吸血鬼キャラ総合スレ Part3at CCHARA
吸血鬼キャラ総合スレ Part3 - 暇つぶし2ch640:名無しかわいいよ名無し
08/03/26 16:44:16 NkuoBs+G0
月面町夜話 その5

怪物達を担いだ大蝙蝠の群れが空を行く。和尚が声を張り上げ、皆に呼びかける。
「そろそろ着くぞ皆の衆。ご老体のあの形は高い空の上からでもよう分かる。
 いや、空の上から見ているからこそ良く分かると言うべきじゃな。
 あんな形の木は他に無いでのう。大木の生い茂るこの森の中でもあの成りは目立つわい。」

その木は、確かに奇怪な形をしていた。幹は南洋の大木を思い起こさせる形をしている。
しかし枝は人が編み込んだかの様な綺麗な球体の形を成して生い茂り、人が数人入れる巨大な籠
の如き様相である。幹に梯子でもかければ人が住める形で生えている。一番しっくり来る表現は
『巨大な鳥の巣の様な形』とでも言えばいいだろうか。
この木こそが、ご老体こと妖怪樹である。妖怪樹は、空の方から聞こえてくる
蝙蝠の羽ばたきの音に反応したのか、閉じていた目を開いた。この木には動物と同じ形の目が一つ
鳥の巣状に生えている枝の真ん中に存在している。そして、動物にもはっきりと聞こえる声でこう呟いた。
「客人か・・・?」

妖怪樹の目前に、掴まっていた大蝙蝠から手を話し7人の影が降りてくる。
そして、蝙蝠の群れが地上に降り、集まって人の形を成したので、計8人。
妖怪樹は、蝙蝠が集合して形を成した少女を見ると、知った顔なので声をかけた。
「アーカードか。わしになんぞ用か?老体を労わりにでも来たか?
 血の差し入れなら先週来てくれたばかりじゃろうに。・・・ん?和尚と
 その弟子の小僧っ子もいるのか、はは、糸使いの小僧もいるな。
 ・・・見慣れん顔もいるのう。」
アーカードは帽子を取って挨拶をした。
「元気そうで何より。今夜は世間話をしにきた訳でも血の差し入れをしに
 来たわけでもありません。ご老体に聞きたい事がありましてな。そして、
 月面町に越して来たこの4人が挨拶がてら話をしたいらしいので一緒に来たのです。
 血の差し入れはまた今度。今日は生憎持ってきていないので。」
 「ふむ、根を生やしていると新鮮な血を飲みに町へ繰り出すという訳にも
  いかんからのう。この山の吸血蝙蝠達が山の獣の血を運んで来てくれるが・・・。
  血液パックが家に沢山あるお主が羨ましいのう。正直、人の血の差し入れは嬉しい。
  町では血液パックがコンビ二とやらでも売っているらしいではないか。
  この根を足に変えられたら行ってみたいぞ・・・・・。
  さて、まず、そこの4人。名は何と言う?見たところ沢山の蝙蝠を部下にしておる
  みたいじゃが、羨ましいかぎりぞ。血の補給に便利じゃからのう。」

声をかけられた新入り達は挨拶をする。
「どうも始めまして。ぼくはピーと申します。南方からきました。」
「わたくしはモンロー。ピーの妻です。」
「わたしはエリート。フランスから越してきました。あの蝙蝠はわたしの部下です。」
「あ、わたしはねずみ男。エリート先生の秘書であります。」
全員うやうやしく頭を下げたが、ねずみ男はこう思っていた。
『妖怪樹ってのはあの小笠原に生えていたヤツと同種かよ!アレ一本だけかと思っていた!
 小笠原のヤツは鬼太郎に燃やされちまったが、こんな所であのババア
 の御同族にお目にかかるとはねえ。俺が鬼太郎と一緒に南方吸血妖怪とやり合った
 事があるのが風の噂でこのババアの耳にも届いてなきゃいいがな。妖怪世界の
 ネットワークは割りとバカに出来ねえからなあ・・・。
 こいつからしたら俺は御同族の仇って事になるだろうし・・・。
 ピーとエリートにも鬼太郎とつるんだ小笠原の件はばれてねえんだ。
 ばれたら何かエライ目に合わされるだろうし、ここまで鬼太郎の噂が
 流れてきてませんように・・・。』

それぞれが自己紹介を終えたところで妖怪樹はこう言った
「ふむ・・・それで、用件とはなんじゃ?」

取り合えずここまで



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