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『朝日新聞社説』 豪首相の謝罪―過去と向き合う勇気2008年2月17日
「首相として、おわびする。政府を代表して、おわびする。
議会を代表して、おわびする。あなた方が負った心の傷や痛み、
苦難をおわびする」オーストラリアのラッド首相が連邦議会の演説で、
こんな謝罪の言葉を重ねた。先住民アボリジニーに対する、
初の公式謝罪である。
満場の拍手の中、演壇を降りた首相は、
涙を浮かべた先住民たちと握手を交わした。
18世紀、英国が豪大陸にたどり着いたとき、そこには先住民がいた。
(中略)
とりわけ悲惨だったのは、文明社会への同化という名のもとに行われた子どもたちの強制隔離だ。
(中略)
それにしても、政府が過去の過ちを謝罪するまで、
なぜこれほどの年月がかかったのだろうか。
(中略)
当時のハワード首相は「過去の先住民政策に今の政府が責任を負う必要はない」と主張した。
現在の価値観に基づいて過去を論じてみても意味がないということだろう。
日本でも、慰安婦問題などをめぐって同様の意見が語られてきた。
過去の過ちと向き合うことの難しさがそこにある。
(中略)
同様の取り組みは世界に広がりつつある。
米国は、第2次大戦中の日系人抑留に対する謝罪と補償をした。
カナダは先住インディアンへの政策を、英国は奴隷貿易をそれぞれ謝罪した。
豪政府は今後、補償という難問を抱えることになる。
しかし、豪州の国民はこの謝罪によって未来への勇気ある一歩を踏み出した。
その決断を評価したい。(社説終わり)