」
「程々にしろよ。」
「うん・・・・・・あっ、効いてきた。」
突然、ハイになってカヲルは笑い出し、
その様子をケンジに射的で取ってもらったペンギンの縫いぐるみを抱いているシンジは、
不思議そうに見つめてきているのだった。

99:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/15 20:53:16
2chに投下したのをまとめてどこかのサイトに再掲載ってパターンは良くあるけどな
投稿サイトに投下したのを手直して2chにっていうのははじめて見たぞ

100:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/15 21:16:14
凄い伸びてるから荒らしが来たかと思った

101:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:24:17
一言言わせて。

カヲルキモイよ

102:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:26:40
これもう見たくない
投下しないで欲しい…

ていうかある意味荒らし?

103:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:35:30
皆全部読んだのか。長すぎて途中で挫折した
どんな感じだった?そんなに悪いのか

104:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:37:47
取り合えず読んで思ったのは(途中までだが)カヲル腐は皆死ねばいいのに
最初は良かったがカヲルからキモイ

105:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:46:01
ざっと読んだけどシンジきゅんがいまいち活躍しないな

106:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:51:05
じゃあおまいら何系が読みたいんだ

107:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:55:24
別にカヲルは好きだがオリキャラとカヲルの描写がメインで
あまりにもシンジきゅんの影が薄い気がする


108:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:56:25
とりあえずキモくなくてシンジきゅんが幸せなやつ
オールキャラギャグとか…





本当はファザコンヤンデレなシンジきゅんが見たいよ!

109:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:57:21
ざっとしか読んでないけどカヲル女体化?
その時点でイラネwww

110:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 01:58:57
>>109
まずキャラ違うしね
本当に気持ち悪い、カヲル腐って本当に気持ち悪い
なんで自分の好きなキャラをこうもキモくできるのやらw

111:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:00:00
あんまりカヲル腐カヲル腐言ってる奴は釣り

112:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:02:37
>>111
キモイもんはキモイからしょうがないよ
こういうキモイの書くのって奴らじゃん

生粋シンジストな職人町

113:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:02:54
どっちかというとオリキャラの方が萎える

114:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:05:20
なんという不評ww

115:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:07:28
何ていうかね、オリキャラ中心に話が進んでいて
あまりに世界観が違いすぎるからシンジきゅん萌えSSを
読んでいるという気がせずワクワク感がない

116:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:09:51
一言でハッキリ言うと?

117:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:10:01
カヲルのキャラに吹いた
ここまで違うと別にムカつかないけどな
笑えてw


118:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:11:01
シンジ萌えが足りないんだよな
別にパンツ見せろとかエロとか望んでるわけじゃないんだ
ただシンジきゅんの仕草や可愛さ、それだけでいいんだ

119:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:12:26
これ別にカヲルじゃなくてオリキャラでやれば良かったのでは?

120:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:13:22
カヲルキャラ違きんもーw

121:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:13:53
むしろエヴァじゃなくてよくね

122:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:14:35
>>116
駄作?

123:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:15:23
パラレルは好きだけどここまでアレだと別に
エヴァキャラやシンジきゅんでやらんでもいい気がする
ASUKAの学園黙示録とかそんな感じ

124:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:18:21
>>123
あれも何故かなかなか腐女子には好評だったな
やっぱああいう絵柄好きなんだ

125:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:19:32
貞カヲだと思えば…思えば…おも

126:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:21:28
カヲルのカの字も顔も浮かんでこねえw
スパシンみたいな、オリキャラ化された臭いがする

まあ、カヲル嫌いだからどうでもいいや

127:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:21:45
>>125
無理がありすぎる。奴は皮肉屋で淡々としているからな

128:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:22:02
いきなりだが

最近、貞シンジは本当に半陰陽なんじゃないかと思うんだ
胸はまだ全然未発達で、竿はあるが玉はない代わりに女の子がついてる
そんな気がするんだ
これから体つきがきっと女性っぽくなっていくんじゃないかと思うと

129:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:24:58
そう言われると7巻でトウジの件でぶちぎれたシンジきゅんが
ゲンドウに殴りかかるコマがどうしても女の子に見えてしまう。
つか、殴り方がおにゃのこっぽい

130:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:25:19
半陰陽ってそんなにいいもんじゃないよな
おっさん顔でおっぱいついてるとかなぁ

副腎皮質の異常で、XXなのに男性器がついてる女の子もなぁ
無月経で体毛が濃くなるんだぞ

131:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:27:15
ちなみにちゃんと射精できて子宮も使えるふたなりさんは遺伝子学上絶対存在しない


132:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:29:58
こんなに投下してさるさん規制にはひっかからなかったのかな?

133:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:31:10
>>131
二次ですから!

134:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:33:24
XYで外見上は女の子な人とかもいるらしいが、こっちも妊娠出来ないみたいだ
アンドロゲン(だっけ?)分泌異常が原因なら、性欲無さそうだ

135:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:40:26
セカンドインパクトがなぜか起こした奇跡設定などいかが?

136:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:41:45
とりあえずカヲル腐とかいう前に最低系のスコップ対象って感じだった。

>>131
カウパーだけでもおk



137:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:52:03
射精出来ないならカウパーも無理じゃね

138:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:55:47
別にカヲル出してもいいんだけど明らかにキャラ違うしな
もっと学園ものっぽいコメディかと思ってた

139:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:58:15
ちんこもまんこも両方使うのは生物学的に無理らしい

140:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 02:59:54
>>128
もしそうだとするとシャワー室でカヲルに乱入されて妙に焦っていたのもなんか納得。

141:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:00:59
学園ものはだいたいハーレムだから嫌いだ
つか、ハーレムものが嫌いだ

142:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:01:06
ふたなりは良さがよく分からん


143:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:02:18
>>141
シンジ育成漫画とかなw
ほんと打ち切れやアレ

学園シンジは26話見る限り可愛いんだけどなー

144:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:03:45
>>142
正常なことです、それは

145:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:06:56
>>144
人の趣味も色々だけど、正常か
良かった

どうしてもふたなりって、エロ漫画しか頭に思い浮かばないんだよな

146:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:08:09
>>138
出てても構わないが女は勘弁してくれ

147:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:10:59
だよな


148:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:14:43
シンジ育成とか喜んでるシンジストはいないだろ
何かシンジは無個性別人でアスカのマンスジとレイの乳と
トウジは空気でヒカリとイチャついてケンスケは孤独でカヲルはホモ
だいたいそんな感じ

149:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:16:23
>>145
そう、あなたは正常
ショタの延長線上でなくガチふたなりっ娘の貞シンジに変な気持ちになってる自分は変態だ

ふたなりはエロ需要が一番あるからなー
でも自分の体にコンプレックスを抱きながら生きていく、汚れない姿
そういうのも良いと思うんだよ
特に貞シンジきゅんの場合は

150:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:17:58
>>140
普通乱入されたら焦るって

151:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:24:46
しかもあんなちんこまで触れ合いそうな位置まで近づかれたら
悪いが確かに好きにはなれない

152:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:30:54
貞カヲって好かれる要素一つもない行動とってるのに好きになれ連呼で
何故そんな奴に惹かれたんだ、シンジきゅん

153:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 03:37:34
自分と思い切り違うタイプだからじゃないのか?分からんが

154:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 18:08:25
案外殺した罪悪感で後々そう思いはじめたんじゃない?
嫌いじゃないって言ってやったのはある種の哀れみ

155:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/16 19:51:47
普通に接していたらただのちょっと変な奴で友達になれるかもしれないが
は確かに好きになる要素少ないなw
庵カヲと同じで他に誰もいないときに、
しかも直球で『好きか否か』と聞いてきた奴だからかな

156:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/17 19:12:31
以前こんなエヴァ小説がどうしても読んでみたいスレで書いたネタなんだが
このスレの住人にどのような評価が下されるか気になるんだ。
貼ってもいいか?

157:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/17 19:16:48
倒錯ネタかい。どれどれ

158:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/17 19:26:22
後天TS
シンジは内向的だがいじめに対抗するためや、ゲンドウを呼び寄せるために暴力を振るう問題児。
負った傷が消えないという謎の体質も持っている。(精神と肉体の繋がりが強いとかそんな感じの設定)
そのことから異常なまでのエヴァ適性を持っていたために第三使徒との戦闘で植物状態になるが
ダミーシステムの研究材料にされて、肉体から意識だけをコピーされ、綾波クローンにインストールされる。
肉体の形状はシンジのコピーの魂をインストールされたことで、見た目だけシンジ似に変化するが性別は女性。
いわばシンジのダミーで動くシンジ似の綾波というような感じになる。
残された肉体と眠っている本来の魂は異常なまでのエヴァ(アダム)に対する適正から、ゲンドウによって
補完計画に有効活用される。
ミサトはゼーレが進めている人類補完計画の全容をリツコから既に知らされている。
リツコはミサトに人類補完計画を阻止して欲しいというフリをして、ミサトに妨害工作を行わせて
対ゼーレ戦略として活用している。本来の目的はゲンドウと添い遂げること。
ミサトはミサトでリツコの企みに気づいているのだが、補完計画に一部同調する面も持っていて悩んでいる。
というような話が読みたいのだが。

久しぶりに自分の過去のレスを読んだら凄く痛かったので、最初の数行のシンジの設定は無かったことにして・・・
シンジは最初の使徒戦でいきなり溶ける。
サルベージ成功の確率を上げるために、空の器である綾波クローンを利用した新プランが発案され、実行し、結果綾波肉体のシンジ生まれる。
というような感じに置き換えようと思ったのだがあえてそのまま貼ってみる。

159:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/17 19:31:53
うん。最初の厨設定は確かに痛いな…

160:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/17 19:46:01
はじめのアイタタ設定を無しにするなら、物語のごく初期にTSイベントのある再構成物だよな
大長編になるか一部抜粋にするかはわからんが、意外にもその類の作品を見たことが無い。
ミサトやらリツコやらゲンドウやらの行動は物語の味付けであるからこの際どうでも良いわな

綾波ボディーのTSはいろいろそれをネタにして話が広がりそうで良いけど、
このスレ向きの話と考えるなら、元のシンジきゅんの造形を生かした単純な女性化のほうが受けるだろうな

161:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/17 19:50:24
後天TSにするなら、シンジがいっぺん体を失うぐらいのことをしないと
性転換なんて現象が起こる理由付けにならないかな・・・と思って視野が狭くなっていたんだと思います。
まぁ、妄想の中ではところどころに厨二病的なネタ考えたりしていたってのもあるので厨二的って指摘は正しいです。
大体その厨二的能力を発揮するとしても、そのころの身体は女の子なわけですから、ヒーロー的主人公+厨二的能力よりかは
痛い率さがってないかな・・・だめか。ヤンデレが好きなので。

あと置き換えなかったのは、体が解けて失われたままだと、後半の設定と矛盾して
そこまで置き換えるのが面倒だった・・・っていうのもあります。

綾波inシンジコピーの状態では、ほぼこのスレの人が妄想するようなシンジきゅんで妄想してました。
青(白?)髪や赤目ではないです。色も変わらないです。

162:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/17 20:09:29
しょっぱなからのTSによって変化する人間関係や、中身男での女性としての生活の要素が加わるじつに美味しい再構成ものだよなぁ
俺も昔からそういうのを読んでみたくて、せめてプロットだけでもとネタを投下したこともあったか……

そこらにありふれていそうな話だけに、FF作家諸氏は手を出さないし、手を出したやつは独自色を出そうと変な設定をこねくりまわして自爆するのかもね

163:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/18 03:46:50
ちょっとすまん。

なにか俺のほうでも変な毒電波を受信して脳内で暴走してる連中がいるんだが
こいつらを文章として書き留めておくべきだろうか?
小説など書いたことのない人間なのでまともに出来上がる気はしないんだが・・・。

164:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/18 14:20:40
いちいち断らんで良いかと
プロットの投下がほかの住人の別のシチュ投下のの呼び水になるかも知れないし
職人との共感があれば連載作品の投下につながることもある

165:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/18 15:25:56
はげどう

166:\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\
07/10/18 15:45:05
シンジ&アスカ&レイ

167:163
07/10/18 23:47:54
んじゃとりあえずプロット投下。

・女シンジを弄くってみよう
・エロスはあまりなしで
・Wシンジに持っていきたい
 >逆行させてみる
 >女シンジに憑依させてみる
 >どっちの記憶も消し去ってみる
 ⇒習慣的行動と意識下の感覚のずれにはぁはぁ
 ⇒一応逆行と現行がいるからどっかで予定調和的にダブルにできそう
・やっぱハッピーエンドがいいな
 ・どうでもいいけど親として葛藤するゲンドウさんは大好きだ
 ・あんまりバッド方向に引っ張ると軌道修正難
 ・下げ時々上げ。
・本編準拠
 ・ぶっちゃけストーリーよりシチュ萌じゃなかろうか
  ・本編準拠だと分量があほみたいに多くなる
   ・書ききる自信0
    ・絡めにくい使途やらエピソードは削る覚悟で


こんな感じに。

アニメ準拠1~2話途中程度分まで一応書いても見たけど、
このままじゃちょっとお粗末な気がする状態。

投下すべきか、どっかに暫定upして推敲と突っ込み頼むか、どっちがいいだろうか。

個人的には
>>162の結末が待っている気がしなくもない。

168:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/19 00:03:22
碇シンリちゃんエッチな子バージョンみたいに話を飛ばしまくって完結させてしまうのも良いかもなぁ
ああ、あれも憑依物だったか……

まあ、気が向いたら投下してみてよ
保管所の掲示板の軒先を借りてみるとか

169:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/19 00:49:37
とりあえず全裸で待ってるから

170:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/19 11:21:46
せめてパンツを履け

171:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/19 17:48:46
>>167
すまん、まじめに設定考えてるのは伝わるが
むずい専門用語が多すぎてなんとコメントしてよいかわからん
つじつまなんざどうでもいいので、展開をわかりやすくできんものか

172:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/19 20:26:51
何か最近女シンジのヤンデレ話が多いな
女装シンジが見たい

173:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/19 20:45:27
冬月先生の碇シンジ育成計画
エヴァ2的に

174:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/19 21:12:11
アスカに無理矢理着せられるとか
ミサトにノリノリで化粧させられるとか
レイに失笑されるとか
トウジにうっかり惚れられるとか
ケンスケに面白がって激写されるとか
ゲンドウに見られてユイの面影を見つけられて複雑な思いするとか

そんな女装シンジきゅん

175:163
07/10/19 22:59:51
軽く校正したんで、このあと投下してみるよ。
ただ、正直こんな分量で進めていたらいつ終わるかわかったもんじゃない状態。
きちんと長編完結させてる人たちはすごいなあと自分で書いてみて思う次第。

あとプロットの一行があほみたいに膨れ上がるとか、いまさらながら苦労というやつが見えてきた。
あと台詞集がほしい。切実に。

>>168
そういわれるとシンリちゃんと成立経緯が似ている気がします。
そもそもいろんなFFから影響受けまくって妄想空間が成立してると思われ。
その辺も指摘してもらえると助かるかもしれない。

>>169
ネクタイくらいはしてください。

>>171
なぜか女の子な反応をしちゃう自分にどきどきなシンジちゃん、ってのを根本として
小説用にプロット書いていたらこうなった、という程度のものです。



176:163
07/10/19 23:18:03
『Migraine』


妙な夢を見た、気がする。

限りなく平坦で、絶望的な、それは悪夢だったと思う。
著しく不快感を増幅させる寝汗もそれを見たという証拠だろうか。

それも仕方のないことなのかもしれない。何せあの手紙だ。

『来い』

それしか書かれていない、父からの呼び出し。
もう、忘れられたものだと思っていた。
もう、忘れたものとしてあきらめていた。

それなのに、こんな愛想の欠片もない一言で自分は父のところへ行こうと決めた。

「結局、私は父さんを慕っているのかな?」

誰に言うでもなくつぶやいて、私は出かける準備を始めた。

***



177:163:Migraine:01
07/10/19 23:20:13
「あー、もう、何でここまで来て止まっちゃうんだろ」

彼女の乗ったリニアトレインは、目的地の二駅手前で緊急停止して以後、動き出す気配はなかった。

<<……を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに指定のシェルターに避難して下さい。繰り返しお伝えします……>>

「非常事態って……何が起こってるんだろう……」

仕方なく駅を離れたが、人っ子一人いない。
すでに住民の方々はシェルターとやらに避難されてしまったのだろうか。
連絡を入れようと公衆電話を取ってみたが、その受話器も非常事態と無機質な声で繰り返すだけで、どこにもつながらなかった。

「迎えに来るってことだったけど、リニアがここで止まってるの分かるのかな……」

ため息をつきつつ、手紙に同梱されていた写真を見る。
そこにはグラマーな女性が写っていた。
ここに注目! なんて胸が強調されているのは何かの挑戦だろうか?
大して膨らんでいない自分のものと比べて少し悲しくなる。勝負にもなっていない。

ん……?

ふと、誰かの視線を感じて顔を上げる。
だがその行動は突然の爆発音によってさえぎられた。

「ミサイル!?」

爆音に驚き、振り向いて見えたのは、尾を引いて飛び去るミサイルの群れだった。
そしてその向かう先には……異形の巨体が、ビルの間から姿を覗かせていた。

「な、なに、あれ?」

178:163:Migraine:01
07/10/19 23:21:49
ビル群と変わらない巨大な人型の化け物がミサイルの雨に見舞われていた。
だがその爆発の中にあって小揺るぎもせず、何事もないかのようにゆっくりと歩を進めている。

―と。

「ぐっ、ふっ!?」

突然の頭痛。
目の前の現実を脳が否定しているのか?
などと思ったその時。

視界は赤と黒の世界に取って代わり……
その瞬間、圧倒的な恐怖が彼女の心を覆った。

体が竦む。
意識が飛びかける。

だめだ、逃げなきゃ……

そう思っても、体がいうことをきかなかった。

落ち着け
落ち着け
落ち着け
落ち着け……

何度も心で念じる。
ふうっ、と息を吐き出し、ようやく動けるようになった彼女が見たのは、
自分に向かって墜落してくるVTOL機の機首だった。

***

179:163:Migraine:01
07/10/19 23:23:07
「やばい!」

葛城ミサトはあせった。
本来ならば第3新東京駅で落ち合い、すでに連れ帰っている予定だった。
それがこの突然の敵襲にリニアトレインが緊急停止、しかたなくアクセル全開で新箱根までとばして来たのだが……

墜落したVTOL機の爆風をもろに受け、吹き飛ばされる人影。

「遅かった……?」

吹き飛ばされたのを見ていただけ少しは幸運だったといえるのだろうか?

停車し、その人影に近寄る。
小柄で華奢な体格、ショートカットの髪。
間違いない、対象の人物だ。

TシャツにGパンと地味な装いではあるが、その顔のつくりは良く見れば美少女と呼べる部類のものであったろう。
頭部から流れる血が遮っていなければ。

すばやく心音と傷の状態を確認する。

―大丈夫、生きている。

頭部のもの以外はかすり傷がほとんどだった。
スカートを紐状に引きちぎり、止血する。
脳内出血などしていたら事だが、状況が状況だ、今はそうでないよう祈るしかない。


180:163:Migraine:01
07/10/19 23:24:33
「……高かったのに、この服……」

などと一瞬場違いなことをつぶやきつつ、助手席のシートを倒して寝かせる。
もたもたしてはいられない。UN軍の攻撃は激しさを増しており、しかし目標は確実に本部に近づいていた。

一気にアクセルを開け、加速する。時間の猶予はない。

***

「うっ……」

押さえつける圧力と衝撃が頭に響いた。
頭がどくどくと疼く。
思考が定まらない。頭の中に濃い霧がかかっているかのようだった。

「あ、ごめん、でも気が付いた?」

女性の声。
どうも、車に乗せられているらしかった。

「碇シンジちゃんね?」

反射的に頷いた後、起き上がろうとした。

「あ、怪我してるんだから、無理しないで」

いわれて気が付いた。ひどく頭が痛いのはそのせいか。
そういえば頭だけでなく、体のいたるところが痛かった。全身筋肉痛にでもなったのか。

「私は葛城ミサト。ちょっち今急いでるんでちゃんとした自己紹介は後でね」
「はあ……」

181:163:Migraine:01
07/10/19 23:25:37
だめだ、まだ意識が混濁しているようだった。
状況がまるきりつかめない。

「……まさかN2地雷を使用する気なの!?」

隣の女性が悲惨な声を出している。

「動かないで!」

叫ぶと同時に、僕の上に覆いかぶさってきた。
そこに激しい衝撃。
車ごと吹き飛び、転がる。
体中の傷が悲鳴を上げ、意識が飛びかける。

最後に半回転して、横転した状態で車はようやく停止した。

「く、はっ」

痛みに息を吐く。
だが状況の割には無事だったといえた。
どうやら女性がシートごと支えてくれていたらしい。

「大丈夫?」
「何、とか……」

口の中がシャリシャリになっていたが、そう答える。

「車もどすから、とりあえず引っ張り出すわよ」

その言葉通り、ドアから引きずり出された。
体中が痛いが文句を言うだけの気力もなかった。

182:163:Migraine:01
07/10/19 23:26:43
爆風で平坦化した地面に寝かされる。

どん、どん、どん。

体当たりでもしているのだろうか、何度もぶつかる音が聞こえた後、重たいものが地面にぶつかる音がした。

「ふいい、つかれたあ。さて、いくわよ」

そういって僕を抱きかかえようとする彼女の顔を、初めてまともに見た。

ずん。

頭痛がした。頭の芯に響く鈍痛。
だけどなぜだか、穏やかな気分になった。

***

車内に葛城さんの電話する声が響く。

「あ、リツコ?うん、今向かってるから、カートレインまわしておいて」
「あとちょっちトラブっちゃって、怪我してんのよ。ええ、私じゃないって、彼女がね」
「頭に怪我してるの。他はたいしたことないみたいだけど、救護班も入り口に待機させておいてちょーだい、それじゃ」

何か台のようなものに乗り、ゲートが閉まった。
これがカートレインだろうか、車ごと移動しているようだ。

いまだに意識がはっきりとしないが、体のほうは何とか動くようになってきた。
葛城さんも一息ついたのか、一呼吸するとこちらに話しかけてきた。

183:163:Migraine:01
07/10/19 23:27:46
「さて、それじゃあ改めて自己紹介ね。私は葛城ミサト。ミサトでいいわ」
「僕は……」
「碇シンジちゃんでしょ。シンジちゃんって呼ばせてもらうわねん」
「はあ……」
「これ、読めるかしら?」

矢継ぎ早にしゃべりつつ、パンフレットを渡される。
腕も痛むが、何とか読めそうだった。

「ネルフ?」
「そ、特務機関ネルフ。国連直属の非公開組織。私もそこに所属しているの。……ま、国際公務員ってやつね」
「そんでもってあなたのお父さんの仕事場でもあるわ」
「そこに、いくんですか?」
「そのとーり。っと、IDカードは……鞄の中かしら?」

そういって隣にあった鞄の中を探り始めた。

「お、あったあった。手紙も一緒に……って、何考えてんのよこれ!?」

新聞か何かの切れ端を見て、葛城さんはあきれたような声を出していた。

「なーんか先行き不安ねえ……」

と、突然視界に光が広がる。

「え……」
「あ、驚いた?ここはジオフロント。わたしたちの秘密基地。世界再建の要となるところよ」

何とか体を起こして外を覗くと、そこには広大な地下空間が広がっていた。
どうやっているのか陽光が差し込み、そして天蓋にはビルの群れがぶら下がっている。


184:163:Migraine:01
07/10/19 23:28:48
「凄い……」
「そうでしょう?私も始めてきたときはびっくりしたわあ。地下だってのに湖や森まであるんだから」

その光景に見とれているうちに、視界が下がり、やがてカートレインは停止した。
車がまた動き出し、何かの建物の前で止まる。
ピラミッドかなにか、古代遺跡のような建物。

葛城さんに支えられて車を降りると、白衣を着た人が数人駆け寄ってきた。
その中の一人、金髪の女性が指示を出しつつ僕の状態を見ている。
一瞬視線が合う。

また頭に鈍痛が走る。
妙な感覚。嬉しいような、ぞくりとするような……。

「まったく、あなたが迎えに行くと言い出したんでしょう。きちんと保護もできないなんて、何をやっているの?」
「ごめんごめん、まさかリニアがとまっちゃうとは思って……」
「ごめんじゃありません!万が一のことがあったらどうする気だったの!」
「で、でもほらちゃんと連れてこれたんだから……」
「そんなのは当たり前よ!怪我させてる時点でアウトよ」
「……すいません」

女性に睨まれて、葛城さんが小さくなっている。

「とりあえずストレッチャーに乗せて。移動しながら簡易検査するわ」

言葉通りストレッチャーに寝かされ、建物の中に入った。

185:163:Migraine:01
07/10/19 23:29:52
「大変な目にあったわね。私は技術一課、E計画担当博士、赤木リツコです。よろしく」
「は、はい」

自己紹介をしながらてきぱきと応急処置と検査を進めていく。

「うん、外傷のみ、幸運にも内出血はしてないと思うわ、よかったわね」

きちんと包帯が巻きなおされる。
とりあえず命の心配はないらしい。
でも、ならばこの鈍痛はなんだろうか。
いまだに頭の中はもやがかかったような状態が続いている。
大丈夫というならいくらなんでも長すぎないだろうか?

「こんな状態で悪いけど、あなたには見せなきゃならないものがあるの」

そんなことを考えていると、ずいぶんと移動していたようだ。
暗い部屋の中に運ばれた。
後ろで扉が閉まると、真っ暗の闇。

スイッチを操作する音。

照明が灯る。

目の前にあったのは、―巨大な横向きの顔。

「ひっ、う!?」

激しい頭痛。ハンマーで叩かれたかのような衝撃が何度も頭を駆け巡る。


186:163:Migraine:01
07/10/19 23:30:56
恐怖。

安堵。

絶望。

焦燥。

崩壊。

………

……



すべての感情をぶちまけたような、激流が僕を襲う。
赤木さんが何か話している。しかしほとんどの言葉を認識できないでいた。
ただ一言。

「……げん、エヴァンゲリオン……」

その単語のみが頭の中で何度も繰り返される。

―エヴァンゲリオン

―エヴァンゲリオン

―エヴァンゲリオン

―………

187:163:Migraine:01
07/10/19 23:33:59
「ちょっと、シンジちゃん大丈夫?」

心配そうに近寄る葛城さんの行動はだが、上からの声でさえぎられる。

<<久しぶりだな>>

―誰?

上を見やると、ガラス越しにサングラスをかけた人物が見下ろしている。

<<いけるか?赤木君>>
「問題ありません」
<<そうか……ふっ、ならば>>

<<出撃>>

ずきっ。また新たな鈍痛。

「え、出撃って。零号機は凍結中でしょ?……まさか、初号機を?」

驚くように葛城さんが声を上げている。

―しょごうき。

「他に道はないわ」

赤木さんの冷静な声。


188:163:Migraine:01
07/10/19 23:35:02
「レイはまだ動かせないでしょ?パイロットがいないじゃないの!」
「さっき届いたわ」

―レイ。

「あなたが乗るのよ、碇シンジさん」

―のる。

そういって、赤木さんがこちらを見たようだった。

しかし状況が理解できない。
意識の奔流が、すべてを押し流しているようだった。

誰かの発する声、その度に激しくなる痛みと激情。


使徒。

ほろびる。

赤。

のる。

しと。

かえらない。

ひとり。

にげない。

189:163:Migraine:01
07/10/19 23:36:04
エヴァンゲリオン。

マモル。

きえる。

まもる。

だれもいない。

守る。

今度こそ。

守る。

守る。

守る。



190:163:Migraine:01
07/10/19 23:37:43
―守る!
―もう、誰も消えさせない!


「乗ります。僕が乗ります!みんなを、みんなを守ります!」


突然の絶叫に周囲が静まり返る。

………
……


<<……そうか。出撃準備>>


気が付くと、頭痛は治まっていた。

end.01

191:163
07/10/19 23:45:31
とりあえず第一話分投稿です。
サイズ規制やら連投規制やらはじめて食らったよ。
大体32行になるように投稿すればいいのだろうか。

文章としてはもう一本、ほぼ同サイズの第二話までは出来ています。

論文やら資料やらはともかく、小説何ぞはじめて書きますんでご指導いただけると助かります。

192:名無しが氏んでも代わりはいるもの
07/10/20 00:25:25
これは初めてにしては読みやすくちゃんと出来ている良いプロローグ

負傷でそれどころではなかったり、他に理由があったりするんだろうけど、
あまりに周囲の人物に無関心なのは多少違和感があるかな
あと一瞬だけのミサトの視点とか

ありふれた導入と「みんなを守ります!」じゃあ、昨今のひねたFF読者はドン引きなんで
もっと、おにゃのこシンジ描写増量で乗り切りたいところ

193:163
07/10/20 01:38:31
反応を気にしつつ続きを書いていたり。
二行のプロットが300行に化けるって何ですか。

>>192
ありがとうございます。
出来る限り気を配って何とかこのレベル。

視点がうまく定められずに四苦八苦しています。
シンジ視点以外はどうも神視点とごっちゃになる。

他社への無関心は半分思考停止状態というか、
そういう状況を想定して書いていたのですが描写が足りていませんね。すいません。

ありふれているのはもう仕方ないと割り切るとして、
シンジちゃん描写が・・・文章に色気がないのがいかんともしがたい状況。
あとコメディタッチの部分とその他の部分がかなり浮いてしまっていたり。

難しいなあ。

とりあえず第二話分も投下して寝るとします。

194:163:Migraine:02
07/10/20 01:40:49
「知らない天井……のはずなんだけど」

どこかの病室のようだった。
病室の天井なんて、知っているはずがない。
なのに、何度も見たことがあるような気がする。

回りを確認しようと体を起こそうとしたとき、右目から鋭い痛みが走った。
思わず右目を押さえ込む。

息を吐き、痛みをこらえる。

ようやく落ち着いて、ふと入り口を見る。

見つめ返された。

―赤と黒の瞳。

鈍痛を感じ、意識がまた闇に沈む。

それが何かと認識したときにはすでに、意識は闇に閉ざされていた。

そこにあったのは―鏡だった。

***


195:163:Migraine:02
07/10/20 01:41:54
ストレッチャーから起こされ、エントリープラグに乗せられた。
そのうちに、内部に液体が満たされ始めた。

「暖かい……」

奇妙な安堵感。

「それはLCLよ。肺の中に満たされれば直接酸素を取り込んでくれるわ」

赤木さんの説明がプラグ内に響く。
だけど説明を受ける前に、僕はLCLで肺を満たしていた。

重たいものが外れる音が聞こえる。
音がするたびに開放されていくような感覚。

また、どこからか声がした。

「エヴァンゲリオン初号機、発進!」

***


196:163:Migraine:02
07/10/20 01:42:56
そのころ、発令所。

「第二次コンタクトにに入ります。A10神経接続異常なし」
「思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス」
「初期コンタクト、すべて問題なし」
「双方向回線開きます」

「シンクロ率……123.9%!?」
「ハーモニクスはすべて正常値です。誤差計測範囲未満!」

発令所内に動揺が広がる。
100%を超える。有り得ない訳ではない。100%の基準は便宜的に定められているに過ぎない。
しかし、人の認識力は100%を超えるようにはできていないはずだった。

「……出撃だ」
「指令!?ですがパイロットに精神汚染の危険が!」
「かまわん。出せ」

乗っているのは実の娘だというのに……。
リツコは碇に対し、不審の目を投げかけた。

「いいのか?碇」
「どのみちここで負ければ未来はない。選択肢はない」

冬月副指令の言葉にもこう答え、指令はディスプレイを睨んでいた。

ミサトが決心したようだ。正面を見据える。

「分かりました。エヴァンゲリオン初号機、発進!」



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