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835 名前:一子相伝さん@HOME[sage] 投稿日:2008/11/07(月) 04:11:26 ID:TakeC/0suC
夏の日のことだった。
俺が部屋でバットの手入れしてると、親父がふらりとやってきた。
そして何をするでもなく、漫画を読んでいた。
こんなことは日常茶飯事。なので、いつも通り無視してバットを磨いてた。
すると突然、親父が「はっ!」と身を乗り出し、空中を鷲掴みした。
「な、何?」と驚く俺。
父「ちょ、みろって!この中に蚊ァ捕まえたからよ!」(テンション高めに
俺「うひょーマジで?」(テンション低めに
父「いっせーのーせで掌開けるから、おめぇ迎撃しろ!」
俺「あいあい」(めんどくさそうに身を乗り出す
お互いの呼吸はぴったりだ。後は作戦通り事を運ぶだけ。
そして、いよいよ決行の時が迫る。
父「いくぞ?いいか?いっせーのーせ!」
ぱっと掌を開く親父。見逃すまいと両手を広げながら蚊を探す俺。
しかしそこにあるのは白く変色した親父の掌だけだった。
俺&父「・・・・・・・・・」
・・・気まずい。
父「みてみ?」
俺「へ?」
父「ほら、生面線長ェだろ?
この前占ってもらったら、金運にも恵まれてるって言われてよ」
俺「ああー・・・へぇー・・・」
暑い夏の昼下がりのことだった。