吸血鬼キャラ総合スレ Part4at CCHARA
吸血鬼キャラ総合スレ Part4 - 暇つぶし2ch2:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:12:55 h7zT0KCd0
落ちていたので次スレ作りました
のんびりしていってください

3:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:15:14 h7zT0KCd0
† 「吸血鬼キャラ総合スレ」を徘徊する住人の皆様へ †

このスレに荒らしなんていませんよ。
ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。

ただ時折、慣れないネットでいまいちキャラを作り切れない
ツンデレの雅様がやって来ますので、
住人の皆様は彼岸島島民として
失礼の無い態度を心がけましょう。

また、特にレスが思いつかない時には、

            _ -─ - _
 ヽ | | | |/    , ',´ / (  ヽ、ヽ`ヽ
三 す 三   //   ヽ     /   ヾヽ
三 ま 三 .////   ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,    、ヾヽ
三 ぬ 三l!//   ::::::::::;;;;,;::::;;;;;;:::::::::::  、ヾ||
 / | | | |ヽ|||/      ''::::::::::::''      ヽ|||
      |||||  ,,,llllllllllll,,,,     ,,,,llllllllllll,,,  ||
     ノ||,ll|  ,...:::::::::...、 "  " ,...:::::::::...、   |-l  ヽ | | | |/
    . ハ|   :‐=エoユ-:  | l :‐エoユ=-:  |ハ| 三 す 三
     l| |(|  `'':|:| |::''´ .|   `''::| |:::''´  |)! || 三 ま 三
     lヽヾ|ll   | |:   | ! l   | |    ll!ソ,| 三 ぬ 三
     |||\!lll、.  | |,,,,,,,(_, |_l 、_),,,,,, | |:.   ,lllレ'リ / | | | |ヽ
     .|||||||l`!llllllll lll ,,,,;;;;;;;;i i;;;;;;;;,,,, lll lllllllll/||||||
     |||||||||||ヽllllllll /工工工工ヽ llllllll/|||||||||
    ソ|||||||||||||ヽ.lll l::::::::::::::::::::::::::l llll,/ !||||||||||ヽ
    ノ||||||||||||/| \l. `-‐‐==‐‐-´ l/ |_||||||||||||___
    .||ll_l,k-‐‐|\゙、\ ::::::)⌒(::::::::/ !/::::/::::l  "|`ーr‐、
 _ -‐ '":::::::::::/|、::::\ ヽ ____  '´ /::::/:::::::::::|  |::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::\      /::::/::::::::::::::::::|  |::::::::::::::

と、返しておきましょう。

4:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:15:38 h7zT0KCd0
† 「吸血鬼キャラ総合萌えスレ」で跋扈する住人の皆様へ †

このスレに荒らしなんていませんよ。
ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。

ただ時折、ジョースター一族をおちょくる事に命をかける
ツンデレのDIO様ががやって来ますので、
住人の皆様は第一部に出たアホヅラな取り巻きとして
そこにシビれたりあこがれたりする態度を心がけましょう。

また、特にレスが思いつかない時には、


           /| .,イ ,.ィ   _,,,,,,....... --――- 、      ―┼‐   / ―┬
             | | .,' レ' ミ"    、 ヾ ゛          `、       (_|  /| 口|
         /!|. `、       、ヾ゛               ヽ、      ノ    |   .」
        \{ ヽ、 、  ミ ミl             ミ  ヽ
       ,.-'''二.  =‐,.ヶ=''''゙゙゙| i i、`、ヽ 、   ミ       |   ―‐    ナ
     ///,..-  //     {|l ト、l、ミ-`,> 、、_フ     |   /-、    メ
      |' .〃 /   :|,/^'''-、 ヽト` ,_,>''~_,. へヽト--`    |   o_ノ   (___
       `(.       |l/`>。、V //_,.ィ(・:)`,  ヽ ┐  ,.- 、  !
         `ー、    |  ┴‐',)    ` ̄´ u    !__/ ハ. |  |  ┼‐ ヽヽ
            `'⌒ヽ|    ヽ_フ             仆. ,' |  |  ̄
               |.   rr‐-、            _ン /  |  ノ ー‐
                |   {. ` ̄ >、   u      :|ー1 ヽ |   ―┐
     _____________   |.   〉 /__)       l.   ', Y′    ノ´
   /.          ヽ  ヽ  `二二´     _..-''   ,, -''''ヽ.  |
   | ::      v ノ ノ├‐- 、\       _,.-'"  ,,. -''" ,,, -'''"\ |
 r''´ ::      |‐"ー!/ ⌒` 〉 `r――'" ,. -''" ,,. -''"  _,,. -'''"|
 |::. :::.    -┴‐'''"    / /|.   ,,. -''" ,, -''"  _,, -'''"      |
/´:::..:::::::.              ,'‐'" >-<"  ,, -''"  _,,.-'"         |
ヽ....:::::::::::::..         /  y'′  >'"  -=ニ ̄           、、
 〉 ::::::::::::::::::.....       ノ /`ヽ,/     /             /


と、返しておきましょう。

5:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:16:38 h7zT0KCd0
どうやらここまでがテンプレっぽいのでコピペ完了

6:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:35:50 I9UD9HjBO
ルークとヤンの銃返したとこあたりから見てねぇ
落ちたのか




こんなスレ立てやがって
>>1

7:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:39:52 h7zT0KCd0
>>6
前スレは>>860くらいで突然落ちました
初めてスレたてできて驚いたぜ

8:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:54:49 zEgMCUfc0
どっちが本スレだよ

9:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:56:52 wsQeFBz/0
自然と伸びる方が本スレ

10:名無しかわいいよ名無し
08/04/07 23:57:56 gp3jadUv0
ここパート5だぞ~
前スレ間違えて、俺がもう一回part3立てたから
しかもサロンにまで立ってるし…誰だよあっち立てたの…
ちなみに真のpart3スレ
スレリンク(cchara板)l50

11:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 00:00:15 cbSVKBze0
ってよく見たらちゃんとあったよ…
早とちりすまん

12:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 00:07:28 hTuGod3S0
えーーーーと、俺は「対決」を書いていた者ですが
まあ、マロンにあっても変じゃないスレだからあっちで
続きを書くのも良いかとは思っていたのですが
何かこっちの方がお好きな方が多い様ですのでこちらで続きを書こうかなと
思います。もう夜遅いので今日の所は寝ますが。

自然と伸びる方が本スレという事で・・・w


13:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 00:16:50 Wy7DAFFT0
まぁとりあえずは従来通りの板でいいと思うよ(前スレに倣う)

スレタイ番号なんてのは些細なことだ。

14:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 01:51:00 arygEn1I0
† 「吸血鬼キャラ総合萌えスレ」を跳梁する住人の皆様へ †

このスレに荒らしなんていませんよ。
ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。

ただ時折、単なるパンチラ要因の
ツンデレおサセがやってきますので
住人の皆様は姫を守る血の戦士として
失礼の無い態度を心がけましょう。

また、特にレスが思いつかない時には、

      ,... _,. .,,_ _     / ̄ ̄`ヽ /   フ    l
 .     /x i::::::::::::ヽヽ   l  フ  l l  レ 、)ヽ   l
     乂ノ::::;.イ:ノl::::}ノ   l レ 、)ヽ .l l  _L..、ヾ   l
     l:n/ヒテ-rテト、   < _L..、ヾ l l  / 、/    l
 .    i::゙ヽ.   _' 人ヽ!   l / 、/  l . ヽ       /¨゙>x
      vァフ!>-<`ヽ. ハ  \__ノ   \__/ i /
    ,ィ´:/ ! \,.小:::::} l         /  ヽ  ハ l ',
   i::::::::〉 V´l.l.lヽヘ::i  l   / ̄ ̄`ヽ/ /  l  ',  リ-、ヽ
 .  }::::::ハ  ヽi  ゙l ∧  i  フ  l l ll ,t入._il  l、 ン)
   〈;.x-イ   ハ  i_//j  l  レ 、)ヽ .lヾ゙i.,ィヒj  l  l/ /
   _よ'¨´' ̄ ¨¨ ̄__..ノ   l  _L..、ヾ l  i "´   l  l` ∨
    i ヽァ… ''ニ¨/l、   .l  / 、/  l 〈       l   !  ヽ
   V / \      i    \_ _.ノ.  ヽ-=  ! .i
 .  `Y:|         l     ∨       \ _l リ _,,.. <
    ,':::i        l!  ,.. -‐ 'ヽ、     .    ! /'´   _
 .  ,':::::l           ll / ,.ィノ! トハ.        .jノ,,.. -‐::::::
  /::::::l         l:! 代!ィモ '´fウレ     /イ:::::::::::::::::::
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 `''ー-==--‐-==-‐f''" ノ ./    /`×\:::::::::::::;' \::::::::::::
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   i  i   ,!  l /::::::::::::::::`¨ー-....,,__, ィ::::::::::::::`´::::::::::
 .  { ,...、i   ト.くヽi::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

ふが。

15:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 07:57:15 oMyj2LuJ0
のほほん、ともいうべき風は窓を揺らすこともなく。
ただ春という季節を告げようと通り過ぎていく
しかしここは月面町。狂い咲きこそすれ間違えはしない隔離された町

その日、店長は不可思議な感覚を覚えていた
静か過ぎる、連日連夜それを望んでいたと誰もが知っているこの店で感じる違和感
園長とも教授とも言われる長身の男は感じ取っていた
なんという静寂、なんという沈黙。獣ですら神が降りる時を感じるのか
それは、獣だからこそ

その理由は3時間と25分後
なんということか、私の店にこの人が?
ドアを開けずともわかる、それは狂気か?それとも至福?
見ずともわかる悦楽を感じながらそのときを待つ我が身がどれだけ幸福か

「いらっしゃいませ。・・・Dr.メフィスト」
搾り出した声に答えたのは神の異物
「珍しい獣がいると聞いた」
美しい。その口から漏れる空気が、音が、全てが。
もしも「譲ってくれないか?」と望まれたら断れなかっただろう
彼の口から紡がれる音にはそれだけの価値があった

事実、この店にしか存在しない獣は多い
我が身とも言うべき獣達や口から氷柱を吐く鳥、死ぬ思いで譲り受けた黒犬
中でも目玉はこの店そのものともいうべきサルだ

「それは」
「無理か?」
断れるはずもない。誰がこの白い医師に逆らえるというのか
判っていながら戸惑うのは店主の自覚か、それとも

16:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 07:59:03 oMyj2LuJ0
折の中の野生は全てを奪われていた
「!!!!!!」
思考は人に勝るとも劣らず、力は人のそれを超え
反応、応用、利用に至る全てを備え
そして、その全てが美に囚われていた。

彼に残された唯一の野生たるべきは股座でそそり立ち
それがもたらす全てを禁じられた両眼は敵意と欲情を、なによりも恐れを含み
魔界医師から逸らすことを許されなかった


交渉は進んでいく、彼を置いて
「(なにをしてやがる!俺がいなくなったら!)」
交渉は進む、彼を置いて
「(俺は動きたくないんだ!)」
交渉は進む?彼を置いて?
「(俺は嫌だ!)」
交渉は進まない、彼には意思がある
「(俺はいかない!恐ろしい!)」


刹那、解き放たれた野生がもたらしたのは破壊
ペットショップと思われていた屋敷は形を変え
窓ガラスは砕け、鋭い刃となり
床は融け、全てを飲み込む沼となり
壁は大きく口を開け


あぁ、愚かしい。それが白衣の医師にどれだけの力となるか?
刃は避け、沼は水面へ、開かれた大口は壁に戻る
「行こうか」
宝玉に見据えられた野生に逆らう術は無かった

17:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 08:18:18 E9t1giz3O
キャラ板はちょっと目を離すとスレが落ちていけねえ。

なんでなんだろ?

18:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 08:36:36 RyKCCV/g0
>>14>>15
職人さん乙

>>17
さあ?たかだか数時間レスしなかったら落ちるってマジ気が抜けねえ
絶えずご飯をあげないとぐったりするヒナ鳥みたいなスレ、そんな吸血鬼スレ

19:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 08:57:00 V4+JEIZO0
>>15-16
美しくてワロタwww
顔だけで解決しすぎwwww

20:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 09:21:56 E9t1giz3O
>>18
やべえ…か弱い吸血鬼スレ愛し過ぎ

なんか守ってやりたくなってきた

21:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 10:43:20 r8JEkQSB0
このスレも5スレ目にしてついにスレそのものに萌えるツワモノが出現



22:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 14:27:38 CVOzrupJ0
前スレで狂ったように黒執事ものを投下しまくってた者だけども、
黒執事×ロリ旦那(奴隷モード)なんで、「若執事とじゃないとイヤ!!」って方はスルーしてくだしあ
前スレの>>730と微妙に繋がってるような繋がってないような感じなので、興味があったらそっちも目を通していただけたら

23:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 14:30:45 CVOzrupJ0
目覚まし時計のベルが鳴り響くと、私はバネ仕掛けのように飛び起きた。
今日はアーカードに定期的に訪れる、人格の著しい変化――俗に言う、奴隷モード――の日だ。
定期的と言っても、私以外の者はその法則を知らないのだが。
打倒アーカードを実現させるべく、彼女を調べ尽くした結果得た情報だ。アーカード博士と呼んでくれていい。

「永かった……」

大胆不敵な暴君も、この日ばかりは気弱な少女に成り果てる。
これは彼女の命を狙う私にとって、絶好のチャンスだ。
それでも彼女の持つ能力はなんら変わりないのだが、虫も殺せぬような性格では、戦うことすらままならない。
殺しきることこそ不可能でも、彼女の持つ命の数を、大きく減らすことなら出来る。

「ローマは一日にしてならず。地道に行こう」

しかも、窓から見える空は、淀んだ曇り。分厚い雲が、太陽をすっぽりと多い隠している。
吸血鬼である私にとっては、うってつけの戦闘日和だ。
私は未だかつてないスピードで身支度を整えると、勢い良くミレニアム本部を飛び出した。

アーカードを探して回ると、程なくして発見する。
早速、昨夜考えておいた台詞とポーズを決めて襲いかかろうとするが、尋常ならざる雰囲気に足を止める。

「もう襲われてる……?」

それはアーカードを知る者からすれば、信じ難い光景だった。
怯えきった表情で逃げるアーカードを、吸血鬼らしき男が追いかけている。
見ない顔だ、おそらく新参者だろう。早朝から堂々と女性を襲うことから、この町のルールには疎いと見える。
その男は、足をもつれさせ何度も転びながら逃げるアーカードを、ニヤニヤと笑いながら追いかけている。
狩りを楽しんでいるのだろう。
その表情からは、気品の欠片も伺えない。
呆気に取られたため出るタイミングを逃し、姿を隠しながら二人を追っていくと、とうとうアーカードは行き止まりにぶち当たってしまった。

「クク、もう鬼ごっこはおしまいだよ、お嬢ちゃん。そろそろ、その綺麗な首筋を吸わせてもらおうか……」
「い、いや!!お願いです、許してください……助けっ……!?」

アーカードが言い終わるのを待たずに、男はアーカード襟を掴んで壁に打ちつける。
かはっ、とアーカードの肺から息が漏れる。何故か、怒りがこみあげた。

24:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 14:33:38 CVOzrupJ0
「……何を、している」

気が付けば、私は男の肩を掴んでいた。

「なっ……お前、いつの間に……!!」

男がその爪を降りかぶるが、私はそれを軽々とかわし、男の腹にボディブローを見舞う。
その一撃で地に膝をついた男は、激しく咳き込み信じられないと言った表情で私を見上げる。

「ウォ、ウォルターさん……?」
「こんな雑魚相手に、なんてざまだ」

呆然としていた男は、私の言葉が勘に触ったのだろう、ぶるぶると肩を震わせる。

「……誰が雑魚だ、コラァ!!」

男が怒りに任せて飛びかかる。
私は冷静に男の顔面を蹴り付け出鼻を挫くと、鋼糸を蜘蛛の巣の如く張り巡らせ、男の自由を奪う。
男は、自分の身に何が起こったかすら理解していない様子だ。

「お前のことを言ったのだよ、小僧」

キリ……。

男の肌に、鋼糸が食い込む。男は驚愕に目を見開いた。
ようやく自分が何に捕らわれているか、そして何に勝負を挑んでしまったかを察したらしい。

「わ、悪かった、許してくれ!!見逃してくれ!!」
「もう喋るな……」

心底醜いな……。
私は命乞いする男を見下ろすと、くい、と指を動かす。

ズパァッ!!

男の体はバラバラに切り刻まれ、一瞬にして塵と化した。

「息が臭い。鼻がもげそうだ」

私は目の前に散らばった塵から目を離すと、鋼糸をしまう。

「あ、あの、助けて頂いてありがとうございます……」
「成り行きだ。本当は貴様と戦うつもりで来たが……興が削がれた、失礼する」
「待ってください!!」

背後からアーカードに抱きつかれ、思わず硬直する。

25:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 14:38:16 CVOzrupJ0
「これからもずっと、私たちは敵同士なのですか……?」
「無論だ。私は貴様を倒すためだけに生きているも同然だ」

私はアーカードを振り払おうとするが、アーカードは必死に私を掴んで離さない。

「私は、何故あなたが裏切ったのか知っています……!!」
「何を……」
「私のためだったのでしょう?自らの手で、私を無限に生き続ける地獄から解き放とうとしてくれたのでしょう!?」
「…………自惚れが過ぎるな」

図星を突かれ、言葉を濁す。
もう一人の自分がバラしたのか、それとも最初から気付いていたのか。
もう一人の自分の性格を鑑みるに、おそらくは後者だろう。

「私は、あなたにだけは側に居て欲しかった。お爺さんになっても、人間のまま」
「…………」

我ながら、馬鹿なことをしたものだ。
しかし、悔やんでも過去には戻れない。
そも、自分にはその資格すらない。裏切るとは、そういうことだ。
裏切った以上は、突き通すしかない。
たとえそれが、独り善がりな願いであっても。

「ウォルターさん」
「なんだ」
「最後に……キス、してくださいませんか?」

はっと振り返ると、アーカードは涙を流していた。

「一度だけでいいんです。お願いします……こんなお願いは、これで最後にしますから」

裏切ったあの日に、全て捨てたはずだ。
忠義も、誇りも、自分自身も。
なのに……。

「一度だけだぞ……」

結局、捨て切れてはいなかった。
もう、気弱な彼女に会うことはないだろう。
嫌でも自分の醜い部分を直視してしまうから。

私は気弱な彼女にさよならを告げるべく、一度限りの口づけをするのだった。


おわりんこ

26:対決 その9
08/04/08 17:04:03 lzVbxFqN0
ルークは完全装備をした。両手には愛銃のスプリングフィールドM1、袖口の内部
には仕込み銃の小型のハンドガン、そしてアーカードがお気に入りの少年が戦いの牙を
取り戻す為の練習用の道具にする為に刃先を削ってしまったナイフ。
そして、アサルトライフルを両手に持ち、ニタついている弟の方を見て、溜息をついてこんな事を思った。
『こいつは戦いの勘をほぼ取り戻しているあの化け物の様なウォルター少年相手にどれだけもつかなあ?』
そんな兄に顔を向け、弟は能天気な事を言い放つ。
「連携プレイで仕留めちまおうぜアンちゃん。俺らに銃を持たせたんだ、
 うっかりあのガキ殺しちまってもOKだろ。普段付き合いがねえあいつ
 とちっとの間キャンプして何か嫌いじゃねえかなとは思える奴だとは
 思ったがよ、実弾で殺り合いするのにあのガキもウキウキした表情しているし
 アーカードはそれを見物してニタついてんだ。ウォル公を蜂の巣にしちまっても
 文句はねえだろう。」
ルークはヤンの言葉に溜息を洩らし、こう諭す。
「馬鹿弟にレクチャーだ。ケンカでの連携プレイと言うのは実力が大体同じ奴同士
 が手を組んで意味がある。もしくは相棒の短所をカバー出来る長所を持った奴
 が手を組んで初めてコンビと言えるのだ。お前と私では実力が違いすぎる上、私
 の短所をカバー出来る技量持ちでもない。まずお前が先に行け。お前の攻撃で
 万が一あいつに隙が出来るのなら私にとってはめっけもんだ。」
二人が会話をしているとウォルターが呼びかける。
「相談は終わったかー?とっととおっぱじめようぜ?あ、そうだ。
 アーカード教官曰く俺も糸を使って良いんだとよ。もっとも、
 お前らをバラすのは無し。弾をはじくか武器を破壊するのには使っていいんだとさ。」
ルークはその呼びかけにこう答えた。
「私達はお前を殺すつもりでいる。いささかフェアじゃないな。
 それに、アーカード教官、殺意を抱いてかかって来る者には同じく殺意
 で返すのが貴方のモットーでしょう?」
アーカードはその問いにこう返事する。
「これはあくまでウォルターにとっての命懸けの訓練だ。それと、お前たちの
 目の前にいるガキはな、もうそれくらいのハンデをつけても負けない程度の
 腕にはなっている。恐るべき成長だ。もっとも、元の『死神ウォルター』に
 戻りつつあるだけだが。」

戦いを始めるべく、ヴァレンタイン兄弟とウォルターは対峙する。
ヤンが「最初は俺からだ。お前を殺してアンちゃんに俺の腕を認めさせるぜ。」
と言うと、ウォルターの目つきが、様相が、雰囲気の全てが一変する。
瞳に獣じみた光がともり、口元に肉食動物が牙を向く様な笑みを浮かべる。
糸の放つ銀の光がウォルターの手からキラキラと流れ、森の中の演習地に一瞬で
張り巡らされた。そしてこう言い放った。
「まずあんたがそのオモチャをぶっ放す事を許してやるよ。
 それから動いたとしてもお前をブチのめすのは軽いんだぜ?
 この雑ーーーーーーーーーー魚♪」



27:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 17:07:03 lzVbxFqN0
ブチィ!!!!

ヤンは自分の血管が切れる音を聞いた。
「死ねやあああああああああああああああ!!!!」
ドガガガガガガガガガッ!!!!!!
強烈な轟音とマズルフラッシュと硝煙。しかし、その次の瞬間には
ヤンのアサルトライフルはサイコロステーキの様に解体され、ヤンは
ドウッと地べたに突っ伏していた。
そして、音の速さをはるか彼方に置き去りにした者同士の勝負が始まる。
ヒュバッ!ヒュババババババババ!! 空気全体が切裂かれる様な音。
ルークは超スピードの世界でこう瞬時に思考する。
『速い! このガキは確かにアサルトライフルの弾が発射された後に動き、
 瞬時にヤンの銃器を破壊、そして蹴りを一発後頭部に入れている。
 しかも死なないように手加減して。このガキの瞬発力、脚力なら下手な
 吸血鬼なら蹴られただけで頭蓋が砕け、脳味噌が飛び散る!
 ・・・もうガキと思う事すら止めよう。大した男だコイツは!・・・だが!」
ギャギャギャギャギャギャギャ!!
更に加速し、ウォルターの距離を一気に詰める。
『零距離射撃を避けられるか!!?』
もう少しで死神のまん前に辿り着く。だが・・・・
ギラリと光る糸がふと、ルークの視界に入る。本能で危機を察し、一足飛び
で再び遥か後方へ下がる。その瞬間、ドカッ!!と音が響き、地面に糸が一本
深くめり込んだかの様な亀裂が入った。トラップだ。あとほんの刹那、後ろに
下がらなかったらライフルは破壊されていた。
『これが死神の鎌ならぬ死神の糸!! 迂闊に飛び込むのは危険極まりないな!
 だが、回りを飛び廻りながら弾幕をつくり、翻弄しながら距離を縮める!!』
ドガドガドガドガドガッ!!!!
森の木々の間を円を描いて飛びかいながら連射する。弾が切れたら常識外の速さで
弾を込めればいいだけだ。ウォルターに向かって放たれた弾丸は、当たる事無く
避けられ、または糸で空中で弾かれる。しかし、流石に防戦一方の様相である。
撃つ。撃つ。撃つ。撃ちまくる。これでもかと言う程に。
ルークは距離を安全に、確実に縮めていく。その時、弾切れを知らせるガチッと言う音が響いた。
『しかしこの距離なら一足飛びで届く!』
ライフルを放り、人外の跳躍で死神のまん前に辿り着き、ククリナイフで斬りかかる。
が、パキンと音を立ててククリナイフはゼリーの如く何個かの欠片に切断される。
『あの弾幕でもトラップを張り巡らせるか・・・見事!しかしこの勝負、私の勝ちだ!』
ルークは袖口から仕込み銃をだし、死神の眉間に弾丸をブチ込もうとする。
・・・・・・・しかし、袖口にある筈の銃が無い。
『!?』一瞬、面食らったルークに出来た戸惑いによる隙。その瞬間を
若き死神が見逃す筈が無い。

ドゴッ!! 勢いのある蹴りがルークの身体にヒットした。
数メートル吹っ飛ばされたルークはもんどりうって倒れる。
そして、そのまま気絶した。
少年は声高々に勝どきを上げる
「ピーーーーーーーーーース!! ♪」

勝負は決した。

28:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 17:15:25 lzVbxFqN0
暫くして、兄弟は目が覚めた。
寝覚めに見るのは余りに癪な顔がカロリーメイトをパクついている
「よ?お目覚め?」
そうあっけらかんと言うウォルターにルークは尋ねる。
「あの仕込み銃はどこへ・・・?」
ウォルターは「ほい」とハンドガンを手渡した。
「そこのヤン公をぶちのめした時についでに瞬時に
 袖口に糸を忍ばせて奪ったんだよ。弟の事を気にかけてた
 から切り札っぽい武器は奪わせてもらった。」
ウォルターの発現にルークは驚く。そして苦笑まじりにこう言う。
「あの一瞬で私がおっつかない速さでハンドガンを奪ったのか・・・
 私の完敗だ・・・・。」

とりあえずここまで

29:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 17:46:41 lzVbxFqN0
前スレから続いている対決のあらすじを一応。

ロリカードの甘やかしと月面町での平和な生活で腕が錆び付き、
大尉に訓練をつけてもらおうと挑んだが凹られ、
もう1人の自分である黒執事にこのままでは敵わないと思った
15歳ウォルター君は男性の本家本元アーカードに鍛えてくれ
と弟子入りを志願、(というよりアーサーに『ウォルターを鍛えろ』
と命令を下すように頼んだ。ついでにロリカードに『ウォルターの修行
の邪魔をするな』と命令を下すようにも頼んだ。)
彼岸山という山の近くにあるワイルドギース演習地で地獄の訓練を開始、
相手はアーカードにほぼ無理やりつれてこられたヴァレンタイン兄弟。
今、兄弟相手に勝利を収めた。

ロリカードがウォルター君を甘やかしていたのは
余りに強くなるとウォルター君までも黒執事みたくなりそうで恐かったから
との事。しかし、ウォルター君が錆びた死神の鎌を再び磨ぎ出す事を決意した今、
ロリカードは『もう1人の私ならウォルターを人の心を失わない殺し屋ヒーローに仕立て上げる
かもしれん、私はヒーローの相棒になるのだ!!こうなったら前向きに考えるぞー。ワハハハハ!』
と、いい感じに吹っ切れている。
ロリカードもウォルターの相棒としてこれからどうして行くかを考え直す
時が来たと思う様になったのだろう。
本家本元アーカードは、『ウォルターが普通の人間になるのを止めたのなら
私好みのヒューマンにしてくれる!私が心底、大したものだと思える人間に!
ククク・・・ハハハハハハハハハ!!!』
と思っている。というか、そう思いたったからこそ教育係りを買って出たのである。

ま、こんな所かな?

相変わらず誤字が多いかもしれませんが、このスレでも宜しく。
いずれ若執事VS黒執事を書きます。

30:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 18:04:02 Mn17DyeQO
対決のSS職人さんよぉ~GJ&乙です!

31:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 18:22:47 5Ry5qOn40
何かこの若ウォルターきゅんは齢15にして既に
「殺 っ た の で は な い。 殺 ら れ た の だ。」
と言いそう……w おっかねえええww



32:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 18:49:29 E9t1giz3O
そして奴隷モードロリカードも可憐でGJだ。

33:対決 次回予告 巻末後書き風味
08/04/08 20:26:23 FIkoOGg70
台本形式でどうぞ

ルーク「負けちゃいましたね。」
ヤン 「アンちゃんは良いじゃん。俺なんざ一発KOっスよ?」
ルーク「私達にしては健闘したとスレ住民の皆様も思って下さるのではないでしょうか?」
ヤン 「・・・俺・・・一発KO・・・orz。」
ルーク「まあ、悔しかったら精進する事ですな。」
ヤン 「精進?俺の一番苦手な言葉っスよ?」
ルーク「だからお前はダメダメ何だ!」
アーカード「・・・正直、もう少しウォルターの修行の足しにはなるかと思っていたんだが。
      これではお前をここに連れてきた甲斐はあまり無いな・・・。
      まあ、ウォルターが勘を戻すのが思ったより速かっただけなのだろうが。」
ヤン 「(殆ど無理やりこんな山奥に連れてきといてその言い草は何だ糞ったれ・・・!)」
ルーク「そう言えば私達がこの彼岸山に来てまだ一日目の夜なんですね。
    随分と濃ゆい一日でしたねえ。」
ヤン 「ま、原作でも四巻以降は一夜の出来事ですし。」
ルーク「ウォルター君はほぼ一日で死神に戻った訳ですね。」
ヤン 「心底おっかねえガキですこと。」
若執事「俺の夜はこれからが本番だぜ?」
ヤン 「え・・・・・?」
若執事「これから戦わなきゃいけない奴がいてさ、約束してんだよね。」
ルーク「まだ戦うの?いい加減寝ないの?つか、誰とバトるの?」

ウオオオオオオ・・・・・!
突然山々に響く獣の遠吠え。

ヤン「狼の鳴き声ですな。」
ルーク「この彼岸山には狼も棲んでいるみたいですなあ。」
若執事「これから俺はあんたらの知っている狼さんと練習試合すんの。
    下手すると『死合い』になりかねないな・・・・・。
    生きて帰って来れるように頑張るね。ははははは。
    あいつ、強い奴、強くなりたい奴と手合わせすんのは嫌いじゃないみたいだし。」
ヤン「・・・おい、まさかハンスと組み手かあ!? おま、お前、馬鹿じゃねえの!?」
若執事「今はとことん強さに貪欲になりてえの。その為なら馬鹿にもなるぜ?」

アーカード「次回も楽しんでいただけるなら幸いだ!」

34:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 22:21:56 B3PtQHGe0
in教会

(ドタドタドタ)
アンデルセン「プゥーーッチ!!」
プッチ「どうした?そんなに慌てて」
アンデルセン「どうしたもこうしたもあるか!
       また吸血鬼をつれて来おって!!」
プッチ「やれやれ、こっちの方が『また』だよ・・・・。
    化物でも異教徒でも色々な奴が居る、と言う事を
    そろそろ理解するべきじゃあないのか?」
アンデルセン「そう言う問題ではない、子供達にも悪影響なんだ!」
プッチ「わかったわかった。今度から私が会いに行くよ・・・それでいいか?」
アンデルセン「良い訳あるか!!そもそも聖職者と言うのは・・・」

プッチ(まーた始まった・・・・。あ、そうだ棚の中に・・・)
アンデルセン「聞いているのかプッチ!!」
プッチ「アンデルセン、後ろに吸血鬼が」
アンデルセン「何だと!?」
プッチ「『ホワイトスネイク』ッ!!」

アンデルセン「・・・・・ジーー・・・」
プッチ「・・・・」
アンデルセン「ハァァァレェルッヤッ!ハァァァレェルッヤッ!」
プッチ「さて、散歩にでも行くか」

35:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 22:24:15 ToYG4uQX0
アンデルセンがグチデルセンに……
茨じゃなくて肋骨が飛び出てしまう

36:名無しかわいいよ名無し
08/04/08 23:24:19 /junTAGY0
頭が固いアンデルセンと柔らか~いプッチ
これも面白い組み合わせだね

37:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 00:18:41 KC0CBs67O
並び立って敵を打ち倒す二人の神父を想像した
あまりの人間濃度に気絶しそうになった

38:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 12:20:24 PIRCYH+OO
CDを差し込まれるアンデルセンってのはシュールだ…

39:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 15:11:40 s1phMq9w0
黒執事「大尉……カメラの準備はいいな?」
大尉(コクッ……!!)
ロリ旦那「な、なんじゃ一体……」

ヘタレジャパネットの汚名を着せられた執事の鋼糸は、アーカードの服のみを切り裂くことが出来るのか……?
ロリコン執事の精妙なる指使いは、アーカードの柔肌を晒すことが出来るのか……?

出来る………

出来るのだ……!!

見よ!!己の服よりなお黒い腹の底!!
見よ!!ヘタレのくせになんだかエロい尻!!

黒執事「これより……涎小豆(二つの桃色小豆がコンニチハして涎が出る、の意)の儀を執り行う……!!」
ロリ旦那「よ、よだ……!?ちょまっ、お前なんかいつにも増して変……」

ギュギュラギュラ…………ギュパッ!!

……ハラリ

ロリ旦那「え……にゃ、にゃに~~~~!?」

ズパッ

大尉(ジーク・ハイル……!!)
ロリ旦那「服などすぐに再生……!!」

パシャパシャパシャ……

ロリ旦那「なっ……!?わっ、わたせー!!フィルムわたせー!!」
大尉(フルフル)
黒執事「わたへまへんっ……!!」

おわりんこ

40:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 15:15:01 s1phMq9w0
「大尉と一緒1」

黒執事「かっわいいーなんてーそんなーことー♪ハンハンハフンフンフフン♪」
大尉「…………」黒執事
「ああ、これはな。苺ましまろという神アニメのOPだ」
大尉「…………」
黒執事「もちろんだ、私を誰だと思ってやがる。DVDにOVA、原作も全て3セットずつ所要している。貸出用を持ってこよう」
大尉「…………」
黒執事「なぁに、いいってことよ」

「大尉と一緒2」

黒執事「なんだそのカメラ」
大尉「…………」
黒執事「ああ、なんかビームライフルみたいでカッチョイイ」
大尉「…………」
黒執事「なんだよ、いいじゃん触らせろよ」
大尉「…………」
黒執事「ケチな犬だな」
大尉「…………」
黒執事「いてっ、ちょ肩パンやめろよ、や~め~ろ~よ~」

「大尉と一緒3」

大尉「…………」黒
執事「まぁな」
大尉「…………」
黒執事「なぁに」
大尉「…………」黒
執事「お、ナウいじゃん」
大尉「…………」黒
執事「ハハッ、こいつぅ~!!」

41:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 15:21:41 s1phMq9w0
「准尉と一緒1」

准尉「っ……」
黒執事「声出してもいいぞ」
准尉「そんな……んっ……」
黒執事「良い声で鳴くじゃないか」
准尉「やっ……ふ、ん……あっ……」
黒執事「ここか?ここがええんか?」
准尉「!?にゃっ、は……!!ら、らめぇっ……!!」

准尉「あー気持ち良かった、執事さんマッサージ上手ー」
黒執事「次准尉の番だぞ」
准尉「やだよー」
黒執事「あっ、こいつ」

「准尉と一緒2」

黒執事「なぁ……」
准尉「うん?」
黒執事「その……触って、いいか……?」
准尉「執事さんならいーよぅ」
黒執事「では、失礼……」

さわさわ

黒執事「あー、ネコミミ癒されるなぁ」
准尉「執事さん手冷たいー」

「准尉一緒2」

黒執事「なぁ准尉、お願いがあるんだが」
准尉「なぁに?」
黒執事「このカメラでさ……」
准尉「やだ」
黒執事「最後まで聞けよー」

「准尉と一緒3」

黒執事「タラララタラララ♪ハ~~~~ン♪ハンハンハ~ギャ~~~~ッツビ~~~~♪
ギャッツビ~~~~♪ギャッツビ~~~~♪好きにやっちゃってぇ~♪」
准尉「髪降ろすとそんな顔なんだ」
黒執事「どっから見てた?」
准尉「タラララ、のとこから」
黒執事「そっか」

42:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 15:22:53 s1phMq9w0
「准尉と一緒4」

准尉「なんで執事さんは片眼鏡なの?」
黒執事「ヘルシングにいたとき、アーカードの部屋の壁に穴が開いててな」
准尉「なるほど」

「准尉と一緒5」

准尉「ババンババンバンバン♪」
黒執事「アービバビバ♪」
准尉「ハァービバノンノンだよ」
黒執事「失礼」
准尉「ババンババンバンバン♪」
黒執事「アービバビバ♪」
准尉「…………。良い湯だねぇ」
黒執事「うむ」

黒執事「ピコピコ」
大尉「ピコピコ」
准尉「あ、東方プロジェクトだ」
大尉「…………」
黒執事「はぁ?レミリア?リグルたんだろ」
准尉「え……そんな、まだ心の準備が……」
黒執事「いやいやいや」

おわりんこ
シュレが女の子だったらいいのに

43:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 15:25:03 s1phMq9w0
大尉と一緒3ミスりすぎだろ・・・・・・
准尉と一緒2ふたつあるじゃん・・・・2だけに、ってか・・・・

「少佐も一緒」

少佐「執事、ココア」
黒執事「…………」
少佐「執事、ココア」
黒執事「…………」
少佐「執事、減給な」
黒執事「今すぐに」
少佐「うむ」
准尉(弱い……)

44:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 15:28:15 s1phMq9w0
若執事「あのさ」
ロリ旦那「うん?」
若執事「お前って見た目俺の2コか3コ下だよな」
ロリ旦那「うむ」
若執事「セーフ?」
ロリ旦那「んー、セーフ」
若執事「ふぅ」

黒執事「あのさ」
ロリ旦那「うん?」
黒執事「お前って見た目私の12コか13コ下だよな」
ロリ旦那「うむ」
黒執事「セーフ?」
ロリ旦那「アウト」
黒執事「はぁ」



ジョセフ「おいウォルター、窓の外見ろよ」
黒執事「げ、駄目執事」
ロリ旦那「まさか学校で……?」
志貴「学校で……だと……?」

ガラガラ

若執事「げっ、教室入ってきた」
ロリ旦那「おいウォルター、学校ではだな……」
志貴「学校では……だと……?」
黒執事「准尉、弁当を忘れてるぞ」
准尉「あっ」
黒執事「次忘れたら、もう作ってやらないからな」
准尉「ごめんなさいー執事さん」
ロリ旦那「こら、そういうのは職員室に預けろ」
黒執事「いっけね」
生徒達「ドッ」
挙太郎「フフ……」
准尉「執事さん、おっちょこちょいー」
ロリ旦那「ほんっと駄目執事じゃな」
黒執事「へへ……」
若執事「何これ……?」

45:対決 その10
08/04/09 17:35:43 xObEPoKX0
・狼
牧畜が盛んな地域では家畜を荒らす害獣。農業が盛んな地域では農作物へ
被害を与える鹿等の害獣を駆除する益獣。狩猟採集生活が盛んな民族からは神格化されている獣。
アリストテレスはアポロンとアルテミスの双子を生んだのは牝狼であるとし、
古代ローマの建国神話では双子の建国者であるロムルスとレムスは牝狼に育てられたと言われている。
ヨーロッパにおいては、しばしば恐怖の対象とされ、北欧神話では巨狼のフェンリルが闘神テュールの
腕を喰いちぎり、主神オーディンを飲み込んでいる。15世紀には狼の群れがパリに迫ったとされ、
18世紀中旬には、『ジェヴォーダンの獣』と呼ばれる狼らしき怪物が出現し、60~100人の
被害者を出し、フランス中部を震撼させた。

・ヴェアヴォルフ
ドイツ語における人狼の意。第二次世界大戦末期におけるナチスの計画。ドイツの連合軍に占拠された
地域で、連合軍に対するゲリラ攻撃によってドイツ国防軍を支援する部隊の名称。

ハンス大尉は月面町を流れる大きな河、月面河の河原で1人、黙々とイメージトレーニングを行っていた。
空に向かって独り、拳を繰り出し、蹴りを放つ。ミレニアム1真面目なこの男は、この日課を一日も
欠かす事が無い。この一匹狼は誰にも心を覗かせぬかの様に寡黙である。実際に何を考えて生きているかを
詳しく知っている月面町の住人は人外だろうが人間だろうが少ないだろう。だが、この男が生粋の戦士である事を
知っている住人は大勢いた。ふと大尉は、ピタリと動きを止め、空を見上げる。気配を感じたのだ。
それも、かなりの手垂れの気配である。 ドクン と心臓が久しぶりに高鳴るのを感じた。
空の彼方から、凄まじい跳躍力で飛んでくる小さな影が満月に綺麗なシルエットを作っている。
大尉は獣の目を凝らして見るとその影の正体は、昨夜自分と立会い、一方的に殴打され続けた少年だった。
寡黙な狼は分かる人が見なければ分からない幽かな表情の変化を見せる。何があったのか知らないが
あの少年は段違いで強くなっている! そいつと手合わせ出来るのだから心が高ぶらない筈が無い。

「とうっ!」と声を上げながら大尉の目前にスタッと着地する少年。その姿は全身包帯姿の一兵卒みたいな
軍服姿。大尉は思った。『誰かに本格的に弟子入りして、鍛えられたな』と。その雰囲気は、紛れもなく
叩き上げの戦士といった様相だ。
「よう、待たせたな。約束通り、手合わせしようぜ。もっとも、お前は弱点が無いと倒せない反則気味な
 人狼だから、俺がこの糸ブン回しても殺れねえ。だからまあ、お前の攻撃を喰らわなくなる様になるまで
 付き合ってくれるか?俺、ラフファイトも出来るから殴り合いでもどんと来いだよ?」
大尉は『承知した』という意思を伝える為コクリと頷く。ウォルターが更に訪ねる。
「俺、糸を使っていいか?食らわせても無意味なんだろうけど何かのタシにはなるだろうし。」
この問いにもやはり大尉は『承知した』と頷いて返す。
「・・・・・強くて優しくて敵には容赦せずフェアプレー精神の持ち主か・・・。フン族で敵じゃなかった
 らダチになれたかもな。あんた、スゲエ奴だよ。身勝手なガキに付き合ってくれてよ・・・。」
ヒュガ!! という空気を裂く音。これが試合開始のゴングの代わりとなった。

その頃、彼岸山ではアーカード、ヴァレンタイン兄弟の3人がウォルターの帰りを待っていた。ヤンはしきりに
「あの大尉と訓練とか超ド級の馬鹿だぜあいつは。あいつがミレニアム本部でゾーリンと組み手してたのを見た
 がよ、ゾーリン、一方的にやられてたぜ?戦争馬鹿の大隊員でもあいつとマーシャルアーツの訓練するのは躊躇
 するってのに。」
と、ルークに話かかけている。そんな兄弟を尻目に、アーカードは念話をしていた。
相手は、ヘルシング機関でウォルターの帰りを待つもう1人の自分である。
アーカードは、ドーヴァー海峡からイギリス本土のヘルシング本部まで念話を届ける事が出来るのだ。
それと同じ事をしただけである。




46:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 17:37:00 xObEPoKX0
『おい、大体一日ぶりの会話だな。どうだ?泣くのは止めてウォルターの帰りを待っているか?』
『おお、突然頭の中から声がするから驚いたぞ。見送りする時にも泣くのは堪えたわ。
 で?どうだ?ウォルターの調子は?』
『ククク・・・あいつは私が、いや、私達が思っていたより凄いぞ。もう死神に戻っている。』
『何・・・?もうか・・・!お前、そうとうキツイ訓練を施したな?』
『お前からは うっかり殺すなよ とは言われたが、一歩間違えれば死ぬ訓練はしたな。
 だが、お前には分かっていた筈だ。私がそう甘い奴ではないと。』
『分かっていたとも、だが、私はそう言わずにはいられなかった。
 そうか・・・戻ったか・・・。あいつは死神に戻ったか。』
『もっと戸惑うかと思ったが落ち着いているじゃないか、過保護なお前の事だ、さぞや
 驚くだろうと思っていたが。・・・フン、何か覚悟を決めた様な声色だな。』
『あまり私を見くびるなよもう1人の私よ。覚悟ならば決めたとも!あいつが強くなる
 というのなら私も強くならねば、あのもう1人のウォルターの様になりはしないかと
 恐れるあまりあいつを普通にしようとしたが、それは只の『逃げ』だったのだろうな
 と思えてきたからな。』
『その通り、それは只の逃げだ。刃はどこまで行っても刃、それは変わらん。ならば、二度と
 同じ過ちを繰り返させない様にするには私達が真っ直ぐな刃になる様に導いてやらんと。あの
 裏切り者の様に歪な刃にしてはならない。とりわけお前が強くならないとな。お前はあの死神
 坊主の相棒なのだろう?そろそろ、あの裏切り者に対する中途半端な想いは断ち切れ。
 そんな想いは糞の役にも立ちはしない。邪魔だ。』
『・・・お前は歯に衣を着せないなあ・・・。糞の役にも立たない・・・か。』
『お前、あの黒いのが喧嘩を売って来る度に手加減してやっていただろう?まだ人間だった頃の
 面影をあいつに見出していて殺せなかったのか?人間のウォルターが側にいるというのにだ。
 お前にしか解らない想いだからこそ、ウォルターもそんなお前に気を使っていたからこそ
 私は何も言わなかったが、そろそろ言うべき時だろうから言わせて貰おう。
 ・・・よく、お前を尊敬し、慕ってくる奴の前で道化を演じてあの黒いのとじゃれ合えた
 ものだ。殺そうと思えば殺せたのに情けで奴を生かす。そして自分にも優しくされる。そんな事
 されてあいつが辛い想いでいるかもしれないとは考えもしなかったのか。よもや、これからも
 そんな態度でウォルターの相棒と名乗るのなら、私が許さん。お前と正面から向き合える様にと
 血の滲む様な努力をあの「15の子供」がしたのをこの目で見た私が許さん。』
『・・・・・・・・・確かに・・・・確かにお前の言う通りだな・・・。あんなまだ若い子にそんな
 想いを抱かせていたというのなら・・・私は愚か者の極みだ・・・。確かに私が今抱えている想いは
 邪魔以外の何物でもないな。私とウォルターのこれからには糞程の役にも立ちはしないな。
 ・・・今ここで誓おう。私もあの子の為に、あの「只の裏切り者」は道端の石ころと思う様にしよう。』
『フン、口ではどうとでも言えるぞ。』
『ならば、これから口先ではないと証明しよう。私とて、吸血鬼アーカードだ!
 フフ、あいつは今どうしてる?』
『月面河の河原で大尉と訓練しているだろう。』
『はははは、またか、あいつは豪気な性格だったんだな。良し!どれ程強くなったか
 この目で確かめてくれる!』
『声色が弾んでいるな。フン、ゲンキンな事だ。』



 


47:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 17:37:24 xObEPoKX0
少女アーカードは、急いでヘルシング邸を出る、そして、蝙蝠の群れに化け、月面河のほとりをひたすら
飛び廻り、「闘いの匂い」を嗅ぎとる。
『こっちだ、こっちから狼の匂いと、ウォルターの気配がする!』
急いで飛んでいく。すると、遥か彼方で大尉とウォルターが戦っていた。
「ウオオオオオオオオ!!!」
ギュラギュラギュラギュラギュラギュラ!!!
ウォルターが雄叫びと共に糸を放つ。その全てが避けられているかの様に見えた。糸は虚しく河原の岩、
石質の地面を切断し、河の水面に辺り幅の広い水柱が立つ。そして少女アーカードはウォルターを見て
驚いた。ウォルターの身体は血まみれだ。包帯を巻いていたらしいが大尉の攻撃を喰らって
既にボロボロになっている。縫合した傷口は再び裂け、血がドクドクと滴り落ちている。
その光景を見た少女アーカードは自責の念にかられる。
『・・・無茶にも程があるぞ若いの・・・。お前にそんな無茶をさせる
 要因を作ったのは、私だな・・・。』
少女アーカードは、自分が酷く不甲斐ない存在だと心の底から思った。

取り合えずここまで


48:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 17:42:29 xObEPoKX0
ちょっと見辛い文章でごめんなさい。めいっぱいのボリュームで
尚且つ読みやすいのSSをと思っているのですが
さじ加減が難しい・・・。精進いたします・・・。

49:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 17:50:28 xObEPoKX0
×>河の水面に辺り
○>河の水面に当たり

>>47の誤字、訂正です。orz

50:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 18:46:04 bW5MJKUi0
本家旦那、ロリ旦那に辛辣な言葉を吐きまくりw
しかしこの旦那はある意味優しいな。実力者と言えど叱ってくれる奴は
側にいた方が良い。俺はそう思う
もう1人の自分に「ばかもん」と怒られたんじゃそりゃキツイわw
糞の役にも立たないって…キツーーイww…。
普通旦那からしたら黒執事の存在は糞以下なんか…。
まあ、本編でも執事の裏切りに一瞬は落ち込んだが割りとあっさり立ち直って
殺す気マンマンだったからなぁ…。
後ろ向きなネガティブ人生を歩いている様に見えてワリと立ち直りが早いのが旦那です
普通旦那に「あいつって糞以下じゃん。」と言われて
「そう言われりゃそうだね。」と思えるロリもやっぱり旦那なんだなぁ…。


51:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 19:29:27 ps6cEu3e0
旦那って釘刺そうとした神父に向かって「お前、糞垂れになるぞ。」
と非難していたからね。旦那からしてみれば人間止めた執事は
自分と同じ糞垂れだし、そんなんとの思い出をいつまでも引きずってる
ロリ旦那は非難の対象にもなるんじゃないかなと思う
このSSでは思いっきりふっ切れまくったロリ旦那が見たいぜ!

52:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 19:41:38 s1phMq9w0
神父はトドメ刺されたあと「お前は俺だ!!」とかイチャついてたけど、黒執事は裏切りもプラスされてるからね
消えるときも黒執事のこと完全スルーしてたし

53:お悩み相談室
08/04/09 20:33:04 VI2MiTZp0
かつて気高く美しかったお姉ちゃんが、デレることしか出来ないギャルゲのバカヒロイン
にまで堕落してしまいました…。妹の私はどうすればいいでしょうか? 
K・S 女学生

おまいの姉は表がデレで裏がツン、我ら兄弟ふたりでひとつ!というツンデレ属性の
完成形の持ち主だにゃー、いずれ大業をなす事間違いなし!一万と二千年ばかし生暖かい
目で見守るよろし。ところでおまい、みればなかなかの猫属性、なーかーまーにーなーれー!
N・A 珍獣 


かつての恋人の魂と同じ輝きを放つ若い魂魄を見出し、喜びのあまりに前後を忘れてしまい
血族に加えてしまいました…ところが彼はそれがきっかけで…その…幼児性愛者に目覚めて
しまいました。どうすればよろしいでしょうか…
R 研究所モニター

彼は自分の真実の姿を見出してしまったんだ、たとえそれが茨の道であろうと鳥が飛ぶ事を
やめないように、彼は幼女を愛する事を止められないだろう。方法はひとつ、君が彼好み
の姿になるんだ!
S・T 学生


職場の先輩がやたらめったら私の胸を揉みます。最近では同僚からレズだと思われています。
先輩に悪気が無いのは分かっているのですが…何とかならないでしょうか?
S・V 教師

あーぱーは口で言っても分かりません、体で分からせた方が早いです。
A・T 女学生

いっそのこと目覚めちまえばいいんでない?
M・A 自営業

俺も混ぜろ!
S・T 学生

54:お悩み相談室2
08/04/09 20:33:48 VI2MiTZp0
学校の先輩や同級生がお昼になると決まって僕の血を吸います。一度ミイラになるまで吸われ
ました。僕は不死身なのでしばらくすれば蘇生できますがはっきりいってツラいです…
何とか現状を改善する方法は無いでしょうか?
H・H 学生

喜んでもらえるんならいいや、って思えば気が楽になるよ
T・A 学生

もっと美味しくなることが血の美味しい人間の義務よ!
K・S 女学生


ちっともモテません。俺の予定では女の子十余名とひ○た荘で一つ屋根の下で楽しく同棲生活の
筈なのですが、肝心の女の子がひとりも集まってこないんです。なんでだ畜生!
T・M 学生

現実見んかい、おんどれ!
T・Y 学生


ふが、ふがががふが!ふが!!
F 家政婦 

ふ、ふが…
F 家政婦 

また御仕置きが必要みたいね、フランセット…
S 王女

55:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 20:57:44 r0NgY88p0
何か相談するだけ無駄な感じのお悩み相談ジャマイカ?

56:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 21:42:19 ZLDhtzKc0
だがそれがいい

57:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 21:46:23 s1phMq9w0
黒執事「准尉!!これはどういうことだ!?」
准尉「どったのー?」
黒執事「弁当!!ピーマンを残しているじゃあないか!!」
准尉「ぶー、ピーマン嫌いー」
黒執事「いいだろう・・・・お前のピーマン嫌い、私が解消する!!」

ヒュババババババババババ!!

准尉「ゲ、ゲェー!!なんて滑らかかつ俊敏な動きでピーマンを捌いていくんだ!!」
黒執事「出来たぞ、食べてみろ」

~本日のメニュー・ピーマンの肉詰め~

准尉「なぁんだ、ピーマンにお肉を詰めただけじゃない。こんなの・・・・パク」
准尉「う、うンまぁ~い!!ピーマンが肉を!!肉がピーマンを引き立てる!!全っ然苦くないよ、執事さん!!一体どんな魔法を使ったの!?」
黒執事「とある調味料を加えたのさ」
准尉「ちょうみりょう・・・・?」
黒執事「そう、どんな調味料にも負けない最高のスパイスだ。それは真心、私は栄養バランスを考えて弁当を作っているんだ。もう残してはいけないぞ?」
准尉「僕が間違ってたよ執事さん!!はい、執事さんもあ~ん」
黒執事「ハハッ、こいつぅ~!!

58:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 22:43:09 39DMA7Jr0
ついに頭が沸いたんか黒いジャパネットww
つか、この二人のノリは何なんだwww

59:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 22:51:58 KC0CBs67O
境遇的に友達少ないから見た目的に弟とかできた気分でハイになってるんだろう勝手に考えてる
>准尉と黒執事

60:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 22:55:46 s1phMq9w0
>>58
59さんが非常に的を射ています
別にやましい理由は無しに、普通に仲良い感じで
最初は黒執事は准尉嫌いだったけど、准尉が勝手に懐いてくるうちに仲良くなったとかだといいなぁ

61:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 22:56:23 39DMA7Jr0
何か>>45の狼の薀蓄に思わず「へ~」とボタンを押したくなった。

62:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 23:24:52 fZm7q7Iu0
吸血鬼はいいなぁ
俺も長生きして人の世をニヤニヤしながら見続けていたい
俺歴史とか好きだし奴らは生き字引だな。貴重な資料だ(エヴァとか特に)

63:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 23:31:31 39DMA7Jr0
>>62
でもその境地まで行き着ける吸血鬼は僅かなイメージがあるな。
数多くの吸血鬼は日常生活を送るのにはあまりに不便になってしまった
身体を引きずって(日光とか招かれないと他人の家に入れないとか)
長生きしなけりゃいけない苦しみに耐えかねて日光を浴びて自殺とか
していそうなイメージがある。
生き物の血を調達するとか人としての良心が残っていたらしんどそうだし。

64:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 23:35:54 KC0CBs67O
>>62
そういう方向ならむしろ仙人じゃねーか
中国の風土が育んだ最強のニートだ

65:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 23:44:05 39DMA7Jr0
馬呑吐「道士にして西洋の生っ白いキャリアーでないワタシではあるが
    山奥で霞を食べて生きようとは思わないネ。この世の濁流に
    身を投じて生きるのがワタシの趣味ヨ。」

66:名無しかわいいよ名無し
08/04/09 23:53:08 VI2MiTZp0
めがね「オヤシロ様がこの金髪をバラせと言ったんだ!真犯人はオヤシロ様なんだ!!」
少年K「いやどう見てもお前が犯人だろ…」
金髪 「私を殺した責任とれー」
シャーウッド「…ぬ!」

女生徒A「M君なら…M君ならそこにいますよ」 
女生徒B「い、嫌ぁ!ま、Mがバッグの中にやけにコンパクトになって…!?」
女生徒A「時代はポータブルなんです。ところでSさんの逝ってた事、本当かどうか確かめ
     させてください」ズビシャ…!
シャーウッド「…むう」

女剣士「殺す! 殺す! 殺す! 殺す! 殺す!」
黒剣士「こんなところで終わっちまうぐらいなら わざわざ生き残るかよおおお!!」
戦乙女「君たちいい体しているね。エインフェリアにならないかい?」
シャーウッド「…最近のアニメは荒んでおるのう」ポチッ

フランセット「ふが」
シャーウッド「なぬ、刺激強いから深夜アニメは見るな?何を言うわたくしはもう立派な大人だぞ!
     だから夜更かしして深夜テレビを見まくるのだ」

ノヴァ「キャハハハ!先週松果体にナノマシンを注入し、極限まで拡張した結果、被験者N君は超能力
     に目覚めました!!使用人のバザルドは体を…念流と呼ぶべきでしょうか!特異な局地的
     物理現象で体を捻じ切られ、テレビスタッフも次々と内部から破裂するという有り様!!
     彼は私への復讐を誓う呪いの言葉を吐きながら彷徨っています!この状況はいわば私
     が生み出したカルマによるもの!この私が決着を付けねばなりません!!次回は超能力
     と呼ばれる現象のメカニズムについて解説していこうと思います!!!」
    
シャーウッド「…もう寝るかのう、フランセット」
フランセット「ふが」

67:66
08/04/10 00:18:47 2/eyhaBL0
しまったフランセットじゃなくてフランシスカだった…!
シルヴィア王女に御仕置きされに逝って来る…

68:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 10:09:57 6FBs/wgC0
カリスマ溢れる雅のSS、書き上げるのを楽しみにしていますよ職人さん!

69:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 15:18:55 B6y3Jr/50
人は死ねばゴミになる。
なら私は?
裏切ってなお生き長らえる、出来損ないの吸血鬼。
もうこの世の誰も、私を必要としていない。
もうこの世の誰も、私を愛してはくれない。
ただ朽ちて忘れ去られていくだけの、この身は一体なんなのだろう?

――執事さんは■■■■■■■■。僕は執事さんのこと、■■■■■■――

好きで好きで、だからこの手で救いたい。
全てはそんなささやかな、だけど私にとっては何を犠牲にしても、それを叶えてやりたいと願った人のためなのに。
全ては大好きなあの人のためなのに。

「何故殺さない……何故情をかける……アーカード……!!」
「言っただろう。こんなもの、所詮餓鬼の喧嘩だと。相変わらず物覚えの悪い小僧だ」
「違う!!」

私が望んだのは

「餓鬼の喧嘩なんかじゃない……!!」

こんなにも惨めで

「私は……僕が望んだのは……!!」

こんなにも無様な

「こんなことじゃ、ない……!!」
「…………わかってるよ。でも、お前の負けだ」
「待て、逃げるのか!?まだ勝負はついてない、そうだろう!?」
「ついたさ」
「まだだ!!まだ僕の勝負は終わってない…………!!終わってないぞ、アーカード!!」
「その台詞が物語ってるよ、ウォルター。お前が救いたいのは私じゃない。
お前が作った私、お前がこうあって欲しいと願う私。ただの独り善がりな餓鬼じゃないか…………お前も、私も」



「また、負けちゃったね」
「准、尉……」
「ボロボロじゃない。早く帰ろう?」
「教えてくれ、准尉……」
「なぁに?」
「私は……僕はなんだ……?准尉の目に僕はどう映る……!?」
「そんなの決まってるよぅ。執事さんは執事さんじゃない。僕は執事さんのこと、結構好きだよ」
「…………シュレディンガー」
「なぁに?」
「ありがとう」
「あはっ、どういたしましてっ♪」

おわりんこ

70:対決 その11
08/04/10 17:14:02 3OREkQsd0
獣と死神の戦いは続く。縫合した傷が再び開いて流れ出た血も気にせず
次から次へと間髪入れずに銀の糸を繰り出すウォルター。
ギュラギュラと轟音を立てながら大尉へと迫る。大尉はその糸の動きの全てを
見切り、表情一つ変えずかわしていく。
その光景を空で眺めていた蝙蝠の群れが一つの人型に固まり、少女の形を成す。
そして、目の前で起こっている戦いを見届けるべく、飛びかう2つの影を凝視する。
大尉もウォルターも戦いに夢中で少女アーカードには気づいていない。
2人の動きを見て少女アーカードはこう思った。
『成る程、確かにお前は僅かな時間でかなり強くなった。死神ウォルターだった頃の
 動きを取り戻しているな。その傷、かなりの無茶をしたもんだなあ・・・。
 だが、その動きを取り戻しても尚、大尉の方が一枚上手か?』
ゴウッ!! と轟音を立てながらウォルターに一直線に迫り、右拳を繰り出す大尉。
どうやら、空中を超スピードで空間に張り巡らされる様な動きをする糸にも刹那の
間、糸使い本人の懐へ飛び込めるだけの隙は生じるらしい。もっとも、その隙をつける
のは大尉だからこそだ。少しばかり動きが速いだけの人外では到底その隙はつけない。
『いかん!あの鋼の一撃を喰らう!』
少女アーカードが思った瞬間、 ザグッ!! と音が響き、大尉の拳が空中で止まる。
ウォルターの顔面にもう少しで届くという所で、大尉の拳を形成していた五指は綺麗に
切取られ、地面に血の雫と共に落ちる。大尉の目が僅かに驚いたかの様に見開く。
『へ、散々殴られた甲斐もあってなんとかこいつの動きにも対処出来るようになったぜ。
 このトラップにも始めて引っ掛かってくれたな、大尉さんよお!』
ウォルターは瞬時にそんな事を思いながら糸を再度繰り直し、大尉への攻撃に転ずる。
ギュラギュラギュラギュラギュラ!!!だが、糸より先に一瞬速く、大尉は糸の間合い
から跳躍で脱出。糸の間合いの外へ出る。糸を完璧に避けたかに見えた。しかし、
大尉の頬には赤い糸の様な細い切傷が出来ていた。大尉の身体を血が数滴、ツゥ・・・ と垂れる。
服に綺麗な切り口が数箇所作られ、血が滲んでいる。
『よーしよし、僅かだが通じる様になってきたな、俺の腕。』
ウォルターの顔にうっすらと笑みがこぼれる。少女アーカードはその様子を見てこう思った。
『成る程、修羅の庭に身を置けば、秒単位で進化を遂げていく・・・か、
 だが、大尉も本気を出してくるぞ!』

大尉が、コートをばさりと脱ぎ、髪をざわつかせる。新たな指がメキメキと生え、切傷がスウ・・・と塞がる。
逞しい体躯が狼の皮で包まれ、口はひとりでに裂き牙が覗く。ウォルターの目の前に
一匹の人狼が現れた。射殺す様な眼光にウォルターは鳥肌を立たせる。冷や汗が一気に
吹き出るのを感じた。そしてこう呟く。
「うわー・・・やっぱりお前はおっかねえ・・・。」

「ウオオオオオオオオオオオオ!!!!」
夜明け近くのもうすぐ沈む満月を背に狼は地を揺るがす様な咆哮を上げる。
『余裕の笑みを浮かべるにはまだ早いぞ。』ウォルターにはそう言っているかの様にも思えた。


71:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 17:15:11 3OREkQsd0
ドッ!!巨狼が地を蹴ると強固な石質の地面が砕ける。容赦の無い獣神の如き一撃が少年に
迫り来る。ギュオ!!!と音をたてて放たれた一撃は地面を深く深く抉り、
幅の広いヒビを走らせ、ドゴオオオオオ!!!という音を立ててクレーターを
形成した。ウォルターは自分が『おっし!間一髪で避けた!』と思った。その次の瞬間、
腹の辺りに焼ける様な感触を覚える。スパッと腹筋の辺りに新たな切傷が作られ、血が出てくる。
『ちっ!避けそこなったか!かすっただけでこれ・・・。』

ドゴオッ!!刹那の思考すら許さない容赦の無い拳。ウォルターは、10m余り吹っ飛ばされ
土手に激突する。土手にはウォルターが激突した際の衝撃でクレーターが形成された。
半分硬い土に埋もれながらも意識は辛うじて保つウォルター。脳裏に浮かぶのは黒い服を
来たもう1人の自分。カッと目を見開いたウォルターの目に飛び込んで来たものは
自分にトドメを刺すべく放たれた大きな拳。ドゴドゴドゴドゴッ!!
容赦などある筈も無い連撃が数秒続く。地獄の数秒のうちに何回拳が放たれた事だろう。
ウォルターの意識は、ブラックアウトした。

手合わせが終わり、大尉は獣から寡黙な軍人に戻る。コートを着て、懐から救急セットを出す。
手合わせの礼にと、大尉はウォルターの治療をしようと歩み寄る。そこへ、
「その子の手当ては私にさせてくれないか・・・?」
という声がした。後ろを振り向くとそこにはヘルシング機関お抱えの吸血鬼。
男性の方ではなく、少女の方である。吸血鬼は、『見るのも辛かったが見届けた』
という様相の、辛辣な表情をしている。その表情に何かを察した大尉は救急セットを
少女アーカードにポイっと投げてよこし、自分は ビュウ!!と常識外れの跳躍力を
見せ、帰っていった。もう朝の光が射し込んでくる時刻。明るくなってきた東の空を
見て、少女アーカードは呟く。
「狼もねぐらにお帰り の時間か・・・。」
そして倒れているウォルターの方に駆け寄る。

どれくらい時間が経ったろうか。ウォルターは、徐々に意識が戻ってくる
のを自覚していた。その意識の中で、こんな事を思っていた。
『・・・あ~~~畜生、負けだ・・・!やっぱ奴は強いね。一日やそこら
 死線をくぐって昔の勘が戻ってきたくらいじゃ勝てんわ。どんだけ気絶
 したんかな俺。くそ、早く目覚めて山戻って訓練しないとな・・・。
 しかし、何か気持ちいいな。ちょうどいい柔らかさの枕で寝てる感じだ。
 ・・・頬擦りしたくなるね・・・。』
ウォルターはまどろみの中、頬擦りする。
『気持ちいいなーーー。河原で戦ってた筈だよね俺。・・・そろそろ目を覚まそう。』
目を開けて、驚いてぱちくりとするウォルター。少女アーカードが膝枕していたのだ
から驚くのも当然である。
「へっ?・・・・・・何で?」
間の抜けた声を出すウォルターに、少女アーカードは目覚めた子を見る様な
吸血鬼と呼ぶには余りに優しい、陽だまりの様な笑みで、こう語りかけた。
「・・・余りに無茶をしすぎだ・・・。」
柔らかな手が、そっとウォルターの額を撫でた。

とりあえずここまで



72:対決 予告風味
08/04/10 17:27:13 3OREkQsd0
台本形式でどうぞ

ロリカード「なあウォルター・・・。色々と話したい事があるんだ・・・。
      お前に何て言ったら良いのか・・・言葉もみつからず、
      どこから話したらいいのかも解らないが、舌足らずな餓鬼の、
      そう、お前よりも余程餓鬼かも知れぬ私の話を聞いてくれ・・・。」
若執事 「・・・何だよ急に・・・。いいよ、こんな俺でよければ聞くよ。」
ロリカード「お前は自分の事を『こんな』と呼ぶが、そんな風に言う事はない・・・!
      私の方が余程・・・!お前は、こんな私なんぞの為に・・・!」
若執事 「色々と腹につまっているもん、全部ぶちまてみなよ・・・。」


アーカード「次回も楽しんでくれたら幸いだ。」
  



     

73:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 18:24:38 P3gW6Ptq0
黒執事SSと、若執事SSの、神の如きコンボ!!

74:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 22:35:24 2/eyhaBL0
ヒロ「…ふぅ」
月音「顔色悪いね…大丈夫?」
ヒロ「令裡さんと美夕さんにちょっと多めに吸われちゃって…」
月音「ははは…俺も萌香さんに吸われすぎて保険室から帰ってきたところ」
ヒロ「ははは…」
月音「レバーの美味しい焼き鳥屋があるんだ、そこで休憩していかない?」
ヒロ「うん、少し血が足りないから補給…」ヨロッ…ドン!
ヤン「てめーどこ見て歩いてんじゃボケェ!高見ちゃんと胡夢のアイコラ失敗
    しちまったじゃねえか、ゴラぁ!」
抜作「ゴラぁ!」
ベック「ズラぁ!」

ヒロ「ご、ごめん…」
月音「ごめん、日和見君も悪気があってやったんじゃないんだ…許してあげなよ」
    (…アイコラって写真切り抜いてやるんだったっけ?)
ヤン「ゴメンで済んだら警察なんぞいらねーんだよウンコ野郎!…っておめーらヒロと
    モテ王じゃねーかコラ!いつもいつもメスとイチャつきやがって!万年発情期ですか
    そーですか」
抜作「羨ましいぞ畜生!」
月音「…も、モテ王って、俺?」
ヤン「そーだよ!テメーだよ!!俺らが教室の片隅で寂しくアイコラ作ってる間、萌香と他メス
    四匹でギシギシアンアン!そりゃ毒男も死にたくなるよ!てめー全国の毒男に謝れ!」
ベック「そうズラ!そうズラ!」
月音「ご、ごめん…話しが見えないんだけど」
抜作「いっつもカプチューってやってんだろイヤラシイ!お前もだヒロ!!」
月音「ああ、あれか…あれはね萌香さんのオヤツタイムなんだよ、俺の血美味しいんだって…」
ヒロ「僕も青野君もいつもお昼にされてんだよ…すごく大変なんだ」

75:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 22:36:42 2/eyhaBL0
抜作「…お前らの血ってそんなに旨いのか?」
月音「うん、たぶん美味しいんじゃないかな?分かんないけど」
ヒロ「ひどいんだよ令裡さん…僕の血が処女の血みたいに甘いって言うんだ!」

抜作「…マジ」ゴクッ
ヤン「…一口だけオクレ」
ヒロ「ごめん今日はもう…」
月音「…看板ってことで」

ヤン「おいベック!足押さえろ!」
ヒロ「や、やめて~!」
月音「だ、駄目だ!今吸われたら確実に死ぬ!今度にして~!」
ベック「マジで吸うのかズラ?俺は男の血なんて吸いたくないズラ!」
ヤン「男は度胸、やって見るもんさ!って修理工の兄貴も言ってただろ?何事も経験だよ経験」
ベック「そいつウホズラよ?」
抜作「へへへ…どっちからいきやす、ヤンの兄貴?」   
ヤン「とりあえず日和見から吸っちゃおうかしら…?」
ヒロ「や、やめて~!」
ヤン「じゃ、カプチュ~…ってギニャアアアアアア~~~~~!」ボォォォォォ
抜作「あ、兄貴!?…ギニャアアア~~~」ザクッ

美夕「クスクス…ヒトの可愛い子に手を出さないでくれる?」
令裡「どこの誰であろうと、私のかわいい子羊に手を出す事は許されなくてよ?」バサバサバサ
ディーヴァ「あなたたち…不味そう♪」
裏萌香「私の食料に手を出すとは…それなりの覚悟があっての事だな?」ボキボキ
ベック「お、俺はカンケーねぇズラ~~~~~!やめ(ry」

猫目「あら…?教室が真っ赤だわ。誰か輸血パックの投げっこでもしたのかしら~?
    お行儀の悪い子たちですね~」

76:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 22:50:29 AnbiPy6z0
ヤン・・・お前は真面目なバトルSSだろうがコメディだろうが
やられ役のさだめなのか・・・確かねずみ男にも負けていたよな・・・。

77:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 22:59:22 B6y3Jr/50
黒執事「しまった・・・・DVDボックス買ったら、金が・・・・」
准尉「かなりたくさん買ってたもんねー」
黒執事「あのデブが全然給料をよこさないせいだ!!」
准尉「だって執事さん働かないじゃない」
黒執事「かくなる上は・・・・」

少佐「ドク、テレビつけて」
ドク「ハイ。ん?なんだこの番組・・・・」

ジャーパネットパーパネットー 夢のジャパネットウォルター

黒社長「はい、みなさんこんにちは。本日ご紹介する商品はこちら!!
対化物戦闘用13mm拳銃『ジャッカル』!!
全長39cm、重量16kg、装弾数6発と、存在感バツグン!!
この専用弾の13mm炸裂徹鋼弾、弾殻は純銀製マケドニウム加工弾殻、
弾薬はマーベルス化学薬筒NNA9、弾頭は法儀式済み水銀弾頭と嬉しい試用!!」

准尉「すっごーい!!でも、僕みたいに力に自信のない人には撃てないよぅ・・・・」

黒社長「フフフ、大丈夫!!なんとバレルを交換するだけで、9mm、38口径、40口径にも換装可能!!
シュレディンガー君には、ホラ!!この9mmに換装したのがいいんじゃないかな?」

准尉「よぉ~し・・・・」

ガウン!!

准尉「すっごーい、グールが爆散しちゃった~!!でも9mmなのにどうして~?」

黒社長「よくぞ聞いてくれました!!9mm、38口径、40口径も専用弾が用意されてるんだ!!」

准尉「すごいや!!でもこんなにカッコよくて良い銃、やっぱりお値段が張るんじゃ・・・・?」

黒社長「ノン!!ノンノンノン、ノン!!13mm、9mm、38口径、40口径それぞれの専用マガジン各3つ、シルバータイプのスライド、さらにメンテナンスキットまでついてズバリ!!
100000円!!10000円ジャスト!!価値あるお値段です!!」

准尉「そんなについて10万円!?スッゴイや、これは買いだね!!」

黒社長「ご注文のお電話は0120-×××-××××まで!!」

准尉「みんなも、このジャッカルで友達に差をつけちゃえ!!」

少佐「・・・・・・」
ドク「・・・・・・」
少佐「すげええええええええかっけええええええええええ!!」
ドク「いいなあこれ!!欲しい!!すばらしい!!」

78:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 23:01:24 iEGZme6xO
夢のジャパネットウォルターwww

79:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 23:04:38 AnbiPy6z0
面白く読ませていただいてる者だが>>69->>72
を読むと黒執事も若執事も糸使ったりなんだったり器用なんだけど
根っ子の部分が2人とも不器用で一途な感じだよな。
選んだ人生の選択肢が真逆なんだけど
(黒執事は吸血鬼になり、若執事は真人間を目指す。黒執事という
 反面教師がいるからこそ若執事は俺はこんな風にならないと思ったんだろうけど)
真逆であるという事は実はやっぱり似た者同士なんじゃないかなと思える。
どっちも同じウォルターなんだから似た者同士なのは当たり前なんだろうけど。
黒執事の職人さんも若執事の職人さんもGJよ。



80:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 23:19:01 B6y3Jr/50
>>79
感謝の極みズパー

81:名無しかわいいよ名無し
08/04/10 23:22:09 AnbiPy6z0
まあ、真人間を目指すといっても「べらぼうに強い真人間」を目指す
と言った感じなんだろうけど
対決 をざっと読ませていただいた限りウォルター君は
徹夜で大尉と戦って凹られる→普通旦那に弟子入り→ギャグモードじゃないルークと特訓
→メシを食う→ルーク、ヤンとガチ勝負で勝利→大尉と再び戦って大尉のワンコフォームを
引き出し凹られる→ロリ旦那の膝枕 
というスケジュールをこなしておる。メシ食う事とロリの膝枕以外は地獄の一言に尽きるww

82:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 00:03:56 2VvrPYMa0
GJを頂いたので・・・

対決 番外編の小ネタ 台本形式でどうぞ

志貴「・・・羨ましい。」
若執事「・・・唐突に何だよ。」
志貴「膝枕だよ!ひ・ざ・ま・く・ら! H!I!Z!A!M!A!K!U!R!A! 膝枕だ!」
若執事「・・・そんな目を血走らせて叫ばれてもなあ。俺、あそこに行き着く
    まで結構血を垂れ流してるぜー?この話結構長くなりそうだし、俺、これから
    まだ血を流す羽目になりそうだしよ。あの膝枕は只じゃねえよ?」
ロリ旦那「うむ、頑張った者には頑張った分だけ、何かをしてあげたいと思うものだよ。」
志貴 「・・・ケ、適当に無茶やれば母性本能くすぐれるから楽だよな。」ボソリ
若執事「おい、今テメー、凄え失礼な事言わなかったか?」
志貴 「別にー。」
ロリ旦那「・・・この男相手に1分立っていられたらウォルターに対する暴言
     を許し、膝枕をしてやろう。」
大尉 「・・・・・・・。」
志貴 「世界最強級の狼じゃないっスか。無理っスよ。」
ロリ旦那「だったらこの男はどうだ?」
ルーク「へ? 私?」
志貴 「その賭け乗ったあ!こんな漫才兄弟の兄貴には負けん!」
ルーク「・・・・・・。」
若執事「巻末ギャグモードじゃなくて本気でいけよ、ルーク。」
ルーク「は、はあ、 それでは。」

勝負開始 

ギャギャギャギャギャギャギャ!!!ドゴッ!!

志貴「・・・・・・・・・。」←頭から血をドクドク流して倒れている。

若執事「な?膝枕に至る道のりは険しいだろ?」
ロリ旦那「一秒も持たないとは・・・。人の苦労を馬鹿にするとこうなる。」
ルーク「一応死なない程度でやっときましたけど・・・大丈夫ですかねえ?」
大尉「・・・・・・・・・。」

志貴を卑屈に書きすぎたかな?

83:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 00:08:02 usU5rnUi0
志貴よええwwwwwwwwwwまぁ銃持った人間には勝てないらしいしね

ていうかヤンって実は強いんじゃないだろうか・・・・・・セラスいなかったら爺ウォルター死んでたし
あと死に方カッコイイ

84:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 00:14:57 2VvrPYMa0
ヤン君は実は強いと思いますよ。
老ウォルターは6巻で吸血鬼に銃を撃たれながら攻撃されてますが、
吸血鬼達が銃を撃ってから老ウォルターは糸を出し、一瞬で八つ裂きにしております
その老ウォルターが一瞬おっつかない程のスピードを出したヤン君は実は
速いんだと思います。俺の書いたSSではやられ役でしたけど。ゴメンよヤン君。

85:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 00:19:14 2VvrPYMa0
あ、間違えた。6巻じゃなくて5巻の152ページです。
吸血鬼達に撃たれてから老ウォルは攻撃をしています。失礼しました。
糸そのものは前ページで既に出しているみたいですが。
(軍の裏切り者の腕を切り飛ばしている。)

86:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 01:46:42 X6hzZ04sO
得意不得意があるからな
和尚は遅いが大木を引っこ抜けるし
眼鏡も攻撃力だけ無駄に高い
万能型に見えるDIOだってHPは低い部類に入る

87:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 03:07:20 ugxaGDcT0
>>79
とある漫画であったセリフだが、
「手先が器用になるほど生き方は不器用になる」
と言うのをみたが、まさにその通りだなぁ

88:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 06:23:54 usU5rnUi0
どうして勝てない?
どうして救えない?

それは何時だって少年を苛み続けてきた疑問。
どれだけ努力しようとも、どれだけ強くなろうとも。
勝てないものは勝てない。救えない。

いつしか少年の肉体は老人となり。
彼が磨いてきた技術は、永遠に失われた。

だから欲しがった。
何を犠牲にしても。
彼女の微笑みが、少年に向けられなくなるとしても。

吸血鬼。
全盛の力を行使できる肉体。

純粋な夢だけを追い求めた少年は、いつしか身も心も化物……死神となった。


──お前が救いたいのは私じゃない
お前が作った私、お前がこうあって欲しいと願う私──


「そんなはず、あるか」

アーカード、お前は間違ってる。
そんなはずは、断じてない。あってはならない。

「信じてきた夢にすら裏切られるなど、断じて」

ああ、今夜は月が奇麗だ。
ヘルシング邸。
戦いの気配を感じあのか、その大きな門の前に彼女はいた。

「ウォルター、何故来た」
「宿敵をを斃すため」
「ウォルター、何故戦う」
「夢の先へ征くため」
「ウォルター……何故、わかってくれぬ」
「笑止」

ヒュラ……
死神の鎌が、月光を浴びて煌いた。

「もとより引き返す道など、ない」

―ザンッ!!

銃に手を伸ばしたアーカードの右腕が斬り飛ばされる。
全く反応出来なかった。
温存する気はなさそうだ。
彼はわかっているのだろうか?
彼女を殺すには、何万回とその心臓を貫かねばならないことを。

89:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 06:24:41 usU5rnUi0
─ギュラギュラギュラ……ギュパッ!!

続いて左手を破壊。
やはりアーカードは反応出来ない。

―ヒュドッ!!

手刀一閃。
ウォルターの腕はアーカードの胸に深々と突き刺さった。

「ごぷっ」
「まず一つ」


ようやくアーカードが反撃に出た。
失われた右腕を瞬時に再生させ、フックを放つ。
ウォルターはそれを一歩後退することでかわすと、
同時にアーカードの胸から右腕を引き抜きそのまま間合いを取る。

「拘束術式3号2号1号、解放」

アーカードの体が爆ぜた。
蝙蝠、百足、そしてデタラメなサイズの黒犬が、ウォルターを襲う。

―クンッ、ドパッ!!

ウォルターはそれを糸の一振りで両断すると、背後に向かって蹴りを放つ。
ウォルターの蹴りは背後から襲いかからんとしていたアーカードの顔面を捉えた。
ごぐん、と鈍い音がする。首が折れたようだ。

「二つ」

―ズドンッ!!

ウォルターはアーカードのコートから糸を使って拳銃を奪うと、それを全弾心臓に撃ち込む。

「どうした、アーカード。私はお前を殺そうとしているんだぞ。全力で戦え」
「ウォルター、もうやめろ。確かにお前は強い。鋼糸でもって敵を切り刻むその手腕は、まさに死神だ。それでも、お前では私には勝てない」
「黙れ!!」

鋼糸が舞う。
それは確かな殺意をもって、アーカードに迫る。

「こ、の・・・・・・大馬鹿者!!」

―ヒュッ、ゴキャ!!

アーカードがウォルターに向って一直線に走る。
全身を切り刻まれながらも放ったストレートは、ウォルターの顔を正面から打ちすえた。

「がっ……」

ウォルターは倒れようとする体に力を込め、なんとかそれを凌ぎ切る。

90:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 06:25:30 usU5rnUi0
―ギチ…ギチ…

どこかで、破滅の音がする。
アーカードの放った常識外の一撃は、軽々とウォルターの再生力を上回った。
ウォルターの肉体は主人の意に反して、無理矢理に傷を修復しようと己を磨り潰す。
乱雑に施された肉体改造、その反動。
ウォルターの姿は既に全盛のそれではなく、5つも6つも若く再構築された。

「見ろ、その様でやっと二回だ!!もう諦めろ!!」
「諦める?」

口から血を吐き体を裂くような痛みに襲われながらも、ウォルターの目は戦意を失ってはいなかった。

「呆けるな、アーカード。あとたった何万回だ」
「ッ……!!」

指も足も動く。何も問題は無い。
ウォルターは再び、アーカードに躍りかかる。
しかしアーカードは鋼糸を身を屈めることでかわすと、同時に前へ出る。

―ヒュンッ、ゴスン!!

予測より一瞬速く伸びたボディーブローが、ウォルターに突き刺る。
肋骨が砕け危うく内臓破裂しかけるが、ウォルターもただではやらせない。
腹を抉ったアーカードの腕を掴むと、お返しとばかりに心臓を手刀でもって貫く。

「……っ、がああああああっ!!」
「三つ」

破壊された右腕をウォルターの腹から引き抜き、アーカードは左のフックをウォルターの顔面に繰り出す。
その一撃を前に出ることでかわしたウォルターは、そのまま強烈な頭突きを叩き込む。

―ゴスンッ!!

「ぐううっ…………!!」

窮鼠猫を噛むとはこの事か。
形振り構わず噛み付いてくるウォルターの捨て身に、アーカードは攻撃を回避しきれない。
目の前で飛ぶ火花に一瞬視界を奪われると、その瞬間に胸を抉る強烈な衝撃。
ウォルターの手刀が、心臓を貫いたのだ。

「あ……が……よ、っつ……」

しかしアーカードの攻撃を受けたウォルターも、またさらに体を磨り潰していく。
もはやその姿は、かつてアーカードと共にあった頃程にまで若返ってしまっている。
強烈な衝撃にふらつくウォルターを見逃さず、アーカードは左拳を全力でスウィングする。

―ゴンッ!!

「ぐうううっ……!!」

放たれた左の大砲を肩でブロックするが、肉は弾け骨は折れ、ウォルターの右肩は粉砕される。

―ズガンッ!!

岩をも吹き飛ばすアーカードの拳が腹に炸裂する。
だが、ウォルターは倒れない。
歯を食いしばり不敵な笑みを浮かべると、足を踏ん張って右手に力を込める。

91:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 06:26:15 usU5rnUi0
―ズゴンッ!!

血を吐きながら放たれるウォルターの右。
明らかに先程よりも勢いが無い。
間合いを離せばかわせる一撃を、アーカードは何故かかわせない。
顎に突き刺さった強烈なアッパーは、アーカードの脳を揺らし意識を朦朧とさせる。

「何故だ……何故倒れない……!!」

ウォルターを支えているものは何だ?
私を救うという理想か、それとも意地か。
アーカードはウォルターの目を見る。
そこには、ただ目の前の者を救いたいという炎が燃えていた。

「ッ……!!」

ああ、きっとこの男は倒れない。
自分を殺すまで、絶対に倒れないだろう。

「何故だ!!もう本当に死ぬぞ!?何故っ……何故私のためにそこまでやれるっ……!!」
「許せないからだ……」
「な、に?」
「何もかも捨てて……それでも愛しい人一人救えない……そん、な……自分が………………」
「……ウォルター?ウォルター!!」

ウォルターはすでに、立ったまま意識を失っていた。
不意に、アーカードは背後から声を聞いた。

92:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 06:27:31 usU5rnUi0
「執事さん……」

シュレディンガーだ。
シュレディンガーはアーカードには目もくれず、まっすぐにウォルターのもとへ歩いて行く。

「最後まで倒れなかったんだ、えらいね」
「……ウォルターを迎えに来たのか?」

シュレディンガーはアーカードの言葉に一瞬目を丸くすると、クスクスと笑いだす。

「ホッとしたの?もう執事さんを傷つけずに済むって」
「っ……私は…………」
「クス、女の子って可愛いね。ねぇ先生、執事さんを殺さないでくれてありがとね」

そう言うと、シュレディンガーはその小さな体でウォルターを担ぐ。
若返っているとは言え、細身に見えてその実強靭なウォルターの体を担いだシュレディンガーは、フラフラとした足取りで去ろうとする。

「あ……」
「手助けはいらないよ。執事さんは、僕一人で運ぶ」

アーカードは二人が見えなくなるまで、立ち尽くすしかなかった。
つっ、と頬に熱いものが伝う。

「馬鹿者……大馬鹿者めっ……!!」

アーカードの呟きを、月だけが聞いていた。

おわりんこ

93:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 12:09:03 Zfbg2gJxO
シュレが素直だ…

94:対決 その12
08/04/11 12:35:44 sz0zpgb70
ウォルターは顔を紅潮させながら怪訝な表情を浮かべていた。
前日にシリアス風味な雰囲気で『修行の間、暫しのお別れ』をした少女吸血鬼が
泣きそうになるのを堪えている様な笑顔で寝転がった自分の額を擦っているからだ。
しかも自分を膝枕をしながらである。
『う~~んと、この状況をいかにして突破すべきか・・・。』

まずこの場面の少し前の事・・・・・・
ウォルターはやはり戸惑っていた。勿論、目を覚ましてすぐに
起き上がろうとしたが、その瞬間に肩を掴まれ抑えられ
凛とした声でこう言われた。
「寝ておれ。傷を負ってすぐに動くと傷が熱を持つ。」
ウォルターは傷と言われて昨夜、人狼に傷を負わされた腹部を見る。綺麗に
包帯を巻かれている。きっとこの包帯の下の傷は綺麗に縫合されているのだろう。
ウォルターは自分の置かれている状況を把握する為に少女アーカードに訪ねる。
僅か丸一日しか離れていない二人の、久しぶりの会話が始まった。
「あ、あの~、アーカードさん? どうして僕は貴方様に膝枕をされているのでしょうか?
 何かすっかり日が高く昇っているのですが、僕は何時間バタンキューしていたのでしょうか?
 あ、あと、彼岸山に戻って、僕は訓練をしなければいけないのですけど・・・。」
「・・・・・プッ クク、くくくく・・・。ははははは!何をテンパっておるのか。
 先程大尉と戦っていたお前とは別人じゃのう?うむ、頑張るウォルター君の
 質問に答えよう。何故膝枕をされているか?それはあのワンころにブチのめ
 されたからだ。私が傷の手当てもしたのだよ。大体どれくらい寝てたか?
 4時間といったところだ。今日の修行は休みにしておけ。お前が寝ている間に
 私がもう1人の私に念話で『ぶっ倒れて寝っこけておるから今日ウォルター君は
 お休みです。』と伝えておいた。あやつは『一日の休暇か、まだ訓練の日数はある
 からな、よかろう。』と返事をしてくれたぞ?ああ、お前があのワンころとここで
 戦っているのも、あやつとの念話で知ったのだ。疑問は晴れたか?なら休め。」
「はあ・・・そうですか・・・。」

そして、冒頭の場面に戻る。
ウォルターは正直困っていた。さっきの会話を最後に少女アーカードはずっと
黙りこくって、自分に膝枕をしながら、泣きそうになるのを堪えている様な笑顔を
しながらずっと自分の顔を眺めているのだから。
『どうしたもんかなー・・・。ずっとこのままなのも恥ずいし、かといって
 起き上がろうとすると 寝ておれ とか言われるし・・・。 しかも何か
 泣きそうな顔しているし・・・。まいったなー。こいつにこんな顔させるんじゃ
 ・・・まるでもう1人の俺じゃねえか。あー不甲斐ない。あんな糞野郎と
 同じ事してるとはよ・・・。どうにかしてこいつを笑わせてやりてえな・・・。』
ウォルターは会話を始めた。『こいつのいつものケラケラ笑いを見たい。』そう思って・・・。

 

 


95:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 12:37:50 sz0zpgb70
「なあ、アーカード・・・。その、なんだ、俺がこんな有様なのは俺が弱いからだし、
 俺自身が進んで血の吐く様な訓練したからなんだから、そんな泣きそうな顔するこたぁ
 ねえだろ。」
「・・・はは、私は泣きそうな顔をしておるのか・・・。ウォルター、お前をそんな有様にする
 要因を作ったのは、私だ・・・!私がお前を弱くしたんだ。強く有りたいお前を弱くしたんだ。
 それも・・・。私の下らぬエゴで!!」
「おいおいおい、前にも話したじゃねえか、俺がお前に『そう、甘やかさなくてもいいよ。』と
 言えば良かっただけの事なんだよ。ここはいい所だ。だが、強い奴がひしめくこの町で
 甘い気分に浸っているのは阿呆のする事だ。お前は俺に普通になって欲しかったんだろ?
 俺の分まで敵の返り血を浴びようとか思ってたんだろ?その想いは誰にも咎められるもんじゃないよ。」
「ウォルター、お前に普通になって欲しいと願ったのはな、お前が強くなると、もう1人の
 お前みたいになるのではないかと不安だったからだ・・・。お前をあんな修羅にしたくは
 無い。そう思いながらお前と接してきた・・・。お前を見ながら、あやつの面影を重ならせ
 ていたんだ・・・!そして、お前を甘やかしたのだとしたら、これがエゴでなくて何だ!!」
「・・・なーんだ、そんな事で悩んでいたんか?」
ウォルターの言葉に、少女アーカードは驚いた様な表情をする。
「そんな事・・・!?お前の向こう側にあの裏切り者を見ていたんだぞ!!?
 そしてお前に優しくしていた!!こんな私に対して怒りは湧かないのか!?」
「うーん、膝枕されながら驚かれるのもアレだなあ、ははは。
 ま、何となく気づいていたよ。お前があいつと戦っているとき、何か今の様な
 表情してたし。・・・しょうがねえだろ、俺とあいつは違うけど結局は同じ
 ウォルター・C・ドルネーズだし。お前にはあいつが人間だった頃、一緒に
 過ごした思い出もあるんだからなあ。長生きした分だけ、色んなもんを背負って
 いるお前なんだから。前に俺が『すげえ格好良いジジイになる』と言ったとき、
 お前は心底喜んでいる表情をしてくれた。で、ほっとした様な表情もした・・・。
 そん時に何となく解ったんだ。お前は俺にあいつの影を見ているなって・・・。」


96:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 12:39:02 sz0zpgb70
少女アーカードは愕然とした表情をする。そして、やりきれない思いが頭の中を駆け巡った
『ちゃんとこの子は私を見ているな・・・。そして、不甲斐ない私を受け止め、
 受け入れながら日々を過ごしていたのか・・・。本来、私一人で背負うべきものを、
 この子のまだ小さな背中に、知らず知らずの内に背負わせていたのだな・・・。』
少女アーカードの瞳から、熱い感情が迸る。無垢なる涙だ。泣き崩れてしまいたいのを
堪えて、必死で言葉を発する。
「すまない・・・!!ウォルターすまない!!私はなんと言う愚か者だ!!
 お前は私が背負うべきものまで肩代わりするかの様な日々を送っていたのか!
 何の文句も言わず・・・・!!そんなお前を見て、私は、『健やかに子供
 らしく過ごしておるな』と、能天気に考えていたのだ・・・!」
「・・・俺さ、ここでの暮らしが楽しい事は確かだよ?俺は確かに
 死神ウォルター だよ。でも、俺はここに来るまでは 只、それだけ
 だったんだよね。でも、ここでの暮らしで、それだけじゃ無くなった。
 ここにいるとな、『吸血鬼にも色んな奴がいるもんだ。俺の他にも
 変わった奴がいるもんだ。』と思える様になるんだよ。視野が広がるっつーのかな。
 おかげで色んな考え方が出来る様になったよ?おかげで、俺にも友達が
 出来たんだぜ!?只の死神だった俺に友達がだ!・・・こんな生活を
 遅れたのは間違いなくお前のおかげだし、感謝の嵐だよ。
 お前の目論見通り、俺は健やかに育ってるぜ?背負わせたとか、そんな事
 言ってお前は自分を責めてるがよ・・・俺は別にOKよ?お前の業を少し
 ばかり肩代わり出来るくらいの事は、俺もお前にしてやれるのか・・・。
 うんうん、それも別に悪くないよ。」
ウォルターがそんな事を言うと、少女アーカードはより一層沢山の涙を流す
「お前は、私をそこまで想って・・・私に何も見返りを求めず・・・!」
「・・・お前はそれだけの想いを注ぎ込むに値する女の子だよ。」
「!!!・・・私に、何かして欲しい事を言ってくれ!ウォルター!!
 頼む!頼むから、私に何かして欲しい事を、言ってくれ!!!」
「・・・・・・だったら少しだけ、言っても良いかな・・・?」


97:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 12:40:04 sz0zpgb70
「言ってくれ!こんな私に出来る事なら、何でも・・・!!」
「お前がこれから先も、俺にあいつの面影を重ねるのなら、それならそれで
 かまわないとすら俺は思っているんだ。俺はあいつに負けたくはない。でも、
 それは俺とあいつとの勝負においての話だな。あいつは元、お前の相棒で
 俺の先輩だから、お前があいつの面影を俺に重ねるのもしょうがないし、こういう
 事は・・・多分、俺が一生かかっても敵うかどうか分からねえ。それでも、
 俺は前に進むよ。あいつに挑みたいんだ。・・・正直、風車に挑むドンキホーテの
 気分だぜ。・・・・お前はよ、そんな大馬鹿な『俺』をよ、時々でいいから、そう、
 ほんの時々でいいから、こんな『俺』をよ、あいつの影を重ねる事無く見てくれたら
 ・・・・・・そんだけで俺は万々歳かなあ。」
少女アーカードは、その言葉の次にはウォルターを抱きすくめていた。
膝枕をしながらなものだから、思い切り背を丸めて、ウォルターの頭を抱えている
かの様な形である。
「うわああああああああああああああああああああああ!!!
 ああああああああああああああああああああああああ!!!
 ああああああああああああああああああああああああ!!!」
少女アーカードは泣いた。おそらく、長い長い間生きてきた内で、初めて
と言って良いほどの号泣である。
『私は何と言う覚悟この子にさせていたのだ!!こんな素晴らしい子が
 側にいながら私は何と不甲斐ないのだ!!今まで私はこの子を見て
 やらなかったと言うのか!!・・・・・・何が相棒だ!!年長風を
 ふかせて、私はこの子に寄りかかっていた様なものじゃないか!!
 私自身の業を私自身で拭おうともせず!!』
泣きじゃくる少女の声を聞きながら、ウォルターは想った。
『ケラケラと鈴の鳴る様なこいつの笑い声をききたかったのに・・・。
 泣かせてどうすんだよ俺・・・。未熟!まだまだ俺は未熟!!』

暫く後、泣き腫らした少女アーカードはスッと背中を上げた。
『泣き止んだかな・・・?』ウォルターは少女アーカードの顔を見て、思わず
はっとして跳ね起きた。少女アーカードの表情が一変しているのである。
地獄の王の如く力強い揺るがぬ瞳、長い生の内に味わってきた苦汁
なぞものともせずと言った不敵な笑み。
ウォルターは、深紅のコートをはためかすもう1人のアーカードを思い出した。
『あいつと・・・同じだ・・・!』
少女アーカードは、驚いた表情を浮かべるウォルターに向かって、クスリと笑い、こう言った。
「・・・今まで済まなかったなウォルター・・・。もう、お前に
 私の業を背負わせる様な不甲斐ないマネはせん。そして、しっかりと
 お前を、お前だけを見続けよう・・・。」
ウォルターは、覇気すら感じる言葉にゴクリと唾を飲みながら、
「・・・・お前、そういやあ、そんな表情も出来たんだなあ。」
と言った。少女アーカードはそんな事を言うウォルターに
「強いお前の相棒となるのだ・・・。クククク、お前の言葉の
 一つ一つが、糞の役にも立たない私の心のわだかまりを剥がしてくれた・・・。」
少女アーカードは手をつき、膝を折り、臣下の礼の姿をとる。
「なっ!!? ちょ、ちょっと、俺はお前の主じゃないんだから・・・!!」
驚愕の声をあげるウォルターに少女アーカードは言う。
「これは、今までのお前に対する仕打ちの詫び!そして誓いだ!!
 私は吸血鬼アーカード!!!これより揺るがぬ鋼の心をもって、お前と
 歩む!お前こそ私の膨大な過去を打ち崩す、私と共に歩む未来だ!!!」

とりあえずここまで

 



98:予告
08/04/11 13:31:21 xTinVaUZ0
黒執事「アーカード!! 勝負だ!!」
ロリカード「ふん、誰かと思えば私の過去の残骸か・・・。」
黒執事「(・・・・!?何だ、いつものアーカードではない・・・!
     何かが違う・・・・!!)。」
ロリカード「私はもはやお前と遊んでやる気も更々無くなっている・・・。
     そんな下らんお前でも私の『愛しい子』の獲物になるのだ。
     この場で塵芥にしたやっても良いのだが、あの子の為に命は助けてやろうかね。
     あの子の目標が無くなるからな。もっとも、お前は既に戦わずしてあの子に負けている。
     お前は勝てんよ。私はおろか、あの子にも・・・!」
黒執事「・・・・・・・・・!!?」


アーカード「次回も楽しんでいただけたら幸いだ。」


99:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 14:38:21 sPtibMub0
御見事に御座りまする

100:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 19:04:26 esgUnCEM0
男前すぐるぞショタウォルターww

101:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 20:08:08 ptoBBnt+0
生粋の戦士と言うことでワムウと大尉の絡みを思いついた
でも、おもろくないし、オチもないからやめた

多分、互角じゃないかと思うんだ
超身体能力の大尉と、生れながらの天才ワムウで

102:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 20:35:39 GuYw8Juk0
月面町の男前達

承太郎(ザ・硬波) ジョセフ(軟派っぽいけどキメるときはキメるぜ)
ジョナサン(元祖『紳士』)若ウォル(美少年。最近バトルSSで頑張っていますね)
黒ウォル(屁タレだろうがなんだろうがカッコイイんだってば)
インテグラ(ロリの方じゃなく。・・・男前っしょ?)
長谷川虎蔵(不良天狗。確かこの人も月面町の一員。個人的に好き。男前だと思う。)
ベル隊長(真人間で男前一号。)ペンウッド(真人間で男前2号。漢とは顔の出来に関係ない!)
アーサー(江戸っ子ジョンブル)ネギ(かわいい系だけど。頑張り屋だし。)
ヒロ(かわいい系。姫に対する忠誠ぶりは◎)
月音(こいつがハーレム築いていても見ててムカつかない。いい奴。)
横島(こいつはすげえ格好良いと思います。俺は男前だと思うよ。)
赤バラ(ザ・愛に生き、尽くす男)アーカード(不死族の王道を歩く男。)
DIO(無駄無駄ァ!!!)
ヴァニラアイス(ファッションセンスとかは知らん。こいつの忠誠心は本物)
ポルナレフ(格好よい三枚目。)花京院(さくらんぼ大好きなお茶目さん)
アブドゥル(うん、やっぱり漢は顔じゃないよね)

漫画だと普通に飄々とした良い奴なんだが・・・
志貴(変態)

お前、漫画でもアレじゃん
太臓(モテたいんなら自分を磨こうぜ?)

漫画?そんなもんありませんよ?
惣太(いや、ゲームはハマッたクチですよ俺は。)

え・・・?約一名女性が混じってる?
気のせいでしょww


103:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 20:40:52 GuYw8Juk0
あ、大尉も男前なのに一覧表に入れるの忘れた
シュレもかわいい系のキャラなのに…。

104:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 20:48:59 TrXe3pi80
アンデルセンを入れ忘れるとは何事かあああああ!
言ってる事はマジおっかねえカルトだけど、何であんなに格好良いんだ・・・。


105:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 20:52:56 Zfbg2gJxO
町内一の策士は間違いなくジョセフ。赤バラとかでも引っかけそう

106:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 21:13:47 DypZjAKAO
>>105
騙されても普通に笑ってすます赤バラと青くなる周囲の人たちですね

107:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 21:36:17 usU5rnUi0
大尉(寡黙な生粋の戦士だが、同時に生粋のペド野郎)
シュレ(可愛すぎてイックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!)

108:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 22:17:54 X6hzZ04sO
ワムウは強いが速さが足りない
吸収が決まれば勝ち目ありってとこだと思う

そういやヴァニラって吸血鬼でいいのかね
あっちでもこっちでもそう言う扱いだけど

ゾンビに近いんじゃない?

109:名無しかわいいよ名無し
08/04/11 23:08:06 UPH2MYJd0
ポルナレフさんが「吸血鬼になりかかってるな」
みたいな台詞言ってなかったっけ?
記憶違いならスマンけど

110:名無しかわいいよ名無し
08/04/12 03:26:31 ssyyDhOh0


111:名無しかわいいよ名無し
08/04/12 07:18:55 MEhCpPS40
真面目にやらねば、死より恐ろしい目に合う。
そうまことしやかに囁かれる世界史の授業でさえ、シュレディンガーは上の空だった。
青年の姿をとったアーカードから殺意さえこもった視線を一身に受けているが、
シュレディンガーは暇潰しに製造した消しゴムのカスを丸めて投げるなどして、全く気にする様子はない。

「シュレディンガー」

ついに言うのか!?と、教室全体が息を飲んで見守る中、シュレディンガーはなおも心ここに有らずといった様子で

「なぁに?」

と返す。
瞬間、空気が凍りついた。
アーカードが、笑ったのだ。
微笑むといった穏やかなそれとは、まるで対極の地獄のような笑み。
とどのつまり、目が笑っていない。
不良、という言葉をこの上なくわかりやすく体現している挙太郎でさえ、その様子にびっしょりと冷や汗をかいている。

「そんなに私の授業はつまらんか。教科書すら出さないとは随分挑発的だな」
「……ごめんなさい。ボーっとしてました」
「昼休み、職員室に来い」

そう言うと、アーカードは授業終了のチャイムまで十分以上残っているにも関わらず、気分を害したといった面持ちで教室から去っていく。
その後もシュレディンガーは哀れみのこもった視線を受けつつ、頬杖をついてボンヤリと虚空を眺めていた。



「おい、大丈夫だったのかよ?」
「うん、ワケを話たらアッサリ許してくれたよ」

昼休み、職員室から五分もたたずに帰ってきたシュレディンガーに、ウォルターは驚いた様子で声をかけた。

「ふぅん、なんか悩みでも……って、お前今日弁当おかしくね?」
「うん。今日はドクが作ったんだ」

少し寂しそうに語るシュレディンガーを見て、ウォルターは原因を察した。

「もう一人の俺のことか?」
「うん」

本来ウォルターは、シュレディンガーとはそれほど親しくない。
故に話しかけた理由も単なる興味本位だったのだが、もう一人の自分が関わっていると知るや否や目の色が変わった。

「話せよ」
「起きないんだ」

ウォルターは言わんとしていることが理解出来ず、首を傾げる。

「起きないって……何がよ?」
「執事さんがね、起きないんだ。僕は執事さんと遊びたいのに」

112:名無しかわいいよ名無し
08/04/12 07:25:49 MEhCpPS40
あ、ちなみに>>88の続きでしゅ

起きない?あの死神が?
まさか夜更かししたからなどという落ちはないだろう、シュレディンガーの様子に並々ならぬものを感じたウォルターは、さらに問い詰める。

「どういうことだよ?」
「アーカード先生から聞いてないの?」

シュレディンガーが少々苛立たしげに返す。
このタイミングでアーカードの名が出るということは、おそらく少女の姿をとったそれを指しているのだろう。
確かに今朝は様子がおかしかった。
しかし、アーカードの話しかけないでくれといった雰囲気に、追及することははばかられたのだ。

「いや……聞いてねぇな」
「昨日ね、執事さんと先生、戦ったんだ」
「な……一昨日もやり合ったんだろ?ちっとばかしペースが早くねぇか?」
「そんなことはどうでもいいよ。とにかく、執事さんは昨日先生に負けてから目を覚まさないんだ。
……ドクは受けたダメージが執事さんのキャパを超えたから、って言ってた。よくわからないけど、つまりは致命傷なんだって」

ようやく意を得たウォルターは、なるほどと相槌を打つ。
アーカードの今朝の様子にも、それならば納得が行く。

「んだよ、心配して損したぜ。要するに駄目執事の自業自得だろ?アーカードも気にするこたぁ……」

瞬間、ウォルターは口を閉じた。
ウォルターの目の前に座する少年の瞳が、自分の発言に対する怒りに満ちていたからだ。
怖くはない。
仮に戦闘になったとしても負けるとは思えないし、自分の言ったことも間違っているとは思えない。
それでもウォルターがたじろいだのは、その表情がシュレディンガーのイメージとは、まるでかけ離れたものだったからに他ならない。

「執事さんを悪く言わないでよ。特に君が言うと腹が立つ」
「な……もういっぺん言ってみろ!!あんな奴、裏切り者の糞野郎じゃねぇか!!
その上相手の力量計りかねて返り討ちなんざ、自業自得以外の何物でもねぇだろ!!」
「二人のこと何も知らないくせに、わかったようなこと言うのやめてよ」
「あいつが裏切った理由くらい知ってらぁ!!だから余計に馬鹿だっつうんだよ!!」
「何ムキになってるの?君なんか、執事さんより全然弱いくせにさ」
「てンめ……」
「やめんか!!」

まさに一触即発といったところで、待ったがかかった。
この話の当人である少女、アーカードだ。

「二人とも、その辺にしておけ。良い晒し者じゃ」

周囲を見やると、二人には生徒達の好奇の視線が突き刺さっていた。

「ちっ……で、昼休みにわざわざ何の用さ、アーカード」
「なに、少しな。シュレディンガー」

シュレディンガーは声を掛けられると、こくりと頷き荷支度を始める。

「おいアーカード、こりゃなんの……」
「済まんウォルター。自分の愚かさは重々承知しているつもりじゃが……私はあの男のことを、放ってはおけん」

そのままアーカードは、シュレディンガーを伴って教室から去っていく。

「んだよ……」

取り残されたウォルターは、苛立たしげに呟いた。

113:名無しかわいいよ名無し
08/04/12 07:28:05 MEhCpPS40


「非常に危険な状態です。彼に施された人体改造は、少々急を要する状況だったため……その、不完全なものです。
故に、吸血鬼のあらゆる特殊能力を持たず、吸血を行っても、グールしか生み出せません。腕力などに至っては……」
「能書きはいい。どう危険なのだ」
「はっ、はい……あなたも知っての通り、彼は自分の再生力を超えたダメージを受けると若返ります。
これは受けた傷に対し、彼の体が無理矢理にそれを修復しようとすることで起きる症状です。
傷を修復するに足りない栄養素を、自らを分解することで補うんですね。故にその結果、もとの姿を維持出来ず……」
「若返ると」
「はい。しかしそれには限度がございまして、再生力を超えた傷を受け続けると、彼の体はそれに対応しきることが出来ません。
今回はその限度を超えて傷を受けすぎたのが原因でしょう」

ミレニアム本部。
その医療室に通されたアーカードは、ドクと呼ばれる男にウォルターの容態の説明を受けていた。
全身に様々な器具を取り付けられベッドに寝かせられたウォルターを見て、アーカードが疑問を投げかける。

「姿は全盛のそれに戻っているようじゃが……見たところ傷も回復している」
「はい、こちらの器具で栄養を補充し続け、その他様々な施術を施すことで外傷は完治しています。
しかし問題は脳髄ですね。先ほども申し上げましたように、再生力を超えた傷を受け続けると、彼の体はそれに対応しきることが出来ません。
しかしそれは傷の修復をやめてしまう、と言うことではありません。これ以上体をすり潰すのは危険と言いましても、修復を怠っては当然死んでしまうわけですので。
ならば他から栄養を持ってくるしかありませんね。しかしすでに全身をすり潰してしまった以上、残る最後の栄養配給源は、それまで死守してきた脳髄、ということになります」
「だから意識が戻らんのか……」
「はい、脳の構造は非常に複雑かつデリケートなものでして、こればかりはなんとも……月並みですが、彼の精神力次第ですな」
「もう手は尽くしたというわけか……済まんな」
「いえいえ、彼は私にとっても貴重な研究対象ですので。
どうして人の身でここまで鍛えられたんだろう。もともと筋繊維が人のそれとは違うのか、それとも訓練法が……」

あくまで利己的な理由でウォルターを生かそうとする男に、アーカードは眉をひそめる。
それでも彼のお陰でウォルターが助かったのは事実だろう。
彼がウォルターの体を知り尽くしている以上、ことウォルターに関して彼以上のドクターは存在しない。

「もう分かった。……二人にさせてくれ」
「はい、何か彼に変化がございましたら、そちらの内線を取ってください。私に繋がりますので」
「ああ」

ドクが病室から出ると、アーカードはベッドの脇に置かれた椅子に腰をかける。

114:名無しかわいいよ名無し
08/04/12 07:32:01 MEhCpPS40
「お前をここまで壊した張本人が見舞いに来るというのも、おかしな話だな……」

意識の無い男に、アーカードはぽつりぽつりと呟きかける。

「許してくれとは言わん……お前をこんなにしたのは、私だ」

それは果たして、昏睡の理由を言っているのか。
それとも――。

「お前は馬鹿だ、ウォルター。何故……何故私なんかのためにそこまでする必要がある……?お前は……お前は純粋過ぎる……!!」

呟きは次第に、悲痛な叫びへと姿を変えていく。
ウォルターの顔を、アーカードの涙が濡らした。

「止めてやることが、出来なかった……お前に甘えるばかりで……本当のお前を知ろうともしなかった……!!
そのくせもう一人のお前にお前を投影して……今度こそはと躍起になって……お前との関係を延ばし延ばしにしてきた……餓鬼は私の方だ……!!」

不意に背後に気配を感じ、アーカードは気配の主に問いかける。

「……こんな時しか素直になれない私を笑うか?」
「ううん。それでも先生は、きっと誰より執事さんのことが好きだから」
「違う……!!違うんだよ……余裕なフリであしらって……それがウォルターにとってどんなことなのか知っていたのに!!
なのに……演技を続けた……。何百年も生きてきたくせに、こんなことばかり上手だ…………!!」

ストン、とシュレディンガーはベッドの脇に腰をかけた。
その細い指をウォルターの顔に伸ばして、ゆっくりとアーカードに話しかける。

「泣かないでよ先生。見て、執事さんの眉間。若くなっても、ここの皺だけは深いままだねぇ」

指はウォルターの、苦悩に満ちた眉間をなぞる。

「きっとこの皺はさ、どうしたら先生を笑顔に出来るかって悩んで悩んで……悩み尽くして、それで刻まれた皺なんだよ。だから、泣かないで」
「……確かに泣く資格なんて、ない。……私は、ひどい女だ」
「そんなこと……」
「ウォルターを見てほっとしたんだ……このまま眠っていてくれればもう戦わなくて済む、傷つけずに済むって…………
演技しないで、ウォルターと一緒にいられる……そんな資格ないのに、そう思ったんだ……!!今だって…………!!」

シュレディンガーは優しげに微笑む。
そんなに自分を責める必要はないんだよ、と。

「あのね、先生。その気持ちは、とっても大切なことなんだよ?先生はちゃんと自分のことを理解出来てるし、執事さんのことだってこんなに好きじゃない」

「…………!!」

「演技だって、きっと二人のために必要なことだったんだと思う。先生が合わせてあげなきゃ、この人は本当に壊れちゃうよ」

この少年は、どうしてこんなにも人に優しいのだろう。
――どこにでもいて、どこにもいない。
きっと彼は、誰よりも見てきたのだろう、知っているのだろう。
人の醜さ、心の闇。
そして人の素敵なところも。
それら全部をひっくるめて、彼は人が好きなのだ。
だから彼は、誰よりも優しい。

「……教え子に諭されるとは、いよいよ目も当てられんな。フフッ……ありがとう、シュレディンガー」
「ん、どういたしまして♪やっぱり女の子は笑った方が可愛いねぇ」


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