07/10/04 23:35:01
十六にもなって告白した事が、というかそれに値する人が居なかったというか。
……その戒めが、これなの?
出来る事なら嫌ー!! ルイズは極限まで拒みつつ、一度召喚したモノは押し返せないという現実に衝突した。
絶望に落ちていこうかと思案する中でも、拒絶の意思は忘れないが。
「お、おい、あれ……」
ふとした矢先、今まで聞こえそうに無かった他の存在を思い出す。
一番後ろの生徒が震える声で、視線を阻む者を掻き分けながら指を出す。
その先には―
「う、うぅうん? …………あれ、アスカ? ん、く……僕の部屋に、何の用、が……」
少年、碇シンジが寝ぼけた眼を擦った後、俯いて全身に力を行き渡らせるよう強く伸びをする。
何とも呑気に欠伸を噛み締めていたシンジが、今度はハッキリ目覚めた眼でルイズと視線を交錯させ―た瞬間、一気に顔を紅潮させる。
何故かと言えば、いつの間にか伸びをしている内にルイズが眼前に迫っていたのだ。
一方、ルイズの方は安堵したような、微笑むように優しく見つめる。
「……初めてなら、あんたのほうがいい」
「え、なな、何を」
見知らぬ美少女の優しい息遣いを含んだ言葉に、シンジが今どのような状況に居るのか確かめようと慌て喚いた時。
柔い感触が唇に当たる。即ち、本来ならば有り得ないはずの突然のキス。
ああ、僕はまだ夢に居たんだな、とシンジは妙に納得して、再び眼を閉じた。
つづく